二泊三日の大キレットを諦めて-大喰岳・中岳・南岳・蝶ヶ岳-(新穂高温泉→上高地)
- GPS
- 20:53
- 距離
- 49.7km
- 登り
- 3,565m
- 下り
- 3,165m
コースタイム
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 7:32
- 山行
- 8:36
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 10:22
- 山行
- 3:32
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 4:09
天候 | 1日目:晴れのち曇り 2日目:小雨・風あり→晴れ→曇り 3日目:晴れのち曇り 三日間通して風あり。常念山脈は比較的天気がいい一方で、槍穂稜線は雲がかっていることが多かった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
【行き】 22:30毎日新聞東京本社前→6:00過ぎ新穂高温泉駅 【帰り】 15:00上高地バスターミナル→新宿駅西口・東京駅丸の内北口 |
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高温泉駅:ロープウェイ運休中のため、施設利用不可。お手洗いは少し下って新穂高センターへ。 新穂高温泉駅→白出沢出合:林道歩き。穂高平小屋へは短絡路あり。 白出沢出合→槍平小屋:比較的緩やかで狭い登山道。涸れた沢の通過が複数ある。滝谷は基本的に水流があり、天候によっては通過が難しくなる。 槍平小屋→槍ヶ岳山荘:傾斜が急になっていく。 槍ヶ岳山荘→南岳小屋:稜線歩き。大喰岳、中岳、南岳と上り下りを繰り返す。岩を掴みながら慎重に歩きたい区間もある。 南岳稜線・天狗原分岐→槍沢・天狗原分岐:岩場の急降下。鎖やハシゴ、大きめの岩が続く。水平な雪渓区間があった。天気がよければ天狗池で槍ヶ岳のリフレクションが見えるらしい。 槍沢・天狗池分岐→槍沢ロッヂ:槍ヶ岳の登山道と合流し、梓川沿いに下っていく。途中にババ平テント場がある。 槍沢ロッヂ→横尾:梓川沿いに下る。今年の豪雨被害での登山道崩落を受けて木道で復旧がなされている。おかげさまで快適に通行できました。 横尾→徳沢:梓川沿いに上高地バスターミナルまで続く広い道になる。一貫して左岸の通行となった。 徳沢→蝶ヶ岳:急登あり、ほぼ水平道ありで長い長塀尾根。標高差は約1100m、水平距離は約6kmというのに長く感じた。途中に時々現れる丸太くらいしか休憩場所が無い。ぬかるみも多い。森林限界を抜けると山頂や蝶ヶ岳ヒュッテも近い。 蝶ヶ岳→蝶槍・横尾分岐:槍穂高連峰の展望台ともいわれる眺望抜群の稜線。常念岳や御嶽山・乗鞍岳、安曇野市街地や八ヶ岳・富士山・南アルプス方面もよく見える。 蝶槍・横尾分岐→横尾:降り始めてすぐに樹林帯に入る。急傾斜だが素直に標高が下がっていく。途中にベンチや眺望ポイントがある点もありがたく、いち早く梓川沿いに出られる点もいい。 徳沢→明神館:梓川沿いの遊歩道。クマに関する注意喚起が多い。 明神館→河童橋:豪雨被害により左岸を通行できないため、明神橋を渡って右岸を進む。歩いて楽しいのは右岸だが、左岸と比べて距離が長く道幅も狭い。さらに登山者以外の観光客も多く、通行人が増える区間なので、先を急ぎにくい。左岸通行時よりかなり時間の余裕を見た方がいい。 水場:槍平小屋、槍沢ロッヂ、横尾、徳沢、河童橋、上高地バスターミナル ※有料で槍ヶ岳山荘、南岳小屋、蝶ヶ岳ヒュッテ等も利用可。 |
その他周辺情報 | 上高地温泉ホテル:12:30-15:00まで日帰り入浴可/1000円 |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
化繊インサレーション
雨具上下
折りたたみ傘
サンバイザー
ヘッドバンド
着替え
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
コンロ
固形燃料
コッヘル
ライター
ヘッドランプ
予備電池
保険証
携帯
時計
サングラス
セームタオル
テント
テントマット
シェラフ
シュラフカバー
ヘルメット
|
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備考 | ベースウェイト約7kg/最大重量12-13kg程度 トレッキングポールを省いたのは失敗だったか。 |
感想
新穂高温泉から2泊3日で大キレット・北穂高岳→涸沢岳・ジャンダルムを通過して上高地まで行く計画を立てるも、天候不良を理由に断念した記録です。
【当初の計画】
1日目:新穂高→槍ヶ岳山荘→南岳小屋(計画通り進む)
2日目:南岳小屋→北穂高岳→涸沢岳→穂高岳山荘(出発時から断念)
3日目:穂高岳山荘→奥穂高岳→ジャンダルム→西穂高岳→上高地
(代替ルート)天狗原または涸沢から上高地へ下山
※ただし1日目時点の天気予報では、2日目午後・3日目午後は荒天のため、午前終了が必須。
また、帰りも毎日あるぺん号利用のため、早く切り上げたとしてもバスの乗車日時は変更できない。
【実際の行程と感想】
<1日目>
仕事も休みを取り、意気込んで迎えた今回。
目指すは大キレット、余力があればジャンダルムです。
目標に集中するべく渋滞の槍ヶ岳登頂も省略したものの、南岳小屋に着いたのは14時過ぎで、体力的にもそれなりに疲れました。
高速バスであまり眠れなかったのが祟ったのか、荷物を減らしてトレッキングポールを置いてきたのがよくなかったのか。
ここまではスタート地点までの移動で、本番は翌日です。それも午後は動けないだろうし、午前が勝負です。
早めに寝て体力回復を狙います。
<2日目>
朝3時くらいに起きると、外は風と霧雨です。
朝食にしてテントを畳んで様子を見ても状況は変わらず。
少しだけ外を歩いて様子を見ても、少なくとも影響無くはなさそうだし、午後の荒天予報を考えると時間をあまり後ろにずらすこともできない。
大キレットはかなり整備されて歩きやすくなっているとは聞くものの、そうは言っても雨天・風ありで突撃するのは無謀に思える。
そして仮に踏破できたとしても視界が悪すぎて実感も薄そう。
…ようやくスタート地点に立ったところで残念ですが、今回も諦めることにしました。昨年10月初旬に続いて2回目の断念です。
横尾に向かって降り始めます。
南岳から降りる道も通ったことはないし、これはこれで新鮮です。
天狗原・天狗池付近の景色も雄大でよかったし、槍沢・天狗原分岐付近のチングルマの群生も綺麗でした。
そして常念山脈方面は時折太陽が見えて、横尾や徳沢では晴れ間がはっきり見えることもありました。
槍穂の稜線は天候が悪くても、常念山脈は比較的穏やかなようです。
バスの日時は変えられないし、ゆったり徳沢泊まりでもいいけれど、せっかくなら常念山脈の稜線でテントを張ろうと思い、長塀尾根を登ることにしました。
距離と標高差なら丹沢・塔ノ岳の大倉尾根と大差は無いのに、ずっとキツく遠い気がする。
まともな休憩場所や眺望ポイントが無いからかもしれませんが、なかなかしんどいです。
山頂に着いてテントを設営する頃には小雨が降り始めてしまいましたが、明日の朝の天気に期待してこの日も終わりです。
<3日目>
3時くらいの時点で外は晴れ。月も明るかったが、星空も綺麗に見えている。
そして夜明けも雲だらけではあるものの太陽ははっきり確認できる。
槍穂高連峰も雲を被っているが、天高く聳える姿はよくわかる。
向きを変えれば常念山脈に浅間山、安曇野市街地、八ヶ岳、富士山、南アルプス、御嶽山、乗鞍岳、焼岳と360°景色を楽しめる。
朝も7時を過ぎると雲も晴れ、槍穂高連峰の展望台をしっかり満喫できるようになりました。
今日は上高地への下山だけなので、のんびりテントを撤収します。おかげでレインフライ表面の結露もだいたい乾いて楽です。
あまりに景色がいいし、そのまま長塀尾根を降るのも勿体無いのでヒュッテを常念岳方面にちょっとだけ進みます。
ハイマツに囲まれた稜線は北アルプスらしく、気分は爽快です。
下山は歩いたことの無い横尾方面へ。
急登とは聞いていたものの、これくらいの傾斜は長塀尾根にもあるし、素直に標高が落ちていく点は安心感があります。
休憩用のベンチや眺望ポイントがある点もいいです。
単純に上高地方面との移動時間で考えるなら長塀尾根が短いですが、いち早く梓川沿いに出られる点や道の途中を考えるなら、横尾方面がずっと歩きやすいと思いました。
そして、明神館から先は豪雨被害の影響で通行止め。
明神橋を渡り、普段は歩くことのない梓川右岸を河童橋まで進みます。
のんびり散歩を楽しむなら右岸の方が景色の変化もあって楽しいです。
問題は道の狭さと距離の長さで、余裕が必要ではあります。
<総合的に>
目標の区間を歩けなかったものの、槍穂高連峰の展望台に救われた三日間となりました。
代替ルートが多く、しかも天気が異なるとなると上高地周辺は歩きやすいと実感しました。
登山届の取り下げ・提出もコンパスの便利さがよくわかります。
装備も無駄は無かった気がします。
唯一、今回のメインは岩場と決めてトレッキングポール無しで挑みましたが、結果的には邪魔になるような区間はごく僅かで、槍平小屋からの上りや長塀尾根はキツくなってしまった感があります。
もし天候に恵まれて計画通りに歩けたとして、トレッキングポールはあった方がよかったかどうか。
おそらく次回は槍平小屋から南岳小屋まで直登することになると思いますが、なかなか悩ましいです。
※2024年9月26日-28日に歩き通すことができました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7282849.html
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