奧穂高岳(涸沢岳西尾根より) 冬期小屋掘ったどー!!
- GPS
- 56:00
- 距離
- 20.1km
- 登り
- 2,369m
- 下り
- 2,369m
コースタイム
- 山行
- 5:14
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 6:24
- 山行
- 3:37
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 3:52
天候 | 3/11 晴れのち雪 3/12 快晴 3/13 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
白出沢の取り付き点から蒲田富士まではほぼすべての区間で急登が続く。 樹林帯はラッセルになるような雪質の場合は大幅に時間を要するが、今回は数日前の雨によって圧雪状態となっており、アイゼン&ストックで快適に登ることが出来た。 ロープ等を要するような場所はないが、急なので転倒による滑落には注意が必要。 森林限界を抜けてから蒲田富士までは、雨による融雪が進んだ影響で地面が露出している所が少なくなかった。 蒲田富士からF沢のコルまでは雪庇が発達しやすく、ナイフリッジ状の場所も通過するので視界不良や強風時には通過困難になる可能性もある。 特に北側に出た雪庇を踏み抜けば命はないと思った方が良い。 F沢のコルから雪渓を少し登って尾根に戻れば、そこから涸沢岳までは特に危険な場所のない雪岩ミックスの尾根を進む感じ。 涸沢岳山頂から穂高岳山荘までは危険個所は全くなし。 非常に歩きやすい状態だった。 穂高岳山荘を出てすぐの梯子・鎖場はほぼ全部出ている状態で、夏道と同じルートを進む感じ。 アイゼンを付けて岩や梯子を登るので注意。 ロープ等は必要なかった。 下りも特段危険な場所はなかったが、雪が固く、その上にうっすら新雪が乗っていてアイゼンの爪が刺さりにくい場所が多くあったので、クライムダウンで下る場所が多くあった。 樹林帯に入ってからも氷のような雪の上を歩く場所が多くあり、取り付きまでアイゼンピッケルで下ってきた。 by izshun |
写真
感想
積雪期登山の目標の一つであった穂高岳。
izshun論によると4月は春山になってしまうので、冬山である3月中に行きたかったとのこと。かといって1月2月は天候や雪質も不安定なので3月が狙い目だそうな。
昨季も機会を窺ってはいたが都合がつかず、今季に初挑戦となった。
少し前に里では結構な雨降りがあったが、山のほうも雪ではなく雨だった模様。
直近のヤマレコではラッセルに苦労したという記録を拝見していたが、今回はアイゼンサクサク効く締まり雪でラッセルや沈み込みは皆無。
急登なりのしんどさはあるが、グイグイと快調に標高を上げられた。
我々にしては珍しく日没まで余裕をもって行動終了(この雪質だったら行こうと思えば穂高岳山荘まで行けたと思う)。
2400m付近でイグルー実践編を行うも敗北…。まだまだ修行が足りませぬ。
イグルーなりそこないの立派な雪壁内にテントを建てて強風の夜を平和にやり過ごした。
翌朝は風が落ち着くのを待って出発。上でもう一泊の計画なので遅出でも大丈夫。
森林限界を抜けると穂高連峰〜槍〜笠〜遠く白山までクッキリの大パノラマ。
びびって構えていた蒲田富士の雪庇ゾーンは、かの有名な両雪庇にはなっておらず、ナイフリッジもそれほど鋭くは無い印象。風も穏やかで難なく通過。運が良い。
涸沢岳への登りは傾斜も落ち着き岩雪ミックスの気持ち良い稜線歩き。
ただ朝からたいした時間は歩いてないのにやたら息が上がるのは標高の高さやこれまでの急登の疲れからか。涸沢岳山頂が近いようで遠い。
蒲田富士前後では微風だったのがまた強くなり寒いわしんどいわで、1月の間ノ岳(南アの)と重なった。。。ひーこら。
青色吐息で涸沢岳山頂に立つも、景色をのんびり愛でる余裕はなく写真をいそいそと撮って山荘へと一目散。
小屋の陰で腰をおろしようやくほっと一息。
そしてここからまた一仕事。冬期小屋入口を掘り当てねばならない。
前日にすれ違った下山パーティは掘るの諦めてテント張ったと言っていた。
小屋(夏期診療所)は雪にすっぽり覆われており、入口を示す木の看板も全く見えない。
ネット検索した診療所の無雪期の写真からだいたいの看板の位置の見当をつけ、プローブで看板を探り当てたところを掘り進める。
人2人分ぐらい掘り下げてようやく入口に辿り着いた。
時間に余裕があれば快晴のこの日のうちに山頂アタックに行ければベターだったのだが、出入り口を階段状にに整えたりなど仕上げを終えた頃にはすっかり日も傾いていた…。
最終日、いよいよ穂高岳山頂アタック。
ハシゴは完全に出ており、ルートもほぼ夏道上を辿る感じ。もちろん注意深く慎重に歩いてはいるが、心臓がバクバクするような危険は感じずに問題無く登れた(あくまでもizshun君先行の上での話)。
憧れの冬季穂高岳。360度の展望は見事だった。その中でもやはり槍ヶ岳へ繋がる稜線が圧巻の眺め。そして常念岳を見るとなんだか心が和む。
安曇野に暮らす者として、穂高神社の嶺宮である奧穂高岳登頂は感慨深いものがあった。二礼二拍手一礼して山頂をあとに。
出発前は軽くパンで済ませたので、小屋に戻っていつものラーメン&餅であらためて朝ご飯。
涸沢岳では前日の分も取り戻すようにしみじみと眺めを堪能。
さあ、あとはひたすら下るだけ。ひたすらに…。
かかとがズボズボ埋まるような雪質なら軽快に下れたかもしれないが、そこまでの軟らかさはなく、つまづかないように慎重に足を運ぶ。
行きに比べて全体的に雪は緩んでいた印象。
下部になるにつれてシャーベット状や穴あきも多発。足元に笹の気配も感じた。。。
翌日以降も気温の高い日が続きそうなので、踏み抜き祭り開幕や藪の出現も遠くない話だろう。
林道の雪はなおさら緩んでいるとにらみ、西尾根で全く出番の無かったワカンを白出沢から装着。
下るにつれて薄着になっていったが、ここからはとうとう半袖+アームカバーの夏仕様に(笑)どんだけ気温高いんだ。
穂高平から見上げる蒲田富士は遥か上。そのさらに上の穂高に今朝までいたんだよな〜としみじみ。
残り半分の林道歩きをやっつけ、新穂高センターに無事帰還。
平日でガラガラのひらゆの森で体をほぐして帰路に着いた。
昨季の段階では「積雪期穂高だなんてオソロシヤ、、、私に行けるの?」と夢のまた夢のような存在であったのだが、実際今回は雪質や天候に大いに恵まれたおかげもあり平静に歩ききれた印象。
izshun君にくっついて色んなところを歩いてるうちに、どうやら私も肝が座ってきたのかもしれない(笑)。
(餓鬼岳の凍結橋のほうがよっぽど恐かった!)
素晴らしい山旅でしたね(´∀`)楽しく読ませて頂きました!!!
tomy825さんこんにちは〜。
この尾根はバリエーションルートの割に危険個所もほとんどなく、快適に登る事が出来ました。
数日前の雨で雪の中に氷の層があり、イグルーが作れなかったのだけが残念・・・(/ェ\)
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