記録ID: 7130073
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
鳥海山
東北/鳥海山(鉾立→千蛇谷→山頂→外輪山→大平)
2024年08月09日(金) ~
2024年08月10日(土)
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 14:01
- 距離
- 18.2km
- 登り
- 1,355m
- 下り
- 1,506m
コースタイム
1日目
- 山行
- 4:06
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 5:56
距離 7.2km
登り 1,133m
下り 130m
2日目
- 山行
- 5:22
- 休憩
- 2:33
- 合計
- 7:55
距離 11.0km
登り 222m
下り 1,377m
11:57
12:27
11分
長坂道T字分岐
13:35
13:39
16分
(S.R.)
14:27
大平山荘
天候 | 晴れときどきガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
それぞれの県で、アプローチ用のバスを用意している。秋田県では、象潟駅からブルーライナーが運行されている。6〜9月の毎日と10月上旬は土日のみの運行。山形県では、酒田駅・遊佐駅から乗合タクシーが運行されている。ただし、夏休み期間中のみの運行である。秋田新幹線や秋田空港からアプローチする人は、象潟からブルーライナーを利用し、庄内空港からアプローチする人、新潟からアプローチする人、もしくは山形新幹線の新庄から陸羽西線(現在は代行バス)でアプローチする人は、酒田・遊佐から乗合タクシーを利用するイメージであろう。 頂上御室小屋で会話した登山者も、象潟や酒田などで前泊しているか、鉾立登山口で車中泊をしている人がほとんどだった。 なお、乗合タクシーの運転士の話では、先日の豪雨災害で影響を受けている登山口もあるようだった。鉾立や大平はなんの問題もないが、鳥海山の南側では、土砂崩れでう回路を使ってアクセスしているところや、土砂が乾いて砂ぼこり、土ほこりがひどいところがあるような話だった。 鳥海山ブルーライナー(にかほ市観光協会) https://www.nikaho-kanko.jp/blueliner.html 鳥海山乗合タクシー(遊佐鳥海観光協会) https://www.yuzachokai.jp/spot/taxy/ 鳥海山各登山口までの交通手段 http://www.chokaizan.com/route/acc.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
鉾立登山口からのルートが一番お勧めである。登山口から七五三掛(しめかけ)までが半分、その先は千蛇谷を登っても外輪山コースを登っても、どちらも大変。要所要所に指導標が出ており、ルートもよく整備されているため、迷うことはない。ただ、頂上小屋から新山まではルート不鮮明で注意が必要である。大平登山口のルートは笹が多く、藪漕ぎになる。 〔目次〕 1.鉾立登山口〜御浜小屋 2.御浜小屋〜七五三掛 3.七五三掛(千蛇谷)頂上小屋 4.新山周回 5.頂上小屋〜七高山(外輪山)七五三掛 6.御田ケ原分岐(鳥海湖)長坂道T字分岐 7.長坂道T字分岐〜大平山荘 1.鉾立登山口〜御浜小屋 鉾立にはビジターセンターがあり、トイレもある。駐車場もかなり広いが、トップシーズンのため朝来ると満車になっているようである。鉾立登山口には、登山案内所という無人の小屋がある。最新のルート状況がホワイトボードに書かれているほか、登山届/下山届が出せる。鉾立登山口はドコモ圏内である。 登り始めは舗装された階段を上がる感じである。最初から低木帯で、太陽を遮るものはほとんどなく、とにかく暑い。少し登ると展望台があり、観光客はここまで来るだけなのだろう。さらに先を進むと、森林限界を越えた普通の登山道になる。道は比較的広いところが多い。進行方向の左側で沢の音がしている。それと、かなりの数のオニヤンマが飛んでいた。昆虫界の最強の捕食者らしく、スズメバチすら逃げていくと言われ、イミテーションが虫除けとして注目されているが、その本物がたくさん飛んでいた。石を敷き詰めたところも多く、比較的登りやすい(歩きやすい)ルートである。 やがて傾斜のない、平らなところに出てくる。ここが賽の河原である。エアリアガイドでは「8月に入ると水が涸れる」と書かれていたが、水の気配すらなかった。その先また登りになり、道の脇にニッコウキスゲが咲いていた。見上げると、斜面にも多数咲いている。北アルプスだとニッコウキスゲは2、3輪咲いている程度のイメージで、こんなに群生しているとはと驚く。賽の河原を過ぎて、再び登りになる。どんどんと標高を上げていき、やがて建物の屋根が見えてくる。右から大平・河原宿より来るルートと合流して、御浜小屋に到着する。建物の間を通って反対側に出ると、眼下に鳥海湖が広がっている。 御浜小屋はドコモ圏内である。 2.御浜小屋〜七五三掛 御浜小屋から先は、4、5歩鳥海湖の方へ下って左へ進んでいく感じになる。尾根の少し湖側をトラバースする感じで進み、次第に扇子森という小高い丘を登っていく。ちょっと大きな岩もあるルートである。登りはそれほど長く続かず、御田ヶ原という指導標の立った頂上に着く。その先は、石畳のような整備されたルートを下っていく。まもなく、御田ヶ原分岐という指導標の地点に到着する。右からルートが合流するが、万助道コース、二ノ滝コースからのルートである。 御田ヶ原分岐を過ぎると、再び登りになる。八丁坂と名付けられた石畳を登っていく。ガスも晴れてきて、展望が利くが、暑い。丘の南側を回り込むようにして登っていくと、少し平らなところに出る。小さい柱に「七五三掛」(しめかけ)と書かれているので、七五三掛だと気づかない人もいるかもしれない。山頂側の指導標のあたりに、丸太1本が横たわってベンチ代わりになるが、それ以外のベンチはない。 七五三掛では、ドコモの電波は届かなかった。 3.七五三掛(千蛇谷)頂上小屋 七五三掛の地点から山頂方向を見ると、急な登りが続いていくことが分かる。ここから先はルートがあまりよくない。丸太で両脇をガードしたような細い道の登りで、ちょっと登りにくい。また、岩や石の登りもある。少し登ると、立派なベンチが2つ設置されている。さらに登っていくと、「ここは外輪山・千蛇谷分岐」と書かれた立派な柱の指導標がある。分岐自体に休めるような広いスペースはない。なお、分岐ではドコモの電波は届いていた。 分岐から千蛇谷へは急な下りになる。こちらもルート状態がよくなく、丸太で両脇をガードされた細い道で、しかもかなりの傾斜の下りになる。ジグザグと下っていき、一気に標高を下げる。下りきったあたりに「ここは千蛇谷」という柱の指導標があるが、ほぼ倒れて横になっている。すぐ先には、千蛇谷の上に雪渓が残っていた。雪渓を挟んで対岸までロープがかかっていて、これがルートであるという意味であろう。対岸にルートマークも見えるので、雪渓のトラバースになる。雪渓はわずかな傾斜で、軽アイゼンなどがなくても普通に通行できた。(雪渓を横切るということを認識していないと、ガスで対岸が見えないときなどはルートを見誤るかもしれない。) 雪渓を横切って、再び谷筋の登りになる。けっして急な傾斜の登りではないが、延々と登りが続いていく。沢筋といっても、雪はほぼ溶けていて沢の水はなく、暑い中をひたすら登っていくしかない。大きな岩が多いルートである。「δ詐紊悄廚箸いΑ丸番号の付いた小さな札が時おり立っている。 延々と登っていくと、次第に草や高山植物などがなくなって、岩だけのルートになっていく。「頂上へ」が最後の札だったと思う。最後は、岩場の斜面をじぐざぐと登っていくルートになる。石を積み直して歩きやすく整備されている。小屋の屋根は最後の最後まで見えない。屋根が見えたら、すぐに到着という感じである。 鳥居の手前の広場で、左側を見ると、新山のピークに登るルートが分岐している。指導標と白ペンキが付いていて、間違うことはない。鳥居をくぐると、右手に鳥海山美術館の建物があり、階段を少し登って右は小屋前広場、左へさらに階段を上がると頂上御室小屋の受付・売店である。 頂上御室小屋は、必ず電話での予約が必要である。若い登山者は日帰りするようなので、金曜泊ではそれほど混んでなかった。 小屋での水の補給は全くできず、500mlのペットボトルを500円で購入する以外に水の補給方法はない。食事は予約の段階では夕食の提供ができないと言われたが、ヘリが飛べば可能なので直前に再確認とのことだった。入山3日前に電話で夕食も提供可能を確認し、2食付きでお世話になった。水がないので、食事の際の味噌汁お替りはできず、お茶も小さなコップに1杯だけ、ごはんのお替りも原則不可で、夕食のときだけ特別にお替りさせてもらった。生ビールは1杯1000円、日本酒は紙コップ1杯で500円だった。 なお、コロナ禍以降は布団の提供がなく、シュラフ持参が必要である。板の上にござが敷いてあるだけなので、マットも必要。 頂上御室小屋では、小屋前広場まで出ればドコモの電波が来ていた。ガスが濃くなると電波状態が悪くなるようである。 4.新山周回 頂上御室小屋から新山の山頂までは、登り30分、下り20分とされているが、岩場に慣れた人なら、もっと時間は短縮できる。ほぼすべて岩登りであり、ストックは小屋に置いていくべきだった。頂上御室小屋の受付の向かいに、イラストでコースが説明されている。時計回りに、千蛇谷の下り口の分岐から登って、七高山に近い側から下ってくるのが良いとされている。 千蛇谷の下り口にある分岐から登り始めると、すぐに岩場になる。白ペンキが付いているが、所どころ薄くなっていて、分かりにくいところもある。落石しないように注意しながら急な傾斜を登っていき、登り詰めるといったん下りになる。岩山と岩山の間の細い隙間を、かなりの傾斜で下っていく。その先、再び登りになり、右へ旋回するようにして、新山の山頂に着く。 山頂はとても狭く、10人もいられないようなところである。電波状態の確認はしていない。 山頂から登って来た方面を見ると、すぐ下に「← →」という白ペンキがある。左は登って来た側で、右は下りに適した胎内くぐりのルートである。右へ降りていくと、一度下りきって登りになる。直進するというより、左へ登っていく感じである。登りきって再び下りになる。新山と七高山の間にある雪渓が眼下に見え、その方向へと下っていく。白ペンキに注意して雪渓の手前まで下ると、岩場が終わり、土道のコースになる。行く先には頂上御室小屋の建物が見えている。 小屋の手前で、七高山からのルートと合流し、小屋の宿泊用建物の脇に出る。小屋の建物と建物の間の細いところを抜けると、小屋の受付・売店のところに戻れる。 5.頂上小屋〜七高山(外輪山)七五三掛 頂上小屋から七高山方面へは、小屋の売店・受付の向かいにある宿泊棟の入口の脇(ちょっと狭い)を通り、トイレの方へ降りず、左へ曲がっていく。その先、少し登ると、新山山頂から胎内くぐりを経て降りてきた下山路との分岐になる。各方向は岩に白ペンキで書かれている。分岐を過ぎて少し下ると、雪渓の末端に着く。そこを過ぎると急斜面の登りになる。クサリも付いていたが、なくても登れる。下りはストックがない方が安全かもしれない。急登だが10分ほどで登りきると、平坦な分岐に着く。この分岐はドコモ圏内である。 分岐から七高山まで、ガイドでは10分となっていたが、ほぼ水平であり4〜5分あれば着く距離である。七高山の西側(小屋側)は崖だが、東側にはそれなりの広いスペースがある。山頂には石柱が多数あった。分岐に戻り、外輪山の方へと進む。分岐からすぐのところに、大清水(百宅口コース)の分岐がある。その先もしばらくは平坦なルートである。北側斜面(新山、小屋の側)は崖だが、反対側はなだらかになっている。高山植物も多数咲いている。 どこが行者岳なのか分からないまま、次第に下りが出てくる。普通の尾根ルートだが、たまにハシゴがかけられている。コースタイム的に30分ほど歩いたが、伏拝岳らしきものはない。小さな石仏があったので、ここらあたりだろうと休憩を取った。そのすぐ先に、滝ノ小屋方面(湯ノ台口コース)の分岐があり、分岐に「伏拝岳」と書かれていた。南側の先には、小さな池が二つある。おそらく鶴間池であろう。その右には滝ノ小屋と思われる建物が見えている。さらに右にいくと、万助小屋らしきものも見えた。雄大な展望である。 分岐を過ぎると、結構な傾斜の下りになる。登ってくる登山者は辛そうだ。行く先にちょっとした広いピークがあり、柱が立っているのが見える。そこまで行くと、文殊岳のピークであった。かなり広く、展望もよいので、休憩に適している。新山と、外輪山がきれいに見えるポイントである。 文殊岳を過ぎて、どんどんと高度を下げていく。岩場の下りもある。少し南西側を巻いて下るようになり、右旋回すると千蛇谷との分岐に着く。千蛇谷コースを登るのも辛かったが、外輪山を登るのも辛そうだ。分岐から下って七五三掛に戻った。 6.御田ケ原分岐(鳥海湖)長坂道T字分岐 七五三掛から御田ケ原分岐まで下り、直進すると御浜小屋のところを左に折れていく。道は扇子森の斜面をトラバースするように木道がつけられている。若干の登り下りはあるものの、ほぼ水平な移動である。30分とかからず鳥ノ海分岐に着く。万助コースや二ノ滝コースを登ってくる人もわずかにいた。単なる分岐でベンチはない。 分岐から鳥海湖は見えないが、1分ほど登れば見える。そのまま鳥海湖の南側をトラバースするように歩き、湖から離れて少し登り返しになる。ちょっと登るともう湖は見えなくなってしまう。行く先に柱が見えてきて、御浜小屋からのルートと合流する。合流地点から若干高度を落とした先に、長坂道T字分岐がある。分岐にベンチがひとつ、少し御浜小屋・鳥海湖寄りにベンチが2つある。このT字分岐では、ドコモの電波は届かなかった。 7.長坂道T字分岐〜大平山荘 長坂道T字分岐から少し登り返すと、すぐに河原宿の平原が見下ろせる感じになる。ゆるゆると下っていき、少し登り返すと御浜小屋からのルートと合流する。その先を少し進むと、河原宿と書かれた小さな柱がある。柱を過ぎてわずかに下ると、右にルートらしきものが分岐している。指導標はなかったが、鉾立登山口に下る点線の接続ルートと思われる。山中でこのルートを使うと言っていた人も複数いた。おそらくルートは明瞭なのだろうが、ガイドには「高山植物の宝庫、踏みつけぬように歩行すること」と書いてあり、高山植物帯のために、あまり歩いてほしくない、という意味の点線なのかもしれない。 河原宿を過ぎて、ゆるゆると登りになるが、すぐに登りは終わる。そして、そこから先は笹薮である。まずは普通の笹の平原が続く。少し進むと池塘があり、ここで右へ曲がって進むと、いよいよ笹の高さが出てきて、うっとうしい藪漕ぎになっていく。しばらくは高度も大して下がらないまま、ひたすら笹藪を進む。「みはらし台」という控えめな札を誰かがつけたのか、笹の中ではちょっとした広場でもうれしくなる。 さらに進むと、背の高い木々と笹がミックスした植生となり、下りも本格的になる。ガイドでは清水大神(涸れること多い)というポイントがあるとされていたが、どこにそんなポイントがあるのか分からず、下りは続いた。ルートは途中からコンクリートで平らに整備された道になっていたので、藪漕ぎで精神的には辛いが、思いのほか時間がかからずに高度を下げていくことができた。コンクリートの道の幅がだんだんと広くなり、下界の車の音も聞こえてくる。そして、最後の階段を10段ほど下って、鳥海山ブルーラインの道に着いた。この大平登山口にも小さな建物があり、登山届/下山届や、コース最新情報の提供などがされていた。 大平登山口から、車道を歩いて遊佐の方へ下っていくと、20分弱で大平山荘に着く。 |
その他周辺情報 | 大平山荘 090-2607-2326 http://www.chokai-yuza.com/odaira/ 本来ならここで入浴させてもらいたかったが、水不足で外来入浴の受付は中止になっていた。トイレは使わせてもらえた。 食堂営業は13時30分で終了していた。酒の販売もなく、冷たい飲料とアイスクリームを買って、バスの時間までを過ごした。受付の係員の方は親切に対応してくださり、好感を持てた。 大平山荘からは、ブルーライナーも乗合タクシーも利用できる。 大平山荘はドコモ圏内である。 頂上御室小屋で下山後の入浴場所を聞いていた人がいて、遊佐町のあぽん西浜を紹介されていた。車のある人なら利用可能である。 http://www.chokai-yuza.com/apon/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
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