野塚岳と1331P(西峰)周回コース
- GPS
- 10:06
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 1,130m
- 下り
- 1,119m
コースタイム
- 山行
- 9:18
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 10:06
過去天気図(気象庁) | 2016年01月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
下山時の尾根を間違えて沢を下ってしまいました。ここは絶対にお勧めできません。ご注意下さい。危険箇所については写真と感想に書きましたので参考にして下さい。 |
写真
感想
明けましておめでとうございます。今年も心惹かれる山を歩きたいと思います。
正月休みは例年通りに過ごしながらも、「グレートトラバース 100名山一筆書き」や栗木さんの「エベレストへの挑戦」を見たりとモチベーションがとても高まりました。今回の山行は南日高の情報が少ないのと、自分自身かなり気合いを入れて臨んだ山行なので詳細を書きたいと思います。
貴重な休みです。娘を帯広の下宿に送り届けた後の山行を色々画策していました。第1候補としていたニペソツ山、ユニ石狩岳は天候が悪そうです。第2候補としていた南日高に移動しました。情報が乏しい中、野塚岳に登れるのか不安だったので取り付きの様子を下見します。笹は完全に埋まっていたので登れることを確信しました。トンネル出口の駐車場はややうるさいので十勝岳の取り付き地点で車中泊としました。
翌朝、長丁場を予想して4時過ぎに出発しました。最初の取り付きから尾根に出るまではモナカ雪でした。キックステップと地ならしをしながらのラッセルは根気が必要です。随分頑張ったなと思ってもさほど進んでいません。星を見ながら稜線からの日の出を励みに頑張りました。やっとの思いで尾根に出るとクラストして歩きやすくなりました。かなり細い箇所もありますが問題なく通過出来ます。辺りはまだ真っ暗です。
1147Pに到着して間もなく日の出を見ることができました。日高の稜線から見ることができるなんてとても贅沢です。オレンジ色に染まる木々や山々を眺めながら稜線を進みました。下から吹き上げる強風もなかなかです。幾つかのアップダウンをしながら1223Pに到着しました。ここでやっと野塚岳とご対面です。南北に連なる南日高の名峰も久しぶりです。
アイゼンに履き替えて野塚岳の急登を登ります。時折踏み抜きながらもクラストしたところを選んで登りました。頂上直前の風が弱い所で休憩とエネルギー補給をします。充電を完了して山頂に飛び出すと素晴らしい景色が飛び込んでくるのと同時に樽前山級の暴風が襲ってきます。三脚を立てる余裕もないまま1331P(西峰)へ向かうかどうかを検討します。「行きたい、行ける」と思う自分と「無理は禁物」と戒める自分がせめぎ合います。風は強いが体ごと飛ばされるほどではない、完全防寒で寒さも感じない、時間にも余裕がある、こんなチャンスはそうはない、ということで周回コースを進むことにしました。
2つのピークの縦走は今日のクライマックスです。慎重に歩を進めながらも心はウキウキしていました。天馬街道を走る車から自分の姿は見えるのかな〜と考えたりもしました。1331Pに到着すると更に風が強まります。疲れもあってその場に座り込みながら景色を堪能しました。ここでも記念撮影などしている余裕がありません。立ち上がるとすぐに先へ進みます。国境稜線歩きはとても気持ちがいいのですがとにかくこの強風です。結局下降地点までこの風にさらされました。
さて、1331Pを越えたら気を遣う所はないだろうと思っていましたが3つの岩場がくせ者でした。岩の上は危険、東側は雪崩そう、西側をトラバースしようと考えましたが急斜面の上に雪質はモナカです。スノーシューでは滑落の危険がると判断してアイゼンに履き替えました。するとモナカの下はサラサラの雪が深くなっています。時折股まで埋まりながらの牛歩になりました。ここを突破するのにとても時間がかかりました。条件が良ければスノーシューでもトラバースできると思いますがその時々でかなり違うようです。
下降地点からはやっと強風から解放されて気持ちも和らぎます。あとは尾根を一気に下るだけです。ところがGPSが動作不能になっています。仕方なく感で降りていくうちに支尾根を降りてしまいました。駐車場よりかなり手前の沢に降りて進むも雪が深くてなかなか進みません。この時期に沢を歩くのは全くもって愚行でした。教訓にします。小雪も降り出した沢をもがきながらやっとのことでゴールして今回の長丁場を乗り切りました。
昨年2月に当時小学生だった子供達が踏破したレコを見て自分もやってみようと思っていましたが予想以上に大変な行程でした。コース状況などの違いはあると思いますが改めて拍手を送りたいという気持ちになりました。
今回の山行は冬季としては今までの最長時間をかけたものでした。幾つか試したことや気がついたことを書き留めておきます。
〃搬咾離丱奪謄蝓式飮について
携帯の背面に貼るカイロをつけて、中間着の胸ポケットに入れてみました。10時間の山行を終えてもたったの9%しか減っていませんでした。かなり長持ちします。それでも最後は山旅ロガーが反応しなかったのでその原因は不明です。
▲粥璽哀襪陵用性について
普段の山行ではサングラスを使用していますが強風に長時間さらされていると目元付近が寒さで痛くなります。今回はすぐにゴーグルを使用したので全く冷たさを感じませんでした。鼻から下を覆うネックウォーマーにも口元に穴を空けているので曇りもありません。今後も積極的に使用していこうと思います。
オーバーグローブの有用性について
薄手のグローブ、ウールグローブ、オーバーグローブの3枚を使用しましたがとても快適です。今回はスノーシューとアイゼンの交換を4回行いましたが素手を出すことは一度もありませんでした。スノーシューやアイゼンを脱いだり履いたりするのもだいぶ手慣れてきたので短時間で行えることは体温の保持にも有効だと思いました。それでも最後の方はウールに雪が付着してオーバーグローブの内側も少し凍っていました。
ぅ疋螢鵐の凍結防止策について
山行後半によく凍結して飲めなくなることがあります。今回はsyunpaさんと山チビのチチさんのレコを参考に、ドリンクを懐に入れて歩きました。見事に凍結しないで快適に水分補給をすることができました。
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今更ではありますがインナーからアウターまで山のウェアーは凄いと実感しました。かなり長時間に渡って強風にさらされましたが寒さや冷たさを感じた部分は一つもありませんでした。歩くペースも遅く、発汗と冷えのバランスがうまくとれていたのもあるかもしれませんが体を守る大切なものであると再認識しました。
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自分なりにやりきれるという確信があって実行しましたが途中で葛藤もありました。今シーズンも遭難のニュースが幾つかありました。「ここで何かあったらどうするんだ?自己責任とはいうものの結局多くの人に迷惑をかけることになるのではないか?多少経験値が上がって自分の実力を過大評価しているのではないか?」といった不安や恐怖が時折頭の中を駆け回ります。それを振り払うように「いや、大丈夫だ。慎重に歩を進めるのだ。状況判断を冷静に行うのだ。どんな状況でもやり切るのだ。」と強い心を持ち直します。
社会生活や家庭生活のサイクルは人それぞれなのでどうしても単独行になってしまうことは多くなります。山は危険も多い場所です。そんな中でも楽しめる計画性、経験、技術、体力、装備を持たねばならないと感じた山行でもありました。
長々とお読みいだだきましてありがとうございました。これからも安全に留意して山行を続けたいと思います。
コメント
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レコを見ていたら羨ましくて発狂寸前です(>д<)。
現在はピッケルやポールを握れる手ではありませんが、復帰後は是非ともご一緒させて下さい!(^^)!。
morethanさん、不自由な手でコメントありがとうございます。
たくさんの感動と教訓を手にした山行となりました。
やはり日高は心惹かれる山域です。
発狂寸前ですか。
南白老岳の映像を見て我慢して下さい。(^_^;)
まだしばらくかかると思いますが完治したらピリカ行きましょう。
やったね!山行成功と新年おめでとう御座います。
これからも、安全で挑戦して下さい。
シラオイ hakurou-4
hakurou-4さん、明けましておめでとうございます。
歴戦の勇であるhakurou-4さんからコメントをいただきましてとても嬉しいです。これからも一歩一歩経験値を上げて安全登山を心がけます。
白老山岳会の方々ともまたご一緒できる機会があると嬉しいです。
よろしくお願い致します。
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