[夏ワン本山行] 黒部源流紀行
- GPS
- 104:00
- 距離
- 69.6km
- 登り
- 5,055m
- 下り
- 5,046m
コースタイム
25日 C1-太郎平小屋-薬師沢小屋-赤木沢出合-<赤木沢>-赤木平-太郎平小屋C2
26日 C2-太郎平小屋-第三渡渉点-<薬師沢左股>-赤木平-赤木岳-黒部五郎岳-黒部五郎小屋C3
27日 C3-<五郎沢>-黒部本流-<祖父沢>-祖父平-祖父岳-岩苔乗越-高天原山荘C4
28日 C4-高天原峠-雲の平-雲の平山荘-薬師沢小屋-第一渡渉点-<太郎沢>-太郎平小屋-折立=下山
天候 | 24日 H張り出し 25日 圏内 上空に寒気 26日 同上 27日 同上 28日 寒冷前線の接近 |
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過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
折立からヒッチで折立口のち電鉄富山で富山駅 |
写真
感想
22日
黒部パイオニアチームもいざ出陣といきまいたのはいいが、Lは前日の飲み会で潰れ、集合1、5時間前に起きる。
急いでデッパしていくも昨日デッパ時刻を連絡していなかったため見送りはいないんだろうなと思っていたが、サモアが連絡していてくれたらしくたくさんの人が見送りに来てくれていた。差し入れをもらい出発。すいません色々。
小樽からフェリーに揺られて新潟へ。船上から見る夕日がロマンチック。
23日
新潟に着き、18切符で富山へ。夏の日本海が美しい。電車で海辺を走るのは夏と流氷の時期がベストだな。
そんなこんなで富山着。昼飯はスタミナランチといわれる怪しいものを喰らう。
量もそこそこ。その後、街中でぶらついていると「富山美少女図鑑」というイベントが行われており、審査員に假屋崎 省吾がいた。おされなおっさんである。因みに美少女といわれる10人の女性は下から小学生、上は大学生と広くカバーしている。皆さんスタイルがよろしゅうございます。まあ及第点だな。
夜は結成会。地元の魚介類をやたらと頼む。程よく酔っ払い、富山城の近くの公園にテンぱり、花火やブランコをし、いちゃつくアベック(死語)の邪魔をして遊ぶ。ひとしきり遊んだら沈。
24日
富山駅からバスで折立へ。折立にはやたらと車があり人の多さを物語っている。
水洗便所や自動販売機までありやがる。デッパ写真とって出発。
所々木道の敷かれた如何にも本州の夏道らしい道をひいひい言って太郎平まで。
途中にアラレちゃんのパチモンが描かれた看板がある。寸胴で不気味だ。
樹林外に出ると木道があったり石畳があったりしていかにも本州の山って感じ。
薬師峠のテントサイトで受付をしてテントを張り昼寝。
起きたら宴会。腐ってますね。程よく飲んで沈。明日は赤木沢だ。
25日
太郎平からガレのだるい夏道歩いて第一渡渉点までそこから木道が続く。第2、第3と確認して薬師沢小屋まで。
黒部のエメラルドグリーンの水が、太陽の光を浴びて妖美な色に輝いている。
いよいよ黒部本流に足を踏み入れる。どうやら水量は少ないらしい。しかし4〜5mは増水した跡がある。
ゴルジュまで何も。ゴルジュの巻き道はぱっと見そんなに明瞭ではない。
ゴルジュは胸まで浸かったり、左岸右岸と行ったりして進む。いきなりだとちょっと抵抗がある。
魚止めF4m。左岸から右岸に渡るが場所を選ばないと胸まで浸かる。
増水時は流されそうだ。今回は右岸バンド状行くことにするが、ザックあると厳しい。
M空身で登る。水流際もHS細かいが行ける。左岸巻いた方が早そう。
L-sLはあり得ないムーヴをしつつ全荷で通過。
水によって削られた白い岩と青い水が交わり、飛び込めよと誘ってくる。
赤木沢出合前には超ミニナイアガラの滝と呼ばれる沢幅いっぱいの50cmくらいの滝がある。
赤木沢出合は三つに分岐しており不思議な光景だ。朝日が程よく差し込み、水の色がいっそう映える。
切り立った岩場と松、美しい沢は天然の庭のようだ。折角なので飛び込むも、死ぬほど冷たい。
とりあえず兎平を見に行く。
一張り分のぼこぼこのテントサイトがあり、水面から6〜7m上なので天変地異クラスの増水が起きない限り大丈夫そうだ。
そしていよいよ赤木沢へ。
赤木沢は両岸が切り立ち、木も少ないため、青空がよく見える開放的な沢だ。ナメ滝が階段状に続き、気持ちのよい遡行が楽しめる。
問題(というのも言い過ぎだが)となるのは、4段の滝と大滝、赤木平までの小滝群である。それ以外の滝は階段状ですたすた行ける。
4段Fは ̄Υ澆垢燭垢伸∈鹸澆瞭Г濱很昔討料陲弔の巻きをすたすた左岸へ一瞬胸まで浸かって取り付く。その後容易な滝を直登。い修里泙涅鹸瀋湘弌4蔽院
銑は右岸にも巻き道あり。笹などホールドも豊富。⊂紊ら2爾亡き道使って降りられる。2爾ら上までの巻き道も明瞭で掴むものあるが滝の落ち口付近がはっきりしてなさそうだった。
大滝のネット記録でよく行かれているリッジ状の岩場は、先行の二人組が行っているのが見えたがザイルを出していた。
我々は前衛5mF下の左岸の明瞭な踏み跡を行く。中間部が泥や岩場で多少いやらしい程度。長いので一応M空身。
30m弱登ってそこからはブッシュに入る。ここからはブッシュ豊富。大滝上に降りるところが泥つきで多少いや。
大滝上の5mFは左岸ブッシュ際すたすた。
2225二股を右股に入り、ここからは3〜6mくらいの滝が連続するがどれも簡単。ムーヴが大きいところ2箇所ほど1年目空身。
赤木平までは行きやすいところをハイマツを縫っていく。赤木平は一面の広い草原。花もまだ散っていない。とても気持ちがよい。遠くに水晶の凛々しい姿が見える。
赤木平から稜線までもコンパス見て行きやすいところいく。途中から踏み跡出てくる。
その後は稜線上の夏道歩いて薬師峠まで。
26日
昨日と同じように第3渡渉点まで。ここから薬師沢左股に入渓。
序盤は倒木と巨岩の冴えない沢。
しかし両岸が切り立ってくると赤木沢のように解放的な岩盤質の沢になる。
ここまでは探せばテンパれそう。
1.5mまでの増水なら耐えられそうだが第三渡渉点を吹っ飛ばすほどの増水に耐えられるかどうかは疑問だ。
12mF見事な岩盤の滝。左岸の明瞭な巻き道を行く。簡単。ちなみに左岸の岩盤状も突破可能。その小滝を突破しつつ魚止めFへ。
ゴルジュが見事だ。不気味ですらある。中も頑張れば行けそうだが今回はまく。
支沢の段差を超えてデポ旗ある所から草つきの巻き道へ。ちょっとトラバリ、5m位ぬめる所登る。
ここから踏み跡ははっきりせず、笹ブッシュこぐ。笹ブッシュ抜けて巻き終わり。
そこから小滝越えていくとさくっと問題の大滝へ。右岸スラブ状登る。簡単。
その上からは岩盤の上をフリクション使って登っていく。大滝上でのっこし判断。
その後小滝を超えていくと8mのF。sL右岸直登してみるも滑るので左岸巻き。簡単。
しばらく小滝を越えていくと、日高っぽい連F帯が出てくる。一番上に付き下を見るとそこそこ高いのでこれが多段70mFなのではと話をする。しばらく進めてみることにする。
その先はちょっと函地形になり何個か小滝が。しばらく行くと左岸から沢が入る。どうやらさっきのが多段70mらしかった。
この後は開けた川原を歩き赤木平まで。昨日とは違い川原がそのまま草原になる。
昨日より晴れており、本場のアルプスの草原かと見まがうほどだ。行ったこと無いけど。
みんなゴロゴロして過ごす。時間も迫ってきたのでそこから昨日同様に稜線へ。
黒部五郎まで長い道を行く。
急斜を登りきると黒部五郎カールがドオオーーン!と広がる。
日高とはまた様相が異なるカールだな。ここからは水晶はもちろん、槍や穂高のギバギバ稜線も望める。
肩からピークまでは一瞬。肩からカールに降りるが浮き石多い下りだ。
下りきった後も道ははっきりしている。カールの中は雪渓の雪解け水が流れ何処で休憩してもカールの大きさが実感できる。
途中で樹林帯に突入。だらだら歩いて小屋まで。
ここで初めて小屋で売っている飲み物に手を出す。皆本州の毒におかされ始めた。
ところでこのところ愚民の様子がおかしい。天然の萌えキャラを狙っているのか、妙な発言が多く見られる。がんばってくれたまえ。
27日
小屋から沢形歩いて五郎沢へ。
ただのだるい沢かと思っていたら、急になるところから巨岩になり始めてさらにだるい沢に。
下流は沢幅が15mくらいに広がり2m以上増水した跡がある。
本流から祖父沢出合まで行き、祖父沢へ。左岸のガケマーク過ぎたあたりから急になり、無数の段差がおりなすブタ沢になる。
昇天しかけながら祖父平まで。
祖父平からペイントたどり祖父岳へ。祖父岳にはやたらとケルンがある。
ピークはたらっとしており視界がないのでしっかりコンパス切っていく。すぐに夏道発見。
岩苔乗越までは一部夏道が崩れている。
岩苔乗越から夏道歩いて水晶池まで。なんか水が少ないがまあまあ。巨大な水晶岳がすぐそこにたたずんでいる。
水晶池からもだらだらあるいて高天原山荘まで行く。
山荘の周りの草原が落ち着いた雰囲気を出している。荷物を放り投げ、皆で温泉に入りに行く。
意外と遠い。夢の平には夢がありました。温泉は乳白色の適温の湯である。
うどんは迷わず混浴へ!まあ誰もいないんだけど。
山行途中の温泉はいつもの数倍はありがたみがある。湯を堪能していると愚民が先に上がり、こちらに向かってくる。
「おいまだはいってるぞ」と注意するも笑顔で手を振ってきた。
山荘に戻りまたビールを買い、うどんも作ってもらう。量も適度でうまし。
その後飯を喰らい、山荘のふかふか布団で安眠。(シェラフ(笑))。
もう皆北海道の山には登れないのでは?明日は一気下山を狙うので、太郎沢は時間的に無理だろうと思って諦めかけていた。
28日
今日はガスっている。山荘から夏道歩いて雲ノ平まで。
途中ものすごい叫び声がしたが、二人のおばさんがきのこを手にして騒いでいる。一日で傘が開いたことが衝撃的らしい
雲ノ平周辺はガスっていて何も見えん。雲ノ平から薬師沢への急斜は足に来る。沢への降り口には微妙な鉄の梯子。沢からつり橋にも梯子使って登る。
小屋から第一渡渉点まで行くが、夏ワン最後の登りがこのゴミみたいな夏道かと思うとどうにもやりきれないので太郎沢に行くことにする。
しばらく川原を歩き、段差を超えていくと10mF。苔で滑りそうな滝で右岸直登。簡単だが一部微妙なムーヴがあるため偽身。
その後6mFが2つでてくる。一つ目はtopで行ける。二つ目は左岸sLtop。ムーヴ大きいが簡単。
その後段差をいくつかこなし堰堤状の5mFへ。直登は可能そうだがSCがごくいのでL-SLで両岸巻き道偵察。
左岸はブッシュがごくいらしい。右岸は下部が掴むもの無いので上からシュリンゲたらす。
今回の山行で初めてギアを使った。ここまでの短い区間に結構な滝が凝縮されていた気がした。
その後三叉を右股に入る。ここからも連F帯。
1箇所偽身にしたが全体的に簡単。あとは適当な所からお花畑を歩いて稜線に乗る。
その後太郎平まで戻り特製ラーメンを食う。高いが山行中はそれだけの価値があると言い聞かせる。
ラーメンを食い、一気下山。この5日間の出来事を思い出しながら下る。アルプスの稜線が名残惜しい。
折立に戻り無事山行を終え、ワンゲル初トレースを讃えあう。何だかあっという間だった。
折立で駄目もとでヒッチするとなんと工事のおっちゃんの車ゲトー。が、死ぬほど怖い運転で最寄り駅まで。
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