中央アルプス半縦走(千畳敷〜空木岳)
- GPS
- 64:00
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 1,086m
- 下り
- 2,388m
コースタイム
8/21 9:05木曽殿山荘〜7:05空木岳〜ヨナ沢の頭〜林道終点〜三本木地蔵〜タクシー〜菅の台バスセンター
天候 | 8/20 曇り → 霧時々晴れ 8/21 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
熊沢岳手前に岩場あり。濡れているときは要注意。 東川岳の下りは結構急。 木曽殿山荘は水は売ってなく、徒歩7分の水場「義仲の力水」で調達。サンダルでは行けないです。 小屋は予約制のため注意。入りきれない場合は泊まれません。 空木の登りは、岩場の連続です。 下りは楽。ただ、池山尾根の登山道崩壊により急遽作られたルートはかなりヘビーです。腕力で懸垂しながら降りるような箇所があり、初心者にはオススメ出来ません。 あと道路工事のため、林道終点までタクシーがこられないため、三本木地蔵まで歩いて降りないといけません。林道終点で電話で呼べばよいでしょう。 以下写真 Nikon D300 SIGMA 18-125mm f/3.8-5.6 DC OS HSM |
ファイル |
高度記録(Pro Trek)
(更新時刻:2010/08/22 14:13) |
写真
感想
8/20の天気予報がかなり悪くて出発を躊躇したが、9〜15時くらいはたまには晴れるのではないか?という希望的観測で22:00にパートナーのaiaimanと横浜を出発した。今回は駒ヶ根の菅の台バスセンター駐車場に車中泊予定だ。1:30過ぎに到着すると既に20台以上が車中泊をしている模様。我々は早速酒盛りを開始 とはいっても時間が遅いのでほどほどの量で切り上げた。今回の車中泊は真夏という事で、窓にはめる網戸をはって涼しく寝ようという考えだったが、どこに行っても売り切れで買えず。ただ、菅の台バスセンターは場所によっては暗いのでもう窓開けていいや、と開き直り寝た。途中雨が降り、窓を上げたため若干暑かった。
朝5時を過ぎると周りの音が気になる。出発準備や次々にやってくる車の音であまり眠れない。9時に登山開始すれば15時には小屋に届くので、ゆっくり寝ようと思っていたが、その作戦は成功とはならず。
外は雨はあがっており少しほっとした。食欲はあまりないので、ロープウェーで上がってからにしようという事にして出発。バスでしらび平を目指す。このルートは4回目だが、片道キップで上がるのは初めてだ。ガスが多く展望はほとんどないが、標高2612mの千畳敷駅につくと宝剣岳がたまに頂きを見せるようになっていた。駅のそとのベンチでコンビニで買った手巻き寿司を食べ9:15頃には出発した。
まずは極楽平を目指す。晴れていて時間もたっぷりあれば、そこから宝剣往復という手もあったが今回は取りやめ。南に進路をとり進んでいく。通常の登山では初日はえんえんと登るのが普通だが、ここからいきなり下る。アップダウンの続く主稜線を進む。天気は相変わらずパッとせず展望はイマイチだが、時折三ノ沢岳方向のガスが薄くなり立派な山容が目に入る。宝剣方面はガスの中で残念。
40分ほど下っただろうか。その後濁沢大峰に向かって登り返す。曇っていて暑さがなく快適に進む。11時前に到達しかるく行動食をとる。付近に手頃な岩があったので、ちょいとボルダリング遊びもした。
次のピークは檜尾岳だが、その前にまた200m弱を下る事になる。岩場も少しずつ増えてきた感じだ。そのあたりで前方のガスが切れ檜尾岳が姿を現した。東側は崩壊が激しく花崗岩の岩肌がむき出しのところが多い。逆に西側は少しなだらかで緑がいっぱい。森林限界が高いため、木々がひしめき合う登山道を登っていった。このあたりは高山植物が多く、目を楽しませてくれる。ハクサンイチゲやコバイケイソウ、綿毛になったチングルマなどが多かった。だんだんガスが薄くなり、遠めに積雲が多く見えるようになる。野鳥が多いようで鳴声を聞きつつ進み、昼過ぎに檜尾岳山頂に到着。またガスが出てしまい、三ノ沢岳と熊沢岳が見えるだけでちょっと残念。ちょっと変わった檜尾岳避難小屋ははっきり確認できた。
10分ほど休憩を取った後、熊沢岳目指して行動開始。再び100m弱を下り150mほどを登り返す事になる。先ほどより岩場は厳しくなってきたが楽しい感じ。登り詰めると鋭角の岩が切り立つ熊沢岳山頂だ。ここで昼食を取る。例によって鋭角な岩でボルダリングしようと思ったが、登れても降りられないタイプの岩なので断念。ちょっと残念。
次のピークは、東川岳で本日の最終ピークだ。150m降りて100m弱登る感じだろうか。13:40頃に出発したが、この頃から部分的にではあるが青空がのぞくようになってきた。たどってきた稜線が見える。明日登る空木岳も一瞬見えたりした。ここの歩きは非常に楽(最後少し岩場があるが)な上、雄大な中央アルプスを楽しむ事が出来る。14:40には東川岳山頂についた。ガスが晴れれば展望はかなりよさそうだ。宿泊予定の木曽殿山荘はあと20分下ればつくので、せっかくだからここでシャッターチャンスを待ちつつ時間をつぶすことにした。その甲斐あって、時折空木岳が姿を見せ納得のいく写真を撮ることが出来た。この山行中出会った人は20人もいないが、ここでは時間をかけて休んでいる人が多くて、いっとき10人くらいが同時にいたほどだった。30分ほど経った後、木曽殿山荘へ向けて下山を開始。ここはかなり急な下りだ。左手には東川岳から急激にきれ落ちる崖があり、目の前の空木に劣らぬ迫力がある。写真を撮りながらゆっくり降り15:30に山荘に到着した。
まずはビールで乾杯。南側のテラスにベンチとテーブルがあり、南駒ケ岳をポカポカ陽気の中で眺める事ができ、最高の気分だった。体を拭いたりザックを整理したりしながら2杯ほど楽しみ、16:30頃小屋に入った。小屋は小規模ながら、かなり清潔感があった。途中でであった人達も皆ここに宿泊だ。中央アルプスはごく一部を除いてテント泊禁止なので、山小屋か避難小屋を使うしかない。
夕食は17:00からでおでんだった。食後、寝不足だったこともあり自分もaiaimanもちょっと横になったら落ちてしまった。が、すぐに目覚めてしばしボーっとする。そこでふと外を見ると、ものすごい夕焼けだった!大急ぎでカメラを持って外に出て写真を撮る。なかなか出会えないほど強い赤みのある夕焼けだった。夕焼け雲に、なぜか青みがかかっているところがあり不思議だった。日が沈むとあっという間に空の色は落ちる。また寒くもなってきた。朝は十数度までしか上がらないらしい。食堂で一杯ワインをやるため中に入った。そこで小屋の主人と世間話に盛り上がり19:30にはふとんへ。今日は、ふとん2枚に3人。掛け布団は人数分ある。平日だがほぼほぼ一杯の状態。小屋の主人によると明日からは満杯で予約を断っている状況との事だ。20時消灯で就寝。激しいいびきの人もおらず、(山小屋にしては)結構眠れた。
3時を過ぎると、早出の人達がガサゴソと動き出す。頭が通路よりだったため、目が覚めてしまった。自分達も4時過ぎには動き出した。4:45くらいには朝食。小屋の主人から空木岳の危険箇所の案内や、タクシーが登山口までこれない事等の説明をして頂きつつ食べる。日の出は5:15くらいなので、それに備えカメラを準備。今日は快晴間違いないし、という天気だ。三脚がないので、岩を積み上げスローシャッターに備える。時間になると昨日は見えなかった八ヶ岳の南側から日が昇り、美しいご来光となった。
今日のルート上は水の補給箇所がかなり限定されるので、小屋から徒歩7分の水場「義仲の名水」を汲みにいく。1.5リットルをペットボトルに入れ、顔を洗って戻る。小屋の主人の奥さんに美味しいコーヒーをご馳走になり、9時過ぎには出発。他の宿泊者はほとんど既に出ているようだ。いよいよ空木岳。この天候なので頂上の展望を期待して行動開始。いきなり急登から始まる。というかほとんど急登のまま頂上へ通じる感じだ。高度を上げるに従って、近くのピークに隠れて見えなかった山々が見えてくる。まずは中央アルプスの宝剣、木曽駒。続いて御嶽山に乗鞍岳。さらに高度を上げると、南アルプス南部の甲斐駒、仙丈ケ岳。そして驚いたのは、木曽駒の西に北アルプス南部の槍穂連峰が見えたことだ。小屋から1時間あまりで到達したピークでは360度の大パノラマ!南アルプスはほぼ全てといっていい範囲が、広大な雲海越しに見えるのだ。過去に見た雲海でもピカイチの美しさだった。いきなりピークに到達してしまったが、ここに来る道のりはかなり手ごわい。空木は第1ピークから第3ピークがあり第3が頂上だ。第1ピーク付近から鎖場や岩場が増え、高度感もかなりあるため注意が必要だ。
山頂でかなりの時間を楽しみ、名残惜しいが7:30には下山を開始することにした。目の前には駒峰ヒュッテがあり、そこのテラスを通過。ここも眺めはよい。眺望の効く緩やかな斜面を下る。8時頃には駒石という巨石に到達。ここでもボルダー遊びをした。眺望はここから後、一気になくなってしまう。後はひたすら樹林帯を降りる事になる。ここでの注意だが、今年6月に崩れた大地獄・小地獄付近の登山道を、つい最近補修した箇所を通過する事になる。ここはこの登山の核心ともいえる箇所で、相当な急斜面を鎖を使ってまるで懸垂下降をするようにおりるのだ。7mほどだが、足をしっかり乗せ降りる必要があるだろう。樹林帯を休みなく下り、10:30には池山小屋分岐の水場に到達。ここでカップラーメンを食べ、12時には三本木地蔵の登山口に到達。タクシーで菅の台バスセンターへ戻り行程終了。タクシーは林道終点あたりから電話で呼ぶと丁度よい時間にきてくれるでしょう。(2010年8月現在、工事のためタクシーは林道終点までこれず、三本木地蔵のあたりまでです)
ポイント
・千畳敷まで高度を上げて楽にみえるが、案外アップダウンあり、疲れます
・空木岳山頂は「超」好展望スポットで、オススメです
・今回使いませんでしたが、避難小屋もきれいなようです(今度使ってみたい)
・時間があれば、千畳敷〜乗越浄土経由で宝剣を超えると、さらに充実した縦走になるでしょう
了
(文章・stk)
雲海すばらしいです。
また、山行には程よい雲?で、気持ちよく山行できそうですね。
どーもー
北岳のような暑さはなく、快適な山行でした。
あと1ヶ月もすれば秋山。次回を週末議論しましょう
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