北アルプス 薬師〜双六
- GPS
- 49:16
- 距離
- 65.3km
- 登り
- 5,390m
- 下り
- 5,288m
コースタイム
- 山行
- 3:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:30
- 山行
- 7:21
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 9:15
- 山行
- 9:23
- 休憩
- 2:37
- 合計
- 12:00
- 山行
- 7:26
- 休憩
- 3:00
- 合計
- 10:26
天候 | 5/2:曇りのち晴れ 5/3:晴れ 5/4:晴れ 5/5:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
神岡〜和佐府橋:タクシー タクシーは和佐府橋までしか入らず。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
早朝は雪が固く滑落の危険あり。9時頃から雪が緩み始める。夕方はグサグサ。 |
その他周辺情報 | 新穂高温泉 |
写真
感想
今シーズンの締めくくりとして、かねてより計画を温めていたオートルート(薬師〜双六)に4人で行ってきた。天候の悪いGW前半を回避したためほぼ全行程に渡って晴れ、良いコンディションの下スケールの大きい滑走を楽しめた大満足の山行となった。
5/1 移動日
神岡でタクシーを手配して入山口である飛越トンネルへ。林道崩壊のため崩壊地点手前の和佐府橋に進入禁止の看板が立っており、タクシーもここまでとなった。当然雪はまだ全くついていないので、板をザックに括り付け林道歩き開始。一般車の多くは崩壊地点手前に縦列駐車していた。トンネルについた頃には暗くなっていた。トンネルは板で封鎖されていて中には入れない。トンネル横に水が流れていたので利用した。
5/2 飛越トンネル〜北ノ股岳
飛越トンネル向かって左の夏道沿いに登る。すこし登るとスキーを履けそうになったのでシールで登るが、夏道を外してしまい急な藪漕ぎになったのですぐに外す。トンネル上のコル手前から上はずっとスキーを履いて登ることができた。寺地山は南巻き。北ノ俣避難小屋手前で森林限界を超えた。小屋の正面入り口下に水場があったのでいくらか汲んだ。小屋内にいると水のチョロチョロという音が聞こえ、夜は気になりそうだと思った。北ノ俣岳北で幕営する。明日行く薬師と明後日以降歩いていく南の稜線が見える贅沢な場所だ。
5/3 北ノ俣岳〜薬師岳(⇔薬師岳カール)〜北ノ俣岳
北ノ俣岳の北にある2576mは西側を巻いて滑る。太郎山手前でシールを付け、そのまま薬師峠まで行った。薬師峠から薬師平への登りはかなり急で、シールでは滑って歩きにくい。2500m付近の登りはスキーで直登しようとすると急でしんどいので、素直に夏道の付いている東の稜線を登った方が楽かもしれない。滑るのにはちょうどいい斜度なのだが。薬師岳についたら、これから滑ろうとしているカールをのぞき込む。山頂から見るとカールは2段になっていて、東に滑り込んで途中から南に滑るのが最も快適そうだ。途中の段での休憩を挟みながら、カール下部まで一気に滑った。朝はカチカチだった雪もこの時間には適度に緩んできて、とても滑りやすかった。カール下部から薬師岳を見上げると、今滑ってきた斜面の大きさがよく分かる。我々の他に、薬師岳東南尾根から滑り込んでいる人もいた。薬師岳からは来た道をひたすら戻る。この日の北ノ俣岳には我々のテントの他にも数張のテントが設営されていた。
5/4 北ノ俣岳〜三俣山荘(⇔鷲羽岳)
幕営地から少し登って北ノ俣岳山頂でスキーを履く。ここから中俣乗越までは、赤木岳を東巻きする長いトラバースルートだ。赤木岳北東に小さいデブリがあり、それを回避するためにトラバース開始時にだいぶ標高を下げてしまった。朝一で雪面が固いので、スキーのエッジをちゃんと立てて滑らないと標高をどんどん落としてしまう。中俣乗越のすこし北側に行ってしまったので、2578mへは雪面が固いこともありクトーを付けて登った。2578mは東側を簡単に巻ける。黒部五郎への登りは、東側斜面に雪が付いているのでどうしても雪上を歩きたければそちらを行ってもよいが、西側は雪がなく夏道が露出しているので、特に雪の固い朝は夏道を行った方が安全である。我々も途中までシールを使って雪の上を歩いていたが、上部はだいぶ急なので途中で夏道に入り、板を担いで登った。黒部五郎の肩から山頂まではすぐに着く。山頂から黒部五郎カールを見下ろし、滑走ルートの確認をした。肩のあたりからドロップするとかなり急なので、北東方面に少し歩いてから滑った(夏道がカールに下りていくポイントと同じ)。滑り出しは体感的に40度ほどの傾斜があり気を使ったが、カール内はおおむね滑りやすい斜度だった。カール下部に大岩が見えたので、それを目印として岩の西側をトラバースする形で進んだ。夏道の南側を滑った。山頂方面からはデブリが多くあり、比較的安全な場所(2450mあたり?)まで各自ノンストップで滑った。足がガクガクだ。そのまま黒部五郎小屋まで稜線の北側をトラバースする形で進んだ。黒部五郎小屋から急な斜面を登り、三俣蓮華へ。2670m付近から出ている三俣山荘への巻き道は、ぱっと見た感じ無理そう(斜度があり、トラバースの最後に登り返しがあり時間がかかりそう)なので素直に三俣蓮華岳山頂へ行くことにした。三俣山荘へは山頂から滑り下りることができ、なかなか楽しい滑走だった。三俣山荘冬季小屋は屋根だけ雪上に出ており、入口は雪を掘り下げた位置にあった。中は広くない。テントを張ったら、時間があったので鷲羽に登ることにした。初めから板は置いていきスキー靴でひたすら登る。ほとんどの区間で夏道が出ていたので、1時間ほどで山頂に着いた。三俣山荘に戻ったら、黒部源流へ落ちる斜面で少し遊んでからテントに入った。
5/5 三俣山荘〜双六谷〜大ノマ乗越〜新穂高温泉
三俣蓮華への登り返しで一日が始まる。上部は風が強く雪も固いのでクトーを付けて登った。稜線を行き双六岳に着いたら、山頂南面から双六谷の滑走開始。昨日滑った黒部五郎カールほど斜度はきつくなく、快適に滑走できた。2500mくらいに谷が狭まって滑れる部分が10mほどの幅になる箇所があり、減速する必要があった。大ノマ乗越は、谷の中心はデブリに覆われているので左右(南北)の尾根から登った方が良い。我々は双六谷から大ノマ乗越を見上げて右側の樹林帯から登ったが、最後乗越に行くために余計に斜度を稼ぐ必要があった。大ノマ乗越から下、小池新道へは大デブリ地帯で、特に下部ではボコボコの雪面の上を滑っていかなければならず、あまり楽しい滑走ではなかった。秩父沢が合流するあたりはデブリで地形が分かりにくくなっていて、左俣谷本流の方に行かないように注意したほうが良い。橋で林道に合流してからもしばらくは雪の上を歩く必要があった。ワサビ平小屋の先で雪が途切れ、そこから新穂高温泉まではひたすら林道歩きであった。
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