記録ID: 1554051
全員に公開
ハイキング
塩見・赤石・聖
正に人外魔境 南アルプス深南部 熊伏山〜青崩峠〜白倉山〜鶏冠山〜池口岳
2018年08月11日(土) ~
2018年08月13日(月)
体力度
10
2~3泊以上が適当
- GPS
- 19:09
- 距離
- 50.6km
- 登り
- 5,263m
- 下り
- 4,503m
コースタイム
1日目
- 山行
- 9:53
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 12:08
距離 3.0km
登り 233m
下り 38m
17:40
宿泊地
2日目
- 山行
- 10:26
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 12:00
距離 28.2km
登り 3,138m
下り 2,742m
天候 | 初日:ナイトハイク晴れ 二日目:雨 三日目:晴れ・下山後に雷雨&電車停止 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
JR南松本駅から乗り換え有で、JR飯田線の「平岡駅」下車。そこから歩きでナイトハイクで入山 諸事情により南アルプスに行く事は諦め、ジャンクションから池口岳登山口に下山。ソフトバンクがバリ4で通じてタクシー下山前予約でJR平岡駅(約7千円) 食事が14時までなので先に済ませ、入浴が済んだら雷雨で飯田線が不通に。 タクシーで天竜峡駅まで行き、帰る。 平日の池口岳登山口は途中の林道が現在工事で通れない時間帯があります。ご注意を。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
恐らく今まで経験してきた中で一番の危険ルートです。こんな低山で危険を感じることになるとは計算外でした。同じコースを通る方の為に出来るだけ現状をそのまま報告いたします。 場合によっては3〜4泊レベルのコースです。 本来のコースは山行計画をご覧ください。 https://www.yamareco.com/modules/yr_plan/detail-613798.html ビックリするほど計画と現実の距離差が出ます。原生林の植生繁茂によるGPS電波の不達、上空に木の枝が無くともGPSが正確な位置を返せない場所がある等の、驚きのトラブルが起きました。 朝日山までは誰でも行けると思いますが、その後はリボンも踏み跡もまともにないルーファイが必要なコースです。 「曇りの日は目印になる次の山の検討がつかない」ので完全にメクラで登る感じになります。 単独行は避け、逆ルートは通らない方が無難です。間違いなく後悔します(笑) 織り込んでおくべき事 1:GPSが効かない場所が複数 いきなり出だしの「熊伏山渡河」の近辺から山頂までGPSが飛びました。 他にも直線になっている処は飛んでいる処です。 三又の処はもしかしたら地図がおかしいです。稜線の反対側にGPSデータがプロットされます。余りにも赤リボンが少なすぎて「偽尾根から順路尾根の急下りの渡りの時にどっちが進行方向なのか」迷うポイントがあります。私は何と三又に逆戻りしました。 2:水場が無い。 山プラ地図には、ジャンクション手前の一部のみ出ています。詳細地図が全く存在しないコースです。 終盤の「笹平」「池口岳南峰」に「水」のマークがありますが「嘘っぱち」です。登山道上には水場はありません。青崩峠の水場で補給しても4Lじゃ足りないと思われます。ちょうどヤバくなる所で水場がありません。 今回、「遠山タクシーの運転手さんから教えてもらった対処法」を書きますので参考になさってください。私は今回そこでは補給できませんでした。さすがに窮地に追い込まれました。 ・兵越峠から5分ほど下がった処に砂防堰堤があります。そこで補給可能。ヤマレコ地図にも川が表示されています。4L満タンにしてください。 ・池口岳南峰にさしかかる前に切れ落ちた谷の地形がありますが、右手から沢の音がしたらすぐに沢に向かってください。国土地理院の地図上には川の青線が出ていません。 池口岳南峰に近づいてからだと切れ込み角がありすぎて下る事が出来ません。 上がり始めてから散見される踏み跡は全て獣道です。崖の上で止まります。 池口岳南峰の登山道から5分下れば水場がありますが、私のようにそこを見つけれない場合を想定して行動計画を立ててください。 笹平の水場の説明のあるレコは今の処確認できておりません。 文章でのみ確認できるサイトがありました。参考に。 ・東の方面、地図には載ってない「柴沢側に10分下ったところ」にあるそうです。 ・東に延びる緩やかな沢筋を降り、沢筋が南に曲がる地点から少し降った場所で取水が可能です。但し藪漕ぎですので往復30分弱かかります。 上記二つが同じ水場を表すのかは不明です。 3:「青崩れ峠の水場近辺から終盤の鶏冠山」までは「ヒル、アブ、ブユの巣窟」です。メッシュのインセクトシールドや、帽子にメッシュのかかってるものを用意してください。頭髪にまで潜り込んできて刺してきます。 鶏冠山までの植生や虫の性質は他と異なります。特にアブは凶暴で追い払うと更に寄ってきます。 歩くペースが遅くなると、何しろ虫が寄ってきます。テントはシングルウォールにした方が無難。ガンガン虫が入ってこようとしてきます。 道迷いポイントをまとめます。 ・スタートから熊伏山 最初は整備された登山道です。「沢筋を登るルートに入ったら」「河原に倒れている看板」を見つけたらすぐに「右手を見て、川の反対側の土手を見てください。土手に登山コースの看板が張り付いています。」昔あった梯子は流されてしまったのかありません。ロープだけ残っています。ナイトハイクはぶっつけ本番は危険。 GPSが異常な値を返し、ポイントが動かず知らずにどんどん進んでしまって最後には滝に行きついて引き返しになりました。 山頂手前の2Kmは激登りです。北アルプスの名物の急登など屁でもありません。 ペース0.5が出る人でも看板通り2時間はかかると思ってください。 ・朝日山 朝日山の山頂と最高点は位置が違います。最高点に出た場合は「赤リボン通りに進むと道迷いになります」進行方向からナナメ左に戻って下さい。私は二度リテイクしました。 朝日山までは黄色い行政界の杭と赤リボンがリンクします。 そこから突然スパンの長い赤リボンのみが頼りになります。笹は無くマダニが居そうな枯葉の多い道です。平森山からいつのまにか登山道が無くなり膝丈の笹地獄になります。朝露で靴の中まで濡れ、大小様々なヒルがまとわりつきます。雨の日は悲惨(TT) ・三又山 出だしは足元に白テープの巻かれた木が地面に有ります。その後、下るのをためらう尾根の急下りがあります。尾根は二方向に別れておりますが、何と一度偽尾根に降りて、本尾根に渡ります。 ロープ場がありますが、ロープが左に見えたら順路です。尾根に出て下って下さい。 私のレコでは順路に向かって右の間違った尾根を下っています。尾根に上がって右に行けば順路の筈が三又まで戻ってしまいました。地図の尾根の位置が違うのか、上空に木の枝がが無くともGPSが正しい位置を返せない可能性がある危険ポイント。 ・鶏冠山南峰から鶏冠山北峰 鶏冠山南峰から下りで北峰に行くところでGPSが東にずれました。そのまま下って下さい。疑心暗鬼になってしまい、結局道迷いしました。 地図に載ってない岩稜の尖塔がありますが右の付け根辺りを巻いていけます。しかし、その直前の道が登山道崩壊で若干の迂回をしています。道はありますが、相当に狭く、両足を滑らせて手だけでぶら下がる事態にw雨やガスで滑りやすい時は倒木をまたぐ時に注意 ・鶏冠山から笹平までは全く登山道ありません。GPSがないと相当怖い思いをするかもしれません。コンパスと紙の地図を使う余裕のある地形です。 ・P2106を過ぎると沢水の音がしますので足りない場合は水補給。雨の場合は幕営適地でシートで朝露を集めてください ・最後の池口岳手前は痩せ尾根有。左側が切れ落ちてるので集中を欠かないように。山頂手前はくるぶし程度の笹の急登。すべったらヤバいです。ここを下るのは私は絶対嫌です。 ・池口岳を超えたら天国です。テカリ方面も、池口岳登山口下山方面も、このルートを通った人ならまず道迷いはありません。登山道がある(泣) 下山途中に京都の親子連れの方とすれ違ったのが唯一の人間との出会いでした。とても癒され勇気づけられました。 GPSの電池切れで南アルプス縦走は諦め、撤退の下山をしました。 南アルプス縦走は池口岳登山口からの入山がゴールデンルートです。色気を出しても前泊の池口岳コースの人の方が早く南アルプスの縦走路に出れます。 幕営適地まとめ。 兵越峠 平盛山手前(私のレコが途絶えている処) 白倉山を超えたコル 池口岳南峰尾根手前の平地(私のレコでゴールになってる地形) エスケープルートはほぼナシ。兵越峠から遠山郷に出れますが、そこから先が駅までの足を探すのに苦労します。といいますか、今回のルートがエスケープルートです。 正に足抜けが困難な魔境と(汗)言わざるを得ません。 最後に、一番このコースの事を詳しく書いている方のレコを貼らせていただきます。 megarith様 3泊 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-723364.html |
その他周辺情報 | 平岡駅のある龍泉閣は、入浴、売店、食堂、宿泊が出来ますが、朝ご飯はありません。昔「朝ご飯を昼前まで放置して食べて食あたりになった登山者グループが大勢で文句を言った事件があり、一切食事を持たせてもらえないようになったそうです。 他の民宿では朝ご飯を持たせてくれる宿もありますのでそちらの方をお勧めします。 朝ご飯は、朝ご飯の時間に食べましょう。 |
写真
装備
個人装備 |
ザック:スプラフのグラデーション45L(870g)
雨具:アウトドアリサーチヘリウム2ジャケット(163g)&ズボン(158g)
テント:ヘリテイジクロスオーバードーム(700g)
テントマット:Dovewillのアルミ蒸着シート(テント保護用)
シェラフ:シートゥーサミット スパーク Sp1(348g)
スリーピングマット:ネイチャーハイク枕付(470g)
長袖シャツ
ズボン
靴下
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴:AKU (SL TREK GTX)
ザックカバー
行動食
非常食
飲料(4L)
ガスカートリッジ
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ポール
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コメント
この記録に関連する登山ルート
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ジャンクション〜ザラ薙平てお遭いした京都の親子です。ご本人は大変だったと思いますが、深南部の山々は大変興味があるので、私にとってはもっとお話しをお伺いしたいところでした。
飯田線が強雨で止まるとは災難でしたね。ご心配有難うございます。レコにも書きましたが私達はビバークして、テントの中で寝ておりました。池口岳〜光岳はヤマプラの地図では踏み跡が消えると書いてありますが、終始、踏み跡は明瞭でnarisawa110さんの辿られたコースから比べればものの数ではないようです。貴重な山行をされて来られたnarisawaさんに山の上てお遭い出来たこと、嬉しく思います。
narisawaさん、はじめまして。
山行で起こった数々の出来事、とても興味深く拝読いたしました。
半べそかきながらのバリルートだったと思いますが、無事生還できて良かったですね。
お疲れ様でした。
YosshiT様、コメント有難うございます。
きちんと登山計画出しても、保険入ってても、意味のない時ってあるんだなぁ〜とか、遭難って、厳密に言うといつ遭難になるんだろう?諦めた時か?いや、道迷いしてる今でしょ、って考え込むくらい厳しかったです(TT)。
本当に半泣きでした。今後に生かしたい経験です。
始めましてHIRAPA905です。私の奥秩父の山行に拍手頂きましてありがとうございます。narisawa110さんのプロフィールを拝見させて頂いたところ、この記録を見つけました。静かで山深い南アルプス深南部の山々に興味をお持ちの方がおられると知って、コメントさせて頂きました。実は私もこの地域には大きな魅力を感じ、何回か出かけました。例えば、光岳→大無間山、池口岳→不動岳、黒法師三山、笊ヶ岳→八紘嶺などです。今後とも、この地域の山や山行などについて、お話できたら嬉しいです。(可能なら、narisawa110さんのメルアドを当方(hirayama@bcc.bai.ne.jp)まで送って頂けたらと思います)
HIRAPA905様、コメント有難うございます。私はまだあの山行の後遺症と言いますか「静かで山深い南アルプス深南部の山々」の表現に衝撃を覚える始末です(汗)
しかしながらおっしゃられる通り、今までにない皆様のコメントが寄せられる事を思いますと、根強いファンがおられる山々なのだと学びました。
もっとスキルを上げ、準備を周到にすれば楽しみが増えるのかなと思いました。
narisawa110さん、初めまして
kumahikoと申します。
narisawa110さんが歩かれた一週間前に、平岡から熊伏山に行きました。テント泊装備であの激坂を登るような方はめったにいないだろうなと思いながら、2泊分の水を背負ってひいひい言いながら登っていたので、びっくりしました。
兵越峠の水場の情報有難うございます。
行く前に知っていたら、重い水を持たずに済んだのに残念です。
自分は熊伏山の激登りと暑さで参ってしまい、兵越峠から朝日山への取り付きで、電波が入ったのでタクシーを呼んでしまいました。
GPSの電源残念でしたね、これに懲りずに深南部はいいところがいっぱいあるので?行ってください。
kumahiko様、コメント有難うございました。
過去レコの「千鹿頭山」にビックリwwww
深南部は総合力が求められる山行になる所がきっと多いのでしょうね。
ぶっつけの熊伏山で道標を見落としてしまい、そのあとの激登りで体力を消耗。
登山口の看板の四時間半なんて嘘じゃ〜と思いながらの熊伏山でした。
本当は、守屋山まで、端から端へ繋いでみたかったのですが、どう考えても予備日が無くなってしまい、途中下山になってしまいました。中華バッテリの動作確認をせずに、3万の容量のはずが、4,000mAhで二回の充電でモバイルバッテリが空っぽになってしまったのも誤算でした。
今度は落ち着いてあの山々を楽しめるよう、スキルUPしていきたいです。
いやー、本当にあの近辺の陽気は熱さが際立っていましたね。
narisawa110 様 返答有難うございます。
明るい時に歩きましたが、私も沢を上がりすぎて滝まで行ってしまいました。
帰りに寄った龍泉閣の方があそこは判りづらいとおっしゃっていました。
ひょっとして、千鹿頭山でお会いしてましたか?
松本がお住まいとは羨ましいですね!
千鹿頭山は、美ヶ原への縦走路とつながっておりまして、最近登りましたが、単体で千鹿頭山レコがあったので注目してしまいました。
何と、青薙崩れ、行かれてるのですね。いつか行ってみたいと思っておりました、安倍奥から南アルプスにいくのにはもう少し深南部での修業をしようかと、思い始めましたです。
こんにちわ。すみません、柚餅子に反応しちゃいました。
化石館向かいのカフェのメニューの上に泰阜村の柚餅子が載っていますね。
泰阜村のライダーの方が紹介したご縁で。
若いころオフロードバイクで天竜スーパー林道を静岡側から入って
上村の辺りへ抜けました。もうしんどくてどうなることかと思いました💦
コメント有難うございます。
天竜スーパー林道、どういう物か見てみました。凄い処ですね。
現在は通行止めで抜けれない様です。
柚餅子は実はペレファカフェに行った時に買いました。
サラダと合うんですね。少しずつ食べて、昨日ちょうど食べ終わった処です。
また買いに行かなきゃです。
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