高尾駅ー北高尾山稜ー堂所山ー陣馬山ー高尾山ー高尾駅


- GPS
- 09:44
- 距離
- 33.6km
- 登り
- 2,336m
- 下り
- 2,347m
コースタイム
- 山行
- 9:11
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 9:55
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
私は民家の間の路地を使いましたが、道迷いを避ける点では県道516(バス通り)を歩いて途中神明神社方面へ曲がる(陸橋を渡ります)ほうが確実かもしれません。ただ私は516号沿いの道を試したことはありません 北高尾山稜登山口の取り付きは標識がないのでわかりにくいと思います。林道っぽい道が右に折れたところに細い枝道があります。私の6月3・4日のレコに掲載した写真などを参考にしてください。 北高尾山稜は細かなアップダウンがありますが基本的には堂所山まで登り続けます。急登な部分はほとんどありません。踏み跡は結構広く、硬く踏みならされており、ところどころ標識があるので道迷いの心配はありません。堂所山から下る場合に比べると、登るほうが安全面でも、体力的にも楽に感じました。 私は下山は金比羅台を経由し、高尾山ちか道標識から通りを横断して向かいの金比羅緑地(もうひとつの金比羅神社)を経由して高尾駅へ戻りました。このコースを使う場合、標識から京王線高架下へまっすぐ向かうと神社の石段がありますのでそれを登りきります。左手に細い踏み跡が続いています。その後、踏み跡に沿うといったん市街地(初沢町三和団地)に出掛かりますが。市街地に出ず、左の細いふみ跡をたどると、金比羅神社へ通じます。一瞬と惑いますが地図どおりです。 |
その他周辺情報 | 高尾駅にスーパーマーケット(京王ストアー)があるので、遅い出発の場合は買い物ができて便利です。高尾山口駅周辺の買い物はやや不便です。 |
写真
装備
備考 | ヘッドランプ、手袋、水(飲み物含めて)3L、行動食、岩や木の幹をつかむので、手袋をはめて行動することをお勧めします。 |
---|
感想
この週末(6月11日、12日)は天気がいいらしい。梅雨の中休みを利用して、前回縦走したルートを逆周りで回ってみることにした。
高尾駅には京王ストアー夜遅くまで開店している。夜間登山者にとって食料調達には都合がいい。おにぎりとパン、ドリンクヨーグルトなど、あまり登山らしくない食材を購入して歩きだした。
多摩四国六十九番札所宝生山金南寺で、頭にタオルを巻き、ヘッドランプを身につけ、軽く腹ごしらえをして山歩きに備えた。
最初は市街地の狭い路地を通るのだがそこでいきなり迷ってしまった。中央線の踏み切りをわたれるはずなのにどうしても民家の庭先で行き止まりになる。昔ならここで相当往生するところなのだが、前回のスマホGPSのログを見ることができたので、調べてみると、民家と民家の間にほんとに細い道があるらしい。戻ってみると果たして闇夜では道の存在が確認できないところに踏み跡がある。ほっとして通過し、無事踏み切りをわたることができた。
再度中央線を横切る陸橋を過ぎると人家より畑が目立ち、歩道というよりは山道になる。道が右へ大きく曲がったところに、直進する枝道がある。そこが北高尾山稜の入り口だ。来たことがなければ、まして深夜ならば足を踏み入れるのがためらわれるところであるが、先週踏み込んだばかりなので迷わず突入した。時々蛙の声などが聞こえる中、中央高速の高架下をくぐると、本格的に登山道が始まった。このあたりで、梅雨時でもあるのに吐く息が白くなったのには驚いた。
最初の目標地点は地蔵峰である。4体のお地蔵様が登山者の無事を守ってくださっている。手前の新しいお地蔵様にばかり、先週は目を奪われていたが、実はずっと以前から登山者を見守り、風雪にお顔もわからなくなりかけていた古いお地蔵様が2体、じっと登山者のことを見守っていらっしゃる。今回も山歩きへの精進を報告し、道中の無事を祈って先を急いだ。
前回の山行記録で、下りはざれて滑りやすい、逆周りのほうが歩きやすいだろうと述べたが、やはりその通りだった。また今回は一度歩いている道なので、基本的には地図は出さず、手袋をはめて積極的に手も使って、要するにはいつくばりながら高さを稼いだので、下り続きの前回に比べると張るかに快適な北高尾山稜歩きを楽しむことができた。
それでも一箇所GPSに救われたところがあった。熊笹山からの下りの部分である。杉林の中の広い道を下るところなのだが、本来硬いはずの踏み跡が妙にふかふかしている。まるで杉林の中に迷い込んだようだ。木の幹に塗られたペンキマークをたどっているのだから間違えないはずなのだが、下りの傾斜がどんどんきつくなる。歩けなくはないが、一般ハイキングコースとしてはやや異常な感じがした。まずは熊笹山方面へ来た道を引き返し、踏み跡を見つけて安心したとばかりに歩きだしたのだが、GPSを見ると本ライン登山道と垂直に、小下沢方面へ歩いているではないか。これは面倒でもいったん熊笹山まで戻ったほうがいいだろうということで、登り返し、ようやく正しい登山道に沿った踏み跡を見つけ出して安心した。
堂所山までは、くだりもあるものの基本的にはだらだらと登っていく、ところどころジグザグがあるのだが、そこでジグザグの曲がりを気づかずに歩きそうになるところが何箇所かあったが、本ルートはほぼ例外なく、硬く踏み古されたそれなりの広さの踏み跡が残っていることを頭に入れながら歩けば、それほど大きく道を踏み外さないうちに、道間違えに気づくだろう。
夜間登山は、訓練にんることを除けばあまり楽しくない。特に樹林帯の登山では、星明りの中の無灯火縦走もできないし、夜景も楽しめない。そんな中で若干の楽しみは野生動物との遭遇である。むろん熊をはじめとする強いやつとはお目にかかりたくないが。
今回の遭遇は3回だった。一回目は熊笹山通過後の道迷い。高尾山で見かけたオレンジ色の目玉がこちらをちら見していた。もしかすると小仏峠の狸様が道間違えを促すために合図を送ったのかもしれない。
次に暫くして、登山道前方を、黒い襟巻きが一生懸命駆け上がり、カメラを取り出すまもなく茂みの中へ消えていった。全体的なシルエットはイタチ、テンだったのだが、調べてみると、真っ黒なイタチ、テンはいないらしい。また走り方が並足だった、イタチやテンならぴょんぴょんと飛ぶような足取りで駆け上がって行ったのではないか。そうするとこの黒い襟巻きの正体も、ちょっと信じがたいがタヌキであったのかもしれない。
さらに高ドッケ付近で右側の茂みががさがさ、そしてちょっと不機嫌なうなり声が聞こえた。高尾山にクマは出ないだろうけれども、イノシシと鉢合わせしたらいやだなあと思いつつ「こんばんは」と大声を出しながら歩き続けた。声がけの効果があったかどうかはわからないが、イノシシとの対面はなかった。
暫く歩くと、前方より照明が見えた気がした。この時刻に自分と同じ縦走者がいるのかと思ったが、自分のヘッドランプの明かりが反射したのだった。照明が見えたのかと思ったのは、反射板の正体が、リンドウ沿いに設置された、作業中を促すための看板だったためだ。板当峠に到着した。ここからすこし林道沿いの道を歩き、狐塚峠を過ぎると再び林道から離れて完全な山の中の銃走路となった。
前回の登山では砂地気味の下降で足をずいぶんと滑らせて肝を冷やした。また初見のルートで用心していたので、夜が明けかかっていたけれどもかなり時間がかかった。それに比べると、今回は何が来るかは大体わかっていたし、下りに比べると登りはバランスよくたつことができるのが救いで、あっという間に三本松山まで着いてしまった。たしか前回は関場峠から三本松山までがやけに長く感じられたのであるが、今回はそれもなく、もう関場峠なの?という拍子抜けした漢字で峠を通過してしまった。
関場峠を過ぎれば、堂所山までは分けないと思っていたのだが、むしろここの登りが思いのほかきつかった。危険度は低いのであるが、堂所山までほとんど登りっぱなしになるからだ。むろん急登というほどのものではないし、ガシガシ歩くとかなり息が切れるという程度のものであり、危険でもない。
堂所山に3時に到着した。いいペースだ。足を速めて陣馬山山頂を目指した。
梅雨入りしてから何度か雨が降っていたので登山道のぬかるみが心配だったが、泥田の中に足を突っ込むこともなく、滑りやすい赤土の斜面で転倒することもなく、4時に陣馬三山頂に到着した。朝焼けをバックに屹立する馬の彫刻を写真に取った。ヘッドランプなしで馬を撮影できたのは1年半ぶりくらいか。今回も富士を拝むことはできなかったが、梅雨時だ。仕方あるまい。下山しよう。
下山は高尾山経由だった。4時を過ぎるとヘッドランプをつけているのがわからないほどの明るさなのだが、目の感度が逆に落ちているのか少しの間は薄暗さを感じる。もっともそれでも山全体が明るくなり、鳥のさえずりが始まり、以外にも朝型のふくろうの鳴き声を聞きながらハイキングコースを歩くのは快適だった。
明王峠を過ぎた。今回風鈴は鳴らなかった。明王峠を過ぎると、朝日が過ぎ越しにオレンジ色の光を投じてきた。杉林が燃え始めて不思議な光景となり、わずかの間足を止めた。跡で気がついたのだが、明王峠ー景信山間を日が上がっている間に歩いたのは今回が初めてだったのだ。いつもひやひやしている根っこの出っ張りや、でこぼこの土斜面がこんな表情をしているのかと興味深く感じながら先を急いだ。
そして、アップダウンを何度か繰り返した後、最後の急な階段を登りきって景信山山頂に登頂だ。
関東平野の朝、北高尾山稜、城山ー高尾山方面が良く見える気持ちのいいスポットだ。
景信山を過ぎれば、あとは一気に高尾山までいけると思っていたが、今回は景信山から小仏峠までのくだりが危なかった。終日に降った雨と砂と岩戸がいいあんばいで摩擦を減らしているのか、一歩ごとにすべる。それも滑るはずのなさそうなでこぼこした場所で滑るのだ。転倒だけは絶対しないように、そろそろと歩かざるを得なかった。この箇所は登りはのぼりで結構足に来るところでもあり、往復通じて難所だなと感じつつ、早く狸様のおわします小仏峠まで下りきりたいと念じながら足を進めた。
夜間は妙に気味の悪い小仏峠も日が出てしまえばすっきりとした広場だ。まずは景信山からの無事の下山を道祖神様、お地蔵様、たぬき様に感謝して、次の中間点である小仏城山の、天狗様を目指した。階段や急斜面を登りに登るのであるが、下るときに比べると、足には応えるもののバランス取りやショックの吸収に神経を使う必要がないためか一気に上がれてしまった。山頂では2、3名のハイカーあり。かなり朝になったことがわかる。
太ももちぎり、心臓破りなのは城山ー高尾山間であった。道自体は十分すぎるほど整備されているが、ひたすら下り、のぼり、またくだって登り返していくハイキングコースは全速力で歩くにはきつすぎた。山頂直下の登りの階段で完全に足が止まってしまった。最後の力を振り絞って高尾山山頂に到着。7時だった。前回の縦走で発見した高尾山山頂の水場で水を十分に頂き、人心地ついた。ここまでくれば一安心。さ、下山しよう。
今回のゴールは高尾山口ではなく、ひと駅先の高尾である。まず薬王院経由でケーブルカー駅を通過し、さらに高尾山口方面を目指して下った。暫くすると急カーブの部分に金比羅台経由で高尾駅という標識があるので、急カーブを曲がらずに直進し、金比羅台を目指した。金比羅台は小さな神社で、神社脇に地味な登山道の入り口があり、里への道が続いていた。
高尾山の登山道はどちらかというと杉の巨木が並ぶ深山を進む神仏霊的なものを感じる道だが、金比羅台経由の登山道は、里人のための藪山という雰囲気を感じさせる。ただし親しみやすさがあることは歩きやすいということとイコールではない。ふみ後こそ硬くしっかりつながっているものの、ところどころきつめの斜面で露岩がでこぼこしていたり、枯葉が覆いかぶさっていたりと、高尾山の通常の登山道と比較すると注意を要する道であった。
金比羅台コースを降りきると市街地に飛び出した。市街地を通って高尾駅まで歩くのがわかりいいのであるが、事前に地形図を見ていると、もうひとつ面白そうな小ピークを道が通っていたので、今回はその小ピークを越して、京王線高尾駅の近くへ歩くことにした。
「まず高尾山ちか道入り口」の標識を越え、京王高尾線の線路をくぐった。ここで道がいったんなくなりかかり、あきらめそうになるのであるが、正面の神社の参道を上がると、境内に目的の小道がつながっていた。
金比羅台コースよりさらに細くなるものの、やはり踏み跡はそれなりにしっかりしていた。また、全体を通じて2,3名であったがハイカーとすれ違うことさえあった。
ピークを登りきると地図どおりに目の前に市街地が広がるのであるが、市街地には出ずに、ここを通れるのかと思うような民家の裏の踏み跡をたどっていった。これが深夜だったらかなり心細かったと思うが、日中歩く限り十分な踏み跡も残っていたし、標識さえ整備されていた。ここはピークにある金比羅神社を中心とした金比羅緑地として整備されているらしい。確かに神社事態はごく小さいものではあるが、神社に市街地から入る会談なども整備されており、土地の人に大事にされている里山である様子は伺えた。
金比羅山神社で最後の参拝を済ませると、急な斜面に刻まれた段差を頼りに下山した。遠くに野球の練習をする少年の声が聞こえた。たぶん学校があるのだろうと思ううちに下山完了。このようなかわいい里山の小道ではあったが、入り口には金比羅山登山口の古い標識があり、ここからも大事な山だと言うことが伺われた。
強い朝日の中、市街地をひと歩きして浅川小学校横を通れば、京王線高尾駅の入り口が目に入り、長い徹夜ハイクをゴールした。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する