冠山・南壁
- GPS
- 07:30
- 距離
- 5.6km
- 登り
- 844m
- 下り
- 849m
コースタイム
- 山行
- 6:45
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 7:30
天候 | 霧のち晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
10:00 南尾根着。
トレースのおかげで予定より1時間早く到着した。
しかし霧は深く、20メートル先が見えない。
トレースが無ければホワイトアウトするところだ。
トレースは途中で無くなっていた。
南壁の下見だったのだろうか。
霧は相変わらず深く
稜線の境が分かりにくかった。
雪庇に注意しながらラッセルしていく。
突然、左足が雪を踏み抜いた。
雪庇をやってしまったかと思ったが、
何故か右足は安定している。
中をのぞくと深さ3メートル程度の空洞があった。
嫌な感覚だった。
雪面を叩いてみた。
目の前の雪面が一気に崩れ、
幅5メートルくらいの割れ目が現れた。
やはりヒドゥンクレバスだった。
クレバスを超え最後の急勾配のポコに取り付く。
新雪がついてなかなか登れない。
トラバースして回避したくとも、
無理矢理行けば雪崩れるかもしれない。
早々にワカンも壊れちゃったし、やれやれな展開。
ダブルアックスに切り替え、もがきながら乗り越えた。
11:00南壁直下着。
やっと全貌が確認できた。
霧の中の南壁は圧倒的で荘厳。
雪は昨年よりたくさん着いており、アイスは発達していた。
直登もできそうだったが、
やはり左側のルンゼから登攀することにした。
ルンゼ内の雪は安定している感じだったので
フリーで抜けることにする。
20メートル程度ルンゼを登攀するとテラスにでた。
このテラスの先で回り込めば
最後のルンゼがあるはずだったが、
何故かすぐに切れ落ちていた。
どうやら更に5メートル程度雪壁を登攀して
一段上のテラスに出なければならないようだった。
気合いを入れた。
一段上のテラスはちょっとだけ安定していた。
暖かい紅茶とパンを食べたかったが
緊張が抜けてはいけないので一休憩だけした。
最後のルンゼも雪で埋まっていた。
これを抜ければ危険箇所は終了するはずだったが
急斜面は続き、更に上部にセラックがあった。
いつ崩壊するか分からないセラックの下を登攀するのは
気持ちが良いものではなかった。
早急に通過したかったが、
雑にならないよう丁寧に登攀する。
集中するあまり
雪庇にも向かわないようにも気を配った。
セラック帯を通過した時、初めて安心した。
南壁上の木々が氷を纏って綺麗だった。
頂上はもう見えていた。
12:20 冠山山頂着。
誰もいない静かな山頂だった。
風は少しずつ弱くなり、雲もとれて始めている。
ザックを降ろして完登を噛みしめた。
暖かい紅茶と蒸しパンを補給し、
今回もなかなかタフな登攀だったなと振り返った。
天気は更に回復してきて
奥美濃の山々の展望が開けてきた。
金草岳への稜線は鋭くとても綺麗だった。
あちらの方の縦走も気持ち良いだろうな。
暫く山頂を堪能していると通常ルートからの登山者がこられた。
なかなか楽しい方達で
福井の方からは魅力的なの福井の山を教えて頂いた。
徳山の方はトンネル開通前にも登ったことがあるとのこと。
40分程度の大休憩をした後、下山開始。
下山はするものの、
美しい金草岳への稜線、大きな冠山、
奥美濃の深い山々、下山路の穏やかな稜線等、
とても綺麗で何度も立ち止まってしまった。
下山後はいつもの揖斐川温泉と味噌ラーメン。
欲を言えば青空の下で南壁を登攀したかったけど
上々の出来だよな。
さてさて次は縦走してテント泊(イグルー泊??)が楽しいかな。
※今回は積雪が多く、
確保支点として期待していた灌木が全て埋まっていた。
ソロでザイルを使用する場合、
まず登攀した後、懸垂支点を構築する必要がある。
今回のように雪の状態によっては
支点をスノーバーやアックスにしなければならない。
今回は支点の強度に不安があった為、フリーで登攀。
パーティーを組んで行く場合も、
ボディービレイまたはスノーバーによるビレイする場合がある。
セラック崩壊やヒドゥンクレバスへの滑落も含め、
雪の状態をよく確認した方が良いかと思う。
【工程】
起床3:30➡出発4:30➡7:00冠山駐車場8:00
➡10:00南尾根➡11:00南壁取付➡12:20冠山➡15:30冠山駐車場
※冠山駐車場は正確に言えば、重機転回の為の路肩であり、
駐車場ではないとのこと。
業者の迷惑にならないように気をつけようと思う。
【天気】
当初は4日を予定していたが西高東低の冬型の為、5日に延期。
5日は午後から南海洋上の高気圧に覆われ、霧のち晴。
ヤマテン予想気温-2℃(12時)
【装備】
アセンジョニストザック45L
登山靴(リベレテック/スカルパ;サイズ41)
厚手下着(エクスペディションホットシリーズ/ノースフェイス)
デュアルアスペクトジャケット(パタゴニア;サイズXS)、
カイヤナイトフーディー(アークテリクス;サイズS)、
ガルヴァナイズトパンツ(パタゴニア;サイズS)、厚手靴下、
モンキーマンベスト(マウンテンハードウェア;サイズS;使用せず)、
オーバーグローブ(イスカ)、オーバーミトン(スポーツデポ)、
薄手手袋、ドライレイヤー手袋、毛帽子(使用せず)
ソロイスト(BD;インナーを使用。オーバーグローブは予備)
レインパンツノスソ(ミレー)、厚手毛手袋(予備)
ヘルメット、アイゼン(バサック/ペツル)、ワカン
アックス×2(ベノムLT/BD)、リーシュコード+カラビナ、
ストック(ディスタンスカーボンZ;BD)、
軽量ハーネス(コーカスプロ/ブルーアイス)+ルベルソ
60cmアルパインヌンチャク×4、120cmシュリンゲ+管付カラビナ×2、
捨シュリンゲ+カラビナ(60cm、120cm)
ルベルソ+管付カラビナ、自作チェストハーネス+管付カラビナ、
PAS+管付カラビナ、30cmシュリンゲ+管付カラビナ
30cmシュリンゲ+管付カラビナ+自作アブミ
ロールンロック+カラビナ×2
7.1mm×60mザイル(スキマープロドライ/エーデルリッド)
コンパス、地図、携帯電話、携帯充電器、ココヘリ
ヘッドランプ、電池、細引、ティッシュ、ウェットティッシュ
リップ、コンタクトレンズ、メガネ
※登山靴:リベレテックについて
年末に御在所・前尾根を登攀した時は
サイズ40+中厚手靴下を使用。
この時は足が冷たくなり、未だに親指が痺れている。
この為、今回はサイズ41+厚手靴下で登攀した。
終始、足先は冷たかったが、痺れはなく、問題ないかと思う。
【食料/水分】
テルモス+700ml紅茶
蒸しパン(80kcal×4)、アーモンド小魚100g、せんべい
※登攀前にオニギリ×2摂取。
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