石塔尾根(直登)から国師岳 黒金山
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- GPS
- 30:36
- 距離
- 28.6km
- 登り
- 2,333m
- 下り
- 2,328m
コースタイム
出発600 天狗尾根入口609 天狗岩630・650発 鶏冠山林道759 シラベ平905 ゴトメキ941 トサカ1019 大ダオ1030 黒金山1116 牛首1133 西沢軌道跡1326 バス停・不動小屋1430
天候 | 二日間晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
山行時点での西沢発バス時刻表は一応写真を掲載します。 タクシー利用の場合、小型でしたら塩山駅北口の牧丘タクシーが割安です。0553-35-2104 約6500円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
石塔尾根は一般ルートではありません。今回は尾根末端部から直登しました。尾根上にはかすかに踏み跡があります。指導標は無し。テープなど目印も乏しいです。西滑頭から先は間伐の手が入っておりルートが分かりやすい反面、放置された木が邪魔でもあります。林道出会いから主稜線まではほぼ踏み跡が皆無でした。天狗尾根や石楠花新道へまわった方が安全です。 天狗尾根は利用者が少なく、上部は踏み跡が薄いです。岩の露出した箇所は思い切って岩の上をたどったほうがルートを見渡しやすいです。標高2300くらいから樹林帯に入ります。注意して赤テープをたどって下さい。下部は間伐作業の影響で見通しは利きますが、作業道の枝分かれにご注意ください。 |
写真
感想
地形図を眺めて、以前から気になっていた石塔尾根をヤマレコの情報に後押しされるかたちで挑戦した。しかし人跡未踏と思って踏み込んだ上部の尾根に、杣人の足跡も修験者の形跡も見られた。
苦労して登りついた頂上には意気込みとは無縁の静けさが待っていた。野宿して夜半に目を醒ますと月明かりが花崗岩の頂上を照らして月世界の幻想をみせていた。ただ山脈を吹き越える風の、梢を鳴らす音が私を現実に引き止めてくれた。寝袋にくるまって、風が落とす針葉樹の葉が、雨の様にツェルトに降る音を聴くのも気持ちが安らぐものだった。
長く歩いて、疲労しきって満足すると、自分の間違いに気付かされた。
奥秩父は挑戦する場所ではなく、登山者の気持ちの還る場所だった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※あとがき 山行後に、原全教著「奥秩父 続編」を読み直すと石塔尾根について精査、明解な記述があった。なんの事はない、先人たちの足跡はずっと以前から山中に存在したのである。
それによると…
西沢東沢出合いの二俣から鷹見岩までの尾根を「中尾」または「中子」と書いてナカゴと呼んでおり、岩より先を石塔尾根と呼んでいたこと。
鷹見岩付近は幕府時代の御巣鷹山だったこと。
小生が趣きある岩だと言った辺りがトリ井ノ窪と呼ばれていたこと。
現在、林道が尾根を横断する地点は、以前には「奥秩父の粋」と呼べるくらいの美林の自然境で、大ダヲと呼ばれていたこと。
小生の見た小さな岩室について「一人くらゐ露営するに適した岩陰」の記述もあった。
2400歎の岩は「苦も無く攀ぢ」れば展望が良いこと。
「二俣から國境」つまり二俣吊橋から稜線の縦走路までの行程は「七時間半乃至八時間」案内人を頼んだほうが良い1日行程であること。
などなど。
奥秩父の旧約聖書のような全教氏の著作に教えなおされる感がある。それとともに奥秩父の山域と人文の関わりの深さを再認識できて、郷愁に似た感情も湧いて当然だと思えた。
コメント
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奥秩父は挑戦する場所ではなく、登山者の気持ちの還る場所だった>沁みました。
奥秩父をそんなに歩いた訳ではありませんが、自転車で訪問することもしばしば
何か特別な郷愁を覚えるのは秩父です
奥秩父何度行っても良い場所ですね
好きです。このスタイル。
ムシムシ君がいないことが条件ですが・・・。
明日は、正規ルートで「若い」山ガールと鷹巣山に行ってまいります。
結して、八丁山などには入りませんwww
その前に若いのにおいていかれないように頑張ります。
伝わります…
いいです。
実は週末、丹波から上がって将監あたりで一泊する予定で奥多摩行き計画してたんですが、朝ザック担いで駅に向かう途中で妙な疲労感を感じたので中止しました。
天気よかったですよね〜
行けばよかったかなぁ…
でもきっと敗退してただろうなぁ…
kanemaru
昔の地図にも書かれていない2465mへの石塔尾根。
尾根はトウヒや石楠花の激藪でしょう
石塔尾根は私には無理そうなので最初からあきらめています。
私の場合こういうところを苦労して歩いていると、いつも自問自答のくり返しです
hoppyさん こんばんは
昔の登山者の紀行文など読んでも、懐かしさや古い日本的情緒がうたわれております。昔から懐かしい場所とは表現が変ですが、登山者にとって特別な情感を感じられる土地なんでしょう。
本当に何度行っても良い場所です。
MerrycocoKさん 若い山ガと一緒なんて隅に置けなませんな
kanemaruさん わかってくれますか。奥秩父は伝えたい日本の味なんです。
体調悪い時に泊まりの山は禁物です。休養たっぷり摂ってくださいませ。
hachiさん こんばんは
直登は当日に現地にて考えつきました。おっしゃる通り、酷い石楠花の密生などありまして骨が折れました。
下山に取った天狗尾根もそうですけど、地形図の無い時代に登る人たちの行動は、尾根を外さないようにすることだったのではと思います。現在、天狗尾根は林道の影響で微妙に踏み筋がずれている箇所がありそうです。昔の文献に見る「怪僧岩」は今回も発見できませんでした。
欲張って岩屋林道下山、西沢森林軌道跡の見物など妄想してましたが、無理でした。。
このルート、何度も歩こうとしてるのに何時もタイミング
を逃しててw
このレポートを読んで行った気になって、
未だレポートの無いルート探訪に勤しむことにします
roadman71さん こんばんは ご来訪ありがとうございます。roadmanさんの山行記録や計画は刺激的で、楽しみにしています。こちらもやる気が出てまいります。赤沢谷の南側の尾根は、行けそうだと思っていました。見事に先を越されてしまいました。
jinzaemonさん、ご無沙汰しております。
このレコをかなり前に読んで、石塔尾根の林道から上部を歩いてみようと思ったのですが、延びに延びて、この前の日曜日、6月3日にやっと歩けました。
やっぱり殆ど踏み跡が無く、途中の石楠花の激藪には苦労しました。
ところでカメラケースの様な落とし物を見つけました。ひょっとしてjinzaemonさん、落としていませんか?あそこを歩いたレコは他には無いので(もちろんレコに書かない人の方が多いでしょうが)、もしかしたらと思いまして。
Futaroさん こんばんはお久しぶりです。
記録を拝見しました。森林軌道跡が楽しそうですね。20年以上前に歩いたのですが、また行こうかなーと思った次第です。
まさか石塔尾根を下山にお使いになるとは思いませんでした。お疲れ様でございます。
カメラケースみたいな物、私のものではなさそうです。当時は通称ガラケーで暮らしておりましたので
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