袖朝日〜西朝日〜大朝日(小国側より)
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- GPS
- 21:11
- 距離
- 34.0km
- 登り
- 2,448m
- 下り
- 2,449m
コースタイム
- 山行
- 12:42
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 13:02
天候 | 1日目-快晴のち雪2日目-快晴(強風) |
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過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
先週下見に行ったときの記録とあわせてお読みください(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1111652.html) 林道入口〜針生山の尾根(前回アプローチ箇所まで) 特に変化無。冬眠から覚めたクマに威嚇される。姿は見えず。 針生山付近〜桧岩屋山 尾根に乗って進むとすぐ雪が残っているところがありましたが、全体的には激しい藪です。尾根が細いので左右に逃げることは出来ません。所々踏み跡(おそらくマタギの人たちのもの)が残っているところもありますが藪が薄くなっているわけでもありません。 桧岩屋山〜小脇峰〜袖朝日〜西朝日 残雪が豊富に残っています。しかし藪が雪の上に出ているところも多数あり、一筋縄では通れません。迂回できるところもありますが、ヤブ漕ぎを強いられるところも沢山あります。まだ崩壊していない雪庇がいたるところにあり尾根の上はひび割れだらけです。 西朝日〜中岳〜大朝日避難小屋 雪が豊富に残っており、障害物は無くスムーズに進めます。崩壊していない雪庇がひび割れを作っているのでなるべく近寄らないように進みます。 避難小屋〜大朝日岳 雪が残っていますが夏道を進むようになります。 大朝日岳〜平岩山 夏道がほとんど露出しています。 平岩山〜祝瓶への分岐〜H1,250m 位の尾根の先端 夏道が3割くらい出ていますが、雪庇の崩壊しかかったひび割れだらけの雪が残っています。 尾根の先端〜大玉沢出合 上は一面残雪に覆われています。降り口に当たる箇所に雪庇や亀裂等はありません。中ほどから夏道が出てきます。大玉沢出合の吊橋は巾が7cm程度の丸太がワイヤーで吊られています。 大玉沢出合〜角楢小屋〜角楢吊橋〜荒川吊橋〜大沢橋 雪も大分少なくなって夏道が出ているところもありますが、まだまだ雪が多く残っています。それぞれの吊橋はしっかりとしており渡るのに支障はありません。そのほか小さい沢の渡渉が何箇所かあります。 |
写真
装備
個人装備 |
アイゼン
ピッケル
ワカン
冬装備一式
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感想
先週の下見に続いて今週は袖朝日です。藪が酷いとは聞いていましたがすっかりヤッツケられて参りました。
朝日連峰の4つの朝日、大朝日小朝日西朝日と登って最後の朝日が袖朝日。いつかは登りたいと思っていたもののなかなかタイミングが合わず実行できませんでした。今年は雪が多いということで、藪も覆われているはずと実施に踏み切りました。
先週以来かなり気温が高い状態が続いていたため、大分雪が減っています。半分ぐらいになっているように見えます。この日も気温が高く8時頃になると「ドーン!」という音が遠くから聞こえてきます。どこかで雪崩が起きているようです。そんな中取り付きの尾根から上っていくと「グルグルグル」とクマの威嚇が聞こえてきます。どうやら寝床のすぐ近くだったようです。逃げ場は無いので聞かなかったフリをして鼻歌を歌いながら先へ進みます。そのもう少し先でも別な奴にやはり威嚇されたのでこの辺りは沢山生息しているようです。
前回登ったところまでは様子もわかっていたので特に問題なく通過。未踏部分へと進むと残雪が出てきます。ここでアイゼン装着します。気温が上がってきているとはいえ、まだ締まった雪で軽快に歩いていけます。しかし数百メートルほど登ったところで雪はおしまい。今度は猛烈な藪になってしまいました。藪は桧岩屋山まで延々と続きます。この区間は尾根が細く藪を巻いて逃げることが出来ません。所々に踏み跡が付いていますがおそらくマタギの人たちの通る道なのかもしれません。しかし踏み跡があっても藪が薄いわけではないので、苦労しながら進みます。
桧岩屋山まで登ると状況が一変します。登ってきた方向の斜面にはほとんど雪が無かったのですが、山頂からは一面の残雪の山です。ヤブ漕ぎから開放されて一瞬喜びますが、本当の地獄はこれからでした。
斜面の中腹辺りには沢山の雪がありますが、稜線近くは雪が薄いようでいたるところで藪が出ています。さらに雪庇が崩壊しかかっているので亀裂が入りかなり大回りを強いられるところもありました。更に気温が上がっているため雪が緩み、足が沈み重い雪に体力を削られます。高度差も大きく袖朝日に登る頃にはヘロヘロになってしまいました。
袖朝日にようやくたどりついて、藪も少なくなり多少歩きやすくはなったものの、今度は腐った雪に足を取られます。アイゼンでは足を取られて進めなくなりワカンを装着します。このワカンを装着している間にガスが上がってきて一面真っ白に。藪の塊が散在するので先が見えないとかなりきついことになります。目を凝らして一身の晴れ間に目を凝らしてルートを記憶して進みます。しかしついにホワイトアウト。雪も降り出して風も強くなっていきます。ガスの晴れるのを待っているわけには行かないのでGPSを見ながら前進します。5m先も見えないくらいの濃いガスの中で突然足元に雪庇の先端が見えたときはゾッとしました。急いで離れましたが、次の日平岩山のほうからその辺りの雪庇を見たら、万が一落ちたら数百メートル滑落していたかもしれません。それでも何とか西朝日まで到着。この頃には完全に足が終わっており十歩進んでは止まって休み、足がまったく前に出ません。ガスは西朝日の山頂周辺だけだったようで太陽が出てきます。疲労困憊しながらも西朝日の下りは何とかなりましたが中岳の登りはあまりにきつく何度も足を止めて休みます。何度ももうここでビバークしようか考えました。しかし最後の気力を振り絞って進みます。ようやく小屋にたどり着いて休めることができてホッとしました。
翌日は夜明け前から風が吹き始め、夜明け頃にはかなりの強風となりました。太陽が出たら収まるかと待っていましたが、あまり変わらないので諦めて出発。アイゼンを履いて出ますが昨日の疲れがまだまだ残っていて大朝日の登りも足が前に出ません。山頂から平岩山までは雪が無く夏道を進みます。しかし疲れと強風で周りを見回す余裕も無く通過。
平岩山の分岐を過ぎると雪が出てきますが、こちらも昨日と同じく雪庇の崩壊が激しくなっています。幸い夏道が出ているところはソコを通過し、出ていないところは少し迂回しながら進みます。いつ雪崩れ落ちるか、あまり気持ちよくないので気温の上がらないうちに早く通過しようと必死に進みます。
尾根から大玉沢出合へ降るところは雪庇が出来ていないので安心します。しかし傾斜がきついのでここもなるべく早く通過すべく一気に進みます。上のほうは残雪豊富ですが斜面の中ほどから下は融雪が進み夏道が出てきます。きつい傾斜が続く夏道を進み沢の音が大きくなってくると吊橋に到着です。吊橋は破損も無く、積雪による影響もありません。通過に支障はありません。
この吊橋を過ぎると川沿いの平坦な木立の中を歩いていくことになります。雪がまだまだ残っていますが、所々夏道が出ていることからも先週と比べても大分少なくなっているのが判ります。
角楢小屋は目の前にベンチがあり、ここを借りて一休み。小さい小屋ですが地元の方などが使われているのでしょう。いつも使われているような感じがします。この小屋の前の吊橋も細い丸太が吊られていますが、破損も無く通行に支障ありません。この先は渡渉箇所もありますが、通過に支障のあるところはありませんでした。
一週間前と比べても一気に融雪が進んでいます。もうまもなく夏山シーズンが来るのが実感されます。
今回の山はとてもハードで、2日で帰ってこれて本当に良かったとしみじみ思いました。状況によってはもう一泊は覚悟したほうがよさそうです。それから気温が高く思った以上に水を消費しました。1,5l持って行きましたが、あと1lはあっても良かったようです。コレがバテた原因の一つかもしれません。色々反省することが覆い山でした。
コメント
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4つ朝日の登頂おめでとうございます!
予想はしていたのでしょうけど藪酷いみたいですね。
行動時間からも苦労が伺えます
滅多に見れない景色、拝見できて感謝です
ありがとうございます
これほど藪が酷いとは想像以上でした。
完全にバテて、これで天気が悪かったらかなり悲惨な目にあっていたと思います。
ですが普段見ることの出来ない景色はかなり貴重な体験でした。
このコース、もう少し気温の低いうちに登るべきかもしれません。
雪がもっと締まっていれば、楽に登れたように思います。
すんごいルート行きましたねぇ。流石です。
前回はこの下見だったんですね。
ここのところ気温が高い日が続いたので雪が一気に減ったんですね。
朝日全制覇おめでとうございます。
しっかし熊の威嚇は嫌ぢゃなぁ〜〜〜〜〜
今年も懲りずに、大朝日でした。とは言えこちらのコース、かなりのハードモード。これより視界が悪かったら帰れなかったかもしれません。
クマの足跡もたくさんあったので、かなりどきどきの山行でした。
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