記録ID: 1184128
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
残雪の槍ヶ岳へ
2017年07月01日(土) ~
2017年07月02日(日)
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
体力度
7
1~2泊以上が適当
- GPS
- 20:21
- 距離
- 39.7km
- 登り
- 2,781m
- 下り
- 3,771m
コースタイム
1日目
- 山行
- 7:56
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 8:08
天候 | 1日目、2日目とも雨(中腹以上は強風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
〇チビ谷はまだ雪渓に覆われています。 〇滝谷は水量が増えていました。7/1,2は上流の雪渓を使って渡れたが、今後迂回路として使うのは難しい。 〇南沢が増水した場合は無理に渡らないように (川幅は狭いが水深が深い) 〇7/1~2:中腹以上は両日とも強風、視界悪し。現在位置は度々確認していたが、誤って双六に繋がる稜線に上がる。 〇両日とも稜線上はさらに強風。立っているのがやっとの状態。 〇稜線の手前は残雪あるが融雪進んでいる。→登山路(夏道)は沢状態。 〇7/1午後、小屋より少し下で岩の近くで踏み抜き(+捻挫?)で負傷者あり。小屋の人が二人で救助に行く |
その他周辺情報 | ひがくの湯(http://www.okuhida.or.jp/archives/1704) 利用。食事もできます。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
市営新穂高第3駐車場の入り口です。一番奥が登山口への道が川沿いに付けられています。この時期まだ仮設トイレは設置されていませんでしたので、新穂高センター(徒歩10~15分)のトイレを利用します。
第3の渡渉箇所、南沢です。川の半ばまで岩に乗って進み、川の中、最後の一歩として足を踏み入れると(丸印の岩左側の透明な箇所が深さ膝までと思い)、腰まで深さがありました。流れが無い箇所ですが、慌てて向こう岸に上がりました。川岸は広くない分、増水時には深くなるようです。
延々と続く傾斜。表面の雪は柔らかく踏ん張りが効かないので、スリーオクロックで進みます。主に左から、後ろから強い雨風、飛騨乗越まで後・・分、更に15分ほど歩けば小屋に着くと自分を励まします。現在地のGPSをこまめにチェックしていましたが、最後の最後で違った雪渓分岐に入り込み登っていたことに気が付きました(幾つかの小山で雪渓が分岐しているので簡単に横移動できない)。ここでは体力を消耗する小山の横断や元の雪渓に戻ることを選択せずに、別の登山道がある稜線上にそのまま上がることにしました。
稜線は強い風が吹いており、槍はぼんやり見えただけで直ちに槍ヶ岳山荘に入ります。この後暖かい食事とビールは幸せでした。夕方槍ヶ岳に登れないかと思って時々様子を見ますが、風はさらに強くなっていきます。ちなみにこの日の宿泊者は私を入れて2組でした。ベテランさんの一言「こんな日に山に登るのはよっぽどの物好きだよ。」
翌朝、稜線上は風で飛ばされそうで、辛うじて立っていられる状況です。槍ヶ岳に登るか、撤退か。考え込んだ挙句、まずは穂先の麓まで行き、風の状態に合わせて登り始めます。岩場は濡れていますが、ホールドは複数あり安定していました。風は穂先の麓が一番強く、穂先の中腹以上は弱まった感がありました。
槍ヶ岳山荘で15分ほど休憩後、出発です。穂先に登った時より風が強くなったような・・・入口のドアを開けようとした瞬間に木のテーブルが目の前を飛んで行きました。ちなみに私のザックカバーも入り口を出た瞬間にどこかかなたに飛んで行ってしまいました。
滝谷に降りてきました。昨日の雨で上流の雪渓もだいぶ小さくなってしまいました。手前部分のブリッジ(茶色)の左側に崩れた1.5mほどの雪の塊(この写真では確認できない)を足場にブリッジを登って右手に進み、そこから奥の崖をよじ登り、20mほど行ったところで今度は崖を下り、登山路につなげた。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
雨具
ゲイター
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ヘルメット
|
---|
感想
〇「雨の日に山に登るものではない」よく聞く話だ。週末は雨予想で元々濡れる覚悟はできていた。雨が降ったら川が増水するのは当然の摂理。今回の渡渉は単独行動だったので渡渉したが、2人以上だったら、滝谷で引き返してもおかしくない状況であった。また、1日目の状況から、2日目は上高地経由で降りることも検討していたが、上高地側も槍沢支流が増水して迂回したことを聞き、昨日の状況を把握している飛騨沢ルートを選択した。リスク管理から言えば、涸沢経由がより安全であった可能性が高い。
〇元々汗かきなので、今回汗をかいた後に体が冷え込まない(汗を外に出して乾かす)インナー長袖を2重に着込んでいた。そのためか雪渓では強風雨にさらされたが体はそれほど冷え込むことはなく、雪渓上でも歩行ペースもそれほど落ちずに、見通しよりかなり早めに小屋に着いた。(7/1午後ずっと空いていたので、その日のうちに穂先に登るべきだったと翌日朝に後悔しました。→上高地側から来たベテランの方に山のいろんな話を伺えたのはすごい収穫でしたが。)上高地側から登り、3時過ぎころ着いた女性(連れの方)は小屋に着いた後震えが止まらず宿泊届がうまく書けなかったと夕食時に言っていた。強風雨に長時間さらされたり、インナーの着方によって体の冷え込みかたには差が出るかもしれない。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:3148人
はじめまして。
まずは、ご無事の帰還なによりです。
以下、私見です。
幾つもの、リスク回避術はお見事でした。
しかし、このような山行は、死と紙一重であると思います。
無事なのは運が良かっただけです。
低体温症、強風による滑落、雪渓崩落、沢に流される等、非常に危険でした。
このレコを読まれた方が、同じ様な行動を取られることに危惧します。
真似されないことを願います。
このレコは沢山の方に読んで頂きたいと思いました。
私は、山は晴れた日に行く人です。
ginta8080様
はじめまして sigezo と申します
大変お疲れ様でした
レコはコメント見ながら 「次ははどうなるんだろう!?」っと
ハラハラの連続でした
レコを見ると淡々と進んでいるように見えますが、
相当現場で悩み!? 躊躇しながら何とか道を選択して進んだと思います
私は1年前の6月に初めて同じルートから日帰りに挑戦しまして同じく雨でしたが、
仕事の休みが取れないためどんどん行ってしまいました。
ちょっと心境がわかるような気がします
多分これだけの難関をクリアしたんですから
ginta8080は相当用心深いと思います
単独行は何かアクシデントあっても誰にも認知されませんので、益々注意深くなると思います
重ねてお疲れ様でした
レコありがとうございました!!
sigezo様
はじめまして。ginta8080です。コメントありがとうございます。
推奨ルート2泊3日コースをそんなに休み取れないから1泊2日で行くならどう回る?と山プラみながらよく悩んでおります。計画の時点では極力情報を集め、相当練っているつもりなのですが、天気含めなかなか思うようにならないですね。梅雨時期に入りパタッと残雪状況等の情報が入らず、この時期は少しでも情報がほしいと感じています。
単独行は危険と隣合わせですので事前に想定はしていくのですが、想定外の事態に遭った場合、ご指摘のようにその場で悩み、何とか道を選択している状況です。今後も経験値を積み上げより難しい山にも挑戦していきたいと思っています。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する