《南ア》白峰三山+南嶺【広河原→笹山→奈良田縦走】
- GPS
- 18:34
- 距離
- 28.8km
- 登り
- 2,841m
- 下り
- 3,567m
コースタイム
- 山行
- 7:57
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 9:18
- 山行
- 8:39
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 9:12
天候 | 初日: 晴→曇 2日目: 快晴(無風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
往路:さいたま→奈良田駐車場まで:高速道路を併用 帰路:中央道が必ず混むため下道、国道411号柳沢峠・丹波山経由(いつも通り) |
コース状況/ 危険箇所等 |
広河内岳以南は破線ルート(難路)となっている。 その意味を自分なりに解釈してみると、 [広河内岳⇆白河内岳区間] ・道迷い:賽の河原のような開けた場所が多々あるのに、案内(黄色ペイント)が少なすぎる(見つからない) 開けた場所ばかりで、道迷いを何度もした。 それが山頂付近とか見通しの良い場所でだったから皮肉にも笑える。 自身の勝手な思い込み、勘違いが道に迷う原因。 黄色(橙色)の案内を確実に追えるならば、迷うことはないのだが… 天気次第で視界悪い状況ならば難路にもなりうる。 [笹山⇆奈良田区間] ・足元悪く傾斜が急:倒木多数で木の根などが多く足元が悪い、それなのに傾斜がかなりきつい 笹山側の半分がきつい、奈良田側の半分はごくありふれたつづら折りの道。 雨や雨後では滑りやすく危険度高くなりそう。ピンクテープが確実にある、迷う箇所はほとんどない。 |
その他周辺情報 | 奈良田温泉白根館(入湯料:大人1,000円) |
写真
感想
【広河原でのもたつき】
前夜21時半に奈良田駐車場に到着したが、ほぼ満車だった。
5時半発の広河原行きバスに乗り、6時半前に到着。
ここでまずトイレ問題に憤る。
山荘とインフォメーションセンター、2つの建物に便所がある。
山荘が綺麗だから最初に立ち寄ったついでに大便の列に並ぶ。
15分待たされているところで、管理者が宿泊者・利用者以外は山荘のトイレは使用するなと言い出す、今更の感あって腹を立てた。
長蛇の列を終えれば到着してから30分以上も経っていた。
大便については、のちに再考することになるのだが。
【大勢で賑わう北岳】
登山者で数珠繋ぎの道を進む。
白根小池小屋から肩の小屋までは高地のせいかもしれないが、呼吸がつらく息が上がる。肩の小屋から山頂までは限界に近かった。
途中でハイマツ帯を通る、かわいいイソヒバリが沢山いた。
こんなつらい思いをして登り詰めた北岳山頂は若い女性や外国人たちも賑わっていた。
【北岳→間ノ岳】
北岳山頂で恒例となっている自前パウンドケーキを食べたが、食欲はないし胃が動いていなかった。このあと吐き気とだるさに襲われて、間ノ岳までほとんど足が止まってしまう。「北岳に来ただけ」にしておけばよかったと激しく後悔した。
この時点でもう晴れ間はなく、雲中を進む。中白根岳の記憶がない。
間ノ岳へ向かう人はそれなりに多く、かなり多くの人に道を譲った。
数歩進んで立ち止まるの繰り返し。
【間ノ岳→農鳥小屋】
間ノ岳からは農鳥小屋がすぐに見えた。下りだから歩けた。
16時に小屋着。予定より1時間遅れ。
今季営業を終えていたが、一室を避難小屋場所として開放してくれていた。
自分の後にもう一人来て満室。
【農鳥小屋】
ここのトイレは和式で傾斜のついたコの字の木枠を傾斜で滑ってゆくシステム。
簡単に言えば、ウンコ滑り台。
ところが、滑らずに便器下に大量に盛り留まっていた。
すごい光景だった、てんこ盛りのうんこなんて現代社会で生きていてみることはない。茶色のぐちゃぐちゃした塊。
ショックを受けて、考え込んでしまった。
ここでは素晴らしい日没と夜明けの景色をみたが、そんな綺麗な景色よりも、山盛りのてんこ盛りのうんこの景色のほうが強烈な記憶となって、一生忘れられない景色となった。
夕方に雲が取れて農鳥小屋から美しい景色を拝む。
湯を作って食事を済ませ、18時前に寝袋に入る。
そこから長い眠れない夜を過ごした。
寒すぎた、足先が冷たくて眠れなかった。
ハッキンカイロを持参していたが、足先温めるには至らず。おじさん達のイビキを夜通し聞く羽目になった。
5時前から皆が起き始まる、5時起床した。
夜明け前の雲海など幻想的な景色、それに続く来光、美しいシルエットの富士山、隣接近隣の山たちを見た。
最も感動的な美しい景色を見たのと同時に、最も秘められた景色も見た結果となった。綺麗ごとで済まなかった山行になった。
【西農鳥岳・農鳥岳】
今回の縦走中、最もかっこいいと思った一座は西農鳥岳。
山頂からの「映え」景色が一番だと思ったのが農鳥岳。
北岳・間ノ岳だけで下山しては勿体無いな、と昨日の後悔を撤回した。
【広河内岳・大籠山・白河内岳・笹山北峰・笹山】
道迷いが多発した。広すぎて道に迷った。
河原のような広い場所が続く。
「景色より 黄色の目印 見逃すな」と言い聞かす。
白河内岳を過ぎて、急に狭い樹木道となる。
逆に安心した、道迷いしなくなった。
【笹山・奈良田ルート】
笹山山頂からの下山開始は11時半となった、遅くて正午までにと考えていたが、良いペース。
笹山側ほど道が荒れている。倒木・ハイマツ・木の根、急傾斜。
急傾斜で足先を痛めて、数日経って今も足の親指が痛い。
長い急傾斜で足先に負担がかなりかかって辛かったが、15時に下山出来た。
【肉眼で見えるものにこそ、価値がある】
何でつらい思いをして山行をするのか?
登りながらよく考える。
写真や動画で山頂からの景色が簡単に見られる時代において。
現代においては美しいドローンからの映像、しかもそれらを合成したりアレンジして作れる時代。
そんな時代において、自分自身の目(肉眼)で見た景色が信じられるものだと言える。
自分の目で見たものこそ、間違いのない真実だ。
それに価値がある。その景色を自分自身の目で見るために、山頂に足を運ぶ。
どんなに高い技術で綺麗な映像を再現出来ても、肉眼で見る本物の景色には遠く及ばない。
便所で見たモノもそこに行ったからこそ見れた、日常生活ではそうそう見られないという意味で「価値ある」景色だった。
自分史上、最も盛り沢山な内容の山行となった。
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