薬師岳&黒部五郎岳 山スキー満足プラン
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- GPS
- 38:04
- 距離
- 60.8km
- 登り
- 5,116m
- 下り
- 5,107m
コースタイム
- 山行
- 8:42
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:42
- 山行
- 9:38
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 9:49
- 山行
- 10:40
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 10:59
- 山行
- 8:02
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 8:21
天候 | 最初3日ほぼ快晴。4日目は薄いガスがかかる。 気温は終始高め。早朝でも太郎平小屋周辺で氷点下いくかいかないか。 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
4日目に下山すると通行可能となっていた。 谷側のガードレールに沿って頭は下り方向で停車すること。山側は落石が多い。 松本インターから4時間弱かかる。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
スキー滑走ルートであり登山には本ルートは参考になりません。 スキー向けのコース状況は感想や写真欄に記載。 |
その他周辺情報 | 太郎平小屋について。 1泊2食9500円。非常に居心地のよい小屋。スマホ充電も有料で対応可能(2018GW)。 バッジは薬師岳、黒部五郎岳各500円。 ビール350mが600円。500mが800円。ハイボールは500円。 お湯は500mで100円。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
日よけ帽子
毛帽子
着替え
ブーツ
ザック
ビーコン
スコップ
ゾンデ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
ガムテープ
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ビンディング
スキー板
シール
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感想
この記録は山スキー1年目、山スキー回数4回目に、ゴールデンウィーク期間、太郎平小屋に三泊し、薬師岳(中央カール、金作谷カール、右俣)、黒部五郎岳(五郎カール、ウマ沢)を滑走した記録です。同様の登山者、スキーヤーの皆様の参考になれば幸いです。
今シーズンから始めた山スキー。今年は雪が少なくGWが最終のつもりで仕上げは北アルプスに挑戦すべく、槍ヶ岳、白馬岳、薬師岳&黒部五郎岳の候補から、人がもっとも少なさそうな小屋利用の薬師岳&黒部五郎岳プランを選択。小屋利用とは言え、初心者にはかなりきつそうなコースであり始める前は不安であったが何とか自分なりに全力で挑むことができ事故なく終えることができ大満足のスキー旅行となった。
初日。
東京から6時間弱、車を飛ばして飛越登山口に3時に到着。飛越までの大規模林道はいたるところ落石だらけで踏んだら大変なのでゆっくり運転。最後は雪崩あとに行く手を阻まれ脇に停車。すでに10台ぐらい停車あり。
朝6時過ぎに登山開始。
初めての道で残雪の影響ともともとが荒れた登山道で登路がわかりにくい。登山口でヤマレコユーザーのKさんとWさんにお会いし途中まで一緒に登らせてもらう。寺地山までが非常に長い。途中でシール歩行に変更し北ノ俣岳鞍部を目指すがシール不調が起こり右側がスキーからほぼ剥げた状態になりトップのフックだけでこらえて登る。糊の重要性を初日に痛感。まだ初日なのにあと3.5日、大丈夫なのか非常に不安になる。鞍部に到着。すでにクタクタ。北ノ俣山頂へは行かずそのまま小屋方面に下ればいいはずだったが右に滑ってしまい東の誤った尾根を越えてしまいその後、トラバースをしながら何とか太郎山への稜線を超える。これも地味に心臓に悪かった。何とか15時頃に小屋に到着ほっとする。小屋は快適至極でご飯をたくさん頂き初日の疲れをいやした。
二日目。
薬師岳に向かう。
薬師峠に下りてそこから薬師平へ登り返す。この斜度が結構急で朝はカリカリ気味でシールでジグりながらこなそうと頑張るも途中でどうしても登れなくなった。が、急斜面でのアイゼン交換は滑落しそうで非常に困難。何とかブッシュを探してそこで装備交換しシートラで登る。この経験が三日目の五郎直登にいきた。薬師平からはひたすらシールで避難小屋まで登りあげる。避難小屋から山頂へは雪を拾って夏道の東側を登っていくがここでもシール歩行で立ち往生。また、変なところでアイゼンに変える。くだりで分かったが夏道は完全に露出しておりシートラが一番安全だった。
そしてようやく初めての5月残雪期の北アルプス、薬師岳2926mの山頂に立った。薬師岳は昨年11月、初冬の立山から遠望し登りたい山の筆頭の一つで感無量であった。さて、いよいよ待ちに待ったカール滑走だ。お目当ては中央カールと金作谷カール。まずは足慣らしに傾斜が比較的ゆるい中央カールに山頂からドロップイン、完全貸切、2695m付近まで一気に230mほど滑走。誰もいない薬師のカールを独り占め。
味をしめてもう一度山頂に登り返して次は金作谷カールへ。ここはドロップ直後40-50度近い斜度があり転倒、即、下まで滑落の一般人からしたら超急斜面。ただ、下部に岩などはないため万が一転倒してもカール底まで落ちるだけ。雪は緩んでいるので問題なし。また山頂からドロップ!ジャンプターンを繰り返して無事高度をさげ2664mまで滑走。国の特別天然記念物、薬師岳の圏谷群を滑走でき最高だった。登り返して三度薬師岳の山頂へ。なお、登り返しポイントは通常、北薬師との鞍部へ向かうのが定番らしいがぼくは最短距離の滑走ルートをアイゼンで直登。これは非常に大変だったのでやめたほうがよい。
その後、避難小屋あたりで金作谷カール下で話した某山岳会の三人パーティと立ち話。よくよく話を聞くとこのまま小屋に帰ってはつまらないとのことで薬師岳右俣を行くとのこと。面白うそうなので同行を申し出る。ぜひどうぞとのことでそこから右俣へ。右俣とは2900mの避難小屋から南南西に下る広大、長大な沢で南側からその大きな姿を見ることができる。正面から見るとかなりの急斜面に見えるがドロップポイントからしばらく急斜面をこなせばあとは極めて快適なメンツル大斜面で途中止まらないと足がもたない。その後、2200mあたりまで下げ、急激に沢割れが出始める。巨大な沢割れでありその下は激流。転落すれば命はない状況。厳しいトラバースをこなして何とかブリッジをきわどく渡って右岸へ。その後もしばらくトラバースするもその先の沢の状況がつかめず2080m地点から尾根を直登することに。この地点まではまさにアドベンチャー。170mほどシートラで、その後、2448mピークまで約200mをシールでハイクアップ。その先は薬師峠に向かってトラバース気味に下降、ようやく小屋に無事帰還。1日で1500m登ったアドベンチャースキーが終わった。
三日目。
今日は黒部五郎岳に向かう。
足が重い。北ノ俣岳までが足が重くて苦しい。ピークを越えたハイマツ帯にライチョウ家族を発見。気持ちが和みちょうどよかった。北ノ俣岳直下からは中俣乗越まで赤木岳の東側を一気にトラバース。北ノ俣岳からのトラバース直後、左側が崖になっているので上をキープ。その先は小ピークを2つ超えて最後は五郎岳への急斜面をクトーをつけて直登。小屋から4時間、2840mの黒部五郎岳山頂に到着。快晴のもと、完全貸切の山頂。直下には迫力の五郎カールが。山頂からは巨大な雪庇が張り出しておりドロップできない。登ってきた斜面を一気に滑走しカールのふちを回ってドロップポイントへ。ここは金作谷よりも急かもしれない。雪は緩んでいるので問題なし。
思いっきりフォールラインに体を投げ出し元気よくジャンプターンを刻んでいく。滑るそばからスラフが出るが滑走して逃げていき2600mまで降下。カール底で悠久の時をこえて刻まれた圏谷に身をゆだねしばしくつろぐ。さて、また200m登り返す。
登り返しポイント2750mから最後は、これもビッグイベント、ウマ沢へドロップ。ウマ沢は五郎岳から北に向かって落ちていく、これもまた広大長大な沢である。ここでもメンツル斜面を2260mまで滑走。500mも高度を落とした。ここからの登り返しがルートミスをしてかなり厳しい状態に。延々、シートラで気合と根性で北ノ俣岳への向かって登り返した。きつかった。しかし、ここでまた、朝のライチョウ一家に遭遇。まるで、登り返しを待っていてくれたかのように、稜線に上がったら、すぐにそこに3羽がじっとこちらを見ていた。小屋には17:30に帰還。同部屋のスキーヤーに遅い帰りを心配されてしまった。
四日目。
最終日。いよいよ下山。そのまま、下山しようと思ったが同じく下山する同部屋のスキーヤーが北ノ俣岳の東面を滑るとのことで一緒に滑ることに。一番疲れが出ているが今日はスタスタと北ノ俣岳に到着。東面を220mほど快適に落とした。登り返してあとは下山するだけ。と思ったが、この下山が、実は、この四日で一番つらかった。
北ノ俣岳からしばらくはメンツル斜面を快適に飛ばせるがその先は縦溝がひどく試練の滑りに。その後は樹林滑走が続き、アップダウンの連続、さらに、寺地山から先は紛らわしい支尾根に迷い込み、何度もルートミス。下山者の多く、いや、大半がミスをするため、誤トレースがふとっていきそれにみんな誘い込まれ最後は激ヤブに行く手を阻まれ戻るルートもさらにミスるという悪循環。GPSを見ても残雪の影響で極めてわかりにくい。大木が夏道をふさいだり、ささやぶが覆ったり、廃道になってもおかしくないような道であった。とにかくGPSを駆使して何とかかんとか下山。
実に長い長い下山であった。
移動距離60km、標高差5000mとこれまでの登山でいずれも最長であり、今回のスキー旅行は学ぶこと計り知れず来季のスキーシーズンに向けてしっかりとこれらのことを整理し自分のスキルアップにつなげようと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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Murphyさん、今晩は。
飛越新道の登りと太郎平小屋では大変お世話になりました。
あの後、3連泊して薬師岳と黒部五郎岳に登頂して滑走したとは素晴らしいです。
特に薬師沢右俣滑走は沢割れが酷く、大変だったようで、達成感も大きかったことと思います。
来シーズンはコラボできたらと思っています。その際はよろしくお願いします。
hareharawaiより
hareharawaiさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。こちらこそ大変お世話になりまたいろいろと教えていただきどうもありがとうございました。
せっかく三泊もするので思い存分、自分のできそうな範囲でチャレンジしました。出会った方々のおかげもあり、薬師を正面から見てはっきりとわかる右俣を滑ることができて大変満足しています。
今シーズンはもう行くかどうかわかりませんが、また、来シーズンにでもコラボさせていただけたらと思います。
どうもありがとうございました。
Murphyさん、こんにちは!
残雪の薬師、五郎に行ったんですね!
このペースだとあっという間に百名山は完了しちゃうんじゃないですか?
いろんなところに行けて羨ましいです!
それにしても絶景の連続ですね!
薬師や五郎から見る北アルプスの景色は絶景ですよね♪
冬毛の雷鳥にも出会え大満足の4日間ですね!
お疲れ様でした(^-^)
osaさん、こんばんは!
北アルプスはやっぱり迫力がありますね!南アルプスはただ行ってないから知らないだけなんですが。百名山はまだまだ果てしないですよ!
今回、特に水晶岳がとてもよく見えたので次はそこに、いきたくなりました。
雷鳥は疲れた体にほんとに癒しになりましたね!
ありがとうございます!
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