分水嶺:坊主岳〜仏谷〜経ヶ岳〜権兵衛峠
- GPS
- 32:50
- 距離
- 24.3km
- 登り
- 1,856m
- 下り
- 1,955m
コースタイム
【20110417】坊主岳508―544休(1765m)553―658休(1955m)706―808仏谷834―905休(2110m)915―943小コル(2195m)945―1005経ヶ岳1012―1022小コル(2195m)1045―1107休(2050m)1112―1145無名峰(2010m超)1153―1215無名峰(2038m)1220―1251北沢山(1968.9m)―1316無名峰(1884m)1326―1409三角点(1806.5m)・鉄塔1420―1505車道横断(トイレ有)―1513権兵衛峠1538―1550水場1600―1622権兵衛鍬の跡―1643七曲り・茶屋の跡―1654権兵衛峠への道入口(車道終点)1704―1731与地南分岐―1740北沢橋
天候 | 2011/4/16 曇り一時小雨のち晴れ 2011/4/17 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
【復路】北沢橋1740≡(タクシー¥2,780)≡1753伊那市バスセンター1825=(高速バス¥3,460、渋滞で約1時間遅延)=2235新宿西口―新宿ж新江古田 *タクシー料金には迎車代\180を含む。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・結果的にはこの時期で良かったと思われます。(前回3/6はすごすご下山) ・雪庇はだいたい溶け落ちていて、それでいて1900m以上は藪が残雪で埋まっている。 ・仏谷手前の痩せ尾根は雪庇がなければ大きな問題はないが、ピッケルはあった方が良い。 ・仏谷〜経ヶ岳西面はとても気分の良いところ。スノーシューで楽しく歩ける。 ・経ヶ岳から北沢山への稜線上、2038mピークの北面は急な岩場をよじ登る(潅木があるのでホールドやスタンスに問題はない)。 |
写真
感想
ライフワークの中央分水嶺踏査の一環。3月5〜6日(東日本大震災直前の週末)に歩いたルートの続き。週間天気予報ではあまり良い天気ではないとのことであったが、直前にちょっと変り、さらに実際には(特に二日目は)素晴しい天気に恵まれた。今回も入山から下山まで、誰にも会うことはなかった。
・昨年末以来おなじみになった奈良井宿が起点。これまでは街道町並みを抜けていたが、今回は「木曽の大橋」を見物してから奈良井川沿いを遡る。奈良井川ダムで一休みと思っていたのだが、ちょうど道路の法面やダム施設の補修・増設などでけっこう大掛かりな工事をやっていたので、写真を一枚とったきりで素通り。谷に沿って吹く南風に逆らいつつイノコ沢橋手前の坊主岳登山口まで歩いて、ここで足ごしらえ。曇りで一時、パラパラっと雨滴が落ちてきたが、空は明るく心配なし。途中で風向きが変り、一気に気温が低下した。寒冷前線が通過したのを実感。
・坊主岳南西尾根は、3月6日に下ったときは、三角点(1429.0m、どうやら小坊主峰という名前らしい)から上は雪であったが、さすがに40日ほどを経過し、しかも南向きということもあって、ところどころの腐った残雪を除くと、山頂までほとんど雪は消えていた。但し、稜線から北側は残雪が残っているので、水の心配はなし。山頂到着の時刻は早かったが、明日への英気を養うべくテントを張ってのんびり過ごす。天気が回復して、今回も展望が素晴しい。明日のルートも念入りに観察。
・夕方、まんまるい月が東から昇る。夕日に照らし出された仏谷は貫禄十分。前日の寝不足もあって、19時に就寝して2時55分(目覚ましの5分前)に起床。外は月光で明るいが、いずれ西に沈んでしまった。
・日の出前の5時ちょっと過ぎに出発。快晴で雲海が美しい。日の出は八ヶ岳連峰のほぼ真ん中あたりから。雪面が硬くなっていて歩きやすい。驚いたことに、稜線上のところどころが刈払いしてあった。但し、最低鞍部付近までで、その先には無いように思われる(雪の下になってきちんと確認はできなかったが・・・)。いったい、どこまで続きどこへ下山するルートなのだろう。
・標高1800m付近から2000m付近までが想定どおりの核心部。3月に観察したときは雪庇がいやらしい感じだったが、かなりの部分が融雪したと見え、また朝で雪が締まっていたので、それほど恐怖も無く通過できた。但し、一部、ストックをピッケルに代えて使った。
・2000m付近からは稜線が広くなり、二重山稜っぽいところや、南側に広々した雪田なども登場し、残雪期の快適なプロムナードとなる。展望も最高で、八ヶ岳、浅間山、頚城山塊(妙高、火打、焼山、雨飾)、北アルプス(白馬から槍穂)、乗鞍岳(手前に鉢盛山)、白山連峰、木曽御嶽、そして木曽駒ヶ岳(木曽前岳と伊那前岳が左右に張り出す)。特に、白山連峰の白さはひときわ目立つ。南アルプスは経ヶ岳の陰になって見えない。
・仏谷から先は緩やかな稜線でスノーシューで歩くのにぴったり。日差しが強まり、日焼け止めクリームを塗りなおす。サングラスも必携。経ヶ岳西面は疎林でとても気分の良いところ。地形図の等高線を見るとわかるように面白い地形になっている。
・2200mの小コルにザックをデポし、経ヶ岳を空身でピストン。2007年9月16日以来、約3年半ぶり2回目。山頂は林の中なので展望は望めないが、やや南よりに下ったところに東側が開けた南アルプス展望台がある。全山が指呼できる。
・経ヶ岳から南西への分水嶺は、残雪を拾いながら進む。スノーシューをつけたり外したりを繰り返す。この先、かつては道があったとも言われているので、難しいところはないと思っていたのだが、2038m峰の北面は標高差にすると僅か20mほどなのだろうが、潅木のまざった岩場で、ところどころ凍っているため、少々神経を使う。一番の核心部はここだったかも。
・北沢山(1968.9m三角点)は笹の丸い山頂で雪はなし。ここから下ったところからまた白い雪道が稜線上を招いてくれ、1850mくらいまで続くが、その後はまた雪を拾ったり、笹薮を歩いたりする。スノーシューをつけたまま笹薮を歩いているとき、笹に足をとられて、一回転してしまったが、眼鏡を無くすこともなく、大事には至らず。これにこりて、スノーシューは完全に外す。
・1806m三角点の脇にある鉄塔は、場違いなほど立派なものだが、2段あるプラットフォームにアンテナなどの特段の設備がまだ付いていないようだ。新品の鉄塔か? 二万五千分図では、ここから道の印があるように読めるが、これは道ではなく、運搬用のモノレール。道も当然あるだろうと少し探したが分からず。笹薮を適当に下る。モノレールは左手に下っていくが、せっかくなので忠実に分水嶺を辿るとところどころ背を没するような笹薮ではあるが、踏み跡はついている。車道を横断した跡、150mほどで日本百名峠にも選定されている権兵衛峠。水場は残念ながら涸れていた。
・権兵衛峠でオーバーズボンを脱いだり、大休止して、米の道というとても歩きやすい道を伊那側へ下る。途中の最初の水場で、スノーシューを洗ったり、顔を洗ったり、冷たくておいしい水を飲んだり。
・やはり昔の人が切り開いた峠道は歩きやすいルートに作ってあると感心。途中でカモシカに出会う。最後は新しい国道361号線の橋梁を見ながら下り、車道としての旧道終点に降り立つ。この時、橋のところにいた軽乗用車がちょうど帰ってしまった(まぁ、あてにはしてませんでしたが)。
・伊那市駅まで歩いても良いと思っていたのだが、歩きながらバスセンターに電話してみると、19:25発の新宿行き最終は満席とのこと。そこで、タクシーを呼んで、北沢橋からタクシーを使い、18:25発の高速バスの客となる。バスセンターのすぐ近くの酒屋が閉まっていて、あたりにコンビニを探したけれど見つからず、結局、乾杯は自宅までお預け。途中双葉SAでカミさん用にパンとお茶菓子を購入(どうやら昨日から風邪で寝込んでいて、今日は買い物にも出られずにおなかが空いているとのこと)。例によって小仏トンネルを起点とした渋滞があったため、新宿着は予定時刻よりちょうど1時間遅れでした。
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