剱岳北方稜線と素晴らしい周辺の紅葉


- GPS
- 32:00
- 距離
- 22.3km
- 登り
- 2,928m
- 下り
- 1,969m
コースタイム
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 8:50
天候 | 1日目 晴れ(稜線は霧) 2日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
無料駐車場もあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
池ノ平小屋から小窓雪渓までのトラバース道は一部断崖沿いの通過があります。 一応固定ロープありますが、頼らなくても通過できるレベルだと思います。 小窓のコルから小窓ノ王にかけては明瞭な踏跡と少しだけピンクテープがあります。 しかし、初めての方がガスにまかれると迷いやすいかもしれません。 小窓~小窓ノ王にかけての雪渓はすべてなくなってました。 (ピッケル・アイゼン不要) 池の谷ガリーはきわめて易しい登り(下り)ですが、落石を落とさないで歩く技術は必要です。そうでないと下方の方の迷惑になりますし事故につながります。 乗越しから頭までの岩場は登りならどこでもOKです。下りはチムニー状を下る? 一番危険なところは池ノ谷の頭の少し本峰よりの岩場のトラバースでした。 池ノ谷からでは2本目のスリングをつかんだ状態からの足場がなくて少し緊張します。本峰からの縦走の方が簡単? もう一つが長次郎の頭直下の下りです。5mほどのチムニー状の岩場にフィスクロープがあります。登りはフリーで大丈夫ですが、下りは微妙です。 剱岳からの下山は一般路なので問題なしでしょう。あとは体力勝負でした。 |
予約できる山小屋 |
剣山荘
|
写真
感想
今回の剱岳北方稜線は、当初ソロで考えてましたが、いろいろあって3人での山行となりました。
3人ともソロ主体で活動しているので今回初のコラボといういわば体当たり的な山行です。それが剱岳北方稜線であり、しかもそれを一泊で、というわけですから不安はありました。
1日目の出だしはお互い遠慮しながらのぎこちない歩きとなってしまいましたが、半日を経つとごく自然なかたちでの山行スタイルも見いだせてきます。登りのペースとかも読めてきますので、それぞれの個性を生かしつつのグループ山行としてのまとまりも出来上がりました。
私とIさんが50代でY君が30代。
野郎ばかりでの一泊山行なのが少々寂しくもあり、二股に下山してきたソロの女性に声をかけてひと時を楽しんだりします。驚いたのは、その女性、山登りするような見た目の雰囲気(若いのに山ガールっぽくなくて上品な感じ)ではないのに、池の平でテン泊して、さらに真砂沢ロッジでテント泊だという。こちらが北方稜線に・・・という話をすると「私も行きたかったんですよ・・」とか。
ちなみに、真砂沢ロッジはテン泊禁止だそうです。施設を閉めてしまったので、適当に二股とかでテン泊するように言われたとか。それは二股でテン泊していたカップルに聞いていたので、それをそっくり伝えて、「その横にテント張ればいいんじゃない」とアドバイスしておきました。
「ヤマレコ書いてます?」
「いいえ」
ああ・・・ヤマレコ通してお近づきに、という思惑は見事に散ってしまいました((+_+))
翌日、無事ハシゴ谷を越えて黒部ダムまで行けたでしょうか。
さらに、ちなみに、テン泊のカップルの人、翌々日から下の廊下の修復の仕事をする(丸太職人か?)そうです。その方曰く、「今年は一般開通できないかもしれない・・・」と話していました。もし止めても行く人はザイルと登攀具、アイスバイルにアイゼンもお忘れなく( ;∀;)
そんなことやってたので、池の平小屋に着いたのは16時40分になってました。
小屋は日曜だというのに混みあっていて(寝るスペースは十分だけど、くつろげるスペースがない、という意味です)、すでに夕食を食べている人もいました。
土曜日が空いていて日曜日が混むってどういうこと⁉
我々と同じ思惑だったのかな(土曜日は混むから日曜日にしよう)
小屋の雰囲気はとてもアットホームというか、小屋の人なんだかボランティアなんだか客なんだか、よくわからない人もいて、古き良き時代の山小屋の雰囲気がなくもない(オレ、そんなに昔の人間じゃないし)、まあ、こんなのもありかと。
風呂もあるし(混んでるから一人5分だけどね)。
そう、ちょうど小屋に着いた時、昔のお姉さんに、「こっち見ないでね~」って注意されちゃいました。五右衛門風呂入るとこだったのね(^^♪
女性捨ててないところが♡
結局我々は最後に富山県警山岳警備隊(若手)の方々と同じテーブルでの夕食となりました。面白いね、この小屋^^
その後は小屋番の仙人っぽい人も交えながら消灯の時間まで歓談しました。
翌朝、というか夜中から頭痛がひどくて、寝ても治らなかったのでロキソニンを飲んだら、今度は吐き気がして、一時はどうなるかと思いました。
ポットにお湯があったのでそれを2杯飲んで1時間くらいしたら少し落ち着いてきたので、とにかくとパンを食べてるうちに調子が戻ってきました。
「まくらかなあ~」
私は山での泊りはダメなんです。
とてもデリケートなんです(見た目とは裏腹にね(^^ゞ)
そんなわけで、同行者に迷惑をかけてしまそうなのを何とか回避できました。
ほぼ予定通り4時45分出発します。何としても最終トロリーバスの16時30分までに室堂に行かなくてはなりません。
まずは、ヘッデン頼りのトラバース道です。一部断崖の通過もあったりしましたが、核心部にさしかかる頃には夜も明けてきてやれやれです。その核心部もまあヤマレコにわざわざ核心部として載せてないことからそんな感じの通過だと考えていいでしょう。しかし、滑落の死亡事故例がいくつかあるので危険なトラバースだということは頭に入れておいてくださいね。
約1時間で小窓雪渓に立ちます。ガスにまかれるとこの炭鉱道の取付きが分からなくなるようです。一応イメージは頭の中に入れておきましたが次回はどうなるか・・・
もう次回はないかもしれないし・・・
小窓雪渓の傾斜は緩く、白馬大雪渓をノーアイゼンで登れる人なら下りでもノーアイゼンで問題なしいです。
小窓雪渓末端からは草付きをコル目指して登り、踏跡が見つかったら(コル直下で見つかると思います。)それを頼りに、あとはわずかに散見されるピンクテープを目指して登っていきます。時にはハイマツ帯を横切っていたりしますが、進んでみればヤブ漕ぎもなくちゃんとした道となっていることが分かります。
まずは小窓尾根の東側を巻くように登っていき、やがて小窓ノ王の基部目指してトラバースしていくようなルートとなります。2本の沢を横切りますが、今回はどちらも雪渓は消えていてガレ場の通過にすぎませんでした。
その最後の沢を通過して岩稜を巻くと小窓ノ王の大岩壁の基部にぶつかります。通称発射台と呼ばれる小窓ノ王のコルまでは100mほどのガリーのガレ場を登りました。我々はここをルートと信じて登りましたが、どう考えても非常に悪いガレ場の登りでした。これに比べたら池ノ谷ガリーなんて屁でもない感じです。
とまあ、書いている今でもこの部分がどうだったのか分かりません。
ネットで調べてもあまり書かれてませんので、何かいいルートがあるのでしょうね。
誰か教えてください。
で、小窓ノ王のコルからは発射台を下ります。そして、下ってからすぐに池ノ谷ガリーの登りとなります。
と、その前に下った地点すら標高で30mほど登ると三ノ窓のコルに出ます。三ノ窓は広場となっていてテントサイトとして快適そうでした。テントも一張りだけありました。剱といえばやっぱりチンネですよね。左稜線ならいけそう!北方稜線はもういいけど、チンネだけは登りたいね!
池ノ谷ガリーは見た目のインパクトは大きいのですが、登ってみれば大したことはありません。必要なのは落石を落とさない登山技術です。今回Y君のクライミングセンスは大変光りました。本チャンⅤ級リードできるんじゃないかと思いました。が、ガレ・ザレ場ではまだ未熟な一面もありました。こういう足場の見極めもルートファインディングのひとつだと思ってます。登山のベテランと呼ばれる人はこういうことに気を配れる人なんですね。Y君には良い勉強になったと思ってます。しんがりを務めていただいたIさんはビビったかも・・・
池ノ谷乗越しから頭にかけて初めてまともな岩登りとなります。そういう意味で池の平小屋から池ノ谷乗越まではクライマーにとっては面白みに欠けるルートともいえますね。
そして、池ノ谷の頭からが楽しい岩稜の通過です。すぐに核心のトラバースが待ってました。数mの断崖のトラバースなのですが、長次郎側のスリングをつかんでからの足場がないので少し緊張します。かなり嫌らしいです。慎重に通過するならロープで確保してでしょうね。ここをY君は普通に上部をトラバースしてしまったのですからびっくりしました。私にはとてもマネできません。見事でした。
その後長次郎の頭付近で少しまごついて時間をロスしてしまい(これが最終的には致命傷に)ました。巻き道ばかりに気をとられてしまい、稜線伝いに行って、コルに下るというルートを発見するのが遅れてしまいました。ここでの30分以上のロスは非常に痛かったと思います。
何はともあれ頂上に着きました。
ほぼ11時。小屋からは6時間15分かかりました。
帰りの時間はありましたが、やはり剱の山頂です。ハイさよなら~というわけにはいきません。気がつけば11時30分でした。私的にはすごく余裕があったのです。まだ5時間もあるとね。それが間違いだったと気づいたのは一服剱まで下ってから。1時間半もかかってる・・・あと3時間半かあ・・・
Iさんはしっかり行程表にそってチェックしてましたので、かなり厳しいことを感じていたのかもしれません。
「ぼくは最悪山荘に泊まりますから先に行ってて」というIさんのお言葉に甘えてそこからさらに加速して下ります。加速といっても言葉上のことで実際にスピードは上がりません。それでも一服剱から剣御前まで1時間15分。そして雷鳥沢まで50分と、最終バスまで1時間20分残してキャンプ場まできました。
これで一安心と「お湯を沸かしてラーメンでも食べるか」と思いました。
しかしY君が「ターミナルまでCTだと1時間くらいかかるって言ってましたね・・・」というので一応ターミナルまで行ってから・・・
これが正解でした。
1時間とはいいませんが、50分近くかかってしまいました。
結局到着は16時10分。まだ20分残してましたが、ラーメン作って休憩する余裕なんてまったくありませんでした。
そして、Iさんとは、一服剱で別れてから会うことなく、バスの出発時刻になっても戻ってくることはありませんでした。
2日間の大変充実した山行でしたが最後に寂しい幕切れとなってしまいました。
一泊の北方稜線の強硬はグループ山行ではかなり厳しいものだと痛感して帰ってきました。Iさんには大変申し訳なく思ってます。
次は同じ一泊だとしてものんびり美味しいお酒を飲めるような山行がしたいですね。
おしまい
コメント
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nukaboshi さん、こんばんは。
あら、今回は、ichigo さん不参加だったのですね。
反対コースで 30 年ぐらい前に1泊2日で回ったことがあります。小窓雪渓に行くトラバース手前の下りでガスにまかれ、小窓雪渓右岸をハイ松漕ぎしながら降りるという目に遭いました。U字谷なもので降り口がなくてかなり焦りました。
nukaboshi さんなら、小窓から稜線通しかなぁと思っていましたが、通常ルートだったのですね。当時は、お助けロープなど一切なくマイナーコースでした。
雷鳥沢からの登り返し、結構ありますから、疲れた足には堪えます。
チンネ左稜線とか八ツ峰、まだ行っていないので行きたいところですが、私も泊まりは苦手なので、行けずじまいです。
お疲れ様でした。
misuzuさん、こんにちは。
ichigoさんは、普通のか弱い女性に戻ったかもしれません・・・なんて( ;∀;)
やはり時間に追われるところはソロでないと厳しいかもしれませんね。
このコースに関してはパーティを編成するメリットってあまり感じられませんので、もし次回があるとすれば、ソロで反対回りしたいと思います。
ガレやザレは通過は簡単ですが面白くないので、やはり難しくても稜線歩きがいいかもしれません。
確かにガスにまかれると特に本峰からの縦走ですと、歩いたことのない人は間違いなく迷うと思います。ましてやmisuzuさんが歩かれた30年前となれば、なおさらだと思います。
私も、小窓のコルまで登る途中で左手の斜面になんとなく登れそうなルートイメージ見つけましたからね。たぶんソロだったらそこ行っちゃったと思います。バリルートのソロって、臨機応変にルート工作ができるのも魅力なのでしょうね。
チンネはやはりクライマーの憧れです。
私は自称でもクライマーとは名乗れないヘタレですが、チンネはバットレス第四尾根と並んで一度は登りたい目標でもあります。三ノ窓があまりにも快適だったので、そこでテン泊してというのが理想中の理想のような気がしてます。来年でも実現させたいですねえ~
初のメンバーでのコラボ山行だったんですね!!
皆さん、実力のあるソロハイカー(クライマー?)さん達なのですねー。すごい!!
写真の景色も雄大で、北アルプスとかとも違うんだなあー…と思いました。
雷鳥沢という所の紅葉も鮮やかですねー♪
さらに、タイムを見てびっくりしました。
休憩が殆ど無い…!!(^o^;)
高低差もかなりのものだと思いますが、やりきってしまうところは、さすがですね(^_^;)
最後、揃って下山は出来なかったようですが、皆さん、独立した実力あるソロハイカーだからこその判断と山行ですね。
そういう仲間との山行はホントに楽しいし、信頼関係も産まれますよね。
でも、soyanoは谷川岳に置いてっちゃイヤですよ(T▽T)
しっかり回収お願いしますー(^-^ゞ
僕は日曜日に、初めてnukaboshiさんに出会った日の事をichigoさんに話しながら、久しぶりに仙人ヶ岳西稜に行って来ましたよ(*^_^*)
nukaboshiさんの山行は、最近どんどんハードになってきて、そのうち日本の山じゃ満足出来なくなっちゃうんじゃないですかー!?(^o^;
soyanoさんやichigoさん、しっかり地元の山登っていて感心します。
私は・・・仙人ガ岳や鳴神山といった里山はもう登ることはないと思います。
性格というものはそう簡単には変わらないものなんですね。
皆さんと一緒に山に登りたい・・・
でも、一般ルート登っていても楽しくない・・・
そんなジレンマを抱えながらしばらくはこの状態を続けるしかないみたいです。
すいませんね、変な人で( ;∀;)
nukaboshiさん、皆様、こんにちは。
北方稜線、お疲れさまでした。
予想通りというか、やはり1泊2日ではややキビしいようですね。
小窓ノ王手前のガリーは仰るとおり、池ノ谷ガリーよりもいやらしく感じました。
また長治郎付近のバンドのトラバースもしかりですね。
前々回に八ツ峰経由で長治郎を超えたときは稜線通し気味にトレースして、
そのバンドを通った記憶がなかったため、僕らもバンドの取付を探すのに手間取りました。
僕らのすぐ後にいたご高齢の方が取付を教えてくださったので助かりました。
それにしても紅葉が進んでいますね。
来週、再来週が最盛期となるでしょうか。
とにもかくにも、ご無事でなによりです。
お疲れさまでした<(_ _)>
hansusyaさん、こんにちは。
やはり嫌らしく感じるところは一緒なのですね。
少し安心しました。
て、ことは、小窓ノ王基部のガリー通過はルートミスではなかった、ということになるわけですか・・・
どうもこの辺の納得がいかないのですが、しばしの課題にしておきたいと思います。
紅葉は素晴らしかったですよ。
仙人池周辺がちょうどピークだったと思います。
我々は時間がなくて立ち寄れなかったのでそれだけが心残りです。
hansusyaさんからご情報大変参考になりました。
コメントまでいただき恐縮です。
ありがとうございました。
2日間お世話になりました。
レコUPが早いですね。僕はたぶん2~3日掛かると思います。(ノ_・。)
二人とも最終に間に合って本当に良かったです。
僕は剱山頂からの下山開始時刻でこれはちょっと厳しいぞ!と思ったので
小屋泊は想定通りの結果です。逆に剱の下りで急いで事故ったら災難ですからね。
元々翌日も休みを取ってあったので、16:25に雷鳥荘到着後は温泉三昧。
翌日はのんびり黒部観光が出来たので良かったと思ってます。(^_^)v
次回は時間に追われない処へ行きたいですね。
arashiさん、はじめまして(^^ゞ
(ということにしておきます)
北方稜線2日間お付き合いいただきありがとうございました。
今回、私が思ってた以上に有意義で楽しい山行ができました。
このルートをほぼソロ感覚で通過できたのはメンバー全員のスキルが伴っていたからでしょう。良い仲間に恵まれました。
そうでしたね、arashiさんさんもヤマレコにご登録されてたのでしたね。
今後はこちらでもご交流いただけると嬉しいです。
2日、いや3日間お疲れさまでした。
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