厳冬期 激ラッセルの光岳 (易老渡・芝沢ゲートより)
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- GPS
- 34:00
- 距離
- 24.4km
- 登り
- 2,299m
- 下り
- 2,289m
コースタイム
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 8:46
天候 | 2/17(土) 曇り後吹雪、風速20-30m(稜線)、気温-17度(幕営地:標高2300) 2/18(日) 晴れ、風速10-15m(稜線)、気温-12度(山頂:標高2500) |
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過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
国道152号(秋葉街道)より、易老渡登山口方面へ車で山道を15km程度。 高速(松川・飯田IC等)から152号までは、一般的には喬木村より県道251号+国道474号を用いてアクセスします。現時点で一部工事で迂回が必要な箇所がありましたが、概ね問題ありません。 152号の登山口方向へ分岐した後、最終の集落(大野)以降は、除雪・整備等がされておらず、道路状況に関しては必ず事前に調査が必要です。特に、大野〜芝沢ゲート(駐車場)までの道路は落石が非常に多く、数年に一度、長期間通行止めになる程です。冬季は人もほとんど入らないので、登山口まで辿り着くだけでギャンプルの要素があります。 遠山郷観光協会に問い合わせると、大野集落までの情報は教えて頂けます。大野集落までの除雪・道路状況に関しては完璧でした。 http://tohyamago.com/ ■駐車場 (芝沢ゲート) 冬季は易老渡までは入れません。易老渡手前4km程にある、芝沢ゲート手前に30台程度駐車場可能なスペースがあります。易老渡まで徒歩1.25h程度。 芝沢ゲートより更に手前1km程度にある北又渡発電所にも駐車場がありますが、車高が高い四駆であれば、芝沢ゲートまで行けます。ただし、本当に道が悪いので、特に車高の低い車は推奨しません。実際底を擦ってました…。。 駐車場にトイレ等はありません。易老渡にはトイレ・水場があるようですが、期待はしないほうがいいと思います(未確認)。ただ、厳冬期・寒気襲来中でも水は豊富に流れていました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はほぼ無いのですが、この時期は、南アルプス最南部と言えど、非常に雪深く、登山する人はほとんどいないので、激ラッセルの覚悟が必要です。山行中は2人ともほぼずっとスノーシューでした。ただ、途中スノーシューで全く歯が立たない急斜面のラッセルもありましたので、アイゼン・ピッケルの準備が必要です。って、ここ行く人で持っていかない人はいないと思いますが、、、 コースは、易老岳まではテープが明瞭ですが、易老岳から三吉平まではテープ等がほとんど見当たりません。稜線で雪も多く、雪庇的なものも存在し、ルーファイ・通過に困難がありました。三吉平以降は分かりやすい地形ですが、静高平は視界不良時・強風時は危険な場合があるかと思います。 幕営適地は色々あると思います。面平、平らな広場、2251地点、易老岳山頂周辺、三吉ガレ先の鞍部(今回の幕営地)、三吉平、あたりが平らで風も避けられる場所でした。また、光岳山荘は冬季の扉が開放されており、入ることが出来ました(今回は中でお休みしただけ)。 ■芝沢ゲート〜易老渡登山口 約4kmの平坦な林道歩きです。 林道は一般車は入れないのですが、マタギさん等は入れるので、車の轍がしっかります。その轍が完全に凍結している一方、道の真中は中々の積雪でノーアイゼンだと歩くのが大変です。チェーンスパイク等が非常に有効です。12本爪でもいいのですが、陽が当たる箇所はコンクリが露出していたりと、イマイチ感がハンパないです。 易老渡登山口には水場・トイレがあるらしいのですが、利用出来るかは確認していません。 ■易老渡登山口〜面平 易老岳山頂までは、テープがよく付けられているので、探しながら歩いて下さい。 また、山頂まで1〜30の番号を振られている看板があります。(登山口=1、面平=10、易老岳山頂=30)。面平の7番あたりまでがつづら折りの急登です。8番あたりから非常に雪深くなり、スノーシューに切り替えました。 ちなみに、易老渡からの登山が初めてだったのですが、登山口の橋を渡って、最初の取り付き箇所がわからず、15分程度彷徨ってました…。橋を渡って、ほんと少し斜面登った正面が取り付きです。頑張ってピンクテープを探して下さい。まぁ自分達だけの問題でしょうが、、 ■面平〜平らな広場 危険箇所等は特にありません。面平からは逆にほんの少し雪が薄くなりますが、標高1800を超えたあたりからはスノーシューでもスネヒザ位のラッセルとなります。 ■平らな広場〜馬の背 積雪が明らかに増えてきて、スノーシューでもスネヒザ位のラッセルとなり、スピードが上がらなくなります。(CTx1.3程度) ■馬の背〜2254地点(三角点) 危険箇所等は特にありません。ただし、途中急斜面があり、ザックを置いてラッセルして道を作った後登る、といった事をしなければ進めない箇所が1箇所あり、時間がかかりました。(CTx1.8程度) ■2254地点〜易老岳山頂 2254直後に、急斜面の登下降+トラバースがあります。急な下り斜面が出てきた時点で、アイゼンピッケルへの切り替えを推奨します。滑落注意の黄色い看板があります。 今回、2254から下降した先の急斜面の登り+トラバースの計20m程度が激ラッセルで、通過に準備・片付け等含め50分程度かかっています。トレースがあれば容易な斜面ですが、コンディション次第では通過に非常に時間がかかりますので、2254地点でのビバーク等を検討した方が良いかと思います。 危険箇所を通過した後は、ただの(?)深雪ラッセルの斜面ですので、頑張ってください。山頂看板は埋もれていてよく分かりませんでしたが、テープは山頂まで存在しています。 ■易老岳山頂〜三吉ガレ付近(幕営地) 山頂から先は、尾根を下っていきますが、テープ等はほぼ見当たりませんでした。基本的に樹林帯なのですが、何箇所か開けた稜線に出る箇所があり、強風が吹き荒れていました…。尾根を下りきり、開けた稜線の先の鞍部の沢の中に幕営をしました。この日は25m以上の爆風でしたが、幕営地は風は完全に避けられていました。 ■三吉ガレ付近(幕営地)〜三吉平 尾根沿いに進みますが、途中樹林が濃そうな所があって、何箇所か谷側に巻いたりをしていますが、何が正しかったかは全く不明です…。巻いたとしても樹林帯だし、、正直かなり苦労していて、GPSを頼っています。 三吉平には久しぶりに明瞭なテープと看板があります。 ■三吉平〜静高平 ここからは静高平に向けて沢を詰めていきます。地形読みとテープを確認して進めば問題ないと思います。間違えやすい箇所の模様で、テープが豊富にあります。 静高平へはひたすら登りますが、このあたりは風の影響も受けにくく、雪も締まっており、快適な登山となりました。 今回、静高平への最後の沢の上り詰めで、夏道とは違う右側の沢を詰めているかと思います。大した問題ではないですが、、 ■静高平〜光岳山荘 左手にイザルガ岳がそびえ、ひたすら真っ白な平野が広がります。視界があり、風がなければ非常に快適です。今回はそこまで強くは無かったですが、真っ白の平野がキラキラ凍っていたので、普段から風が強いものと思われます。 視界が無い場合は、地形的特徴も少ないので注意が必要です。 ■光岳山荘〜光岳山頂 少し樹林帯を抜けつつ、尾根を詰めれば山頂です。山頂奥の展望台から深南部を含めた広大な南アルプスの稜線が望めます! ■補足(下山時) 下山時は、易老岳をショートカットして、斜面をトラバースしていますが、雪が結構深く、斜面も急なのであまりおすすめはしません。 また、登山道下部も雪があるのでアイゼンはあった方がよかったのですが、下が小岩ゴロゴロでかなり歩きにくく、超ストレスでした…。 |
その他周辺情報 | ■温泉 「道の駅 遠山郷」かぐらの湯 (受付20:30まで、620円) 登山口より25km程度。152号の易老渡方面の分岐より南へ9km程度。近年トンネル等が非常によく整備されているため、分岐より10分程度で到着します。 道の駅に併設されており、食事やお土産購入も出来ます。硫黄臭が軽くするナトリウム・カルシウム塩化物泉で、とてもキレイな大きなお風呂です。 登山口(芝沢ゲート)にデカデカと広告?が出ています(笑) ■コンビニ 152号側にはコンビニはありません。 最終のコンビニは喬木村のファミリーマート(登山口まで40km以上手前)です。 |
写真
装備
個人装備 |
ドライレイヤー
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
靴下
アプローチグローブ
厳冬期グローブ
予備手袋
ダウン
ダウンパンツ
ゲイター
バラクラバ
帽子
靴
予備靴下
予備靴ひも
ザック
アイゼン
ピッケル
スノーシュー
行動食
非常食
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
笛
温度計
計画書
ヘッドランプ
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
ゴーグル
テントマット
シェラフ
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---|---|
共同装備 |
スコップ
調理用食材
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
ナイフ
GPS
ファーストエイドキット
ポール
テント
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備考 | 林道歩きにチェーンスパイクが欲しかった。 ガスはスペアを持ってきましょう。 ピッケルは落とさないようにしましょう。 |
感想
なんだが今年の雪山は、ふつーの登山が多くて中々ホネのある所に行けてないなぁ、なんて思っていたら、もう2月の真ん中くらい。厳冬期終わっちゃうじゃん!やばい!!
とは言うものの、週末の天気はあんまり思わしくない。冬型だし何せ風が強い。行きたい山は色々あれど、流石に厳冬期は中々近づかせてくれないなぁ、、悩ましいなぁどーしよ、と相棒と相談していた所、出てきた案が二人とも行ってない光岳。
厳冬期の光岳…!?いやまぁ確かに、光岳だったら樹林帯中心だし、行けるんではないか??とは思いつつも、ヤマレコを検索すると、、2月の登山記録が過去一つもないだと(笑)
そりゃそうだよな、夏でさえ人の少ない光岳に厳冬期にクソラッセルしに行く馬鹿はそうはいないよなぁ、、いやいや、でもこれはやるしかないだろ!、という事で、光岳に決定。
登山自体は、当然ノートレースで、まぁ期待を裏切らないクソラッセルが面平手前から標高差1000m近く続く訳で、テント背負ってなもんだから、コースタイムなんてあって無いようなもん。易老岳山頂までの最後の30分には3倍かかる始末。まぁそれでも全然マシだけど。逆に、易老岳以降は雪が比較的締まってて順調だったのが、今回の勝因。完全無人の山を登りきって、最後の静高平からの景色は流石に少し感動。時間もココロも余裕があったし、晴れてくれてホント良かった!
ちなみに、今回は、主にhayaが深ラッセル担当で、kojiが浅ラッセル担当。hayaの脚力はkojiには全然勝てないけど、深ラッセルだと何故か効率がいい自分。なんだか凄くいいバランスだった気がします。
そして、雪山登山って、体力もそうだけど、性格・判断が一致するパートナーが大切なんだ、と再認識。行き先の決定から、登山中のスピートや会話、思考回路、色々とあるけど、それらをお互い受け入れて一緒に登山出来る人って中々いないもんだな、と。今回のルートは1人では登れて無い気がします。そもそも厳冬期光岳行きたい、って喜んで付き合ってくれる人はおらん(笑)
ただ、、流石にこのラッセルには相棒はドン引きだったようで……このあたりは、今後の課題でしょうか。意思疎通出来てないですね、残念ながら(笑)
これで、密かに狙っている南アルプス厳冬期百名山制覇に一歩近づいてきました。まだ先は長いけどね。次は赤石に行きたいなぁ!!
初めまして。
12月の塩見そして今回の光、がっぷりよつで山に対峙してる感じがなんとも言えないです。
塩見のレコ、あんなバカな着ぐるみ着て(最高の誉め言葉です)…よほどの脚力、馬力無ければ出来ないだろうなと畏敬の念を抱きました。
私は積雪期まだ鳳凰、甲斐駒、塩見しか歩いたことありませんが聖も光も歩いてみたいものです。
静高平からの兎、聖、上河内最高ですね。
去年テント買ったばかりですが南アルプス、私もここ数年のうちに笊、北チャレンジしたいと思ってます。
人っ子一人会わない山行は山を独占しているようで気持ちイイですよね。
ラッセルお疲れさまでした。
最高のパートナーさんがいらして羨ましいです。
はじめまして。コメントありがとうございます!
脚力だけで登攀系の技術があまり伴っていないので、色々悩ましい所ではありますが…。kojiとは行きたい所似ているのが一番ですね。レベル的に2人でギリギリ行けそうな所選んで、楽しんでいる感じでしょうか。
しかし、積雪期の北岳は素晴らしいので是非! ボーコン沢の頭からの北岳は、自分が一番好きな北岳です。今度は白峰三山を積雪期にやりたいですね…さすがに年末年始位しか無理でしょうが。。
そんなわけで、南アは一番好きな山域なのですが……tomhigさんの前ではヒヨッコみたいなものでしょうか(プロフ見させて頂きました!)
夏にも行きたい所が沢山…。今回の光岳でのおかげで、池口からちゃんと来たいなぁ、と話していたり、白峰南稜も貫きたいし、大無間とか大根沢山で重機に乗りたいし、、南アはアプローチから大変なのが…、、おかげで人も少ないですし、それがいいのかもしれません(笑)
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