剱岳(北方稜線 山頂〜池ノ谷乗越)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 18.5km
- 登り
- 2,504m
- 下り
- 2,495m
コースタイム
8月10日:剱沢〜(別山尾根)〜剱岳〜長次郎ノコル〜長次郎ノ頭〜池ノ谷乗越(往復)
8月11日:剱沢〜室堂
天候 | 8月9日(火)晴れ 8月10日(水)晴れのち雨 8月11日(木)雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス | |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
「この先キケン」な剱岳シリーズ パート1
剱岳北方稜線は、数年前からずっと私にとっての憧れのルートのうちの一つで、挑戦する為に準備、計画をすすめていました。
starさんと室堂より入山、剱岳山頂まで一緒に登りその先は別行動、そして2泊3日。起点、終点は扇沢。
このポイントをクリアしつつ、且つなるべくstarさんに心配をかけないルート設定を考える。「室堂〜剱沢(泊)〜剱岳〜北方稜線〜池ノ平小屋(泊)〜ハシゴ谷乗越〜黒部ダム」のルートが一番最善と判断。
が、しかし、事前に室堂警備派出所にルート確認したら、ハシゴ谷乗越を通過するルートは、まだ草刈り等の整備が済んでなく、歩き慣れた登山者でないと迷う可能性大とのことで、ここを通過することは断念。(岩稜帯の通過は挑戦する気になっても、初めての通行困難な樹林帯ルートにはビビってしまう・・・)
となると、3日目で池ノ平から室堂に戻るのも大変だしで、縦走は諦め、限られた時間で北方稜線の行ける所まで行って往復する計画に変更。
で、今回のような山行に。
剱岳山頂に到着。ガスが濃い。
ガスってたら、山頂から先に進むのは辞めておいたほうがいい。って心に決めていました。なにせ初挑戦だから。ルートのイメージは出来ててもそれは別モノと分かってたし、しかも、その日は午後から天気は崩れる予報。
本来は小窓まで行って戻ってくる予定でいたが、さらに計画を縮小し、核心部の長次郎ノ頭のトラバース、池ノ谷乗越の登下降だけやってみようと思い、出発。
ガスが濃い中での出発、進行方向に向かって右側が長次郎谷になるように歩く、谷が左側になるはずがない区間、歩き始めて10分も経たないうちに、谷が左側になっている・・・。軽く混乱しました・・・間違って入る尾根なんかないはずだよな・・・立ち止まっていると、人影が見えました。間違って進んでいるのだろうが、とりあえず人影の主に聞いてみよう、と思い近づいて行く。ガスが濃いから様子は全く分からず。その影の主は、なんとstarさん。ガスで良く見えないが30mくらい離れたところから「やっぱり無理?引き返して来たの?」と声を掛けられました。歩き始めて10分やそこらで180度方向転換してたのか?と恐怖すら感じました。
まぁ、混乱の原因はわかったので、気を取り直し再出発。
ガスが濃いので、その後も漠然と予想しながら進んで行く。
谷の源頭部で雪渓がある。
長次郎谷左俣かな?
ってことはここは長次郎ノコル?
じゃあ、あの岩壁は長次郎ノ頭?
ってことは長次郎谷側を巻くはずだ・・・
こんな感じでしかルートを把握できずに、しかもガスで先が見えないから、巻くって言っても岩壁をある程度登ってから巻くのか、下ってから巻くのかよく分からない。登る壁はかなり垂直だから、違うかなと思い雪渓を下ったみた。またルートミス。いくら下ってもこの岩は巻けないな・・・と思ってコルまで戻る。
そしたら、岩壁を登るしか道はないので少し登ってみた。すると上のほうにハーケンやら残置ロープなどが見えた。なんだ・・・こっちだったのか・・・
で、登ってみると、またその先が予想できない・・・
この時点でだんだん晴れてきたので、コルの反対側に戻って少し遠くから眺めてみようと思い、折角登ってきたとこを下りて、ちょっと戻ってみることに。
そのころには青空ものぞき、八ッ峰まで望めるように。
すると、歩くべきルートと頭の中にあるイメージが急に一致。
間違っていませんでした。悩んでいたところが長次郎ノ頭のトラバースでした。
そこから先は天候が回復し、すんなりと池ノ谷乗越まで歩けました。
やはり、初めて歩く岩稜帯のバリエーションルートと呼ばれるようなルートはガスってると、とても難しい。
午後からの天候も怪しいので、悩むことなく引き返しました。
実際この日、午後2時半以降は遠くで雷が鳴ってたし、夕方から夜にかけては、凄まじい雨が降りました。
ガスってるなか剱岳山頂から先に進んだのはダメだったかな・・・?という思いもなくはないが、滅多にできない経験ができたし、自分の判断も天候の見極めも含めそんなに的外れではなかったように思う。
こんな状況下でちょこちょこ間違えた甲斐もあり、ルートをよく知れました。
しかし、ここは剱岳。どんなベテランでも簡単に命を落としてしまう山です。
今回の私の無事はたまたまラッキーなだけだったのかも知れませんし、肝に銘じて次回も細心の注意をはらって挑戦するつもりです。
また、9月にでも挑戦できるか、来年になってしまうかもわかりませんが、北方稜線から池ノ平小屋、仙人池、欅平まで歩くことが剱岳での目標です。
<装備>
ヘルメット、ハーネス、ザイル30m×1、カラビナ、シュリンゲ、エイト環、アイゼン、ピッケル、ビバーグ用道具、他・・・
追記
写真が少ない点については、興奮のあまり写真に気が回ってなかったからです(笑)
夜景や花の写真で誤魔化してますが、次回挑戦する時は、もっとカッコいい写真撮ってこようと思います!
思わず感想文に見入ってしまいましたよ
お疲れ様でした!
とうとうヘルメット・ハーネス・ザイルなんか揃える山行に転身ですか
starさんの記録そして私も大好きなあのDVDとの内容がとても楽しかったです。
うちは二人だけどせいぜい手旗信号プレイぐらいしか出来ないかな fall
こんにちは!Utunduさん
劔岳北方稜線ごご苦労様でした。
ガスが濃い時は本当に危険ですね!
自分が思っている所と違うっていうのがわかると
少し混乱してしまいますよね
今回は引き返して正解でしたね。
目標である
北方稜線〜池ノ平小屋〜仙人池〜欅平を挑戦できる日は
必ず来ると思います。
yamatyan
こんにちは
ダラダラの感想文を読んでいただきありがとうございました
たまにこんなのやってるんですよ
歩いてる時は凄い緊張感ですが、無事だった時の安堵感は病みつきになります
こんにちは
コメントありがとうございます
気づかないうちにまるで逆方向に歩いてるっていうのは初めての経験だったのでホント驚きました
今回は核心部の様子がわかったので、次回天候に恵まれればかなり充実した稜線歩きができると思います
それにしても、剣岳はアプローチが大変ですね・・・
また9月くらいにでもアタックするチャンスがあればいいんですが・・・
こんばんわ〜
ただいま実家でまだ写真は見れてませんが、Utunduさんらしい臨場感溢れる感想に読みいっちゃいました。
ルート見るために戻ったり、天候の心配はあったにせよ色々な判断のもと歩かれたんだろうなと想像します。
starさんとのレコも写真をまだ見れてないので、見るのが楽しみ
憧れのルートの充実した山行ができてよかったですね〜
Utunduさん、こんばんは。
地図だけ見ると、Utunduさんの自宅は剣岳山頂だったのか〜と思っちゃいます
剣の北方稜線は岩登りの技術もさることながら、ルーファイが難しいとも聞いたことがあります。
って岩場のバリルートは全部そうですかね?
先月のヤマケイにも出てましたがお写真だけで私にはとてもとてもな世界です。
いつかUtunduさんがやり遂げてレコをアップされるのを楽しみにしています
こんばんは
コメントありがとうございます
そうですね
憧れのルートです
次回は必ず縦走して、裏剱のカッコいい写真撮ってきます!
こんばんは
コメントありがとうございます
確かに(笑)
地図はわかりずらくなるから悩みドコロでした
今回このルート歩いてみたら、場所によってはペンキ印がついてたりして「え?」って思ったんですけど、ガス時はやはりルーファイは難しいです
晴れていれば先がイメージできるから歩きやすいんですけどね
でも私は樹林帯のバリルートのほうが苦手です
Utunduさん こんちはです
流石のUtunduさんでも
こんな感じになる事があるんですね
剱岳の上から見たとき
あ、ここは立ち入り禁止だ
と思ったところですよ 笑
こんにちは
コメントありがとうございます
なにせ初めての通過だったもので・・・
ルーファイが難しく、下手に進むと進退極り戻ることすらできなくなる・・・
的な前評判が頭にあり、ガスって先が読めないと恐ろしいのなんのって感じでした
次回はバシッと歩いてきますよ!
utunduさん、こんばんは。
憧れのルートを歩けて、良かったですね
臨場感たっぷりの感想に終始
力みっぱなし( ←こんな)でした。
本当に無事でよかったぁ。
恐怖と混乱の中、
冷静な判断ができるってさすがですね
次回の欅平までの縦走も頑張ってください
こんにちは
今回は写真がほとんど撮れなかったので、文章メインになってしまいましたが、お読みくださりありがとうございました・・・
今年の夏は挑戦の夏
憧れのルート踏破計画パート2、週末あたりから出掛けてきます
次はリアルな写真撮れるといいなぁ
こんにちはです。
”谷が左側に来るはずのない区間で谷が左側に”
”その人影はなんとstarさん”
読んでいて、私もすごくびっくりしました
小さな道迷いは私もよくやりますが、ガスの中だと怖そうですね。
色んなルートがあるんですね。
改めて、知らない事沢山と思いました。
月明かりの下のテント、素敵ですね。
ご無事で何よりです、お疲れ様でした!
こんにちは
コメントありがとうございます
そうなんですよね〜
悪天時の稜線歩きとかでも今まで方向がわからなくなったことなかったので、今回はビビりました
方向感覚には自信があるとかは、今後言えなくなりました(笑)
今回は重装備にめげずに三脚まで担いだおかげで夜も写真を楽しめましたよ
こんにちは!Utunduさん。
ガスの濃い中、無事で何よりでした。大昔に八ツ峰の頭から剣山頂まで歩いているのですが、どんなだったか、若すぎて平気であるいていたんでしょうね、なんの印象も残っていないのですから困ったものです。
悪天のときは怖いですからね。レコ参考にさせていただいて、行ってみるかなぁ〜、
夜の写真素敵ですね。写真にルートの説明あるとうれしいのですが。山頂から池の谷乗越付近まで、写真撮る余裕もなかったでしょうね。
同じような偵察に出かけてみようかな・・・、いつも掛け声だけで・・・じじいの遠吠えだ
コメントありがとうございます
今回は初めてだったので、写真撮ったりっていうのは後回しにしてたので、あまり参考にならないレコですね
剱岳は今回2回目でしたが、登るほど剱岳の一部しか知らないな・・・という思いが強くなります
多くのクライマーの方々がハマる理由が少しだけわかりました
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する