日出ヶ岳から高見山(たかすみ温泉)
- GPS
- 34:52
- 距離
- 55.4km
- 登り
- 4,116m
- 下り
- 5,216m
コースタイム
- 山行
- 9:35
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 10:21
- 山行
- 10:52
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 12:19
- 山行
- 9:36
- 休憩
- 2:16
- 合計
- 11:52
天候 | 晴れ一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
◆東吉野村コミュニティバス(平日)200円 高見山登山口6:12 7:34 9:51 12:51 14:33 16:42 18:01 下平野 6:23 7:45 10:02 13:02 ↓ 16:53 18:12 鷲家着 6:43 8:18 10:35 13:35 14:50 17:13 18:32 鷲家発 6:48 8:23 10:43 13:42 15:23 17:23 18:59 榛原着 7:22 8:54 11:14 14:13 15:54 17:54 19:30 榛原発(近鉄) 16:05 18:03 19:54 |
写真
装備
個人装備 |
ベスト
長袖シャツ(2)
タイツ(2)
ズボン
靴下(2)
グローブ
ダウンジャケット
雨具
帽子
ヘルメット
ファイントラックアンダーシャツ(2)
靴
ザック
ザックカバー
アルファ米(6)
カップラーメン(4)
行動食(パン
カロリーメイト)
水(2L)
ガスカートリッジ(110)
コンロ
コッヘル
ライター
地図
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
インナーポール
テントマット
シュラフ(カバーも)
ストック
ナイフ
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感想
初日はバスで大台ヶ原へ入る予定だったが、大台ヶ原まで車で送ってもらえたので早朝スタートできることになった。そのため、三泊四日を二泊三日に短縮可能かも?と思いながらのスタートとなった。
ちょうど日の出の時刻だったが、日出ヶ岳山頂で日の出を見れないのは何とも段取りが悪い(笑)そう思いながら登っていると山頂から続々と三脚やカメラを持った人が降りてくる。さぞかし綺麗だったのでしょうね。展望デッキで尾鷲方面を眺め、気を取り直す。二年前あの辺りからスタートした台高縦走も今回で締めくくれる。はず。
山頂に向かう途中の谷間にはまだ雪が残っていた。
日出ヶ岳山頂で三角点にタッチ。そういえば三回目の山頂だが、三角点を見たのは今回が初めて。今まで探せずにいたのに、今回はあっさりと見つけられた。幸先の良いスタートである。
笹原にできた獣道?を辿って巴岳へ到着。稜線には鹿よけネットが張ってあるのでルートは分かりやすい。鹿の挨拶を受けたり、倒木をかいくぐったりしながら川上辻に到着。
大台辻までは筏場道を進む。結構お金を掛けた遊歩道のようだが、何ヶ所も崩落しているので慎重に歩かないと危険である。中間地点に金明水という岩清水が湧いている。今回は水をたっぷり持ってきたのでここで補給はしなかったが、こんなに綺麗な水が湧いているのなら、ペットボトルを空にして持ってくるんだった。。
大台辻からは歩き易いブナ林を添谷山まで進む。
その先は先程とはうって変わりやせ尾根中央に立つ松をかいくぐり、岩登りと見まがうほどの崖を登って御座瑤愿着。一息つくのも怖いような頂上から奈良の山々を見渡す。
シャクナゲに捕まりながら崖を下り、引水サコの鞍部で第一山人発見。日出ヶ岳を後にしてからここまで誰にも会わなかったので、なんだかホッとした。聞くとこの辺りの登山道を整備してくれているようで、「振子辻まではテープ巻いてきたけど、その先の状況は分からん」とのことだった。
振子辻までは稜線から尾根が沢山出ているので曲がり角を間違わないように慎重に進む。山と高原の地図に【キャンプ適地】と掛かれた場所は少し平らになっているものの風が抜ける場所で水場も無いので非常事態以外は使いにくそう。
振子辻を越え、杉又高の手前をトラバースし、父ヶ谷の高へ。早朝から気が張りっぱなしだったので、かなり疲れが蓄積しているのが分かる。
日暮れまでもう少し時間があるが、本日のテン場を探すことにした。地図に書いてあるキャンプ適地はブナが広がる鞍部だった。鞍部は風が抜けるので、底まで下りず、且つ西からの風を避けられる場所を探した。何とか一張分の平らな場所を見つけたが、張っている最中に雨が降り出したので、応急的にツエルトを立ち上げて中に潜り込んだ。しばらくして雨が止んだので、鞍部を東へ下り、ロボット雨量計の下辺りで水を汲んだ。暮れ行く夕日を眺めながら夕食を済ませ、まだ明るいうちにシュラフへ潜り込んだ。長い一日だった。
翌朝4時に起床。お湯を沸かして朝食用の袋飯を準備する。ツエルトをたたみ、5時に出発。昨日は朝日を見れなかったが、今日は湯谷ノ頭への稜線で朝日を見ながら袋飯を頬張る。贅沢な朝食である。
湯谷ノ頭まではやせ尾根中央に松が点々と居座り、人の行く手を阻む難所だ。稜線広い場所ではブナの幼木が生い茂りとても歩きにくい。懸垂下降が必要じゃなかと思われる崖を下ったりしながら何とか山ノ神の頭へ。ここを90度に右折れしてカコウキ越へと進むのだが、何だか様子がおかしい。ジオグラフィカで現在地確認をすると、尾根がひとつ違うことが分かった。えーー、これを登り返すのか…山と高原の地図に【迷】印が付いていたので、コンパスを使って方向確認したのに、それでも間違えてしまった(>_<)。気を取り直して来た道を戻る。
地池越手前で、台高を尾鷲まで南下するという人と出会った。ここまで北上してきた私と水場の情報交換を行い、互いの健闘を誓って別れた。この日は結局この人にしか会わなかった。教えてもらった情報では、地池越は水場が遠く、弥次平峰の東にある銚子谷も水は無く、千石山まで行かないと水が汲めないらしい。今のペースでは到底辿り着けない。
地池越へは西斜面をトラバースすることになっているが、踏み跡が無いのでとても歩けたものではない。ピークを踏んでから稜線を進んだ方が歩き易いだろうと思いながらも無理やりトラバースした。地池越はやっぱり水場らしきものは見当たらない。200m程谷を下ればあるらしいが、行く気にならない。
綺麗なツツジとブナ林をどんどん進むと馬の鞍峰に到着。昨日はつま先が痛かったので、今日は休憩の度に靴を脱ぎ、足を休ませる作戦が奏功しここまでは順調に来ていた。
桃源郷という場所でまったりしながらお昼を摂った。あまりに気持ちがいいので寝てしまいそうだった。
弥次平峰には予定より30分程早く到着した。山ノ神の頭での道迷いが無ければ1時間は前倒しできていた計算だ。このペースなら池小屋まで行けそうである。
吹き流し風に括られた緑のビニール紐に案内されながら、大黒尾根を進み、最後の力を振り絞って池小屋への急登を登る。結局水場を見つけられないままここまで来てしまった。千石山まではあと2時間半もあるので、とても辿り着けない。残り少ない水を大事に使い、明朝に汲もう。そう考えながら池小屋を下り始めた。
少し下ったところに池を見つけた。今回持ってきた簡易浄水器は【生き物が住める場所なら浄化可能!】と書いてあった。見つけた池はアメンボウがスイスイと泳いでいたので、【浄水可能】であるが、飲む気がしないような沼である。まだ500ml残っているので、今夜はこれで凌ごう。
先程までの縦走路が嘘のような踏み跡バッチリの歩き易い道を霧降山まで進んで本日のテン場を探すことにした。今日も西からの風が常に吹きつけていたので、東斜面で比較的風が弱い場所を見つけてツエルトを張った。時折強風が吹くものの、今回の山行に合わせて仕込んできた自作インナーポールが室内を快適に保ってくれた。今夜は星を見ながらの夕食であった。
三日目の朝。朝食に水が使えないので、パンをかじる。水が無いってこんなにも気持ちを虚しくさせるんだね。。水が無いのでザックは軽いが心は重い。早く水場へ行きたい。
赤山を越えシャクナゲの林を抜け、千石山の登りに差し掛かる。尾根沿いは登り難そうな急登。右を見るとテン場らしき平らな場所と川が見える。表層水は飲みたくないが、水が殆ど無いので、500mlだけ汲んだ。そういえば顔も洗ってない(笑)冷たい水で顔を洗い、水を一口飲み、さっぱりした気分で水源を目指して山肌を登り始めた。少し登ると谷が涸れた。水が無く、登りにくい草原の急登を登る必要があるんだろうか?と思いつつ、どこかで湧いてるかもしれないという期待を胸に必死で登る。水場ってさっきの場所だったのか。。と思うも、下る元気も無く、千石山の山頂に立った。ここまで来たら明神平まで行くしかない。
幸い歩き易いブナ林が続く稜線で、意に反してザックも軽いので、軽快に進んだ。気付いたらお腹も空いていたので、風よけできそうな東斜面に座り込んでカロリーメイトをかじる。今まで気づかなかったが、カロリーメイトって口内の水分を全部持っていくんだね(>_<)
桧塚へ行くと言った若いカップルと本日最初の会話を交わし、いざ水場へ。明神岳からの下りはバイケイソウの花壇が広がっていた。丘の上から明神平を見下ろすと真ん中に立つあしび山荘を中心とした高原リゾートの様相だ。テン場も広く、大又林道から一時間余りで登ってこれるので、テント泊体験にはうってつけの場所だろう。
さて、水場を探そう。地図には東と西に水場が書かれている。ザックを置き、水汲みセットだけを持って西側の谷を下り始めたが、登山道から谷までが遠い。10分程で諦めて登り返す。次に東の水場へ向かう。天理大の山小屋の裏手に広がる湿地帯を少し進むと雨どいが掛かった水場を発見!まずはコップですくってお腹いっぱい飲む。冷たくておいしい(^^)。あとは持ってきた容器に2.5Lの水を汲み、ザックを置いた場所まで戻った。水があるということはカップ麺が食べられる!靴を脱ぎ、バイケイソウの花壇を眺めながらお湯を沸かす。日差しが暖かく感じられる。至福のひと時だ。カップ麺をすすり、コーヒーを飲む。気付いたら明神平に着いてから一時間が経過していた。そろそろ行かないと今日中に高見へたどり着けない。
水を満載した重いザックが肩に食い込む。水無山までは結構な急登だったが、水がたっぷりあるという嬉しい重さを感じながら一歩一歩登った。
馬駆ヶ辻一帯は『馬に乗って駆けたら気持ちいいだろうなぁ』と思わせる平原が続き、ピークから少し下った小池ではメダカも泳いでいた。池小屋の沼よりは断然綺麗な池で、ここなら浄水器を使って飲料水を作れそうである。
伊勢辻山を越え伊勢辻へ下る。ここからは奈良県側(西側)が植林帯、三重県側(東側)が原生林と綺麗に分かれた稜線を進む。快適に進んでいたら両サイドに原生林の幼木が広がる場所に出くわす。そろそろ右折れ箇所だったので、ちゃんと現在地を確認せず、薄い踏み跡に従って右折れしてみたがどうも違う。ジオグラフィカで確認したら一つ手前の尾根を曲がってしまっていた。池小屋から北側はよく整備された登山道が続いていたので安易に踏み跡通りに進んだのが間違いだった。
ハンシ山の手前でも真っすぐ延びる尾根を快適に下ってしまった。
植林山であるハンシ山に登り、小さな道標とテープを頼りに山師が使う作業道っぽい道を下る。
開けた場所から高見山が見えたが、なかなか辿り着けない。いくつものアップダウンが気力と体力と奪っていく。とうとう雲ヶ瀬山の取り付きで座り込んだ。ザックからパンを取り出しかじった。少し落ち着こう。
雲ヶ瀬山には周囲を石で囲った立派な三角点が祭られていた。ここまでしっかり守られているのはなかなかお目にかかるものではない。
高見山が大きく見える。いよいよ最後の登りかと思ったが、けっこう下る。しかも目の前に見えているのに登山道はどんどん東へズレて遠ざかっていくではないか。さすがにラスボスである。
新高見峠を行き交う車が見える。トンネルの上を越え、林道脇を抜け旧伊勢南街道の高見峠(大峠)に到着した。あとは急登を登るだけ。お湯を沸かしてコーヒーを飲む。
大峠からは最短で登れるがかなりの急登である。ジグザグに切られた登山道だが、三日間歩き続けた体には堪える。途中何度も足を止め、へたり込む。確かこのカーブを曲がったら山頂のはずだ。鳥居が見えた。最後は駆け上がった。
14:26 高見山到着。長かった。この三日間、いや、計画してからここまでの二年間が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
あとは下るだけである。この時間なら降りてから温泉で汗を流す時間もありそうだ。
ところがラスボスは下りもきつかった。延々と続く階段地獄である。基本的に登山道にある階段は歩き難くて嫌いだが、ここの階段は特に歩き難い。なんでこんなのを作ったんだろうとボヤキながら2時間掛けてたかすみ温泉へ。
三日間の疲れと汚れをサッパリ落とし、帰路についた。
当初三泊四日の計画だったが、初日に早く登り始められたことが幸いし二泊三日で縦走することができた。独りで歩いた縦走だったが、これに向けた予行演習に付き合ってくれた山友達が居てくれたお陰であり、感謝の気持ちでいっぱいだ。次は大峰奥駆路だ!
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