【白山】御前峰(ナナコバ山、シゲジ経由)


- GPS
- --:--
- 距離
- 31.7km
- 登り
- 2,876m
- 下り
- 2,869m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・ 今回のルートは、たぶん白峰から御前峰に向かうにあたっての最も直線的な(=最短の)ルートの一つではないかと思う。湯の谷の地形的弱点を活用したルート組みは良く行われることだし、そもそも湯の谷~御前峰の区間は過去に実在した幻の登山道、「ワンゲル新道(湯の谷新道)」とも重なるので、それほどオリジナリティがあるわけではないが、ナナコバ山やシゲジなど静かで魅力的な山頂を経由でき、終始正面に御前峰を眺めながら登れるのも好ポイント。湯の谷の横断も良いスパイスになっている。 ・ 湯の谷を横断してから山頂台地に登り上げる斜面は部分的に結構急なので、特に下降時は注意。また、ルートを誤ると断崖に突き当たって進退窮まる恐れがあるので、ルート取りは慎重に。要ピッケル・アイゼン。 ・ ナナコバ山からの下山は尾根を外しやすいので慎重な読図が必要。 ・ 雪は概ね締まっておりツボ足で歩けるが、気温が上がってくると結構沈み込むため、少なくともワカンくらいは携行したほうがよい。 |
写真
感想
3週間前は天候に嫌われ、2週間前は悪雪に嫌われ、3回目でようやく登ることができた。よかった。これでまた登れなかったりしたら、さすがにがっくり気落ちしてしまうところだった。まあ、これだけ天気が良くて、雪も締まっていれば、登れて当然といえば当然なのだが。
今年は本当に雪が多い。いまだに取り付きからたっぷり雪があるし、稜線上の白さは厳冬期と見紛うほどだ。
しかしそんな中でも、3週間前と比べれば、いくつかの小さな変化が春の深まりを気づかせてくれた。林道の脇にはフキノトウが増えたが、その多くは既にいささか開きすぎていた。ナナコバ山のブナの森では、コガラの口笛に加えて、ヒガラのにぎやかなソプラノが加わった。シゲジへの稜線上では、稜線を横切る大きなクマの足跡を何度も見かけた。一番驚いたのは、夜明け前、大杉谷に架かる橋を渡るところで、トラツグミの声を聞いたことかもしれない。その鳥の声を聞いたとたん、なんだか一足飛びで夏がやって来たような気がして、一面の残雪に覆われた中で聞くには、ちょっと異様な感じがする声だった。見上げると、南東の空には天の川が横たわっていた。いつの間にこんなにはっきり見えるようになったのだろう?
気が付いたら急に日も長くなっていて、ようやく車まで戻ってきたのは18時半を回ったところだったが、結局ヘッドライトのお世話になることはなかった。少し前までは考えられないことだ。
道路の除雪もにわかに進みはじめた。先々週の大杉谷林道は、入り口にすら除雪が届いていなかったのに、今回来てみたら下杉谷の雪崩常襲地点の手前までクレーン車が進出していた。眼下に見える白山公園線も、だいぶ乾いた路面の距離が伸びているようだ。登山者の勝手な感傷にしか過ぎないことはよくわかっているつもりだが、除雪の入ったアプローチ路を見ると、例年のことながら少しばかり寂しい。除雪が進んだ山には、厳冬期独特の秘密や恐ろしさはもうない。そこは既に、どこまでも歩いて行ける明るい春山である。少なくとも、私のような力ない一登山者の、日帰り登頂を許してしまう程度には。
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