初冬の三嶺(光石登山口より)と牧野植物園
- GPS
- 10:06
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 1,660m
- 下り
- 1,656m
コースタイム
- 山行
- 8:46
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 10:05
2日目(日曜日)は、三嶺登山です。
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※すべて舗装路ですが、県道は細くてすれ違いに苦労します。また距離が長くて曲がりくねっているので、助手席の方に配慮した運転が必要です。 ‐ |
コース状況/ 危険箇所等 |
●光石登山口〜カヤハゲ 登山口には早朝にもかかわらず、軽トラでやってきたおっちゃんがたくさん居ました。登山口からすぐに西熊渓谷に下っていきますが、すぐに崖崩れ場所になります。かなりの踏み跡もあり注意して通過すれば問題ありません。まだ暗かったのでカヤハゲへの分岐を誤ってしまいましたが、この分岐は2つめの休憩舎のちょっと先にあり、いきなりガッツリ登ります。この季節、落ち葉で登山路が判りにくいのですが、加えて、さおりが原周辺は平坦な場所で、テープマークがあっても、迷ってしまいました(笑)。栃の巨木をすぎた辺りの分岐から少し登って尾根にとりついたあとは判りやすかったです。標高が高くなるにつれ、登山路が雪で覆われましたが、アイゼンを使うまではありませんでした。(が、携行は必須と考えます。) あとで判ったのですが、登山口で出発時点に軽トラのおっちゃんらが集まってましたが、彼らは登山者ではなくて、シカ狩り(?)の人たちで、午前中、ドカンドカンやってました。かなり東側でやってたので恐くなかったですが、猟犬の鳴き声とともに賑やかでした。いろいろ事情はあるんでしょうが、個人的には、危ないし、なにも登山者がいる日曜日にやらんでも良いのになあ・・・と思いました。 ●カヤハゲ〜三嶺 すばらしい冬景色のなかで、登りを楽しめます。三嶺山頂直下では急傾斜のクサリ場もありますが、クサリではなくて、できるだけ岩や根っ子などを掴んで登ることをオススメします。クサリを掴んで登ると、振られる場合があります。そのあと、テキサスゲートを越えたらすぐ頂上に着けます。 ●三嶺〜天狗峠 山頂に着くやいなや、それまで晴天だった空にガスがかかって、展望を隠したり見せたりする意地悪な天気になってしまいました。強い南風により天候が不安定になってしまったようです。それでもササ原の広大な稜線は、素晴らしかったですが、ロングスパッツもしくは雨具のズボンなどを履かないと、笹に積もった雪などにより、ズボンが濡れてベトベトになってしまいます。お亀岩避難小屋は稜線から少し南側に下った場所にありますが、綺麗な小屋です。ストーブ付で、いろんなスリッパが置いてあるところから見ると、常連の方がかなりおられるような感じがしました。今日は寒いので誰もいませんでしたが・・・。お亀岩から西側は少しアルパイン的雰囲気が濃くなり、もしハイキング的雰囲気をお好みなら、この避難小屋から八丁小屋への下りを選択したほうがいいと感じました。 ●天狗峠〜光石登山口 ”天狗塚”へのピストンに関しては展望がいまいちなのでパスしました。”天狗峠”で地元の一人の登山者とお話できました。結局本日お会いできた方はこの方ひとりだけでした。地図上で”天狗峠”は二つあり現地ですこし考えてしまいましたが、ひとつは地蔵の頭への分岐で綱附森の標識があり、もう一つは主稜線の先にある小ピークで東祖谷方面への分岐になっていて天狗峠の標識があります。今回ボクは地蔵の頭から伸びる稜線に取り付いてくだっていきますので、手前の天狗峠から行きます。地蔵の頭からの下りにはトラロープが何本も掛けてあって、確かに急坂ですが、ゆっくり注意して下れば特に難しいことはありません。ただ融けた雪がぬかるんで、大変スリッピーでした。その後、痩せて急な部分もありますが、比較的下りやすい稜線をピンクのテープマークに案内されて下ります。堂床方面への稜線分岐には、これでもかっ!という程のテープマークがあり、初めてのボクでも安心できました。分岐以降のくだりは、沢ありトラバースありのややこしい下りですが、テープマークのお陰で正しく下降できました。登山路が落ち葉で見えないこの時期、テープマークはほんとうにありがたかったです。 ‐ |
その他周辺情報 | ・コンビ二はセブンイレブン鷲敷店が最終となるようです。 ・登山後は『べふ峡温泉』がオススメです。 http://www.befukyou-onsen.com/ 光石登山口からクルマ(大栃経由)で1時間ほどかかります。露天風呂などはありませんが、アルカリ泉の泉質は大変良くて、行った甲斐がありました。 ・牧野植物園は、高知ICからもJR高知駅からもクルマで20分ほど 入園料は720円、観察会は2時間ほど(無料) http://www.makino.or.jp/ ・牧野日本植物図鑑インターネット版 これはすごい! http://www.makino.or.jp/zukan-archive/index2.php − |
ファイル |
(更新時刻:2015/11/30 22:34)
(更新時刻:2015/11/30 22:35)
よければ参考にしてください。
(更新時刻:2015/11/30 22:36) |
写真
感想
自然林が多く残る”三嶺”。高知県の人は「さんれい」、徳島県の人は「みうね」と呼んで愛し、その自然が守られています。国土地理院の地図では「みうね」と仮名が振ってありますが、日本200名山であり、年内にヨウキ君も来るのでしょうか? ボクは徳島県側(名頃登山口)からは何度か登ったことがあるので、日曜日に、今回初めて高知県側(光石登山口)から登ってきました。しかし徳島県側からと比べて少し厳しい感じがしました。例えば、名頃登山口からは案内犬シロでも登れますが、光石登山口からは、頂上直下で斜度がきつい部分などがあり犬ではちょっと無理そうです。標高差的には同じぐらいですが、登山路の雰囲気も全然違うので、大変驚いた次第です。また、初冬の三嶺はすばらしい表情も見せてくれました。お天気はいまいちとなりましたが、充実感に満たされました。
時間的には前後しますが、土曜日には高知市内にある”牧野植物園”を訪れてきました。みなさんは牧野富太郎という人をご存知でしょうか?名前を聞いたことがない方でも、独特の水彩画タッチで緻密に描かれた植物図鑑を見たことがある人は多いと思います。それが現在でも研究者や愛好家のあいだで使用されている『(原色)牧野日本植物図鑑』です(当初のものはモノクロ)。つまり、牧野富太郎氏は高知県出身の植物分類学博士で、「日本の植物学の父」と呼ばれている人です。彼によって和名や学名を命名された植物はたくさんあり(添付ファイル参照)、日本の植物学界において多くの偉業を残されていてます。それらの偉業を称え、博士逝去の翌年(昭和33年)に高知市五台山に開園されたのが、今回訪れた(高知県立)牧野植物園です。
植物の世界に多少の興味はあるものの、貧困な知識しか持ち合わせていないボクは、以前からこの植物園を訪れたいと考えていましたが、結局、こんな花の咲かない時期にやってきてしまいました(苦笑)。しかし、こんな時期でも「ふれあい植物観察会」(毎月2回)というのが開催されていて、これに参加してきました。起伏を活かした約6ha(実面積は20ha以上あるそうです)の園地には、博士ゆかりの野生植物など約3,000種類が植えられていて、とても楽しめました。特に興味をひいたのは、博士が伊吹山をたびたび訪れていたということで、「伊吹山ほど面白い山、楽しい山はない」と常々もらしていたそうです。この植物園は、是非みなさんにおすすめしたい場所でした。
‐
(以下、自分のための覚え書きです)――――――――――――――
●牧野植物園 ふれあい植物観察会(2015.11.28)参加
講師:稲垣典年(いながきのりとし)さん。牧野植物園の職員歴43年で海外を含む山登りが趣味。今回の観察会では、植物園内の植物を見たり、その実を実際に食べたりしながら、たった2時間でこれだけの話が聞けた。
・キク科の花は、ひとつの花が100輪以上でできている。それぞれの1輪に雄しべと雌しべがある。この形状には、筒状花と舌状花があり、タンポポなどは舌状花だけで構成される。
・ケンポナシの木(クロウメモドキ科)米粒2つ分ぐらいのひょうたん型のこげ茶色の実をつけ、この実を食べたら驚くほど甘い。
・ダイダイという名の謂れは、実が2代にわたって実るので、ダイダイという。
・タマムラサキは、ヤマラッキョウから分類された新種。
・この植物園のシンボルマークは、バイカオーレンで、春先に咲く。
・タイワンツバキはお茶のような白い花が咲き、赤いイチゴのような実をつける。食べたら甘酸っぱくて意外においしい。
・サネカズラという木は、これまでオス木とメス木が別々と考えられていたが、実は、オス花が咲いた後、しばらくして、メス花が咲く雌雄同体木であることが判明した。これは、自家受精しない仕組みになっているからであり、二段カズラと呼ばれている。
・自然界にツバキ科の木は以下の4種類のみで、これ以外は園芸のために作られた混合種。
1.ヤブツバキ、
2.サザンカ(野生は白花のみで、高知から西のみで自生)
3.ユキツバキ
4.お茶
・甘柿、渋柿などがあるが、植物分類学上は同じで、柿ひとつだけ。
・オオムラサキシキブは珍しい木で、国内で数箇所あるだけ。
・クワはイチジクの仲間で、大きなトゲあり。
・クワ科アコウの実は茶色。
・混混山石碑のあたりにあるヒロハミミズバイ(オニクロキ)の木は室戸だけで生息。
・マルバテイショウソウ(カニコウモリみたい)はキク科とは思えない白い花が咲く。
・アメリカマンサクの花がいま咲いているが、普通のマンサクは2〜3月に咲く。マンサクの花びらは4枚。
・リュウキュウマメノキの茶色の実も甘くておいしい。
・クチナシの実は、初めて見たが、羽子板の羽みたい。これは味見していないが。
・シャシャンボの黒い小さな実をたくさん食べた。これも独特の甘さがある。シャシャンボの葉を触ったら、裏に小さなトゲがある。
・ユリノキは大木になる。葉が半天みたいに大きいので以前は、ハンテンボクと呼んだ。英語でチューリップツリーというので、ユリノキと呼ばれるようになっている。
・ヒイラギナンテンは黄色い花で、上に伸びるホウキのような枝にたくさん咲いていく。
・(ヨシノ)アザミもキク科で100輪以上の花が集まったもの。1輪にはちゃんと花びらが5枚ある。
ー
クマさんおはようございます。
先週は立山で今週は高知ですか・・・飛びまくりでしょ(笑)
三嶺ってお恥ずかしながら初めて耳にしましたが、めっちゃいいところですね。
テン泊したくなるような素晴らしい場所ですが、テント張ってもいいのかな??
四国に行けるのはいつになるかわかりませんが、機会があったらこのレコ参考にさせていただこうと思います。
お疲れ様でした。
さんちゃんのフットワークの良さをお手本にさせていただいたまでです
実際、自宅から高知まで、瀬戸大橋を使って、3時間ちょっとでした。
三嶺、いいお山でしょ!
昔、リフトやロープウェイを架けて観光化されようとしたのを、地元(特に高知県側)の有志や登山者、自然愛好家が阻止したと聞いております。でないと、剣山や石鎚山みたいに、宗教の名を借りてお金儲けの場所になってしまうところでした。
クマ
P.S テントを張るのは一応禁止らしいですが、テントを張るまでもなく、快適な避難小屋が主稜線にはたくさんあります。もちろん無料で使えます。
軽やかなフットワーク
(ヤマレコって、毎週遊びに行った記録でもありますよね )
さおりが原、いい感じのところですね〜。
三嶺の稜線も良い感じ。
ようやく雪化粧して、きれいだったのでは?
あ、一つだけ。
#66はムラサキカタバミ
お家の周りのそこらへんに生えてませんか〜?
へへどん、まいど。
主人の酷使に耐え、流星号(デリカD5)君はよくがんばってくれます。
三嶺、お気に召していただけたようで、何よりです。
徳島県側よりも、今回のように高知県側から登るのが、個人的には好きになりました。
#66について、葉っぱがちゃうなーって思ってたんですが、またひとつ勉強になりました。うちの周りには咲いてないんですがねー。
クマ
立山の次はこちらですか!
そのエネルギーはどこからくるのでしょうか?
やはりクマだからでしょうか?
お隣の剣山ではなく三嶺という選択がクマさんらしいですし、ワタシも大変共感するところであります。
山どころか四国の地はいまだ踏んだことがありませんが、登るとするならこのお山と思っております。
クマさんはもう何度も登られてるんですね〜。
牧野富太郎は小学生のころに子供向けの伝記を読んだことがあり、素直にすごい人だと感じ入った記憶があります。
牧野植物園、こちらも訪れてみたいですが、蝋人形がリアルすぎてコワいな〜。
クマ前線は徐々に南下してるみたいですが次は屋久島あたり?
東京方面の方にとって、四国はほんとうに遠方に感じるでしょうね。
でも、ボクの自宅から高知まで、クルマでぶっ飛ばして、3時間ちょっとです。
三嶺は、愛すべきお山です。
クマ前線は、スキーのために、また北に戻りますよ
カノスケどんは準備OK?
クマ
笹原の景色と三嶺という山名を見て、三ノ峰を連想してしまいました。
それにしても書斎の写真。
人形なんですね!
リアルすぎ( ゚д゚)
やまちゃんだ〜!
そうそう、別山平のあたりから南の三ノ峰避難小屋のほうにかけて笹の稜線が広がってますね。でも、こちらの笹原はもっと規模がでっかいですよ。もし機会があったら、是非登ってください。
本当にこの書斎の再現、出来すぎですよね!子供が見たら恐がって泣きますよ 手前に積んである新聞は、標本のための押し花で上に花の名前が書いてあるのです。そのまんまの自室の景色らしいですね。
クマ
剣山から三嶺、歩きたいところです。
陸羽の茶経に出てきますね。
茶は南方の嘉木にして・・・・・・。
そう言えばお茶もツバキ科ですね。
ふれあい植物観察会、楽しそう。
ストラッセさん、おはようございます。
今シーズン、剣山から三嶺への稜線歩きは何度か計画したのですが、すべて悪天候に阻まれ、計画倒れになってしまいました。途中の避難小屋で1泊する必要がありそうですが、もしよかったら、来年春にでもご一緒しませんか? 最後に高知側に降りて、牧野植物園でゆっくりするという感じです。
ふれあい植物観察会は、大変面白かったです。植物知識のある方が参加されたら、もっと面白いものなんだろうと想像します。
クマ
こんばんは〜。
確かに三嶺は剣山のように観光地化されてないので山登り本来の
楽しさがありますね。あのダイナミックな山容は好きです 。
そして冬シーズン到来ですね。。
霧氷の稜線がなんともインパクトが強く印象的です。
ikajyuさん、はじめましてですかね。
ikajyuさんも、三嶺、お好きでしたか。
これから厳しいシーズンとなりますが、
それとひきかえに素晴らしい景観を見せてくれます。
いろんなレポートを期待しております。
クマ
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