西駒ヶ岳 (木曽駒ケ岳) ホテル千畳敷 星空撮影会
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 921m
- 下り
- 930m
コースタイム
- 山行
- 3:50
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 4:31
- 山行
- 2:59
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 4:00
天候 | 1日目:高曇り 2日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
ホテル千畳敷で開催された「第2回 星空撮影会 〜はじめてのほしぞら〜」に併せての山行です。
https://goo.gl/pX5Os2
この会は、昨年の晩秋に開かれた「美酒パーティー」に私が Vixenさんの対空双眼鏡を持ち込んだことが発端で、その後トントン拍子に話がまとまり、今年の3月に続いて今回が2回目の開催となりました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-769326.html
前日まで「晴れ」の予報が出ていたのですが、当日は朝から高曇りしていて先行きが思いやられました。いつも家族に『私は晴れ男』だと自慢していた手前、今回ばかりは「晴れ男じゃなかったの?」と弄られまくりでした。
当日は10時のロープウェイで上り、ホテルに挨拶をしてから早速登り始めました。例年に比べて圧倒的に雪が少なく、夏の渇水が心配なぐらいです。とはいえ「八丁坂」にはまだ多くの雪が残っており、私のような未熟者にはアイゼンが必要でした。
踏み跡を利用させて戴くとはいえ気温も上がっていますので、しっかり爪を立てて、ほぼ直登のコースを登って行きます。
最後の急登を越えて階段の位置で、夏道が出ています。
中岳巻道に残雪がある可能性も考え、久しぶりに中岳頂上を経由して西駒本岳(俗称:木曽駒ケ岳)を目指しました。
山頂では残念ながら眺望が今ひとつでしたので、栄養を補給してそそくさと戻ることにしました。
本岳から確認する限り巻道には雪は無さそうなので、帰りは中岳の巻道を辿りました。幽玄の三沢岳に出会えて、大満足です。
乗越浄土に戻ったものの、まだ打合せ時間に間があるため伊那前岳に足を伸ばす事にしました。
途中幾つかの花々に出会い、季節が大急ぎで進んでいることを感じました。伊那前岳の先は、まだしっかりと雪が残っているので向われる方はそれなりのご準備を。
夕方からの打合せに間に合うよう、2時半過ぎに千畳敷に戻りホテルにチェックイン。部屋で一息かせて戴き、夕食時の「信濃錦ミニ試飲会」と「星空撮影会」の打合せを行いました。
気になるのは天候ですが、最新の予報を信じて望遠鏡をセッティング。
月末に火星が2年2ヶ月ぶりに大接近するため、今回のテーマである「夏の銀河」の撮影会とは別に、晴れ間を見つけて「火星」「木星」「土星」といった惑星たちを観て戴けたらと思っています。
午後6時。美味しいお料理が並べられ、中ア観光蠅 O部長にご紹介戴き、まずは「ミニ試飲会」。
ホテル千畳敷さんとコラボした「純米大吟醸酒『千畳敷』」と「純米酒『千畳敷』」はもとより、今回は「特別純米大辛口酒『斬九郎』」と「純米吟醸生原酒『無垢之酒』」をお料理の進展に合わせてお出ししました。
最後にはデザートとして、米と米麹のみを原料としたノンアルコールの「純正あま酒」とミルクを2:1でシェイクした「あま酒ラテ」をお出しして終了。
皆さん、ご満足戴けたでしょうか。
午後7時。喫茶室「エーデルワイス」にて、座学タイムです。
まだ外には残照が残るものの、完全なまでの「快晴」となりました。
ホテル千畳敷さんでの「星空撮影会」の対象者は、副題として「〜はじめての星空〜」としてある通り、星の写真の初心者が対象です。
とは言え、晴れさえすれば澄み渡った星空が期待できるこの地で開催される天文イベントとして、今回の参加者の半分以上は経験者、それも相当な熟達者方もおいでの様子でした。
薄明が残っていても惑星観察には支障がないため、座学にはレジュメを用意して手短に済ませ、一旦ご自分のカメラのセッティングを確認戴く時間をとり、午後8時前にはホテルの東側に移動。
まずは南天高くに昇っている「木星」から。
光軸調整は先日済ませてありましたが、どこまで観えるでしょうか。
「!…」思わず息を飲みました。
縞模様の濃淡はもとより、その縞模様に落ちた衛星「イオ」の影までくっきり確認できました。
続いて大接近中の「火星」と「土星」ですが、こちらはまだ高度が低いため、大気が揺らいでいてはっきりしません。もちろん土星の輪や、火星の模様などは確認できますが、下界で見るのと大差はありません。
そうこうしているうちに薄明も終り、皆さんには撮影の下準備に入って戴きました。
ピント合せから露出の決定まで、今回は経験者が多かったためか手取り足取りの方は数えるほどで、その分望遠鏡のお世話に集中できました。
午後9時過ぎには夏の銀河が東の空から昇る計算ですが、東の地平付近にはモヤがかかっていて実際に観られるようになったのは午後10時過ぎからでした。
下弦の月が昇ってくる午前0時前までが勝負ですので、この2時間にどれだけ粘れるかにかかっています。
午後10時を過ぎると、厚い大気の揺らぎに邪魔をされていた「火星」と「土星」の高度も高くなったため、私の持参した高倍率の接眼鏡で再挑戦してみました。
「!…」、2度目です。
「火星」は極冠こそ確認できませんでしたが、その昔「運河」と呼ばれた模様が「T」の字に確認でき、「土星」は輪の中に細くある「カッシーニの間隙」がシャープに確認できました。
星雲としては、「いて座の干潟星雲 M8」、「こと座のリング状星雲 M57」、「こぎつね座の亜鈴状星雲 M27」など、観望会としても十分な観えっぷりで、買ったまま置物化していた望遠鏡が大活躍できる場所が見つかってひと安心です。
ちなみにこの望遠鏡の名は「御隠鏡2号」です。
「御隠鏡1号」は西駒山荘に寄贈してある屈折12cm(経緯台)です。「1号」は無料貸し出しができますので、管理人の宮下に相談して下さい。
えっ、命名の由来ですか…!?
私の小学校時代の同級生が名付けてくれたのですが、私が使っていた望遠鏡の中で余り使われなくなった「ご隠居さん」状態のものだから、とでも言えば良いでしょうか。
今のところ「御隠鏡3号」の候補はありません。
皆、バリバリの現役です。
午後11時前には望遠鏡を撤収し、漸く自分の撮影タイムとなりました。
今回はじきに月も上がってくるため、徹夜は致しません。
宝剣岳側で少しと、東側で夏の銀河を撮影しました。
今回の撮影会には、千葉や和歌山など遠方からお見えの方も多かったのですが、地元の私でさえ、ここから見る「天の川」には圧倒されます。
「はくちょう座」から「いて座」に流れる「天の川」は、まるで薄雲のようにも見え、特に「いて座」方向の銀河中心部周辺の暗黒星雲が入り乱れる様子まで肉眼で確認できてしまいます。
惑星観望も堪能でき、私にとっても大満足の「星空撮影会」でした。
そしてもう一つ、やはり私は『晴れ男』でした。
翌朝、外の物音で目が覚めました。
皆さん「御来光」をカメラに収めようと早起きされた様子です。
中には徹夜で撮影を続けられた方も居られたとか。天文ファンの鑑(「鏡」と云うべき?)ですね。さすがです。
ただ、夏至まで1ヶ月を切った現在、太陽はだいぶ北寄りの方角から昇るようになっており、ホテル東側の広場からは、まともに日の出を拝むことはできません。
もし八ヶ岳から昇る太陽を拝みたいのであれば、早起きして暗いうちに登り始め、中岳中腹を目指す必要があります。
天候が崩れるようであれば、このまま帰ることも考えていましたが、こんな好天、山好きに登るなというのは酷なことです。
この時期、朝一番のロープウェイは8時ちょうどです。
登山道が混み合う前に雪渓を独り占めしようと、朝食後、参加者の皆さんにご挨拶し、そそくさと山行の準備をして朝一番のロープウェイが着く前の出発を目指しました。
前日とはうって変わっての快晴のもと、夜の冷え込みで締まった雪の上を、只一人サクサクと登って行く音が心地よく、30分程で乗越浄土へ。今回も中岳頂上を経由しましたが、ここからの眺望も素晴らしく思わず見とれてしまいました。
本岳までの道も全く不安箇所はなく、本岳頂上には既に「宝剣山荘」などにお泊りになられた方などが数名登られていました。
前日は全く展望がききませんでしたが、今回は360度見渡す限りの大展望となりました。
今回の山行、私には一つの目的がありました。
南アルプスの鳳凰三山の一角、地蔵岳の「オベリスク」をカメラに収めることです。
以前に同級生と登った際、南アルプス仙丈ヶ岳の肩付近に何か尖ったものが見えたため、まさかと思いオペラグラスを覗いたところ地蔵岳「オベリスク」と確認できました。その際には機材がありませんでしたが、今回は OM-D M-5 II をお供に連れていますので、ズームアップして「ハイレゾショット」で切り取ることが可能です。
何枚がチャレンジしてみましたが、上手く撮れていますでしょうか?
午後には天候が崩る予報なので、のんびりせずに下ることにしました。
今回も帰りは中岳の巻道です。
前日とは全く違う表情を見せる、三沢岳と御嶽山を堪能できました。
〆はもちろん「宝剣岳」です。
雪は殆どなく登る方も殆ど居られないので、マイペースで登ることができました。こちらも大展望でした。
飄々と登られたソロの方は、極楽平を目指して南の岩場へ向かわれましたが、臆病者の私は高校生の時以来行っていません。
下山途中ですれ違ったどこぞやの登山部と思われる方々も、ザイルとカラビナを沢山持参されていたので、極楽平方面の岩場を楽しまれたことでしょう。
これだけの気持ちのよい山行も久しぶりなので欲をかきたいところですが、お昼のロープウェイで下れるよう下山しました。
星も山も大満足で、心は「満腹」状態です。
最後になりましたが、星空撮影会に参加された皆さん、ホテル千畳敷のスタッフの皆さん、中央アルプス観光蠅粒Г気鵝楽しいひと時をご一緒できてとても幸せでした。ありがとうございます。
また、今回も各種資料をご提供戴くなど大変お世話になりました OLYMPUSさん、Vixenさん、本当にありがとうございました。
ホテル千畳敷さんは、これからトップシーズンを迎えます。
多くの部屋を占有してしまう「星空撮影会」はトップシーズンには企画できませんので、次回は半年後の10月下旬から11月初旬の「新月」の前後になるのではと考えています。
ご期待ください。
・中央アルプスで信濃錦を呑む会 in 宝剣山荘
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