新穂高から北アルプステント泊周回(双六岳・槍ヶ岳・南岳)
- GPS
- 54:43
- 距離
- 45.6km
- 登り
- 3,567m
- 下り
- 3,567m
コースタイム
- 山行
- 8:54
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 9:45
- 山行
- 5:56
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 7:08
- 山行
- 5:25
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 5:50
5:27鍋平駐車場-6:00新穂高-7:12わさび平小屋-9:11シシウドヶ原-10:47弓折乗越-11:50双六小屋テント場
<休憩とテント設営>
13:28双六小屋テント場-14:18双六岳-15:07双六小屋テント場
10月12日(土)
4:30双六小屋テント場-8:38槍ヶ岳山荘-11:55南岳小屋
10月13日(日)
6:11南岳小屋-8:24槍平小屋-11:21新穂高-11:58鍋平駐車場
天候 | 10月11日(金):晴れ時々曇り、無風・微風 10月12日(土):晴れ後曇り、時々雨、無風・微風 10月13日(日):晴れ、無風・微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高-双六小屋:特に危険箇所なし 西鎌尾根:槍の穂先への最後の登りが急登 槍ヶ岳-南岳:岩稜帯が続く 南岳新道:急坂の連続 槍平小屋-新穂高:特に危険箇所なし |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
10月11日(金):晴れ時々曇り、無風・微風
鍋平駐車場には4:52に到着。新穂高センター近くの駐車場は平日にも関わらずこの時既に満車だったが、ここはまだ余裕があった。暗いのでライトを点けて食事と準備をして5:27に行動開始。何度も来ている駐車場なので勝手も分かる。駐車場から新穂高のセンターまで行きは下り基調で30分くらいかかり、6時ちょうどに到着。ここで念のためトイレに寄っておく。ここから左俣林道を進む。ザックには3日分の食料とテント泊装備。標高2500メートルと3000メートルでキャンプするため、防寒着が増えた。16kg程度だったので特別重いわけではないが、初日なのでペースを押さえて歩く。足の速いハイカーにバンバン抜かれるが、今日はコースタイムで歩ければじゅうぶん。わさび平小屋で休憩と給水する。このあたりはぶながあるが紅葉はまだだった。小屋から先も林道が続き、分岐がくるとようやく小池新道の入口に達した。天気良く風がないので歩くと暖かいが、止まって休むと汗冷えして寒い。休憩は長時間取らずに進む。小池新道に入るとコンスタントに標高を上げる。真夏の酷暑の時期だときついだろうが、10月なので天気が良くても暑さはそれほどでもない。時々休みつつ進む。途中鏡池からは槍穂がよく見えたが、その後ガスの中に入ってしまい、10:47に弓折乗越に着いた時展望はなかった。でも稜線に至ったので後は比較的楽に移動できる。双六小屋を目指すとガスの合間から小屋とその向こうの鷲羽岳が見えた。今回は寄らない山だが、こうして見るとやはり立派な山だ。双六小屋のテント場には11:50に到着。明日から連休だが今日はまだ平日なので比較的空いていた。空いている場所を見つけてテントを設営するが、例によって風が強くて少し難儀した。
テント設置後休憩し、サブザックに最低限の荷物だけ詰めて双六岳を目指す。13:28にテント発。荷物が軽いので登りも楽。しかし天気は今ひとつで、ガスが多い。雨ではないは幸いだが展望は良くなさそう。双六岳は14:18に到着。鷲羽岳や水晶岳方面は何とか見えたが、三俣蓮華岳方面は濃いガスの中だった。待って天候の回復を待っても良かったが、ガスは取れそうにもなかったので諦めて下山することに。帰りは別の道にしたかったが、ガスで展望がないので単純往復とした。テントには15:07に戻る。その前に小屋前で携帯が利用できたので下界へ生存連絡と明日予定を連絡した。テント場は電波が入らないためだ。夕方テントは増えたがそれでも余裕はある状態だった。外は寒いのでテント内でストレッチなどしていたが、その間左足の大腿あたりが攣った。テント泊装備で歩くと初日は大体足が攣る。行動中ではなかったので良しとしよう。標高2500メートルを超えるテント場なので、日が傾くと寒く、早い時間にシュラフに入り夕食後は18時前に寝てしまった。夜は星空がきれいだった。
10月12日(土):晴れ後曇り、午後雨、無風・微風
3時起床。テント内に転がしておいた腕時計の温度計は5度を示していた。防寒着は十分持参していたので寝ていて寒さを感じることはなかったが、テントのフライシートは結露して水分が凍っていた。この時期なら当然か。テントを畳んでパッキングする際バタバタ叩いて霜を落とすも全部は落ちず、一部は担いで持って行くことになる。日の出前にテント場を出る場合は完全乾燥できないのは致し方ない。次のテント場で乾かそう。降霜したフライシートの片付けは手がかじかむが、放水防寒グローブのお陰で何とかなった。4:30にテント場を出、小屋のトイレに寄りパッキングと下界への連絡後に行動開始。真っ暗の中ライトを点灯して歩く。歩けば暑くなるので薄着で歩き出す。樅沢岳まではウォームアップ。暗くてよく見えないが、ルートは明瞭なのでロストはなかった。5:12樅沢岳到着。真っ暗。写真は撮るがライトがなければ何も見えない。特に休憩なしで歩き出す。そしてこの後がお楽しみの時間になる。日の出までもう少しだが、空は徐々に明るくなり始めていた。天気快晴で風なし。10月の北アルプスなので風があると寒くて大変だが、この日はほぼ無風。止まっていても寒さを感じることはあまりなかった。グローブも夏用で問題なかった。前方に広がる槍ヶ岳とその稜線が徐々に見え始める。西鎌尾根を登るのは二度目だが、槍へ向かって歩くと徐々に槍が迫力をもって近付いてくるのが良いルートだと思う。6時ちょうど頃に日の出を迎える。周囲に誰もおらず、貸し切りだった。日の出を迎えると周囲が少し赤くなる。先を急ぎたいが景色が良いため止まってばかりとなる。ペースが落ちるのは致し方ないが、日が出た後はなるべくコースタイム程度で歩くようにした。千丈沢乗越に至ると槍の穂先までもうすぐだが、この先は急登でつらい。景色は良いが、傾斜はきつい。三歩進んで息を整えながら歩くような感じになる。穂先までもうすぐのはずだが、歩みが遅いので中々近付かない。ゆっくりでも確実に進み8:38槍ヶ岳山荘に到着。双六小屋から4時間あまりで西鎌尾根を通過してきた。そして小屋前には例によって多くのハイカーがいた。天気が良いので当然か。こちらもサブザックに貴重品等詰めて穂先を目指す。が、プチ渋滞にはまってしまい自分のペースでは進めず。それでも連休中の混雑よりは全然ましだろう。9:11に槍ヶ岳の山頂到着。狭いが360度の景観は良い。写真待ちの渋滞ができていたが、ここは仕方ないので待つ。山頂でしばし展望を楽しんだら下山開始。登りよりも下りのほうが怖い。慎重に、落石などせずに降りる。山荘まで戻ったら休憩。パッキングをしたら行動再開。今日はこれで行程の2/3と言ったところか。テント場を抜け飛騨乗越を過ぎるとハイカーの姿がぐっと減る。槍の穂先は外国人だらけだったが、ここから先は見掛けることはなかった。槍の次は大喰岳を目指す。槍から南岳は一度歩いているが、10年以上昔なのでほぼ記憶がない。初見のコースのつもりで進む。人が少ないため自分のペースで進めるのが有り難い。岩がちなルートを歩いて10:12大喰岳到着。無人。槍の喧噪が嘘のようだった。この先も静かな登山道が続く。すれ違う人はいるものの、待ちが生じるようなことはなかった。岩場のルートを歩いて中岳通過。このあたりからガスが出てきて先の展望が得られなくなってきた。槍から遠ざかるにつれ、穂高が見える筈だがガスには勝てない。雨がなければ良いのでガスでも致し方ない。天狗原の分岐を過ぎ11:45に南岳到着。やはりガスで展望いまいち。午前中に小屋に到着したかったが、この時間なら問題なさそう。実際に小屋には11:55に到着した。ザックからテント一式を出して乾燥する。霜がびっしりだったフライシートだが、案外水分は着いていなくて、出発前にバサバサ叩いたのが良かったのかもしれない。乾燥後テントの中でぬくぬくしていると事件発生。水筒のボトルを倒してテント内が水浸しに。ソックスは絞れるくらいに水を吸ってしまった。その他マットもびしょ濡れ。せっかく乾燥させたけど、再度全部外に出して乾燥再開。全く何をしているのやら。1時間ほどで乾燥できたが、その後雨が落ちだしたので、タイミング的にはギリギリだった。ソックスはとても乾燥させて翌日使用できる状況ではなかったので、予備を明日は利用することに。アンダーの予備はやはり必須と痛感した。その後16時頃からは本格的な雨となり、霙交じりとなった。天気予報は良かったが、雨雲レーダを見ると穂高周辺は雨雲が張り付いていてしばらく続きそうだった。既に水くみ等は終えていたのでテントで寝ていたが、18時頃になってようやく雨が小康になった。このタイミングでトイレに行きそのまま就寝。テントに雨粒と一部霙が着いていたが、落とすのが億劫でそのまま放置して寝てしまう。
10月13日(日):晴れ、無風・微風
4時起床予定だっただが、周囲の音で3:55頃に起きた。テントを開けて外を見るとフライシートが凍っていた。双六小屋では霜が降りた程度だったが、標高が400メートル程度高いため、更にワンランク寒さが上だったようだ。しかも夕方の雨があったため、雨粒も凍っていた。これは落とすのが骨が折れそう、というよりも無理と思うしかなかった。テント内の気温は0度ちょうどくらい。テント内も一部凍っていたが、水筒の水分は水のままだった。支度をして5時過ぎにテントの外に出る。フライシートはバリバリというかガリガリ。氷を全部落とすのは不可能なので適当なところで袋に詰めた。テント本体も少し凍っていたが、フライシートほどではなかった。パッキング後小屋近くの展望地へ行きモルゲンロートの時間を待つ。行動着なので寒いが幸いに風がないので凌ぐことができた。6時ちょうど頃に日の出を迎える。大キレットの向こうに穂高が姿を現す。標高3000メートル弱の南岳小屋で霙だったので、それよりも高い穂高は一部雪が着き白くなっていた。寒いが良い物が見られた。日の出も美しく、しばし寒さを忘れた。日の出ショーの後、トイレに寄りテント場に戻り下山開始。槍平小屋までの標高差1000メートルの下降が待っている。テント場から下ってしばらくは快適な岩場歩き。特に凍結もなく楽勝だったが、その後尾根通しの箇所を歩く時がかなり怖かった。昨夜から今朝の低温であちこちに霜が降りていて、木道が設置してある箇所が軒並み真っ白になっていた。しかも両側切れ落ちているところもあり、かなり緊張しながら通過した。10月初旬の北アルプスは、自分のような一般的なハイカーが安全に通過するにはギリギリの時期だと思う。一歩季節が進むだけで進退窮まることになりかねない。霜の木道を何箇所か過ぎると、今度は霜の降りた岩が連続するエリアに降りて来た。登りであればグリップも効くと思うが、下りだと安易に足を置くとずるっと滑るし、実際に何度も滑りながら降りた。ただでさえ急坂なのにそこの岩が降霜していると難易度は上がるし何より時間もかかる。安全第一なので、時間はあまり気にせずに進む。南岳新道は10年以上前に一度登ったことはあったが、その時はガスでほぼ何も見えず、今回好天の時に下れたが、展望は良いルートだと思った。下る場合背に穂高、前方に笠ヶ岳が見える。いずれにしても急坂なのでタフなルートだと思う。標高が2400メートル付近まで落ちるとようやく霜エリアを抜けられた。とは言え湿った岩場が続くので安心するには早いのだが、霜に比べたら歩きようがあるぶん湿ったコースのほうが楽だった。紅葉はこの辺りから下が色付いていた。それからはいつもどおりのペースで進んで8:24槍平小屋に到着。南岳新道の下降中は、衣類の調整はしたが結局休憩を一度も取らなかった。小屋前のベンチで大休止。ここも昨夜の雨の影響か、あちこち湿っていて乾燥中のところだった。小屋まで降りてしまえば比較的安心だがまだ先は長い。新穂高へ向けて進むと続々と上山のハイカーとすれ違った。連休中日で明日も好天予報なので当然だろう。自分はとにかく早めに下山して早めに帰宅したいので休憩もそこそこに進む。何本かの沢を渡り林道終点まで至る。ここまで来ればさすがに安全圏か。南岳小屋からほぼずっと下りで、槍平小屋からは樹林帯の緩い坂だったので汗もあまりかかずに歩けた。天気は相変わらず良く晴れている。風もないので秋の行楽日和と言えた。新穂高には11:21に到着。ベンチに座って少し休んでから登りに備える。ここからの鍋平までの登りがとにかく本当に辛い。標高差で言えば大したことはないのだろうが、最後の最後登らなくてはならないのが気持ち的にとても辛い。ここまで汗もかかず快適に歩いてきたが、最後になって汗びっしょりになって進むしかなかった。きつい登りが終わればあとは車道歩きを残すのみ。ロープウェイ待ちのクルマがとんでもない数渋滞していた。これは下界も大変なことになっていると思った。鍋平駐車場には11:58に到着。駐車場はほぼ満車に近かった。3日間の山行が無事終了。2日目午後崩れた時間帯があったものの、予報どおりに天気は良く楽しめた3日間だった。この時期の北アルプスの寒さも体感でき、装備やウェアがどの程度であれば過ごせるのか分かったのは収穫だった。
片付け後、はるばる岐阜から埼玉まで帰るが、途中は下道も高速もあちこち渋滞していた。日付を跨がずに帰宅できたので良かったが、それでも新穂高はやはり遠い。
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