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Yamareco

記録ID: 1272829
全員に公開
ハイキング
日光・那須・筑波

【三峯五禅頂のみち】山王帽子・太郎山と寒沢宿・大多和宿

2017年09月30日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
11:30
距離
20.1km
登り
1,204m
下り
1,401m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
9:42
休憩
1:45
合計
11:27
距離 20.1km 登り 1,204m 下り 1,405m
5:35
5:37
50
6:27
6:43
9
6:52
30
山王帽子東の肩
7:22
48
山王帽子東の肩
8:10
8:27
12
8:39
8:49
62
9:51
10:33
102
太郎山
12:15
39
寒沢宿
12:54
13:11
59
寒沢宿
14:10
14:11
62
新薙ルート出合
15:38
20
大多和宿
15:58
19
大多和宿
これは池田正夫『全踏査 日光修験 三峯五禅頂の道』(随想舎 2009年刊行)の記述を辿るシリーズ山行です。
池田氏が踏査の手掛かりとされた主な古文書は以下の通り。
  冬峯『冬峯手鑑』
  華供峯『華供峯副大宿手日記』
  夏峯『補陀洛順峯入峯次第私記』
  五禅頂『禅頂先達秘密記(善如寺沙門大輪坊厳因)』
いづれも『日光市史史料編』を底本とされているようです。


shige-ponさんの一連の山行記録が大変参考になりました。
心からお礼申し上げます。
2015年10月から2016年6月にかけての記録です。

寒沢宿  日光修験の宿を訪ねて・・・、ついでに太郎山!
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-748773.html
大真名子山  梵字飯場跡駐車場より、日光修験三峯五禅頂の足跡を辿って・・・
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-893369.html
小真名子山  梵字飯場跡駐車場より、日光修験三峯五禅頂の足跡を辿って・・・
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-899090.html
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2017年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
多くの区間は一般登山道ではありません。

【山王帽子山まで】
山王帽子山北側の尾根から取付きました。保護シートの張られた植樹帯を歩いているので、他人には全く勧められない取付です。ここから2筋の尾根が見えるのですが、以前の山行( https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1189194.html )で登った大きめの尾根でなく、右の小さな尾根を登っています。先日この尾根を下った時は踏跡を目で追えるように感じましたが、今回登った感じではそうでもなかったです。藪らしい藪はほぼありません。

【太郎山まで】
お花畑外周を除けば一般登山道。登山道が楽しかったです。

【寒沢宿まで】
太郎山山頂には2か所、トラロープによるバリケードがありますが、南側のバリケードを越えて尾根に入りました。踏跡は基本的に現れたり見失ったり。
薙に出るまでは藪で、ガーミンのデータでは標高2312mで薙の先端に出ました。薙の中は歩きやすかったです。地形図で薙表記のある2200m(2207m@ガーミン)のあたりで薙の様相が一変しますので、そこから薙左岸の尾根に入りました。入口にあたる部分に明瞭な踏跡があります。
尾根筋のはっきりしない複雑な地形の斜面ではありますが、右手に薙を抱えての下降なので、寒沢宿付近まで下ること自体はさほど難しくありません。ただ、御料局境界標石のあるラインが最後まで分かりませんでした。藪にも濃淡がありますがさほど激しい藪はありません。尾根を下れば倒木が増えてきます。岩を抱えて木の根が浮き、そこに表土や苔が乗った場所が結構ありました。踏み抜き注意です。露岩帯はないと『全踏査』では書かれていますが、露岩はたくさんあります。

【寒沢宿周辺】
明瞭な踏跡が非常に多く、錯綜しています。宿跡自体が作業道の起点になっているかのような印象さえ持ちました。

【新薙ルート出合まで】
基本的に踏跡が非常に明瞭。ただしルート外の踏跡も明瞭。確かに赤ペンキによる道案内はずっと続いています。テープマークもありましたが、宿から出合に向かうと結構分かりにくい箇所が多かったです。ルート外にも赤マークを見かけたし、見出標付きの標石も順番に追えばいいわけではなくルートから外れた場所にあることもあるので注意が必要です。大きな涸れ沢を渡る際には、道は対岸(踏跡がある)ではなくやや離れた場所にある個所もあったので、マークを見落とさないよう注意してください。一度分かってしまえば歩きやすいルートだと思います。

【大多和宿】
志津林道から直接立ち寄れるマーキングがありました。もしかしたら歌ヶ浜・細尾峠・千手ヶ浜周辺などを除けば星ノ宿についで訪れやすい宿跡かもしれません。
ファイル
この日の山行のポイントを、ウェイポイントにまとめました。
(更新時刻:2017/10/07 23:32)
梵字飯場に自転車をデポして、山王帽子山登山口近くの路肩からスタート。
今回は普段のカメラが入院中だったので、AW1にて撮影です。
2017年09月30日 05:18撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 5:18
梵字飯場に自転車をデポして、山王帽子山登山口近くの路肩からスタート。
今回は普段のカメラが入院中だったので、AW1にて撮影です。
今日も北から山王帽子に取り付きます。画面中央の立ち木を境に左右に尾根筋あり。今日は右のぼんやりした小尾根を登ります。
2017年09月30日 05:35撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 5:35
今日も北から山王帽子に取り付きます。画面中央の立ち木を境に左右に尾根筋あり。今日は右のぼんやりした小尾根を登ります。
登りながら於呂俱羅を見返る。
2017年09月30日 05:46撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 5:46
登りながら於呂俱羅を見返る。
植樹帯から森に入ったところにある人工物。小尾根の尾根筋の目印。
2017年09月30日 05:48撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 5:48
植樹帯から森に入ったところにある人工物。小尾根の尾根筋の目印。
山王帽子・西の肩を目指す。藪はほぼない。
2017年09月30日 06:02撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 6:02
山王帽子・西の肩を目指す。藪はほぼない。
登山道に合流。
2017年09月30日 06:25撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 6:25
登山道に合流。
山王帽子山に到着。
中川光憙氏によって『私記』の小太郎嶽と比定された場所です。
現在の小太郎山とは異なります。
2017年09月30日 06:43撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 6:43
山王帽子山に到着。
中川光憙氏によって『私記』の小太郎嶽と比定された場所です。
現在の小太郎山とは異なります。
山頂広場の西端にある御料局境界標石は「界甲六四一」
2017年09月30日 06:29撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 6:29
山頂広場の西端にある御料局境界標石は「界甲六四一」
前回の山行から1週間で一気に秋めきました。
2017年09月30日 06:36撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
3
9/30 6:36
前回の山行から1週間で一気に秋めきました。
山王帽子山から男体山を望む。
2017年09月30日 06:34撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 6:34
山王帽子山から男体山を望む。
大永7年(1527)6月27日(グレゴリオで8月4日)、深山之宿を発った一行は隠水にて柴宿を取っています。
今日はまずその痕跡を探さなければなりません。
登山道を下りながら御料局境界標石を探しますが見つかりません。
2017年09月30日 06:46撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 6:46
大永7年(1527)6月27日(グレゴリオで8月4日)、深山之宿を発った一行は隠水にて柴宿を取っています。
今日はまずその痕跡を探さなければなりません。
登山道を下りながら御料局境界標石を探しますが見つかりません。
「界甲六四三」が見つからないまま山王帽子東の肩に到着。
ひとまずp.264に写真のある岩を探します。
2017年09月30日 06:52撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 6:52
「界甲六四三」が見つからないまま山王帽子東の肩に到着。
ひとまずp.264に写真のある岩を探します。
ありました。平地の南端です。
2017年09月30日 07:00撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 7:00
ありました。平地の南端です。
『山王帽子山のハガタテ側にある巨岩(p.264)』を特定。
2017年09月30日 07:01撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
3
9/30 7:01
『山王帽子山のハガタテ側にある巨岩(p.264)』を特定。
巨岩。
特定はしたものの『全踏査』で書かれている「露岩」のことなのか「西北の巨石群」なのか扱いかねて、困窮します。
下調べの段階では「西北の巨石群」の写真だと思っていたのです。場所的にそのどちらでもないように見受けられます。
2017年09月30日 07:02撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
5
9/30 7:02
巨岩。
特定はしたものの『全踏査』で書かれている「露岩」のことなのか「西北の巨石群」なのか扱いかねて、困窮します。
下調べの段階では「西北の巨石群」の写真だと思っていたのです。場所的にそのどちらでもないように見受けられます。
巨岩から西を望む。
『露岩の西側に御料局境界標石柱「界甲六四八」が埋まっている。この付近に小祠は確認できない(p.263)』
やはり何も見つけられず終わりました。
2017年09月30日 07:04撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 7:04
巨岩から西を望む。
『露岩の西側に御料局境界標石柱「界甲六四八」が埋まっている。この付近に小祠は確認できない(p.263)』
やはり何も見つけられず終わりました。
巨岩のすぐ脇にヌタ場のような跡がありました。
2017年09月30日 07:05撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 7:05
巨岩のすぐ脇にヌタ場のような跡がありました。
近づいてみます。
「隠水の柴宿」というからにはここには宿(小屋掛け)は無く、本当のビバークだったのかもしれません。
落ちていた枝で5cmほど掘ってみましたが水は出ず。
ここから北方向に沢状の浸食痕があったので追ってみましたが、閼伽となりそうな場所は分かりませんでした。
2017年09月30日 07:07撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 7:07
近づいてみます。
「隠水の柴宿」というからにはここには宿(小屋掛け)は無く、本当のビバークだったのかもしれません。
落ちていた枝で5cmほど掘ってみましたが水は出ず。
ここから北方向に沢状の浸食痕があったので追ってみましたが、閼伽となりそうな場所は分かりませんでした。
巨石のあたりからハガタテ薙を見下ろす。
2017年09月30日 07:23撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
3
9/30 7:23
巨石のあたりからハガタテ薙を見下ろす。
混乱のなか、先へ進むことにしました。もちろん小祠も見つけられていません。
2017年09月30日 07:23撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 7:23
混乱のなか、先へ進むことにしました。もちろん小祠も見つけられていません。
標高点1919を通過。
2017年09月30日 07:30撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 7:30
標高点1919を通過。
封鎖された、ハガタテ薙ルートの跡を通過。
2017年09月30日 07:41撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 7:41
封鎖された、ハガタテ薙ルートの跡を通過。
小太郎山に到着。
2017年09月30日 08:09撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 8:09
小太郎山に到着。
御料局三等三角点あり。
2017年09月30日 08:21撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 8:21
御料局三等三角点あり。
いい天気です。
2017年09月30日 08:22撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 8:22
いい天気です。
男体山と大真名子、そして裾野に広がる広い森。
2017年09月30日 08:25撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
4
9/30 8:25
男体山と大真名子、そして裾野に広がる広い森。
男体山と大真名子の間に見える、三ノ宿や六郎地を同定。
こんなに低く見えることに改めて驚きます。
2017年09月30日 08:24撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
3
9/30 8:24
男体山と大真名子の間に見える、三ノ宿や六郎地を同定。
こんなに低く見えることに改めて驚きます。
中禅寺湖の向こうに見える山々。
お〜、鳴神山だ。
2017年09月30日 08:24撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
4
9/30 8:24
中禅寺湖の向こうに見える山々。
お〜、鳴神山だ。
いずれ歩くことになるタカノス沢のあたりをしげしげと観察。
2017年09月30日 08:24撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 8:24
いずれ歩くことになるタカノス沢のあたりをしげしげと観察。
袈裟丸・皇海・奥白根。
2017年09月30日 08:25撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 8:25
袈裟丸・皇海・奥白根。
県境尾根を同定。
2017年09月30日 08:25撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
3
9/30 8:25
県境尾根を同定。
奥白根 - 金精 - 温泉の向こうの山を同定。
2017年09月30日 08:23撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 8:23
奥白根 - 金精 - 温泉の向こうの山を同定。
燧ヶ岳。
2017年09月30日 08:26撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 8:26
燧ヶ岳。
平・燧・アイコマあたりを同定。
2017年09月30日 08:26撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 8:26
平・燧・アイコマあたりを同定。
さらにその東側、台倉高山あたりを同定。
2017年09月30日 08:26撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 8:26
さらにその東側、台倉高山あたりを同定。
今日の山行目的を忘れそうになりますので先へ進みます。
2017年09月30日 08:27撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
3
9/30 8:27
今日の山行目的を忘れそうになりますので先へ進みます。
実際、忘れて太郎山までスカッと歩いてしまいました。
(久しぶりにいろんな人と楽しくヤマの話して浮かれちゃいました) いやはやなんとも。
もうしばらくの間、三峯五禅頂のなかでも夏峯でしか歩かない道を歩いていたのですが、太郎山は五禅頂(秋の抖)でも歩きます。他の日光表連山も同様です。
2017年09月30日 08:39撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 8:39
実際、忘れて太郎山までスカッと歩いてしまいました。
(久しぶりにいろんな人と楽しくヤマの話して浮かれちゃいました) いやはやなんとも。
もうしばらくの間、三峯五禅頂のなかでも夏峯でしか歩かない道を歩いていたのですが、太郎山は五禅頂(秋の抖)でも歩きます。他の日光表連山も同様です。
山頂に2つの山名板と2つの石祠と碑伝あり。
手前の祠は昭和31年・奥は平成15年、ともに二荒山神社による建立。
2017年09月30日 08:40撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 8:40
山頂に2つの山名板と2つの石祠と碑伝あり。
手前の祠は昭和31年・奥は平成15年、ともに二荒山神社による建立。
石祠。
粉引(李朝陶器)を模した蕪がありました。
2017年09月30日 08:47撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 8:47
石祠。
粉引(李朝陶器)を模した蕪がありました。
石祠に立てかけるようにして残されていた太郎山神社奥宮碑。
2017年09月30日 08:41撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 8:41
石祠に立てかけるようにして残されていた太郎山神社奥宮碑。
「太郎山神」まではありますが、その先の「社奥宮」はどこかに欠損している模様。「昭和34年 安蘇○○講」などの銘あり。
2017年09月30日 10:00撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 10:00
「太郎山神」まではありますが、その先の「社奥宮」はどこかに欠損している模様。「昭和34年 安蘇○○講」などの銘あり。
その裏手にある三等三角点「太郎山」2367.68m 異常(露出)。
2017年09月30日 08:42撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 8:42
その裏手にある三等三角点「太郎山」2367.68m 異常(露出)。
折れたまま横たわる山名板あり。
2017年09月30日 08:42撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 8:42
折れたまま横たわる山名板あり。
マウンテン・タロー。
2枚の山名板。
2017年09月30日 08:42撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 8:42
マウンテン・タロー。
2枚の山名板。
小太郎山を見返る。
2017年09月30日 08:45撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 8:45
小太郎山を見返る。
山頂から梵天岩を望む(画像中央)。
『「申ニ螺スリヲ駈ル」とある(中略)一方では、太郎山旧火口の通称お花畑の外側の縁を回って、山頂に至った様子を比喩したようにも取れる(p.266)』とあって、掲載された地図にもそのようなルートが描かれています。
『私記』に記述のある「ナビキ左の石躰」や「右の秘水」も通常の登山ルートで素直に説明できるように思うのですが、一応花畑を外周してみます。
2017年09月30日 08:45撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 8:45
山頂から梵天岩を望む(画像中央)。
『「申ニ螺スリヲ駈ル」とある(中略)一方では、太郎山旧火口の通称お花畑の外側の縁を回って、山頂に至った様子を比喩したようにも取れる(p.266)』とあって、掲載された地図にもそのようなルートが描かれています。
『私記』に記述のある「ナビキ左の石躰」や「右の秘水」も通常の登山ルートで素直に説明できるように思うのですが、一応花畑を外周してみます。
お花畑の入り口まで戻ってきました。
画面右端に見える屏風のような岩は…
2017年09月30日 08:55撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 8:55
お花畑の入り口まで戻ってきました。
画面右端に見える屏風のような岩は…
下からはこう見えます。
(帰路、裏男体林道の湯殿沢橋より撮影)
この岩が火口を堰き止めているみたいに見えます。
2017年09月30日 16:22撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 16:22
下からはこう見えます。
(帰路、裏男体林道の湯殿沢橋より撮影)
この岩が火口を堰き止めているみたいに見えます。
では行ってみましょう。
全般に鹿道が繋がっています。
2017年09月30日 08:56撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 8:56
では行ってみましょう。
全般に鹿道が繋がっています。
歩きながら、お花畑。
2017年09月30日 08:57撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 8:57
歩きながら、お花畑。
屏風岩(仮称)のあたりは巻きます。
2017年09月30日 09:02撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 9:02
屏風岩(仮称)のあたりは巻きます。
サクサク進むと…
2017年09月30日 09:05撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 9:05
サクサク進むと…
薙のトップに出ました。ほほぅ…。
2017年09月30日 09:07撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
3
9/30 9:07
薙のトップに出ました。ほほぅ…。
薙からの眺め。
2017年09月30日 09:08撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
3
9/30 9:08
薙からの眺め。
ちょっと藪を抜けて登山道と合流。
2017年09月30日 09:11撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 9:11
ちょっと藪を抜けて登山道と合流。
登山道からお花畑を望む。
阿弥陀様に会いに行きます。
2017年09月30日 09:13撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 9:13
登山道からお花畑を望む。
阿弥陀様に会いに行きます。
お花畑を行く。
右端が梵天岩。この日は「金銀岩戸(p.373)」は左端の岩だと勘違いしていましたが、どうやら違うようです。
2017年09月30日 09:14撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 9:14
お花畑を行く。
右端が梵天岩。この日は「金銀岩戸(p.373)」は左端の岩だと勘違いしていましたが、どうやら違うようです。
屏風のような岩。左の岩の足元に阿弥陀様。
2017年09月30日 09:17撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
2
9/30 9:17
屏風のような岩。左の岩の足元に阿弥陀様。
阿弥陀如来、日光山中屈指の名品だと思う。
寛永元年(1624)に東照宮別当(大楽院)が設けられた際、大楽院初代別当の行恵が出羽三山を勧請したようで、その時に「太郎山外輪山の一端」(太郎山そのものでないことに注意)を月山に見立てたようです。阿弥陀如来は月山の本地仏。ちなみに湯殿山は男体山北面の火口内、羽黒山に至っては寂光院の裏山(1039峰か?田母沢に羽黒滝という名が残る)に勧請したらしい。志津乗越の「志津」という地名も月山参詣口の「志津口」に因みます。荒沢や御沢の名も同様の付与のようです。
太郎山の新薙ルートには旧道があって、そちらにも阿弥陀如来像が残っているとのこと。
日光修験とは関係ない場所だと思ってたけど碑伝あり。出羽三山勧請についてはのちに、大田和宿で驚く陰刻を見ることになります。
2017年09月30日 09:19撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 9:19
阿弥陀如来、日光山中屈指の名品だと思う。
寛永元年(1624)に東照宮別当(大楽院)が設けられた際、大楽院初代別当の行恵が出羽三山を勧請したようで、その時に「太郎山外輪山の一端」(太郎山そのものでないことに注意)を月山に見立てたようです。阿弥陀如来は月山の本地仏。ちなみに湯殿山は男体山北面の火口内、羽黒山に至っては寂光院の裏山(1039峰か?田母沢に羽黒滝という名が残る)に勧請したらしい。志津乗越の「志津」という地名も月山参詣口の「志津口」に因みます。荒沢や御沢の名も同様の付与のようです。
太郎山の新薙ルートには旧道があって、そちらにも阿弥陀如来像が残っているとのこと。
日光修験とは関係ない場所だと思ってたけど碑伝あり。出羽三山勧請についてはのちに、大田和宿で驚く陰刻を見ることになります。
では再び外輪に戻り、梵天岩を目指します。
2017年09月30日 09:25撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
1
9/30 9:25
では再び外輪に戻り、梵天岩を目指します。
梵天岩。帰宅後分ったのですが、池田氏は画面右に見えているリッジの立った岩を金銀岩戸と比定されているようです。
金銀岩戸は五禅頂の拝所。夏峯を記した『私記』にその名はありません。
2017年09月30日 09:28撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 9:28
梵天岩。帰宅後分ったのですが、池田氏は画面右に見えているリッジの立った岩を金銀岩戸と比定されているようです。
金銀岩戸は五禅頂の拝所。夏峯を記した『私記』にその名はありません。
梵天岩のあたりから、小真名子手前に横たわる2034峰とそこから右に続く標高点1909、タカノス沢を凝視。
2017年09月30日 09:32撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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梵天岩のあたりから、小真名子手前に横たわる2034峰とそこから右に続く標高点1909、タカノス沢を凝視。
梵天岩の後ろに回り込みました。
祠などは見当たらず。
2017年09月30日 09:33撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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梵天岩の後ろに回り込みました。
祠などは見当たらず。
そこからの眺め。
2017年09月30日 09:33撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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そこからの眺め。
岩場を越えて太郎山目指します。
2017年09月30日 09:33撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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岩場を越えて太郎山目指します。
お花畑を北東から。
2017年09月30日 09:34撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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お花畑を北東から。
登山道(新薙ルート)に合流。
池田氏はこのあたりから寒沢薙に下ったかと思われます。
2017年09月30日 09:43撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 9:43
登山道(新薙ルート)に合流。
池田氏はこのあたりから寒沢薙に下ったかと思われます。
山頂直下の分岐を通過。
2017年09月30日 09:49撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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山頂直下の分岐を通過。
本日2度目の太郎山にて、山頂の石躰。
『まず、手前が行者石であろう。次は2個の巨石が確かに向き合って対面している姿に見える。穴のある方を「権現」と見立てると、それをのぞき込むように首を伸ばした方が「弘法」ということになる。そして背の低い西端のものが馬頭石ということになろう(p.267)』とあります。
画像左が行者石、右が権現弘法御対面石の「権現」に比定された岩だと思います。
2017年09月30日 09:53撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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本日2度目の太郎山にて、山頂の石躰。
『まず、手前が行者石であろう。次は2個の巨石が確かに向き合って対面している姿に見える。穴のある方を「権現」と見立てると、それをのぞき込むように首を伸ばした方が「弘法」ということになる。そして背の低い西端のものが馬頭石ということになろう(p.267)』とあります。
画像左が行者石、右が権現弘法御対面石の「権現」に比定された岩だと思います。
穴はすぐに分かります。「権現」
2017年09月30日 09:54撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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穴はすぐに分かります。「権現」
穴のある岩の陰にある岩。…これを「弘法」としたのかな?
「穴 → 星 → 求聞持法 → 空海」の連想で、穴をのぞき込む空海を想起したのでしょうか。
2017年09月30日 09:55撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 9:55
穴のある岩の陰にある岩。…これを「弘法」としたのかな?
「穴 → 星 → 求聞持法 → 空海」の連想で、穴をのぞき込む空海を想起したのでしょうか。
西端には中途半端なサイズの岩がチラホラ。馬頭石はどれだろう。よく分らない。
2017年09月30日 09:58撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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西端には中途半端なサイズの岩がチラホラ。馬頭石はどれだろう。よく分らない。
小太郎と中禅寺湖。
2017年09月30日 09:55撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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小太郎と中禅寺湖。
奥白根から根名草まで。
2017年09月30日 09:55撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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奥白根から根名草まで。
根名草から燧まで。
双耳型の根名草ピーク間に見えているのは至仏山。
2017年09月30日 10:17撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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根名草から燧まで。
双耳型の根名草ピーク間に見えているのは至仏山。
いよいよ寒沢薙を下ります。
太郎山山頂には2か所のロープバリケードがあります。
石祠に向かって左側、shige-ponさんが登ってきたのはここ。
2017年09月30日 10:02撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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いよいよ寒沢薙を下ります。
太郎山山頂には2か所のロープバリケードがあります。
石祠に向かって左側、shige-ponさんが登ってきたのはここ。
もうひとつが祠に向かって右側のここ。
こちらの方が道筋が素直そうなので、こちらを下ることにしました。『薙の起点を西にトラバースすれば、呼称梵天岩と太郎山山頂との鞍部にでる(p.372)』とありますが、尾根筋を見てみたいです、こちらで参ります。
2017年09月30日 10:28撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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もうひとつが祠に向かって右側のここ。
こちらの方が道筋が素直そうなので、こちらを下ることにしました。『薙の起点を西にトラバースすれば、呼称梵天岩と太郎山山頂との鞍部にでる(p.372)』とありますが、尾根筋を見てみたいです、こちらで参ります。
始めは踏跡が続きますが…
2017年09月30日 10:35撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 10:35
始めは踏跡が続きますが…
直に見失います。コンパスを頼りに進むと…
2017年09月30日 10:39撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 10:39
直に見失います。コンパスを頼りに進むと…
ドンピシャで薙の先端に到着。ガーミンは標高2312mを示しています。
薙の対岸からここに下りてくれば池田氏の歩いたルートになるのだろうと思います。
2017年09月30日 10:42撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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ドンピシャで薙の先端に到着。ガーミンは標高2312mを示しています。
薙の対岸からここに下りてくれば池田氏の歩いたルートになるのだろうと思います。
薙を下る。左手に見えるのが薙の左岸。
2017年09月30日 10:45撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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薙を下る。左手に見えるのが薙の左岸。
下りながら、高原山。
2017年09月30日 10:46撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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下りながら、高原山。
茶臼岳の溶岩ドームが良く見えます。今日は凄い人出だろうなあ。
2017年09月30日 10:46撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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茶臼岳の溶岩ドームが良く見えます。今日は凄い人出だろうなあ。
そして女峰・小真名子・大真名子の、ツッコミ入れたくなるような並び。
2034峰北面の4本の薙がよく見える。
2017年09月30日 10:53撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 10:53
そして女峰・小真名子・大真名子の、ツッコミ入れたくなるような並び。
2034峰北面の4本の薙がよく見える。
彼はこの尾根を登ったので逆の歩き方ですが、shige-ponさんが標高2200mまでは尾根筋を登り、そこからこの薙に下りていることをギモンに思っていました。
が、実景を見て納得しました。
2017年09月30日 10:55撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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彼はこの尾根を登ったので逆の歩き方ですが、shige-ponさんが標高2200mまでは尾根筋を登り、そこからこの薙に下りていることをギモンに思っていました。
が、実景を見て納得しました。
奥を見ると歩きにくそうな地形です。標高2200mで自分も左岸尾根に入ることにしました。
2017年09月30日 10:55撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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奥を見ると歩きにくそうな地形です。標高2200mで自分も左岸尾根に入ることにしました。
入口らしき踏跡あり(笑)
2017年09月30日 10:55撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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入口らしき踏跡あり(笑)
なんとなく踏跡はありますがやはり見失います。
2017年09月30日 11:04撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 11:04
なんとなく踏跡はありますがやはり見失います。
尾根筋ははっきりしませんが、右手は薙で塞がれているので気が楽です。歩くだけなら迷いません。
でも歩けども御料局境界標石が見当たらないのです。できるだけ尾根筋らしい部分を歩こうとしているのですが…。
2017年09月30日 11:19撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 11:19
尾根筋ははっきりしませんが、右手は薙で塞がれているので気が楽です。歩くだけなら迷いません。
でも歩けども御料局境界標石が見当たらないのです。できるだけ尾根筋らしい部分を歩こうとしているのですが…。
マークあり。赤いビニールテープによるものもありましたが、頼りに歩けるような量ではありません。
2017年09月30日 11:21撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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マークあり。赤いビニールテープによるものもありましたが、頼りに歩けるような量ではありません。
『御料局境界標石「界甲六九八」の埋まる標高二〇〇〇メートル付近にM字型の露岩がある。五禅頂の拝所地蔵石と推定される(p.268)』とありますが、何も見つけられず焦ります。
2017年09月30日 11:30撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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『御料局境界標石「界甲六九八」の埋まる標高二〇〇〇メートル付近にM字型の露岩がある。五禅頂の拝所地蔵石と推定される(p.268)』とありますが、何も見つけられず焦ります。
『この露岩以外に、この道筋に大きな露岩はない(p.371)』とありますが、露岩は結構多く見受けられます。道筋のはっきりしない尾根を上下に右往左往。
2017年09月30日 11:47撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 11:47
『この露岩以外に、この道筋に大きな露岩はない(p.371)』とありますが、露岩は結構多く見受けられます。道筋のはっきりしない尾根を上下に右往左往。
やっと見つけた御料局境界標石。
2017年09月30日 11:34撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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やっと見つけた御料局境界標石。
界甲七〇〇でした。標高2025m。六九八はこの上か…。
2017年09月30日 11:37撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 11:37
界甲七〇〇でした。標高2025m。六九八はこの上か…。
見上げても見下ろしても尾根筋が分からない、の図(画面右に写っているのが七〇〇)。
M字型の露岩も見当たらず、失意のまま尾根を下り切り…
2017年09月30日 11:55撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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見上げても見下ろしても尾根筋が分からない、の図(画面右に写っているのが七〇〇)。
M字型の露岩も見当たらず、失意のまま尾根を下り切り…
とぼとぼ歩いてたら薄暗い森の中に緑色の光が。
(ホントにそんな感じでした)
苔生した緑色の広場に到着しました。
真ん中を一本の道が貫いています。
2017年09月30日 12:14撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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とぼとぼ歩いてたら薄暗い森の中に緑色の光が。
(ホントにそんな感じでした)
苔生した緑色の広場に到着しました。
真ん中を一本の道が貫いています。
広場の西隅に護摩壇と金剛堂・不動明王立像が見えました。ここが寒沢宿です。
2017年09月30日 12:39撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 12:39
広場の西隅に護摩壇と金剛堂・不動明王立像が見えました。ここが寒沢宿です。
寒沢宿の護摩壇(右)と金剛堂(左)。
周辺の樹木はそれほど太くありません。数十年前に皆伐されている感じです。
2017年09月30日 13:11撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 13:11
寒沢宿の護摩壇(右)と金剛堂(左)。
周辺の樹木はそれほど太くありません。数十年前に皆伐されている感じです。
護摩壇。
2017年09月30日 12:15撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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護摩壇。
「六段の石段」と『全踏査』にはあります。宿を見下ろすように並ぶ金剛堂と不動明王立像。
2017年09月30日 12:15撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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「六段の石段」と『全踏査』にはあります。宿を見下ろすように並ぶ金剛堂と不動明王立像。
2基の金剛堂と不動明王立像。
南南東向き。
2017年09月30日 12:16撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 12:16
2基の金剛堂と不動明王立像。
南南東向き。
石組の中の金剛堂・不動明王立像。池田氏が271頁で述べているように、1基の母屋が潰れたため新しい金剛堂を奉納したのかもしれません。
2017年09月30日 12:16撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 12:16
石組の中の金剛堂・不動明王立像。池田氏が271頁で述べているように、1基の母屋が潰れたため新しい金剛堂を奉納したのかもしれません。
碑伝は宇都宮の多氣山不動尊(持寶院)によるもの。現代の五禅頂を実行されているようです。
2017年09月30日 12:19撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 12:19
碑伝は宇都宮の多氣山不動尊(持寶院)によるもの。現代の五禅頂を実行されているようです。
享保14年(1729)の紀年銘。願善坊雄契・正円坊浅栄・妙月坊観禅・常観坊義錬・櫻栄坊貞栄による寄進。
2017年09月30日 12:17撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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享保14年(1729)の紀年銘。願善坊雄契・正円坊浅栄・妙月坊観禅・常観坊義錬・櫻栄坊貞栄による寄進。
金剛堂から見た護摩壇。ほとんど直交するように設置されている。
2017年09月30日 12:19撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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金剛堂から見た護摩壇。ほとんど直交するように設置されている。
広場をぐるりと囲む排水溝と思われる溝。
この広場は材木伐採の基地として使われた気配が濃厚で、あるいはそれ用の遺構かもしれません。
2017年09月30日 13:04撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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広場をぐるりと囲む排水溝と思われる溝。
この広場は材木伐採の基地として使われた気配が濃厚で、あるいはそれ用の遺構かもしれません。
広場を貫いて南へ延びる道。
2017年09月30日 12:23撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 12:23
広場を貫いて南へ延びる道。
同じく北へ延びる道。
さて、閼伽と行者石・両部石を探さねばなりません。石躰については『東寄りに下って、野門道まで出(p.268)』るという文章を解しかねて、269頁の地図通りに北側を中心に探索しました。
宿周辺は踏跡が入り乱れています。
2017年09月30日 12:23撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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同じく北へ延びる道。
さて、閼伽と行者石・両部石を探さねばなりません。石躰については『東寄りに下って、野門道まで出(p.268)』るという文章を解しかねて、269頁の地図通りに北側を中心に探索しました。
宿周辺は踏跡が入り乱れています。
宿のすぐ東にあった源頭部のような場所。涸れ沢なのですが…
2017年09月30日 12:41撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 12:41
宿のすぐ東にあった源頭部のような場所。涸れ沢なのですが…
何か所もの場所溜まり水がありました (湧いているかどうかは分かりかねました。いずれもすぐに伏流してしまいます)。
昔は深山巴の宿のように水の流れに囲まれた場所だったのでしょうか。
2017年09月30日 12:47撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 12:47
何か所もの場所溜まり水がありました (湧いているかどうかは分かりかねました。いずれもすぐに伏流してしまいます)。
昔は深山巴の宿のように水の流れに囲まれた場所だったのでしょうか。
涸れ沢は北に向かって延びています。いつでも飲める水質なら本当にありがたいのですが…。
2017年09月30日 12:50撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 12:50
涸れ沢は北に向かって延びています。いつでも飲める水質なら本当にありがたいのですが…。
地形図を拡大すると出てくる、変な長方形記号のある場所を撮影。
2017年09月30日 12:38撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 12:38
地形図を拡大すると出てくる、変な長方形記号のある場所を撮影。
真ん中のヤツっす。
2017年10月07日 17:42撮影
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10/7 17:42
真ん中のヤツっす。
石躰、見つからず。今日は諦めます。宿の南にあるという湿地帯(閼伽推定地)も見つかりませんでした。
2017年09月30日 12:50撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 12:50
石躰、見つからず。今日は諦めます。宿の南にあるという湿地帯(閼伽推定地)も見つかりませんでした。
寒沢の空。
若い林による、怖いくらいに深い森です。
2017年09月30日 13:05撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 13:05
寒沢の空。
若い林による、怖いくらいに深い森です。
こんな夢みたいな場所に来れたことを良しとして、今日は下山します。
2017年09月30日 12:55撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 12:55
こんな夢みたいな場所に来れたことを良しとして、今日は下山します。
標高点1879に立ち寄りました。268頁にその座標についての記述がありますが、やはり結構ずれています。
2017年09月30日 13:14撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 13:14
標高点1879に立ち寄りました。268頁にその座標についての記述がありますが、やはり結構ずれています。
寒沢宿を南に出ようとすると踏跡はいきなり2手に分かれています。左が正解。
2017年09月30日 13:16撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 13:16
寒沢宿を南に出ようとすると踏跡はいきなり2手に分かれています。左が正解。
新薙ルートの登山道に出合うまで、地形図に印刷してきたshige-ponさんのトラックを頼りに、コンパスを振って歩きました。
沢地形を何本も横断します。
2017年09月30日 13:28撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 13:28
新薙ルートの登山道に出合うまで、地形図に印刷してきたshige-ponさんのトラックを頼りに、コンパスを振って歩きました。
沢地形を何本も横断します。
涸れ沢。
2017年09月30日 13:29撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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涸れ沢。
途中出合った広場跡。
2017年09月30日 13:31撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 13:31
途中出合った広場跡。
大まかに言って、この赤ペンキを追えばいいようですが、たまに道から外れた場所にもマークがありました。
また下り方向に歩くとマークされた向きが見にくいものも多かったです。
2017年09月30日 13:33撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 13:33
大まかに言って、この赤ペンキを追えばいいようですが、たまに道から外れた場所にもマークがありました。
また下り方向に歩くとマークされた向きが見にくいものも多かったです。
ビニールテープによるマークは信頼がおけました。
2017年09月30日 13:33撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 13:33
ビニールテープによるマークは信頼がおけました。
宿周辺だけ見かけたテープマーク。
2017年09月30日 13:33撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 13:33
宿周辺だけ見かけたテープマーク。
地形図にあった建物記号に立ち寄ってみました。飯場の跡みたいです。
2017年09月30日 13:40撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 13:40
地形図にあった建物記号に立ち寄ってみました。飯場の跡みたいです。
大きな涸れ沢のほとりで見出標乙20発見。
2017年09月30日 13:42撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 13:42
大きな涸れ沢のほとりで見出標乙20発見。
大きな涸れ沢を(画像だと右から左へ)渡ります。ここは対岸の小さな踏跡ではなく、ハスに歩いてやや下流の踏跡(たしかテープマークがあったと思う)に取付きます。
2017年09月30日 13:45撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 13:45
大きな涸れ沢を(画像だと右から左へ)渡ります。ここは対岸の小さな踏跡ではなく、ハスに歩いてやや下流の踏跡(たしかテープマークがあったと思う)に取付きます。
涸れ沢から上ったところにある見出標乙22。
乙21は道から外れています。順番に追えばいいわけではないようです。
2017年09月30日 13:52撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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9/30 13:52
涸れ沢から上ったところにある見出標乙22。
乙21は道から外れています。順番に追えばいいわけではないようです。
今の徒渉を復習しておきます。
乙22へは、涸れ沢からここを上ってきました。
この踏跡の対岸にも明瞭な踏跡あるので注意。
2017年09月30日 13:52撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 13:52
今の徒渉を復習しておきます。
乙22へは、涸れ沢からここを上ってきました。
この踏跡の対岸にも明瞭な踏跡あるので注意。
乙22対岸の踏跡。
2017年09月30日 13:54撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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乙22対岸の踏跡。
少し上れば先ほど渡った大岩があります。対岸に赤ペンキマークあり。そこを上れば乙21があります。
2017年09月30日 13:54撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 13:54
少し上れば先ほど渡った大岩があります。対岸に赤ペンキマークあり。そこを上れば乙21があります。
さて、先へ進んで地形図の破線に出合いました。新薙ルートの跡のようで、ここもハスに渡ります。徒渉先に赤テープあり。
ちなみに阿弥陀仏があるとされる新薙ルート旧道(というより月山参道と呼ぶべきか)は、こことは別の道です。
2017年09月30日 14:11撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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さて、先へ進んで地形図の破線に出合いました。新薙ルートの跡のようで、ここもハスに渡ります。徒渉先に赤テープあり。
ちなみに阿弥陀仏があるとされる新薙ルート旧道(というより月山参道と呼ぶべきか)は、こことは別の道です。
大きな広場に出ました。見出標乙37と38の間にあります。
2017年09月30日 14:24撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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大きな広場に出ました。見出標乙37と38の間にあります。
今下りて来た方向。
2017年09月30日 14:26撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
9/30 14:26
今下りて来た方向。
広場の西端にある乙38
2017年09月30日 14:26撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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広場の西端にある乙38
乙38から道は真南に延びています。
2017年09月30日 14:27撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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乙38から道は真南に延びています。
途中あった、標高点1853と巻き道の分岐。手前の境界標に見出標がないことに気を取られて、左の道を直進してしまいました。赤ペンキの打ってある右へ進み、小ピークを巻きます。
2017年09月30日 14:38撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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途中あった、標高点1853と巻き道の分岐。手前の境界標に見出標がないことに気を取られて、左の道を直進してしまいました。赤ペンキの打ってある右へ進み、小ピークを巻きます。
そこから新薙登山道へはすぐです。2本の白杭が分岐の目印。
2017年09月30日 14:40撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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そこから新薙登山道へはすぐです。2本の白杭が分岐の目印。
傍らのシラビソには赤い矢印が。
2017年09月30日 14:41撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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傍らのシラビソには赤い矢印が。
分岐から太郎山方向を望む。左の新薙登山道には日光マークが打ってあります。寒沢方面には赤ペンキ。
2017年09月30日 14:41撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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分岐から太郎山方向を望む。左の新薙登山道には日光マークが打ってあります。寒沢方面には赤ペンキ。
あとはフツーに下って林道まで下りました。この日はshige-ponさんの歩いたルートをなぞりましたが、他にもいろいろな歩き方をした方がいらっしゃるようで、なかなか面白いです。
2017年09月30日 14:52撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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あとはフツーに下って林道まで下りました。この日はshige-ponさんの歩いたルートをなぞりましたが、他にもいろいろな歩き方をした方がいらっしゃるようで、なかなか面白いです。
林道を行く。
shige-ponさん、ここから大真名子に登ってたよなー。
2017年09月30日 15:04撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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林道を行く。
shige-ponさん、ここから大真名子に登ってたよなー。
せっかくなので大多和宿だけ立ち寄ってくることにしました。ここから地形図に落としてきた宿のおおまかな位置を頼りに歩いてみます。
2017年09月30日 15:32撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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せっかくなので大多和宿だけ立ち寄ってくることにしました。ここから地形図に落としてきた宿のおおまかな位置を頼りに歩いてみます。
林道から下りてすぐ、最初の涸れ沢があります。
復路に分かったのですが、大多和宿までマーキングと踏跡が続いていました。以下それに基づいてルートを説明します。
2017年09月30日 16:03撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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林道から下りてすぐ、最初の涸れ沢があります。
復路に分かったのですが、大多和宿までマーキングと踏跡が続いていました。以下それに基づいてルートを説明します。
巣箱があります。
2017年09月30日 16:02撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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巣箱があります。
赤黄2本線のマークをたどればOK。
2017年09月30日 16:01撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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赤黄2本線のマークをたどればOK。
2本目の涸れ沢を渡る。
2017年09月30日 16:00撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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2本目の涸れ沢を渡る。
さらにマークをたどれば…
(復路撮ったので、巣箱からここまでの撮影方向は[宿 → 林道]向き)
2017年09月30日 15:58撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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さらにマークをたどれば…
(復路撮ったので、巣箱からここまでの撮影方向は[宿 → 林道]向き)
金剛堂・不動明王立像が見えました。大多和宿に到着です。
2017年09月30日 15:39撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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金剛堂・不動明王立像が見えました。大多和宿に到着です。
左から地蔵菩薩坐像・不動明王立像・金剛堂・火焔光背付不動明王立像。その手前に椀状の窪みのある石造物が4つ並びます。
2017年09月30日 15:40撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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左から地蔵菩薩坐像・不動明王立像・金剛堂・火焔光背付不動明王立像。その手前に椀状の窪みのある石造物が4つ並びます。
3つは円型、ひとつは自然石っぽいもの。
『同形の石造物が四基並べられている(p.281)』とはこれのことかと思われます。『爐と推定される石造物が二基(同頁)』については気づかず。
2017年09月30日 15:40撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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3つは円型、ひとつは自然石っぽいもの。
『同形の石造物が四基並べられている(p.281)』とはこれのことかと思われます。『爐と推定される石造物が二基(同頁)』については気づかず。
ほぼ北向きに並べられた石仏群。
2017年09月30日 15:41撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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ほぼ北向きに並べられた石仏群。
その足元にはきちんとした基礎が設けられています。
2017年09月30日 15:41撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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その足元にはきちんとした基礎が設けられています。
火焔光背付不動明王立像の前面。印刻はもはや読みにくくなっていますが『全踏査』によれば『奉寄進 不動尊』『奉元禄十丁丑天七月日 山口信隆(*1697)』とのことです。『不動尊』の下にそれ以外の文字があることも分ります。
2017年09月30日 15:42撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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火焔光背付不動明王立像の前面。印刻はもはや読みにくくなっていますが『全踏査』によれば『奉寄進 不動尊』『奉元禄十丁丑天七月日 山口信隆(*1697)』とのことです。『不動尊』の下にそれ以外の文字があることも分ります。
金剛堂。多氣山碑伝あり。
2017年09月30日 15:42撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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金剛堂。多氣山碑伝あり。
右側面に『願主 櫻正坊宗明』の印刻あり。その他の面は無銘。
2017年09月30日 15:42撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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右側面に『願主 櫻正坊宗明』の印刻あり。その他の面は無銘。
これ不動明王立像の背面じゃなかったかなあ。思い出せず。『全踏査』には『この立像には印刻は認められず』と書いてある。
2017年09月30日 15:41撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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これ不動明王立像の背面じゃなかったかなあ。思い出せず。『全踏査』には『この立像には印刻は認められず』と書いてある。
不動明王立像。『天眼地眼の形相』とありますがもはや分かりかねる。右目は上を向いているように見えます。
2017年09月30日 15:50撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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不動明王立像。『天眼地眼の形相』とありますがもはや分かりかねる。右目は上を向いているように見えます。
そして地蔵菩薩坐像の背中には『湯殿山開山』の印刻。先に述べた男体山火口に湯殿山を勧請した歴史がここにも残っています。日光修験の宿に出羽三山か、と思ったのですが…
2017年09月30日 15:50撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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そして地蔵菩薩坐像の背中には『湯殿山開山』の印刻。先に述べた男体山火口に湯殿山を勧請した歴史がここにも残っています。日光修験の宿に出羽三山か、と思ったのですが…
うっすらと残る、この胸に刻まれた文字は『行恵』だそうです。出羽三山を勧請した張本人の名前です。紀年名はありませんが寛永元年(1624)ごろ奉納されたのでしょうか。宿で他山勧請を同列で祀っていることに驚きました。懐が深いと言うか、いい加減と言うか。
2017年09月30日 15:50撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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うっすらと残る、この胸に刻まれた文字は『行恵』だそうです。出羽三山を勧請した張本人の名前です。紀年名はありませんが寛永元年(1624)ごろ奉納されたのでしょうか。宿で他山勧請を同列で祀っていることに驚きました。懐が深いと言うか、いい加減と言うか。
閼伽はこの石仏群のすぐ脇にありました。
2017年09月30日 15:46撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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閼伽はこの石仏群のすぐ脇にありました。
閼伽。この水、飲んで来ればよかったです。フィルター持ってたし。
2017年09月30日 15:53撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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閼伽。この水、飲んで来ればよかったです。フィルター持ってたし。
護摩壇は閼伽と石仏群に正対するかのように、中央に据えてあります。
2017年09月30日 15:48撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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護摩壇は閼伽と石仏群に正対するかのように、中央に据えてあります。
火焔光背付不動明王立像から護摩壇を望む。
『落ち葉に埋もれた石造物が一個』も分らずじまい。
2017年09月30日 15:45撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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火焔光背付不動明王立像から護摩壇を望む。
『落ち葉に埋もれた石造物が一個』も分らずじまい。
2本の沢にはさまれた台地の上にある大多和宿。
今日の山行はここまでとしました。帰ります。
2017年09月30日 15:54撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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2本の沢にはさまれた台地の上にある大多和宿。
今日の山行はここまでとしました。帰ります。
裏男体林道を下ります。湯殿沢橋と男体山。
2017年09月30日 16:18撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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裏男体林道を下ります。湯殿沢橋と男体山。
大真名子!
2017年09月30日 16:24撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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大真名子!
梵字飯場のゲートに到着です。
2017年09月30日 16:48撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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梵字飯場のゲートに到着です。
チドリアン回収。
スタート地点に向けて、今から山王林道をクライムヒルするわけです(笑)
2017年09月30日 16:56撮影 by  NIKON 1 AW1, NIKON CORPORATION
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チドリアン回収。
スタート地点に向けて、今から山王林道をクライムヒルするわけです(笑)
撮影機器:

装備

個人装備
AKU/テッレアルテGTX チェーンスパイク 小屋泊装備一式(未使用) 総重量12kg

感想

今回のレコ書き、筆が進みません。
『全踏査』記述をたどる山行を続けていますが、今回は見落としや見逃しがとても多いのです。
今レコを書きながら地形図を見ていると、立ち寄らなければならなかった場所がいくつも目に入ってきます。反省しきりです。

『全踏査』の記述を読んでいると、この区間は理解しにくいものとなっています。
特に山王帽子山の「隠水の柴宿」あたりの記述は具体性を欠いているように感じます。p.264掲載の巨岩の写真が何を示しているのか、下調べの段階で「笹原の中央部に露岩がある(p.263)」か「大和久震平氏が指摘する巨石群は大平地の西北のコメツガ林の斜面にある(p.264)」のいずれかであろうと一応の結論を持って山行に臨んだのですが、実地を見分すればそれはおそらくどちらでもないものかと思われ、この写真が何を指したものかはよく分らなくなりました。もしかしたら「笹原中央部の露岩」かもしれないのですが、この位置にあるものを「中央部」と描写するかなぁ…? 
頭が混乱したままうろつき回るなか、中央部にあるとされた露岩自体も平地西北の巨石群もこの日は見落としたまま通過してしまいました。

寒沢宿周辺の石躰は一つも見つけられませんでした。
両部石と行者石は完全に分からなかった。「東寄りに下る野門道」という描写に戸惑い足が伸びませんでした。次回はもう少し広範囲を探したいです。野門道も調べなきゃなりません。

もう率直に言いますが、石躰の探索がずっとしんどいです。
興雲律院住職に伺って分かったことですが、三峯五禅頂の古文書に幾つも書かれている石躰は現在その位置を比定できないものがほとんどで、『全踏査』で池田氏の書かれている推定地はほとんどすべて氏の推論であるとのことでした。
例えば茶ノ木平から細尾峠に下り始めたところにある「カワゴ石(篭石)」などはおそらく間違いないのでしょうが、『全踏査』に描かれている石躰の描写は、池田氏の独創といっても差し支えないかもしれません。
こうしていくつもの推定の石躰を歩いて追いかけていると、拝所としての造形やスケール感について一貫性が欠けるように感じられるのが、現在の自分の偽らざる感想です。修験道の拝所など長い時代の累積から成り立つのでしょうから、その感性についても時代々々で凹凸があることは承知はできるのですが「それにしても何でこれに比定したんだ?」という感が幾度も頭をもたげます。恣意的とまでは申しませんが、なぜこれを石躰として認めたのか、それを追う自分としては池田氏の記述に対して思うことが多々あります。池田氏の分析や心の動きとなりを示してほしかったです。
さらに言えば、資料としてちゃんと後追いできる文章で書いてほしかった。「あくまで筆者個人の見解」と断った下りはありますが、それとこれとは別です。今となっては正確性より情感を重視した流れがちな文章だと感じる自分がいて、残念でなりません。

山王帽子 - 寒沢宿間の御料局境界標石がとにかく見つからなかったのは痛かったです。これを書きながら思うことですが、旧日光市と栗山村との町境に立っていた可能性が高いよな…などと反省しています。ただ、現在手に入る地形図だとこの町境線はもう入ってないんですよね。手元にある資料では1990年刊の昭文社地図(1/5万)で小さく見えるのみなのですが、それで町境を見ると太郎山の上の方では寒沢薙からやや離れ、北に弧を描いて通っています。
国土地理院で古い地形図の謄本が取り寄せられるようなので、手に入れた方が話が早いかもしれませんね。
http://geolib.gsi.go.jp/node/2521
そんなことできるかどうか分かりませんが、現存する日光の御料局境界標を全部地形図にプロットできたらなあ、などと思ってしまい、その考えを一生懸命振り払ったりしています。

シリーズ山行を続けるなか見つけられなかった場所が宿題のように少しずつ増えていき、少々息苦しくなってまいりました。見逃したものを探し直すことを考えると年内にこのシリーズを終えられる気もせず、気が急いています。

…愚痴ばっかりでヤだなあ。
まずは通して踏査し終えることを考えましょう。
などと自分を鼓舞しつつ(苦笑)。

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コメント

志が
こんにちは。
いつも「後追いで実踏できる」記録作り、お疲れ様です!
読むたびに、おもしろい(笑)!ヘビー(苦笑)と
楽しませていただいております。

>碑伝は宇都宮の多氣山不動尊(持寶院)によるもの。
>現代の五禅頂を実行されているようです。
写真を見た瞬間、ををっ!でした。
尊いものごとに触れると、清々しい気持ちですね。

>正確性より情感を重視した流れがちな文章だと感じる自分がいて、
>残念でなりません。
そこまで到達しているのですから、志を高くもって
シリーズ山歩きをされているのですね。尊敬します♪

>シリーズ山行を続けるなか見つけられなかった場所が
>宿題のように少しずつ増えていき、少々息苦しくなってまいりました。
>見逃したものを探し直すことを考えると年内にこのシリーズを
>終えられる気もせず、気が急いています。
壮大ですねー。
私の足利百名山、一座一記録も、息苦しいことがあります。
度々、めんどっちーなー、三座一記録にまとめたいと感じます。
でもまあ、いつか、だれかの役に立つかも?なあんて思って、
一座一記録を励行中です(笑)
足利百名山は、昨シーズンで終えたいと思っていましたが、
自分で決めた一座一記録により、時間切れ。
まあ、再来年辺りには終わるかな?という気分です。

thoughtmayさんも、急がなくても大丈夫ですよ!
2017/10/9 10:37
Re: 志が
ramisukeさん、コメありがとです。
一座一記録と決められていたんですか。
小さな山を堪能するかのような歩き方に惹かれていたのですが、
なんだか納得しました。
続きを期待してお待ちしていますが、再来年はすごいなあ!(笑)

自分の場合は、池田さんの記録をとにかくデータ化して残しておきたい気持ちが強いです。
山は往古からそこにあるものなのにも関わらず、
ヤマ歩きって時代ごとの一過性が強いんだなあ、と最近思うようになりました。
放っておくと消えてしまう物事が結構たくさんあるよなあ、って。

下山後、レコを書きながら分かったことなのですが、
寒沢宿周辺をグーグルアースで俯瞰すると
森の中に幾筋もの道らしきものが放射状に伸びているのを見ることができます。
(みー猫さんのブログで知りました)
今回寒沢宿から下ってくる際に出合った2か所の広場は
どちらもその放射の中心部です。
みー猫さんが寒沢宿から富士見峠に向かって歩いた記録があるのですが、
その途中小真名子の北側で出会った、レールの遺されていた広場も
放射の中心にあたるようです。
材木の切り出しにトロッコか索道を用いた痕跡なんだろうなと考えていますが、
こんなことの実態も調べるとなかなか骨が折れそうですよね。
野門道、と池田さんは古道と作業道とを一括りにしているのかもしれないのですが、
人の生きたもっと多層的な跡が、あの辺には残っているような気がします。

人が為したことは、やはり記録しておいた方がいいと自分は思います。
たとえ当事者が記録に何の関心を持っていなかったとしても。
オレのすることじゃないよな、とは思うのですが
記録がないと頭に来ます(笑)
カッコ悪いと思うんですよね。
林道の名、沢の名、橋の名、すべからく分りやすくデータベース化してくれい!
…と、ホントそう思います。
時代が経てばこれらはみんな消えて無くなってしまいますもん、間違いなく。

…とは言いつつも。
早く『全踏査』探索に区切りをつけてもっと自由にヤマ登りがしたいです。
これもまた、偽らざる現在の心境です
2017/10/9 11:19
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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