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Yamareco

記録ID: 117941
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無雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波

那須岳(茶臼岳・朝日岳・三本槍岳) ・ 赤面山

2008年10月18日(土) [日帰り]
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GPS
06:50
距離
17.0km
登り
1,093m
下り
1,666m

コースタイム

ロープウェイ那須山麓駅 09:15
峰の茶屋跡       09:55-10:00
茶臼岳         10:25-10:35
峰の茶屋跡       10:55
朝日岳         11:20-11:30
三本槍岳        12:20-12:35
赤面山分岐       13:10
赤面山         13:40-13:55
パノラマ展望所     15:25-15:35
甲子高原ホテル     16:05
天候 ほとんど雲がなく、ほぼ快晴の状態が終日続きました。でも空気が淀んでいて、遠くの景色が霞んでいたのが残念です。
過去天気図(気象庁) 2008年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
(行き)
黒磯駅 08:10-(東野交通バス)-09:10 那須ロープウェイバス停
(帰り)
高原ホテル前バス停 16:45-(福島交通バス)-17:24 新白河駅
コース状況/
危険箇所等
茶臼岳・朝日岳・三本槍岳に関しては、良く歩かれた道ばかりで、特に問題ありません。クサリの下がる急坂があったりしますが、危険を感じるような場所ではなかったです。
赤面山への道も、少々歩きにくいながらも明瞭でした。

ただし赤面山から赤面山スキー場・青少年自然の家・新甲子温泉方面の下りは、深くえぐられた滑りやすい道が続き、崩壊箇所や大きな段差なども多々あって、非常に歩きにくかったです。
さらに、青少年自然の家から先には、新甲子温泉への案内が全くありませんでした。地形図や登山地図の情報が十分だったため、迷わず歩けていますが、地図を持たずに道標頼りで来てしまった場合には、少しまごつくと思います。

※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。
※GPS導入前なので、ルートは推測です。

感想

深田久弥が「日本百名山」の中で、「その中枢部の茶臼、朝日、三本槍を、いわゆる那須岳と見なしていいだろう」と書いていることもあって、那須岳に登るのならば、この3つのピークの全てを踏んでいきたいところです。
あれこれ考えた末、茶臼岳から朝日岳経由で最高峰の三本槍岳まで縦走した後、さらに赤面山を経て新甲子温泉へ下るという、やや長いルートで歩いてきました。

黒磯駅から乗ったバスが終点のロープウェイ駅付近に差し掛かると、その一帯では道路が大変なことになっていました。
かなり手前の段階で、これから向かう車で上り車線の混雑が始まっていましたが、さらに、上にある駐車場が満車で停められなかった車が折り返してきて、下の駐車場の空き待ちのため下り車線にも長い列を作っています。結局上下線ともほとんど身動き取れない状況でした。
こちらはバスなので涼しい顔ですが、車の人はまず駐車場が空くまで何もできないに違いありません。普段はマイカーに慣れていたとしても、こんな人出の多い時期には、公共交通のほうが実は楽だったりすることがある、その良い例だったのではないでしょうか。

朝から快晴の今日は、バスの車窓からも那須岳の雄姿を存分に堪能できましたが、ロープウェイの駅まで来ると灰色の岩肌が眼前にそびえる姿が圧巻です。
ただ残念なのは、紅葉が見頃を完全に過ぎていたこと。すでに茶色く変色が進んだり、中には葉を落としている木々も少なくありませんでした。

バスの乗客のほとんどがロープウェイに乗り継ぐのを横目に、登山道を登り始めます。
はじめ少しだけ、コンクリートで固められた石畳のような道を進むと、すぐに峠の茶屋の前を通って、土の道に変わると登山指導所の前に出ます。
指導員の方が登山計画書の記入を求めていたので、それに従って氏名や予定ルートなどを書き込んで提出していきます。ルートについては、経由地や下山地の記入が、予め印刷してある山名や地名に丸印を付けるだけでできる手軽な形式でした。

登山指導所を過ぎると砂礫の道に変わります。当面は傾斜が緩やかで、歩きにくい箇所も全くなく、分岐点の避難小屋までは難なく到着しました。
茶臼岳への道に入ると、岩がゴロゴロする中をグングン登るようになります。右手にはいくつかの噴気口があって、シューという音とともに白い噴気の上がるさまを見ると、まさに活火山を歩いているという気分も満点です。

頂上が近付くと、右からはお鉢巡りの道が、左からはロープウェイからの道が、それぞれ合わさってきました。
お鉢巡りは時計回りに歩くことにして、まずは左手から頂上を目指していくと、あとは緩やかな道を行くだけで、割とすぐに頂上に到着しました。
360度の展望があって天気も良い日に当たりましたが、湿度が高いのか遠くは霞むようにしか見えないのが残念です。山麓側を見降ろしても、直下の那須町あたりまでの景色にとどまっていました。

茶臼岳で少し休んだ後、お鉢巡りの残り北半分を回ってから、次の朝日岳へと向かいます。先程の峰の茶屋跡を過ぎて、剣ヶ峰を右から巻くようにやり過ごすと、その後はやや険しい地形の通過が多くなりました。
特に登りに急登が多く、手すり状のクサリが設置されていた何箇所かでは、砂状の細かな火山礫で足元の滑りやすい箇所も多かったです。逆ルートで下る場合には、手すりを頼ることになるのかもしれません。
このほかに、岩の斜面をトラバースする箇所でもクサリを何度か見ましたが、こちらは足元はしっかりしていて、山慣れしている人には必要のないクサリでした。

最後の急登を終えて朝日岳の肩まで着くと、頂上までは僅かな距離。たどり着いた頂上は狭くて、大きな団体がいたら満員になってしまいそうでした。そのためか、肩の所でゆっくり休憩している人のほうが多かったようです。
ここでも大きな展望がありましたが、茶臼岳と同様に遠くは霞んで見えるのみ。ただし次に向かう三本槍岳までの間は、途中でいくつかのピークを越えて道が続いていく様子や、そこを歩く人の姿などが手に取るように眺められました。

朝日岳頂上から鞍部の肩まで下って、今度は三本槍岳を目指します。まず熊見曽根の最高点ピークに登り、さらに1900m標高点のなだらかなピークを越えていきます。
すると、それまで火山礫ばかりの地面だったのが、このあたりから粘土質の土に変わって、草木も見られるようになってきました。
そして湿地帯の清水平に入ると、しばらくは木道歩きです。しかしここでも草紅葉はすでに見頃を過ぎてしまっていました。

北温泉分岐を左に折れると、ハイマツやササが茂る中に細々と続く道となって、土がえぐられて歩きにくい箇所も増えてきます。道が狭くなるため、すれ違いにもひと苦労でした。
最後の急坂を登り切れば、那須連山最高峰の三本槍岳です。一等三角点が設置された頂上からは、これまでとは違った展望が北側の福島県側に開けて、見飽きることがありません。
その福島県側の山裾では、一面に赤紫がかった紅葉が広がって、鮮やかな赤と違って地味な色調ながら、その広がりの大きさはため息が出るほどでした。

三本槍岳から北温泉分岐へ戻る道は、ただ歩く分には何ということもないのですが、これから登ってくる人が多く、なにしろすれ違いが多かったです。
狭い道が続くため、すれ違うにはどちらかが退避する必要があり、当然のように登りを優先して、下っている私が待つことにしました。でもすれ違う中には大人数のグループがいくつもあって、かなりの時間をすれ違い待ちに費やすハメに。
結局、登りでも20分しかかからなかった道を、25分かけて下るという始末でした。北温泉分岐で、登って来た清水平からの道を見送って直進し、登っている人も多かった大岩の横をすり抜けると、ほどなく赤面山分岐に到着です。

分岐を左に折れて赤面山への道に入ると、途端に人がいなくなると同時に、道も急に頼りなくなりました。
しかも、しばらく続いたササの斜面が歩きにくかったです。ササは良く刈り払われていて道は明瞭なのですが、常に路肩が不安定ですし、ロープが下がる急な下りも何度かありました。

ようやくササ原を抜けて、ふと周囲を見てみると、行く手に広がるなだらかな稜線に人影は一切なく、振り返ると歩いて来た道にも誰ひとりいません。
いつの間にか、風の音を除けば全くの静寂の中にいて、ついさっきまで人通りの多い道を歩いていたのが嘘のようです。
誰もが人気のあるルートばかりを同じように歩いて、そこを外れた途端に人を見なくなるという現象を、これまでにも多々見てきましたが、ここまでの劇的な変化も珍しい気がします。

赤面山に着いても、その広い頂上は独占状態で、相変わらずの好ましい静けさも続いています。ただ時折、那須ロープウェイが大音量で行っている乗車案内がここまで聞こえてきてしまうのが、甚だ興醒めでした。
また頂上には方位盤が設置されていて、北には飯豊の山並みや猪苗代湖などが望めるらしいことが分かりましたが、遠くが霞んで見えない条件が相変わらずなのも残念でした。

赤面山を後にして新甲子温泉に向かうには、当面は赤面山スキー場への案内に従って下りていくことになります。
ここから先は、道が深くえぐれていたり、滑りやすくなっていたりで、非常に歩きにくくなります。崩壊箇所や大きな段差などもザラにあって、軽快に歩ける所はほとんどありません。
道自体は明瞭なのですが、この歩きにくさ故か、「山と高原地図」の標準コースタイムも距離の割にには相当に長めの設定になっていました。

しばらく下ると分岐点に出て、右にスキー場への道を見送ると、以降は青少年自然の家への案内に従うことになりますが、歩きにくさは相変わらず延々と続きます。
さらに下っていき、「赤面登山道中間点」の標識を見る頃には、いい感じに色づいた黄葉の真っただ中に入っていました。が、足元に常に気を配る必要があったためか、その黄葉を楽んだ記憶はあまりありません。

最後に石ゴロの急斜面を下ると、ちょっとした登り返しの後、林道のような砂利道に降り立って、ようやく長い長い歩きにくい下りに終止符が打たれました。
そこに立つ道標は左を「本館」、右を「エスケープルート」としていて、「山と高原地図」の太線に従って、左への本館への道を進みます。
沢沿いを上流に向かって少し登ると、ほどなく渡渉点となり、細い流れを飛び石伝いに渡ることになりました。ここは水量の多い時には靴を濡らす可能性があるかもしれません。

沢を離れると、間もなくパノラマ展望所に到着します。しかしこの地点、周囲には木立が茂っていて、名前に反して展望はほとんど楽しめません。市街地方向が僅かに望めるのみでした。
さらに進んで、ほどなく車道に出たら、すぐに青少年自然の家の入口に出ます。そこに立つ道標の中に、新甲子温泉や甲子高原ホテルを示すものはありませんでしたが、地形図や「山と高原地図」の通りに、入口の手前が左に折れる道があったので、そこを入ります。

最初車道だったその道は、いくらも進まないうちに山道に変わりますが、比較的道は良く歩かれているようで、明瞭なままずっと続いていきます。
しばらくすると、地図にある通りに分岐点に出ました。今度は道標が立っていて、左が「剣桂ハイキングコース(赤ペンキ)」、右が「剣桂ハイキングコース(黄ペンキ)」となっています。
行先が案内されていないので少し迷いましたが、ここが地図の分岐点だとすれば、甲子高原ホテルへの道は左なので、左に折れてみました。

その後は少し不安な時間が続きましたが、次第に車の走行音が聞こえてくるようになってきて、どうやら国道に近づいているらしいのが実感できてきます。
国道に出られさえすれば、出た位置が少々見当違いだったとしても修正は容易なので、これで気分はかなり楽になりました。
さらに進むと、ハイキングコースが終わって遊歩道に飛び出しました。すでに国道は目と鼻の先にあり、樹間越しに道路や車が見えていて、もう安心です。

その遊歩道を少し右手に歩いていくと、すぐ左側を並走する国道にY字路が見えてきて、そこに下りる小径もあったので、もしやと思って下りてみます。果たしてそこは、思っていた通りに、甲子高原ホテルのすぐ脇のY字路なのでした。
青少年自然の家から先は、全く案内がないに近い状況でしたが、地形図や「山と高原地図」に書かれた道が現状通りだったおかげで、迷わずに歩き通すことができました。

甲子高原ホテルの周辺は、行き交う車は多いものの、人の姿は全く見掛けません。ホテル行きのバスも誰も乗せずにやって来て、折り返して新白河駅行きとなっても、乗客は私だけで発車となります。
新甲子温泉あたりでは別の乗客を拾うこともあるのかなと思っていましたが、それもなく、しばらくしてから地元の方をひとり乗せたのみ。結局この便の利用者は2人だけでした。

詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2008_10_12/mt2008_10_12.html#20081018

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