厳冬期・赤石岳 山頂滑降


- GPS
- 16:55
- 距離
- 27.4km
- 登り
- 3,112m
- 下り
- 3,098m
コースタイム
- 山行
- 15:32
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 16:54
天候 | 曇小雪強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
国道152号線から県道253号線に入りいけるところまで。 ただし途中の林道は凍結箇所や落石があるためスタッドレス、4WDは必須で車高も高い方が良い。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■ゲート〜広河原小屋 ・林道ゲートから小渋川の河原まではうっすら積もった雪の上を歩いていく。 ・小渋川の河原に下りてからは20回以上の渡渉が待ち構える。浅いところを選んでも深いところで膝上くらいの水量があるので胴長靴必須。 ■広河原小屋〜舟窪 ・尾根取付は積雪少なく倒木も多いため夏道を辿る。 ・2000mくらいからスキーが使えたが強烈なモナカ雪でモナカの下はグラニュー糖のようなサラサラ雪でシールがほとんど効かず、先週のトレースが唯一の救いとなる。 ・全般的に南アルプスらしい密林であるため歩けるルートは限られる。 ■舟窪〜赤石岳 ・舟窪〜稜線途中までシール登行したが以降はアイスバーンとなったためアイゼンでシートラーゲンとした。 ・稜線はコンディションにもよるが基本的に3000m級なので地獄対策を万全に。(この日は地獄2丁目くらいの風が吹き付けていた) ■スキー滑走 ・総じて南アルプスだけあって木々が濃くスキー滑走には適さない。 ・赤石岳山頂部、小赤石岳の肩〜2000m地点くらいまで滑走可能。 ・広河原小屋までツボ足で下山。その後河原を渡渉地点まで滑走し、ウェーダーに履き替えてシートラでゲートまで下山した。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
バラクラバ
日よけ帽子
ブーツ
ザック
ビーコン
スコップ
ゾンデ
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
日焼け止め
サングラス
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ビンディング
スキー板
シール
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感想
先週の日曜日、同じルートで赤石岳を目指したが激ラッセルと慣れないルートのため時間切れで敗退を喫していた。
その後YSHR先生からも「モチが足りん!」とか「次はないぞ!」とか「金沢に帰って来れないよ!」とか脅・・・いや励ましていただき、今回リベンジする運びとなった。
もちろん先生に言われたから渋々やるというわけではない。
渡渉の感じも分かったし、ルートの要領も得た今、2回目となる今回は敗退する気は毛頭なかった。
当初日曜日の天気予報ががイマイチで決行するかどうするか最後まで危ぶまれたが、結果的には予定通り名人さんとリベンジすることとなった。(前回ご一緒させていただいたmaoyukiさんはご一緒できなくて残念でした;;)
今回は時間無制限一本勝負!ということで夕方には現地入りして0時スタート。
食料としてはゼリー15個ほど、おやき2個、イチゴ大福8個、おにぎり3個、パン1個などシャリバテ対策も万全だ。ちょっと重いけど。
まずは小渋川の渡渉から。
片道20回以上の渡渉は相変わらずえげつないがさすがに2回目ともなると慣れてきてサクサク進むことができた。
午前3時過ぎには尾根の取付地点となる広河原に到着。計算どおり。
ここから前回敗退地点となる舟窪までがやたら早かった。
前回は11:30頃までかかった舟窪の到着時刻がなんと7:00!
出発が1時間早いわけだが、それにしても3時間以上も短縮した計算だ。
これならいける!
名人さんとモチベーションを高めながら未知の斜面〜稜線へ突入した。
しかしここはさすがに3000m峰。
容赦のない風が常時吹き付ける。視界はあるので地獄2丁目2番地といったところか。
ピークを目指そうとする我々のモチベーションを試しているのか。
しかしこちらも生半可な気持ちで来ている訳ではないしこれくらいの地獄は折込済みだ。
アップダウンの多い尾根筋でルートもわかり辛いが幸いなことに過去に夏道を歩いた経験があったので迷わず赤石岳山頂まで歩き通すことができた。
山頂で写真を撮り合ったらいよいよ滑走だ。
ダメ元で山頂まで板を担いできた甲斐があって山頂〜小赤石岳の鞍部までしばらく滑走することができた。
ピークから滑走するのはやっぱり気持ちいい。
そこから小赤石岳の肩まで担いで再び舟窪を目指して滑走。
カリカリモナカでそれほど楽しめなかったが厳冬期の南アルプスの名峰「赤石岳」を滑走しているという事実そのものに意味がある。
舟窪でようやく地獄の風から開放されてホッと一息。
その後は先週同様にモナカの密林をだましだまし滑走して下部はシートラで安全第一を考えながら下山した。
河原は滑れるだけ滑ったら最後は長い長〜い渡渉をこなして無事下山!
ゴールした時は前回と違ってやり遂げたという達成感で清清しい気持ちだった。
バカバカしいチャレンジだとは分かっているが、山スキーの素晴らしさや可能性を再発見できた、そんな素晴らしい山旅だったと思う。
山スキー万歳!
山スキーを始め、だいぶ慣れた頃から自宅甲府盆地から見える3000m前後の山頂を踏んで、日帰りで滑りたいという思いから30代前半から始めた企画でした。
これは、Blogをやってない僕の中で記録を確認するのが、手間なので書き出します。
富士山、北岳は以前から5月前後に
2003年 4月17日 甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根〜黄蓮谷滝が出て登り返し)
2004年 3月27日 間ノ岳(荒川〜三ツ爆〜尾無尾根〜細沢カール)
2005年 4月19日〜 赤岳(大門沢経由)、横岳、硫黄岳(海ノ口別荘地から)
2006年 4月15日 仙丈ヶ岳(夜叉神ゲート〜広河原経由〜)
2008年 3月19日 塩見岳(塩川小屋〜三伏峠〜三伏沢下経由)
が、いろいろな問題で休止中でしたが、再び10年ぶりに体力もまずまずチャンス到来しかし、南アは北陸の大雪とは無縁の雪不足、側から見ると馬鹿げているのは承知僕も本当は北陸方面のパウダーを楽しみたい、しかし地元から眺められる山々は親しみが有り、僕の中では初の厳冬期南ア挑戦、滑りは楽しくはないが挑戦してみました。
渡渉がどの位有るのか、暗闇だと渡渉してからその先の状況が100m弱しか解らないので無駄な渡渉が増える、広河原小屋からの尾根の取付きシールで登るラインの確認
尾根上積雪状況つぼ足かシール歩行で進めるか、今まで歩いたことの無い、発ルートななで、前の週の土曜に偵察日曜に赤石岳を目指したが、積雪が少なく藪藪やっと沢に出て開けた思ったが、11:30この先どうなっているのな解らないので無理はせず時間切れ、2500m敗退。
今週も天気はまずまず、また挑戦することに、先週偵察にも付き合ってくれた、
maoyukiさんには申し訳無いが、Sanchan33さんと挑戦することにした。
今回、0時発とし先週より積雪も減りシール歩行でのスタートは出来ず、蒸れるが履き替えの手間を考え、ウェーダーを履き板、スキー靴を背負い肩にずっしり重みに耐え歩き出す。橋を渡り河原へここも雪が減りつぼ足、しばらく歩き渡渉が始まり先週のトレースが残っているので順調に、シール歩行開始地点やっと肩の重荷から解放されペースも上がり、3時間ちょっとで尾根取付きまでこれた。ここから今回は前回の失敗からつぼ足、ここも先週のトレースが残っているのでペースは速い、しばらく進み先週と同じところからシール歩行開始ここもトレースが残っているが雪面が硬くスリップするので早々にスキーアイゼンを装着それでもスリップするところは新たにトレースを作り進む、それでも多少スリップしても使えるところは、先週のトレースを
使った方が体力温存出来る。順調に藪尾根を抜け先週敗退地点、6:56着、先週より1時間早く出たが、3時間半ほど速いこれで山頂に行けるとモチベーションも上がり硬い雪面向きによって多少パウダーの沢を登りしばらく登り森林限界雪面は硬くなりシールで登れ無いことは無いが、踏み込むと体力消耗しペースが落ちるので板を背負う、稜線に出ると雪は少なく夏道が出ている所もちらほら、アップダウンが有り板をデポしようかかんがえたが、Sanchan33さんが持って行こうと言ってくれたので、山頂から滑れなくても写真映えするので、しばらく稜線を進むと山頂から滑れる事が良かったデポしなくて、天気は下り坂強風薄っすらガスが聖岳悪沢岳が見えなくなってきた、10:15赤石岳山頂着薄いガス視界はまずまず写真を撮り強風を避け支度をし
山頂からの滑走写真数枚撮り、南アといえど3000mの稜線の強風は凍傷になりそうな寒さ急いで降る、樹林が出てくると寒さも落ち着き写真を撮りあい下り、暑いのでダウンを脱ぎ、12時藪樹林の試錬滑り雪はモナカで雪面は荒れているので、先週より少し早めにつぼ足で下山、14時過ぎ尾根取付き、河原を滑りウエーダーデポ地点少しでも楽しようとウェーダーを首に掛け滑れる所まで下り、最後の試錬ウエーダーで板とスキー靴を背負い渡渉開始、16時56分明るいうちにゲート着お疲れ様でした。
こんな山スキーとしては楽しめない企画に付き合ってくれた、Sanchan33さん
maoyukiさんありがとうございます。
コメント
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ME-JIN Sanchan33 登頂おめでとう。
前回のトレースが残っていること、登頂できることを祈ってました。
山スキーに向いてる山かどうかなんて関係ない。
山に雪がついてるから山スキーヤーとして挑む、それで十分じゃないか。
君たちに拍手、山スキー万歳!
maoyukiさん、ありがとうございます!
できれば3人でリベンジを果たしたかったです。
先週のmaoyukiさんの偵察があってからこその登頂だと思っています。
あれがなければ今回の17時間に加えて更に4〜5時間くらい要していたでしょう。
最高にアホらしくて最高の思い出になる山行でした!
凄すぎます!ME-JIN Sanchan33様、そして影で支えたmaoyuki様、おめでとうとしか言いようがない!自分は時間に余裕がない生活で誤魔化していますがこのモチベーションを見習わないといけないね。地元の山を愛する真の山スキーヤーの姿を見ました。山スキー万歳!
JUNDrさん、ありがとうございます。
先週の敗退のおかげで達成感&感動も倍増し今回の登頂が更に印象深いものになりました。
パウダー狙いの山スキーももちろん楽しいですが、たまにはこういう野心的な山行も良いものですね。
2週に渡る苦行(笑)によって赤石岳がより身近に感じられるようになり今となっては愛着すら沸いています。
本当に良い思い出作りになりました。
MEI-JINさん。Sanchan33さん.厳冬期赤石岳スキー滑降おめでとうございます。
5年前の正月に小渋川から赤石岳に登ってますが、ラッセルが厳しく日帰りできるなんて思いもよりませんでした。おまけになんとスキーまで。
3年前の厳冬期悪沢岳にアプローチをスキーで登ってますが、林道も下りラッセルで、往復69km4日もかかりました。お二人or maoyukiさんと三人ならサクッと日帰りできちゃうかもしれないですね。
Neuronさん、こんばんは、ありがとうございます。
南アルプスの山スキーは北や白山とは異質な辛さがありますね。
悪沢も興味はありますがしばらくはまともな山スキーを楽しみたいと思います(笑)
今回の赤石岳はスキーで行きましたがもしかするとスノーシューで登るのが一番パフォーマンスが良いかもしれません。
やってみないとわかりませんが。
ただ山スキーヤーとしてはやっぱりスキーで行ってナンボですね!
ME-JINさん、Sanchan33様、登頂おめでとうございます。
ME-JINさんとmaoyukiさんはご無沙汰しておりますが、何事も目標に向かってがむしゃらに突き進むのは素晴らしいですね。
見習いたいですね・・・あっぱれ山スキー!
ktn92さん、ありがとうございます。
先週、今週と名人さんが長年温め続けていた企画に乗せてもらい美味しい思いをさせていただきました。
登る前は山行の辛さを考えるとちょっとブルーになったりしますがやり遂げた後の達成感は最高です。
山スキー万歳!
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