黒金山(乾徳山から縦走),大ダオから谷下り
- GPS
- 10:17
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 1,038m
- 下り
- 1,591m
コースタイム
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 2:26
- 合計
- 10:11
天候 | 曇り時々晴れ(周辺景観は良好) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
帰り:乾徳山登山口バス停 → 【タクシー】 → JR塩山駅 → 【中央線】 → JR中野駅 → 【タクシー】 → 自宅 ※タクシー料金等については, JR塩山駅 → 大平牧場登山口 約6500円 乾徳山登山口 → JR塩山駅 約4500円 塩山タクシー 0553−32−3200 |
コース状況/ 危険箇所等 |
1 計画段階で,コースタイム設定に注意。特に,黒金山から大ダオまでの間は通常45分は要するとともに,大ダオからの谷下りは悪路のためスピードが出ないので,昭文社地図のコースタイムより割増しで計画するべき。 2 今回のコース全般に水場はない。大ダオからの谷下り中に沢があるが,飲用には適さない。夏季はより多めの水分(3ℓ以上)を持参されたい。 3 乾徳山登山道は,よく整備されている。鎖場が連続するので,転落には気を付けたい。山頂から縦走する場合,北側もしばらく岩場が続く。 4 黒金山から大ダオまでの間は,若干不明瞭な個所があるものの,踏み跡及びテープが豊富なので,それをよく見て歩くこと。 5 大ダオからの谷下りは,前半は笹薮が濃く足元が見えないので転倒に注意。その後,苔むした岩石と倒木だらけの悪路の上,20回弱渡渉を余儀なくされる。距離は長く,体力と集中力(神経)を使う。この点を念頭に入れて臨まれたい。 |
その他周辺情報 | 1 乾徳山登山口から西沢渓谷方面行きバス(駅とは逆の路線)に乗ると,「笛吹の湯」がある。また,山梨市営バスで山梨市駅に向かう場合には,同駅からタクシーで20分くらいの所に「ほったらかし温泉」(お勧め)もある。 2 バスの運行スケジュール及びダイヤに注意。山梨交通バスは,毎日運航ではない。平日山行は特に注意。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
半ズボン
靴下
雨具
靴
ザック
昼御飯
非常食
飲料
地図(地形図)
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
タオル
カメラ
熊鈴
着替え
|
---|
感想
今回は,2度目の乾徳山と,そこから北に縦走し黒金山,更に西に進み大ダオからの谷下りという実に変化に富んだ面白いルートを歩いた。体力充実し,バリエーションルート好きな人にとっては,大きな満足感が得られるものと思われる。そのような登山仲間1名が同伴してくれた。
まず,今回のコースを計画するに当たっては,距離が長いとともに,駅までのアクセスで使うバスのダイヤの関係により,やや工夫を要した。(細かいことは省略するが)すなわち,まず,中野始発の中央線(4:25発)より都区内からでは最も早い時刻(6:21)にJR塩山駅に到着すること。次に,タクシーを利用して,乾徳山登山のコースタイムを短縮すること,そして,最終バスに間に合わない場合があることを事前に認識しておくことである。これにより,日帰りで,今回のコースを歩くことができたことを付言しておきたい。特に,大ダオからの谷下りは,日没後の歩行はほぼ不可能であるので,コースタイムはゆとりと柔軟性をもって検討したい。
さて,乾徳山登山口として,タクシーで大平牧場まで向かう。登山口は,大平高原及び同牧場を通過した先の車道沿いにある。大きな看板が出ているので分かる。その後,地味な登り坂をこなし,月見岩の草原に出る。ここは,大変清々しい広場である。初夏の北海道・富良野のようであった。
扇平を過ぎると,いよいよ乾徳山の核心部分に入る。すなわち,岩場の連続である。私は,3年前に初めて乾徳山を登った時には,この岩場(特に鎖場)に恐怖心を抱いてしまった。何とか登り切ったものの,その時の恐怖心は,私の鎖場等に係る大きな課題となり,このヤマレコのプロフィール画像にも乾徳山の鳳岩を載せているほどである。あれから様々な山行をしてきたところ,今回,どのような感覚となるのか,興味深かった。
髭剃岩以降,いくつかの鎖場を経て,最後の岩壁である鳳岩をこなしたが,何てこともない平気な感覚であった。全く怖くない。むしろ,鎖を使わないで登りたいという意欲とワクワク感が強くあり,このアスレチックを楽しんでいた。やはり,経験とは重要である。
平日の早い時間であることもあり,乾徳山山頂は,がらがらだった。ただ,日差しが強いのと,虫が多いので,休憩場所には手こずった。
その後,黒金山方面に歩みを進める。乾徳山直下は,岩場である。要所には鎖があるので,安心である。その後,樹林帯を経て,乾徳山北峰,笠盛山に到達する。この辺は,いかにも奥秩父といった感のある美しい自然林,苔むした道が続き,実に楽しい。時折,鹿の鳴き声がした。この辺は,鹿が非常に多い。
黒金山は,大ダオ分岐から10分くらい登った所にある。山名標識の奥には,見事な絶景が現れる。奥秩父主脈縦走路が一望できるのである。そして,岩石の広場となっており,まるで,当該縦走路の山々がステージ,石畳が客席のような構図となっている。素晴らしさに感動した。黒金山は,私の少ないながらも色々な山行経験の中で,最も素晴しいと思う山の1つである。ここは,アクセスが悪いから,あまり登山者はいなのかもしれない。隠れた名所である。また行きたい。
黒金山の景色にみとれており,中々次に行きたくなかったが,今回は,時間がタイトであるから,やむなく,大ダオに向かった。大ダオまでは,昭文社地図では破線路となっているが,概して歩きやすく,若干小走りで向かった。なお,昭文社地図での黒金山から大ダオまでのコースタイムは,30分となっているが,これは誤りである。通常ペースで歩くと,約45分は要する。
大ダオは,広々とした笹の群生地である。テント泊したくなるような開放感と居心地の良さがある。ここには道標があるので,地点を見失うことはない。しばらく景色を眺め,今回の山行の核心である谷下りを始める。
入口は,明瞭な踏み跡がある。しかし,すぐに笹が濃くなり,足元が隠れてしまう。そして,足元が見えない分,土に埋まっている石や倒木などにつまずき易くなるので,ペースを上げることができない。その後,笹路は断続的にあるものの,苔むした岩石及び倒木,腐った木・枝が多くなる。踏み跡も不明瞭となり,歩き難くなる。ただ,このコース全体として,赤テープが連続して存在するので,赤テープを確認しながら進めば迷うことはない。逆にいうと,赤テープがなければ,かなりのルートファインディングを要する迷いやすいルートとなる。そうすると,夜間登山はできない。
しばらく進むと,水場が現れる。水場といっても,ただ沢からしみ出た水の流れである。落ち葉や泥もあるので,飲用には適さない。顔を洗うくらいはできよう。
水場以降は,このルートの一番の難題である沢(川)筋の谷下りである。何よりも,岩や倒木によりまともに歩行できない。その上,計20回弱に及ぶ渡渉があり,中々進められない。水平移動も多く,標高も下がらない。虫はいなかった(クモの巣はあった。)のがせめてもの救いである。このルートは,初級者は立ち入ってはならない。顕著な危険個所はないものの,時間と体力を要する。
私は,途中の渡渉ポイントで岩の苔で足を滑らし,転倒してしまった。その勢いで,片足を川の中に入れてしまった。注意して歩いていても,転倒する。
砂防堰堤が見えると,左への巻き道が現れる。積み重なった岩石により,直進できないのである。急斜面を登って巻くのだが,補助ロープがあるので,慎重に登れば問題ない。
その後,やっとのことで,林道(廃道と思われる。)に出る。あとは,長いものの,平穏な道を歩く。ただ,落石の跡が多いので,落石に注意したい。
1時間位歩いて集落に入ると,イワナ等の養殖場の方が道沿いで肉をさばいていた。「何のお肉ですか。」と尋ねると,猟(計画駆除)で得た鹿の肉とのこと。少々雑談をすると,その方が,「よかったら持って帰りますか。」とおっしゃり,ひと塊(3キロくらい)の尻部分の肉を3つに分けてくれて,それぞれをビニール袋に入れて,差し出してくれた。とても親切な方である。この方は,この後,我々がバス停に到着してタクシー待ちの時に,わざわざ,発泡スチロールの箱と氷を持ってきていただいた。何て親切な方だろう。心が癒される。
乾徳山登山口バス停に到着。最終バスを逃したことからタクシーを呼び,着替え等を済ます。ほかに乾徳山のハイカー2名がいた。残念ながら,山バッジ(ピンバッジ)は入手できなかった。
最後は,JR塩山駅前の飲食店で反省会を行った。地産品を味わった。
今回は,冒頭に述べたとおり,実に変化に富んだ面白い山行をした。充実感に包まれながら,帰路についた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する