南アルプス
- GPS
- 104:00
- 距離
- 37.9km
- 登り
- 4,218m
- 下り
- 3,826m
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に無し |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
9月21日
飯田での十分な休養を終えて、まずは伊那市駅に向かうことにした。コインロッカーに衛星電話の無駄なものを入れるためだ。しかし、田舎の駅過ぎて警察やバスターミナルに頼んだがどこもダメだった。電車とソースかつ丼を食べる時間を考えるとそこまで時間がない。走って少しの所にコンビニがあるので保延、小山と走ることにする。
「風車」とかいう店でソースかつ丼を食べることにする。プレ春の猪苗代駅のソースかつ丼の時も同じだったが、ソースかつ丼を食べるときはいつも時間がない。
電車に乗って、伊那大島に戻っていろいろ準備してステビする。新人の時も来たが、ここはトラックが通ってめちゃくちゃうるさい。タクシーの運ちゃんが、ホームの待合室で寝るといいよと教えてくれたのでありがたく使わせてもらう。終電が来たときはドキッとしたが、快適に眠ることができた。
9月22日
道路のほうで寝た人は、かなりうるさかったようだ。まだ、雨は降っていないがどんよりと曇り不安が募る。天気予報もあまりよくないし緊張しながらのスタートとなった。鳥倉林道までは、寝ることにする。体操をしているときに、雨が降ってきたので雨具をきて、そのまま出発する。雨が降る中、最悪の気分で黙々と三伏峠を目指して進む。暑いし、汗なのか雨なのかわからないが(多分汗だが)びしょ濡れになるので雨の日の行動は本当に嫌だ。
一年前の錬成を思い出しながら、登山道を登る。だれから、だったかわからないが歌が始まった。歌があると雨の日もそれほど苦ではなくなるから不思議だ。仲間と登ってよかったと思う瞬間だ。
特に見せ場のない林道を進み、途中で水を汲んで三伏峠に到着する。小屋はスルーして、三伏沢に向かって下降を始める。水場のあたりで沢タビに換えるが、気温も低く寒いのでかなりの苦痛である。どんどん下っていくと、途中から晴れ間も見えてきた。太陽は本当にありがたい。しかし、源頭はごみで汚いね。
一時間ちょっとで権右衛門沢との出会いにつく。出会いに快適な幕場があったのでそこに張ることにする。雨もすっかりやんで日も差してきた。
ツェルトを張って、上級生は塩見沢を見に行くことにする。出会いは平凡でその後も特に何もなさそうである。
幕場に戻ると、大量の薪が積まれている。木が濡れてもたき火ができるようになっているので困ることはない。
たき火をして、リゾットを食べていると、雨が降ってきた。タープは広いが継ぎ目から雨が漏れてきてかなり困る。いろいろ工夫したらなんとか止まってくれた。雨がやんだのでたき火にあたりながら、就寝時間まで話すことにした。
パパリコで、起床係を決めたのだが、なんとLである私が負けてしまった。佐々木の苦手な山関係で徹底的に攻めるべきだったと後悔した。
9月23日
時計がずれていたせいで、青木に起床係を奪われてしまう。起きていたので心外だ。棒ラーメンを食べて撤収する。塩見沢に入って少しすると大粒の雨が降ってくるが、どうせ濡れるから雨具を着ずに行動する。地形図上2450m当たりの顕著な三股の真ん中に入って進む。2500mあたりから地形図上では判別しづらくなる。コンパスを合わせて進むことにする。2700mくらいからハイマツが出てくる。ここのハイマツは、子供なので楽勝である。知床のハイマツは大人なのでヤバいです。ガレガレだったらどうしようかと思っていたが、はい松交じりで安心して進むことができた。佐々木は、藪漕ぎに慣れてないのかかなり遅い。雨で視界がなくどこまで行けばいいのかわからないし、そしてかなり寒いこの状態は魔のヒツゴー沢を思い出させる。だが、あっけなく一本くらいで登山道に出てしまった。休憩しているとかなり寒い。一人のおじちゃんがとぼとぼと歩いてくる。大丈夫かなーと心配しながら追い抜いていく。
練成で歩いた道なのでかなり鮮明に覚えている。あの時は、快晴だったなー。紫の花が慰めである。山頂に着いたが天候は回復せず、記念撮影だけしてとっとと下ることにする。佐々木は、雨具も着ているのに低体温症になりかけているようである。私は、服一枚だというのにどういうことなんだ。脂肪の量の違いか?昔は、ヒマラヤの登山者はわざと脂肪をつけていたという話があったな。
下降点までは、すぐかと思っていたが意外と一本半くらいかかった。途中で思いだしたが、この下降点は去年の錬成でビバークしたとこではないか。慧がカレーを食いすぎで薬を飲んでいたなーとか小山が上ミ中にゲップしたり屁をして怒られていたなーと思い出す。
ガスっていたので下降点を見つけるのに苦労するかと思ったが、簡単にはい松の切れ目を見つけることができた。ちょうどそのころに晴れてきて雪投沢の全貌が見えた。歓声が上がる。ずんずん下っていくと対岸の山も見えてきた。雲があっという間に晴れていく。
何の変哲もない場所であったが、佐々木がこけて親指の付け根を切ってしまった。治療して、荷物を上級生で分けて下降することにする。その後も、一回もロープを使うことなく下降していく。大井川の出会いに付近になると沢が明るくなってくる。思わず走り出してしまった。
大井川は、大きな川である。谷も開け非常に気持ちがいい。みんなも嬉しいようで、歓声が上がる。来てよかった。
池ノ沢小屋を保延、小山の夫婦に見てもらうが、かなり荒れて、気持ち悪いということなので河原に泊まることにする。
幕営をして、2年生に食当をしてもらい、上級生は薪を集めることにする。いい流木が沢山あるので今夜の焚き火は楽しみだ。今夜のご飯は90秒で茹で上がるパスタなので速い。何味なのかは忘れたが、美味しかった。アメリカに行ったときは不味くて×2ハマっていたのに。焚き火を囲み、みんなと話す。幕場についてからのこのゆったりした時間が嬉しい。
暗くなると星が見える。今夜は星がキレイだ。焚き火の炎も綺麗だ。
皆は、ツェルトに入ったが私はシュラポンすることに。夜中に何度か寒かったので薪をくべた。焚き火は本当に暖かい。
9月24日
今日は、昨日の起床係の汚名を挽回すべくしっかりと時計をあわせておく。早めに起きて焚き火をおこしなおす。朝はやっぱり寒い。
焚き火でお茶を沸かしながらゆっくりとご飯を食べて、撤収して出発。新蛇抜山への旧道を越えたところにある、沢を越えると渓相が穏やかになってくる。きれいな森に覆われ流れも綺麗だ。滝には、魚も見え竿を出したいが我慢する。
小山がトイレに行ったので、頃合いを見計らって「主発しまーす」と冗談で叫ぶ。血相を変えて走って来たので笑える。ちゃんと拭けなかったと言っていた。(笑)
順調に進みすぎて今日は午前中に終わってしまいそうだ。テクテクと進んで、魚止め。道はあるので楽勝で越えられる。滝の上は、南アルプスの上高地と言われていたが確かに綺麗だ。
乗越沢と三国沢の出合いにはいい幕場がある。幕営をして、焚き火を集めて休憩にする。飽きもせずに、昼ごはんに棒ラーメンを食べた。佐々木と私は、釣りをしに下流に出かける。佐々木は、初めての渓流釣りで、慣れないようだったがだんだんと様になってくる。残念ながら、何も釣れなかったが。夕立が来たので急いで幕場に戻り、ツェルトに非難する。しばらく続いたのでまた隙間から水が漏れてきて大変だった。ご飯を食べ終わると雨も止み、外に出て焚き火をする。夜になると毎晩星が見えるので嬉しい。釣った魚を塩焼きにして皆で食べる。なかなかうまかった。
今日は、雨が心配なのでツェルトの中で寝ることにする。
9月25日
夜中に雨が降っていたが佐々木はびしょ濡れになり、助けて欲しくて「さむいよー、さむいよー」と言っていたが誰も気づいてくれなかったと言っていた。皆で爆笑してしまった。私は、保延が私の足を枕と勘違いして何度も使うので蹴ってしまった。
出発の時には、雨が止んでいるのでよかったが途中から雨が降り始める。乗越沢は、荒れている印象。特に何もなく進むが東に進み過ぎて井川越の直下に来てしまった。熊ノ平小屋にでる予定だったのだが。予定では大横川を下降して三峰川に出るのだが怪我のためルートを変更して両俣小屋に向かう。下級生は、靴にしているが4年生は横着して沢足袋のまま向かう。
雨は強いし急登だし、キツい。休むとメチャクチャ寒い。こういう時は、スニッカーズに限ります。レーションを食べまくって栄養を取って出発する。
三峰岳を前にして、雲がなくなり晴れていく。塩見岳そして、大井川も見えてくる。あの大きな渓を遡行してきたのかーと感慨深い。思えば2年の錬成の時からこの渓の雄大さに憧れていた。その渓を遡行でき嬉しい。三峰岳に着くとこれから目指す仙丈岳も見える。甲斐駒、北岳も。
晴れて本当に嬉しい。大井川や仙丈岳などをバックに写真を撮る。そこからは、サクサクと進む。あっという間に両俣小屋に着いた。
今日は、最終夜なので特別に小屋に泊まることにする。素泊まり1人3千円です。
小屋に入ると優しいおばあちゃんがいて、ストーブをつけてくれたり、余ったカップラーメンを出してくれたりした。服をしっかりと乾かして、小屋で休む色々と話したが、この小屋の昔の話がおもしろかった。
小屋の前にあるテントで最終夜。皆の差し入れが多い。ビールが上手い。
佐々木は、新人が一人の中で頑張てくれました。2年生も隊をしっかりと引っ張てくれました。この仲間と一緒にやれて本当によかったと思う。
この日は、小屋の中でぬくぬくと快眠出来ました。
9月25日
今朝のビーフンはカレーの粉が固まっていてヤバい。また、稜線まで登り返すのだがなかなかキツい。一汗かいて稜線に着く。そこからは歌を歌いながらガンガン飛ばしていく。13時のバスに間に合うかぎりぎりの時間である。大仙丈岳に着く頃になると晴れ間も見えたが完全には晴れなかった。仙丈岳の上は、意外と人が少ない。
人が多いので式典はカットして、記念撮影をして出発する。下っているときに、後何分くらいでつきますかという登山者がいたがそういう人は本当に嫌いだ。今から登るのかよという人も多かった。遭難者も出るわなーという感じです。
時間もぎりぎりなので、保延、小山に先行してもらいバスに待っていてもらう。最後はダッシュして5分遅れでバスに乗り込んだ。
無事に終わったという気持ちとこれで終わりかという気持ちで、バスの外の景色を眺めていた。
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