奥秩父 暖冬少雪の厳冬期単独縦走3泊4日 瑞牆山荘〜金峰山〜甲武信ヶ岳〜雁峠〜新地平
- GPS
- 80:00
- 距離
- 36.5km
- 登り
- 2,842m
- 下り
- 3,285m
コースタイム
- 山行
- 2:40
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 3:10
- 山行
- 8:20
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 9:00
- 山行
- 10:00
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 11:10
- 山行
- 9:20
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 10:50
とても大事な登山と位置づけ、真面目に取り組むことにしました。
自宅出発時、ザックの重さは約26キロ。
それが仇となり、肩が痛くなり気力が奪われました。
帰宅して装備を見直せば3キロくらい減らせそう。
やっぱり軽い方が何より優先です。長期の縦走だと身に沁みます。
次回の教訓にしよう。
天候 | 1日目 曇りのち雪、明け方まで雨 2日目 快晴 3日目 快晴 4日目 快晴 全ての日程で気温が高めでした。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
積雪状況次第では行けないこともあるとのこと。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
スマホ(ドコモ)通話状況 ◎1日目テン場2220m付近 ◎大弛小屋 △国師ヶ岳 ×両門ノ頭 ◎甲武信ヶ岳 ◎破風山避難小屋(小屋内) ◎古礼山 ◎雁峠 |
その他周辺情報 | ★韮崎駅前のそば屋さんありました。 9:00過ぎに行って天ぷらそば(370円)食べてタクシーに乗り込んで出発 しました。 ★路線バス 西沢渓谷線 花かげの湯 500円(月曜休み) 私は最終のバスでしたので入浴しませんでした。 |
写真
装備
個人装備 |
冬山基本装備
無線機
ココヘリ
スマホ充電器
細引き6m×20m
ガス缶500×2
使いかけ(残り3分の2)500缶×1
テムレス
|
---|
感想
プロローグ
天から降ったような連休が手に入った。モコモコさんが昨年7月下旬腰痛を発症して以来、個人的な山行は数えるほどしか行っていない。体力的には衰えているのは確実だ。日程と単独で行けて、登山が成り立つ山域として奥秩父を選んだ。雪の深い、東北・上越の山々や人気の少ない日光方面もリスクがあると判断して奥秩父に落ち着いた。
今回の山行に対して、厳冬期単独ということもあり安全面に重点を置いた。県警への計画書の送付はもとより、「ココヘリ」へ加入。万が一の場合にはこれで、位置情報が特定されて、生死にかかわらず発見の確率を大幅に上げることが出来る。後は無線機、スマホの予備バッテリー。(結局は使わず重かったです。それが一番大事〜)
大風呂敷を広げた計画では雲取山を超えて奥多摩駅までとした。しかし、蓋を開けてみれば約半分の雁峠で途中下山という結果になった。色々と反省することはあり、また次の山行につなげて行ければと考えている。次はモコモコさんと行ければ最高だ。
■■■1日目■■■
のんびり各駅停車で韮崎駅へ向かう。駅前のそば屋で腹ごしらえをして、前日に予約していたタクシーに乗り込む。
◆瑞牆山荘〜富士見小屋◆
道路状況が良く瑞牆山荘まで乗り入れることができた。ポツンと一人取り残される。登山道には雪はちらほら、富士見小屋の手前の水場で喉を潤す。本当にありがたい水場だ。すぐ、上に登ると富士見小屋。美味そうなメニュー看板があり、寄りたくなるが平日お休みのようだ。
◆富士見小屋〜大日小屋◆
次第に登山道に雪が目立ち始める、大日小屋の手前で急に雪が強く降りはじめた。登山道から少し下る小屋には寄るつもりはなかったが、身支度を再調整したかったので寄ることにした。
小屋に入ろうと思ったが、入口のベニヤ扉が地面と凍り付いていて無理に開けるとベニヤ扉が破損してしまうので小屋前で身支度を整えた。窪地にあるため風雪はだいぶ和らぐ。
◆大日小屋〜大日岩〜2220m付近テン場◆
小屋を過ぎるとさらに登山道は白くなる。大日岩でとうとうアイゼン装着。道が凍り付いて、アイスバーン化している。
大日岩は天候が悪く全体像が見られないのが残念。
砂払ノ頭を過ぎると森林限界で、あとは金峰山を越えるまでない。時間的に適当な場所があったら泊まることにした。目の前にちょっとしたピークが出てきたので、気力を失い手前に良い場所があったのでそこに泊まることにした。
周りは雪が少なく、水つくり用の雪は針葉樹の葉等が豊富に混ざることになった。茶こしが非常に立った。
ここで衝撃の忘れも発覚。靴の中敷きを乾かそうとしたらなかった。靴の手入れを念入りにしたまでは良かったのだが、入れ忘れてしまった。前回の山行で膝痛が出たこともあり、先行きが不安になった。
夕方から雪から雨になった。雨は明け方まで続いた。風は強く吹いていた。
スーパームーンの月明かりが凄かった。朝方テント内2℃。
■■■2日目■■■
◆2220m付近〜砂払ノ頭〜金峰山◆
4時起床。6時10分発。天気が良い。予報より風が弱い。ラジオでは今日は東京では4月並みの気温になると告げていた。帰宅後調べてみると実際に東京19.5(10.6)、甲府17.8(10.7)だった。( )は平年。
樹林帯を登ると1時間ほどで砂払ノ頭に到着。南アルプス、八ヶ岳、富士山と展望が素晴らしい。稜線の風も弱く絶好の登山日和だ。五丈岩がそそり立っている。物凄い存在感だ。
千代ノ吹上の場所がいまいち特定できない。山梨県側の切れ落ちた地形は迫力がある。景色を眺めながら、金峰山小屋分岐から30分ほどで五丈岩に到着。正面から見ると、形が全然違う。山頂の標識は、昨夜の雨で、氷漬けになっている。氷のカバーを掛けたようになっており芸術作品のようだった。
◆金峰山〜大弛小屋〜国師ヶ岳◆
金峰山から鉄山方面のトレースが無く、適当に進んだらズボズボ帯だった。観念してワカン装着。正規の登山道に戻った。
樹林帯に入ると古いスキーのトレースがあった。それでも潜ることには変わりがなく朝日岳まで1時間40分ほど掛かった。微妙なアップダウンを繰り返してようやく大弛峠に到着。大弛小屋の湧き水を飲もうとかなり期待して、小屋を覗いてみるとスケートリンクのようになっていたため、湧き水は断念。今日は気温が高いので屋根から雫が流れているので、それを集めて飲むことにした。とても美味しかった。小屋の温度計は10℃を示していた。
30分ほど休憩して国師ヶ岳の登りに入る。古いスキーのトレースは続いている。木の階段がありこの時期は登りやすい。夢の庭園をパスして直接、国師ヶ岳を目指す。
小屋から2時間30分ほど掛けてようやく国師ヶ岳に到着。コースタイムでは1時間だった。もう、疲れ果てたので山頂近くの樹林帯を今夜の宿にすることにした。
ここから先は、誰も足を踏み入れていないようだ。明日朝早く出発するので、少しだけ空身でトレースをつけてテン場にもどった。
夜中は強い風が吹いていた。朝方テント内0℃。
■■■3日目■■■
◆国師ヶ岳〜国師ノタル◆
4時起床。6時20分発。荷物は相変わらず重いが、国師ノタルまでは下りということが心の支えだ。バリズボの雪質で、足を引き抜くとき脛に当たるバリの部分が痛い。2465Pからの急坂は、バリズボの雪片が滑るように登山道を落下していった。
2295mを過ぎた辺りから、古いツボ足のトレースが出てきた。途中で引き返したのだろうか?ツボ足ということは、ここから先は雪が少なくなるという意味だ。確かに少なくなってきた。
2時間50分ほどで国師ノタルに到着。ここでワカンを外して進むことにした。
◆国師ノタル〜国師ノタル〜東梓〜富士見~甲武信ヶ岳◆
進むと古いスキーのトレースも出てきた。鹿の足跡が目立つようになる。
20分ほどで2224Pに到着。さらに40分ほどで東梓。展望はない。地味な登り下りを繰り返し、尾根が細くなり両脇シャクナゲ道を抜けると、急に視界が広がる。
両門ノ頭に到着。大展望台が広がっていた。天候も良くここでまったり休憩。
両門ノ頭を過ぎると再び雪の量が増えてきた。ワカンに履き替えるのも面倒なのでツボ足で進む。登り下りを繰り返しようやく富士見。両門ノ頭から50分。富士山が見えるのか期待していたが樹林の中だった。気を取り直し水師を目指す。
甲武信ヶ岳に近づくにつれて積雪が増えてきた。まだなんとかツボ足で頑張ることにした。水師も展望はない。休憩込みで富士見から70分。
そこからすぐに千曲川源流遊歩道の分岐に到着。トレースがしっかりと着いていた。
なんとか核心部を抜けることが出来た。あとはトレースを辿って誰もいない甲武信ヶ岳山頂に到着した。
◆甲武信ヶ岳〜木賊山(巻き道)〜破風山避難小屋◆
甲武信小屋は静まり返っていた。木賊山は巻き道のトレースがしっかりあったのでありがたく楽させてもらう。
巻き終えたところでトレースは終わっていた。破風山避難小屋へは古いトレースがうっすらと見えただけだった。しばらくアイゼンのまま進んだが、体力を消耗するだけなのでワカン装着。途中で雪が少なくなってきたが面倒なので小屋直前までワカンで
進む。なんとか日没前に小屋に到着することが出来きた。
小屋は大変良く管理されている。きれいで余計なものは置いていない。いつまでもこの状態を保てるよう利用者は心掛けたい。
疲れ果てたので薪ストーブには手を付けず早めに寝ることにした。
朝方テント内1℃。小屋−4℃。
■■■4日目■■■
◆破風山避難小屋〜破風山〜雁坂峠◆
朝のラジオで本日朝、はやぶさ2がリュウグウに到着する予定だと伝えていた。
山行中気になった。
本日は正念場。当初の計画は日々縮小している。区切りをつけてあと二日で雲取山を目指すのが精いっぱい状態。そのためには本日のノルマは将監小屋だ。その気負いで3時起床。5時20分発。
昨夜寝る前にトイレのために外に出たらガスっていた。そのためか、木々には霧氷が付いていた。小屋から破風山まで標高差約250m。朝日に染まってくる山々を眺めながら1時間15分ほどで到着。山頂で長めの休憩。
東破風山からの急下りにうんざりしながら、2180mPに渋々登り返す。緩やかな登りを何とかこなしようやく雁坂嶺に到着。
ここから雁坂峠までは明瞭なトレースがあった。
雁坂峠は立派な標識があった。留守番のモコモコさんに電話してとりあえず雁峠まで進むと連絡する。
◆雁坂峠〜古礼山〜燕山〜雁峠〜新地平◆
ザックが肩に食い込んで痛い。雁坂峠から少し進むと「見返り雁坂」という写真スポット。とりあえず騙されたつもりで撮影。
鹿の足跡が非常に多くなる。鹿のトレースに助けてもらいながら水晶岳を超える。
古礼山は巻き道を使い楽をしようと思ったが、トレースがないので直登。意外と近かった。11時45分到着、古礼山は見晴らしが良い。
将監峠まで日没までに進むのには雁峠に遅くても12時までには到着しなければ厳しい。山頂から少し下ったところで、モコモコさんに電話。笠取小屋までにして明日下山すると報告。
気が楽になってのんびり下る。地図を何気にみると、笠取小屋は雁峠から15分下って更に15分登った先にある。明日雁峠から下山するとなるとまた15分登り返さなくてならない。なんだか嫌になった。それと笠取山の直登を見たら気力がなくなったというのも一理ある。
ふと、参考にしていた記録を思い出した。雁峠からエスケープで下った記録がたしかあったはずだ。スマホを出して調べてみると新地平へ下山していた。計画書にあるバスの時刻表を確認してみる。西沢渓谷発16:25というのがある。まだ間に合う。
そうと決まれば行動は早い。モコモコさんに再度、最終のバスで帰ると連絡。
雁峠13:30着。コースタイムでは新地平まで2時間30分。単純計算で16時。休憩を含めてギリギリかも。昔から逃げ足だけは速かったので何とかなるだろう。
峠からはドロドロ道がしばらく続く。靴とスパッツがドロドロになったが、このコースは沢を何度も横切るので自然にきれいになる。歩きやすい林道で膝に優しい。
16時07分、新地平バス停に無事到着。
こうして誰にも会わない静かな山旅が終了した。
甲武信ヶ岳も金峰山も大好きなので、レコ本当に良かったです!
夏はテン泊行きます。^_^
初めてましてこんにちは!
長い長文読んで頂きコメントまでありがとうございます。。またお褒め頂き嬉しいです。
縦走をやると、小さな一歩の地味な積み重ねが自分でも信じられないような距離を移動することが出来るそんな縦走が好きです。。荷物の重さや、自然環境、自身の心境など様々困難を超て目的を達成させる人が「超人」なのではとふと思いました。
まだ、私はその域には達してないと自覚しています。今回の縦走を通じて奥秩父が益々好きになりました。これからもよろしくお願いします。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する