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Yamareco

記録ID: 160381
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積雪期ピークハント/縦走
日高山脈

神威岳ーソエマツ岳ーピリカヌプリートヨニ岳

2011年12月28日(水) ~ 2012年01月03日(火)
 - 拍手
GPS
149:45
距離
40.6km
登り
3,459m
下り
2,989m

コースタイム

12/28 林道ゲート手前2 km付近(5:00-10:40)神威山荘=C1
12/29 C1(5:30-6:00)中間尾根末端(6:00-12:10)中間尾根Co1120=C2
12/30 C2(7:00-9:00)中間尾根頭(9:00-13:50)神威岳=Ω3
12/31 Ω3(7:00-10:00)靴幅山(10:00-14:00)ソエマツ岳東峰(14:00-14:30)ソエマツ東尾根から・1336に伸びる尾根上Co1400=C4
1/1 C4(6:00-6:30)ソエマツ岳東峰(6:30-8:30)・1529南コル=Ω5
1/2 Ω5(7:30-9:30)ピリカヌプリ(10:00-12:30)・1512北2つ目のコル=Ω6
1/3 Ω6(6:15-8:15)トヨニ南峰(8:45-9:45)中間尾根Co1120(9:45-10:45)野塚トンネル北口
天候 12/28 晴れ時々曇り
12/29 高曇り→雪
12/30 快晴
12/31 快晴
1/1 曇り→雪
1/2 ガス→晴れ
1/3 快晴
過去天気図(気象庁) 2011年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
車はデポできない.車で行く場合は送ってもらう必要がある.
コース状況/
危険箇所等
12/28
前日大雪のため,入山日を1日送らせて入山することに.膝の調子が悪く,惜しくも参加できなかった井ノ上(3に入山地点まで送ってもらう.轍などは想定していなかったが,謎の轍発見.一同テンションが上がり,行けるところまで車で進める.それも林道ゲート3-4 kmほど手前で終了.しかし,当初20 kmの林道歩きを想定していただけに運が良かった.かなり攻めて進んだので帰りの車は井ノ上曰くかなりシビアだったそうだ.林道のラッセルは踝〜脛程度.200歩後退で組織的にラッセルを進める.重荷もあってこの日が一番つらかった.神威山荘に着いた後,じゃんけんに負けたLとMが2人で翌日の渡渉点を探しに行った(11:00-12:20).

12/29
昨日偵察を行ったため尾根末端の転石渡渉は楽々.前日にトレースをつけておくことでラテルネ行動でもスムーズに尾根末端まで行動できた.そこからはひたすら尾根を登る.ラッセルは踝〜膝程度だが傾斜によって胸ラッセルとなる.ラッセル力のある2年目を中心に皆でラッセルを交代して進む.先頭が全力でラッセルしている間,後続は休めるので前日よりも行動は楽だった.Co1120のテンバは比較的カンバが生えている.天候も悪化してきたので稜上でのイグルーを諦め,予定テンバでC2とする.

12/30
C2から尾根頭までがこの尾根一番の急登.前日の降雪でラッセルがごくい.尾根頭ではイグルーが掘れそうになかった.前日にここまで来なくて良かった.神威までは概ね十勝側に雪庇.ラッセルが膝〜胸までとこれまたごくい.稜上は技術的に問題となるような箇所はないが,トラバースするより全て上を行った方が楽に進めることができる.神威ピーク少し東側の吹きだまりでΩ3.5人用のもので所要1.5 hだが,ブッシュが飛び出し,超不快調雪洞イグルー.しかも朝起きると頭上30 cmまで天井が迫っていたというトラウマになりかねない恐怖のイグルー3.

12/31
朝起きると素晴らしい快晴.中部日高が一望できる.こんな天気の中,Lは前日に外に置いておいたスコップをなくし,一同懸命に探すが見つからなかった.あきらめて出発することにする.ラッセルはこれまた膝〜所により胸程度.靴幅山までは特に問題ない.靴幅山直前でかの有名な靴幅リッジ.ALはスノーシュー・ストックでトップを抜ける.風もなくブッシュも近い.慎重に行けば通過できそうなので,後続のMはスノーシュー・ピッケルで進める.イメージとしては八剣山に近い.そこからソエマツ東峰まではソエマツ西峰手前から若干細いところがある.しかし天気・雪の状態ともによかったので,細くて怖いと感じるような箇所はなかった.ただラッセルがごくいという感じ.時間がかかったので・1529南コルに入るのを諦め,東尾根を下る.東尾根から見えた支尾根上の若干平らなところでC4.冬テン2張がぎりぎり.この日は冷え込み,2人用テントのALとM1名は寒い年越しを迎えたようだ.

1/1
気圧の谷に入るという読みだったので,天気次第でピリカをのっこすかどうか判断するとして進めることにする.視界は概ね500程度はあった.ソエマツまでは前日のトレースが残っており,楽に進めることができた.日高側が切れているがソエマツ〜・1529間はそれほど細くはない.雪庇も概ね日高側で十勝側は雪崩そうな斜面.ソエマツから南1つ目と2つ目のポコの間にはGAPなどなかった.しかし,岩稜で3 mのスノーシュー・ピッケルでのBSとその直後の少し嫌らしい雪壁登りがある.今回は全てスノーシューで通過することができたが,雪の状態次第ではシビアになるかも.あとは・1529南コルまで.天気が徐々に悪化していることと前日までの疲れにより本日のテンバはこことする.ここは神威とはうって変わっての超快適雪洞イグルー.5人用のもので所要2 h.

1/2
6:00に出発するつもりで準備するが,視界が50程度しかないため時間待ち.寒さのためイグルーの中でAL中心に謎の動き.視界100-200程度に回復したのでピリカ通過リミットを決めて7:30に出発.ピリカまでは特に何もないが,視界100程度は欲しい.ピリカピークでEPに換えて時間待ちしていると予想通り晴れました,晴れましたよ.これぞアルパイン.ピリカ直下の下りは確かに急.しかし,固くなかったのでそれほど怖くなかった.ただ,西の沢型に入ってしまうと危ないので視界はあった方が良いだろう.その後Co1520-1400までの雪稜がいやらしい.概ね日高側を進めることができるが,十勝川に雪庇があるので緊張する.固ければかに歩きなどを強いられる可能性がある.Co1400でEP解除.その後は何もないただのラッセル尾根.Ω6はゾンデで掘る場所を選んだ方が良い.コルの南よりの箇所にポイントがある.ここでも超快適雪洞イグルー.7人用(めちゃくちゃ広い)のもので所要2 h. イグルーを作っているとワンゲルの5人パーティに出会う.彼らは次の日ピリカをアタックしてトヨニまで帰るそうだ.

1/3
強い冬型で下山日も快晴.朝ALがノコをなくしたことに気づく.少し探すが,下山することとする.ワンゲルのトレースと雪面が固くなっていたので,今山行初めてと言っていいほどラッセルはほとんどなく,快調に進む.・1512先の稜線が少し細い程度でトヨニまで特に問題となるような箇所はない.後は南東尾根を転げるように下山.上二股(尾根末端Co495二股)で親子連れのトレースを発見してまたもやラッセルなし.後は野塚トンネルまで.井ノ上が最高のタイミングで私たちを出迎えてくれた.翌日ハゲ天にてOBの方にごちそうになった.ごっつぁんでした.ちなみにM2名が歌舞伎者に昇格した.


Ω=イグルー
C=テント
Co=標高
EP=アイゼンとピッケル
その他詳しいことは北大山岳部HPにて説明があります.
http://aach.ees.hokudai.ac.jp/gen/
神威岳の登りから振り返って北方向を見る.
2011年12月30日 09:01撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
12/30 9:01
神威岳の登りから振り返って北方向を見る.
神威岳から望む今年最後の朝焼け.
2011年12月31日 06:57撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/31 6:57
神威岳から望む今年最後の朝焼け.
神威岳から遠く中部日高が見えた.
2011年12月31日 06:57撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
12/31 6:57
神威岳から遠く中部日高が見えた.
朝の準備.今日が核心部である.
2011年12月31日 06:57撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
12/31 6:57
朝の準備.今日が核心部である.
核心部としていた靴幅リッジを行くM.
ブッシュが近くそれほど怖さは感じないが,慎重に通過.
2011年12月31日 09:53撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
12/31 9:53
核心部としていた靴幅リッジを行くM.
ブッシュが近くそれほど怖さは感じないが,慎重に通過.
ソエマツ西峰からの神威岳.神威岳はめちゃくちゃイケメンな山である.
2011年12月31日 13:36撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
12/31 13:36
ソエマツ西峰からの神威岳.神威岳はめちゃくちゃイケメンな山である.
またもや中部日高を見渡すことができた.
2011年12月31日 14:09撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
12/31 14:09
またもや中部日高を見渡すことができた.
ピリカからの下り.急斜面の下りの後には最後の核心の雪稜が待っていた.先頭を行くAL.
2012年01月02日 10:46撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
1/2 10:46
ピリカからの下り.急斜面の下りの後には最後の核心の雪稜が待っていた.先頭を行くAL.
ピリカ南Co1450付近の雪稜.ALのトレースを忠実に辿るM.
2012年01月02日 10:52撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
1/2 10:52
ピリカ南Co1450付近の雪稜.ALのトレースを忠実に辿るM.
朝焼けのトヨニ岳北峰.LとALは本山行で日高の十勝岳から神威岳までの冬の稜線が繋がった.
2012年01月03日 06:38撮影 by  u850SW,S850SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
1/3 6:38
朝焼けのトヨニ岳北峰.LとALは本山行で日高の十勝岳から神威岳までの冬の稜線が繋がった.
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