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記録ID: 7905605
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積雪期ピークハント/縦走
白山

【白山】御前峰 早春 (天候悪化により山頂手前で撤退)

2025年03月15日(土) [日帰り]
情報量の目安: A
都道府県 石川県 岐阜県
49拍手
GPS
--:--
距離
26.9km
登り
2,349m
下り
2,349m
MarkerMarkerMarkerMarkerMarkerMarkerMarkerMarker
5 km

コースタイム

日帰り
山行
13:30
休憩
0:00
合計
13:30
3:00
230
駐車地
6:50
160
9:30
50
10:20
40
撤退地点(山頂台地手前)
11:00
150
シゲジ
13:30
180
16:30
駐車地
天候 曇りのち雪
過去天気図(気象庁) 2025年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
大杉谷林道はもちろん除雪されておらず,起点の200mほど手前で除雪が終わっている。除雪終了点付近に2台分ほどの小さなスペースがありそこに駐車(降雪直後は除雪の邪魔になるため駐車しないほうがいいかも)
コース状況/
危険箇所等
・ 雪はかなり締まってきているが,まだツボ足だと沈み込むため,ナナコバ山までワカンを使用。そこから先はアイゼン使用。
・ 今回のルートのうち,湯の谷乗越付近から湯の谷を横断して白山西面の台地に乗り上げる区間は,昭和30年代後半~40年代前半に短期間存在したが現在は廃道となっている幻の登山道,「ワンゲル新道」とほぼ重なるルート。現状では湯の谷は谷割れもなく問題なく横断できる。湯の谷を横断してから山頂台地へと上がる斜面はやや急なので滑落注意(要アイゼン・ピッケル)。
・ ナナコバ山から先は木立が少なくなり,悪天時はホワイトアウトの恐れがあるので,慎重な行動が必要。
・ そういえば,ナナコバ山からシゲジへと続く稜線上で大きなクマを目撃しました。もう冬眠から覚めているようです。ご注意を!
ナナコバ山山頂付近の美しいブナ林。大きな根開けの穴に春を感じる。
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ナナコバ山山頂付近の美しいブナ林。大きな根開けの穴に春を感じる。
ナナコバ山って,こんなに眺望のいい山だったっけ? 一度残雪期に通過したことがあるはずだが,全然記憶になくて驚いた。
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ナナコバ山って,こんなに眺望のいい山だったっけ? 一度残雪期に通過したことがあるはずだが,全然記憶になくて驚いた。
ナナコバ山からの白山。高曇りだが遠くの山までよく見え,全くの無風。今日は確実に天候が悪化していくはずなので,この静けさが逆に不気味だ。
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ナナコバ山からの白山。高曇りだが遠くの山までよく見え,全くの無風。今日は確実に天候が悪化していくはずなので,この静けさが逆に不気味だ。
稜線をシゲジへ。春の雪は硬く,快調に進む。
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稜線をシゲジへ。春の雪は硬く,快調に進む。
小さなポコは宮谷川の緩やかな斜面を巻きつつ。
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小さなポコは宮谷川の緩やかな斜面を巻きつつ。
雪庇の尾根の向こうに,シゲジが近づいてくる。
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雪庇の尾根の向こうに,シゲジが近づいてくる。
シゲジ着
御前峰と大汝峰も,湯の谷を隔ててすぐそこ。
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御前峰と大汝峰も,湯の谷を隔ててすぐそこ。
湯の谷へ下降していく。正面の湯の谷に落ち込んでいる尾根のやや左脇から取り付いて,御前峰へと直行する予定。
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湯の谷へ下降していく。正面の湯の谷に落ち込んでいる尾根のやや左脇から取り付いて,御前峰へと直行する予定。
湯の谷を横断。まだ谷割れもなくきれいだ。
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湯の谷を横断。まだ谷割れもなくきれいだ。
湯の谷の左岸斜面に取りつき,アイゼンを効かせながら白山の山頂台地へと急登していく。
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湯の谷の左岸斜面に取りつき,アイゼンを効かせながら白山の山頂台地へと急登していく。
もうすぐ山頂台地,というところで,ついに天候が急変。それまでの無風状態から一変,雪混じりの強風が吹き荒れ,視界が急激に悪化していく。こらあかん。ホワイトアウトになる前に帰りましょう。
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もうすぐ山頂台地,というところで,ついに天候が急変。それまでの無風状態から一変,雪混じりの強風が吹き荒れ,視界が急激に悪化していく。こらあかん。ホワイトアウトになる前に帰りましょう。
シゲジ付近も木立がないため,ホワイトアウトになると危険だ。下降を急ぐ。
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シゲジ付近も木立がないため,ホワイトアウトになると危険だ。下降を急ぐ。
帰路の稜線から,御前峰方向を振り返る。山頂台地は完全に風雪に覆われていた。
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帰路の稜線から,御前峰方向を振り返る。山頂台地は完全に風雪に覆われていた。
ナナコバ山付近まで戻って来た。このあたりからは木立があるので安心。
ナナコバ山付近まで戻って来た。このあたりからは木立があるので安心。
林道に着地…と同時になぜか天候が一時的に回復するというオマケつき。もう天気悪いままでいいから。
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林道に着地…と同時になぜか天候が一時的に回復するというオマケつき。もう天気悪いままでいいから。
見つけて嬉しいマンサクの花。春だねぇ
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見つけて嬉しいマンサクの花。春だねぇ

感想

 この冬は,いろいろな山の山頂から白く輝く白山を眺めた。遠くから眺めているうちに,久しぶりに白山に登りたくなってきた。
 しかし,今週末はあいにく土日とも天気がよくない。天気予報を眺めているうちに,土曜日なら夕方まで天気が持ってくれるのではないかと思えてきて,とりあえず出かけてみることにした。
 早朝の林道の雪はよく凍みていた。ワカンが硬雪と触れ合う軽く澄んだ音が,いかにも春山という感じを起させる。
 一年ぶりに聞くミソサザイのさえずりに驚かされながら,ナナコバ山のブナの斜面を登る。今年の豪雪で,ほとんどの木が下部の枝を無残にへし折られている。見上げると,次第に膨らんできた若芽で,ブナの梢は一面に赤く染まったようだ。
 稜線に立つと,高曇りの無風状態。遠くの山々まで異様にくっきりと見える。そして妙に暖かい。遅かれ早かれこの後ほぼ確実にやってくるであろう天候悪化を思うと,この静けさは逆に不気味だが,とにかく進むことにする。ワカンはブナの根元にデポし,アイゼンに履き替える。
 締まった雪を歩くのは久しぶりで歩みは軽く,行程は順調に進んで,シゲジ着。豊富な雪に均された湯の谷の大空間を挟んで,御前峰が指呼の間に見える。あとは湯の谷を渡って山頂台地へと急登を登り切ればいいだけだ。アンパンをほおばる。まだ雲はここまで降りてこない。
 しかし,湯の谷の雪渓を首尾よく横切り,山頂台地への急斜面をちょうど登り切ろうというところで,天候は一変した。小雪がちらちらと舞ったかと思うと,次の瞬間には鋭い風が吹きつけ,一気に吹雪になった。結局,天気は夕方どころか,正午までも持ってくれなかったわけだ。視界は急激に悪化していく。
 私はGPSを携行していない(別に何か主義主張があるわけではなく,単にそのほうが登山が面白くなるから持っていないだけ)。だだっ広い山頂台地の雪原のど真ん中でホワイトアウトに陥ると,当然ながら大変面倒なことになる。あっさり撤退を決めた。
 山頂目前で引き返すのは残念だが,天候には勝てない。そもそも,こんな日にのこのこやって来た私も私だ。また晴れた日に登りに来ればいい。
 下山の目印になるナナコバ山のピークは,気づけばもう風雪の中に見えなくなっていた。尾根のつながりが分かりにくい数箇所では,慎重に地図とコンパスをにらみながら下った。逃げるように下りながらも,こんなふうに風雪に叩かれながら歩くのは,今シーズンあと何回もないだろうと思うと,何だか感慨深くなってしまう。
 ナナコバ山の樹林帯に入り,ようやくほっとして,テルモスの温かい紅茶をのんだ。次第に大きくなってくる大杉谷の瀬音を聞きながら,中途半端に終わった山行の下山時に特有の,気が抜けたような心持ちで下っていくと,ブナが植林に変わるあたりで,マルバマンサクが黄色い花をつけているのを見つけた。この木は,まだ幹の大半が雪の中に埋まっているうちから,雪面から枝だけ出して健気にも花を咲かせる。一面の雪景色の中で,その花の周りだけ,小さな明かりが灯ったように華やいで見えた。白山の春もすぐそこまで来ている。

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