柏原新道から種池、赤沢岳、針ノ木岳、蓮華岳、針ノ木雪渓
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- GPS
- 16:46
- 距離
- 27.0km
- 登り
- 2,678m
- 下り
- 2,657m
コースタイム
- 山行
- 9:33
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 11:02
天候 | 6日:曇り、7日:雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
無雪期テント泊装備+ピッケル
アイゼン
防虫剤
|
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感想
富山百山狙いを続けているが、梅雨に入ってから低山お茶濁しに甘んじていた。この週末もすっきりとは晴れないが、高山の稜線も行動可能な程度と読み、2500m超級の未踏百山を三座一挙に片付けることにした。
本ルートは6月中に計画し、針ノ木雪渓を登って蓮華岳を往復して針ノ木岳を越え、赤沢岳辺りでテン泊と考えていたのだが、7月に入ってしまって山小屋も営業始めたので、テン泊も指定地にしないといけなくなった。指定地は針ノ木峠と種池だが、2日間で周回+蓮華とするには針ノ木だろう。直前の天気予報で土曜日の方が長時間行動出来ると判断し、柏原新道を種池へと上がることにした。
扇沢の無料駐車場を4時過ぎに出て、車道を少し下って柏原新道に入る。トレランのいでたちの人など軽装の登山者に次々と抜かれるが、こっちはテン泊装備で水も4リットル持ってる。じっくり行こう。下では霧の中だったが、上に抜け出て稜線を眺められるようになり、遂にはこれから行く岩小屋沢岳、鳴沢岳、赤沢岳、スバリ岳、針ノ木岳と指差しできる地点も登場。標高2300mの沢周辺に残雪あるがステップ、トレース出来てて問題なく、程なく種池山荘に到着。針ノ来岳、蓮華岳が並んで見える場所。針ノ木の真下のマヤクボ沢が小さなカールだと言うのも良く分かる。
種池までは2011年10月29日に来た道。その時は爺ヶ岳、鹿島槍へと向かったので、これから行く稜線は初めて。雪田を渡り、少し標高を上げて行くと次に目指す岩小屋岳、背後の種池山荘の向こうに爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳と見えてくる。そして立山、剱岳のお出まし。剱岳の形が、見慣れている白馬岳方面からのものとも少し違っていて、黒部別山から見たのと同じようだと思いだした。その黒部別山は剱岳の真下に横たわっていて、その通りだと納得。そんな眺めと、高山植物を見ながら岩小屋沢岳まで楽しく到着。
岩小屋沢から下って新越乗越。新越山荘のスタッフの人が僕を見つけて出て来て、この先の残雪にはまだステップが切ってなくて、狭い所があるので注意とのこと。その場所は無事通過したが、次の残雪は正面からは急で登り難く、左右どちらを行くか迷ったが、左の、雪塊の下端が歩き易そうに見えたので選択。トラバースで進んで行って雪塊が細るに合わせてせり上がり、雪がなくなって稜線で藪に突き当たるが夏道が出てこない。夏道は雪の下で右に逸れて稜線の向こう側にあるのだなと、5mほどのハイマツ藪漕ぎ突破で夏道に戻った。
後はずっと夏道で鳴沢岳、そして富山百山の赤沢岳。眼下に黒部湖が大きく、その上に立山が聳える。さて眺め最高の稜線縦走だが、道は長く、超える山が多い。だんだんしんどくなって来た。本日の行程の標高差は、柏原新道登山口から種池まで+1100m、岩小屋沢まで-60mと+230m、新越乗越へ-170m、鳴沢岳へ+180m、ここ赤沢岳へ-80mと+120m。この後スバリ岳へ-190mと+260m、針ノ木岳へ-70mと+140m。登りの総計は1930mとなる。縦走路中では赤沢岳からスバリ岳へが下りも登りも大きい。その赤沢岳からの下りは、下りきったかと思えば少し登り返してまた下るを繰り返す。もう下がってくれるなと祈って歩いていた。
赤沢岳まではハイマツ主体の緑色の山、スバリと針ノ木は灰色の岩山となる。それらをヒイコラこなして針ノ木岳に到着。ここも富山百山。突然に人口密度が増えた。実はここは初登頂ではなく、40年ほども前、多分5月連休後にスキーを担いで針ノ木雪渓から登った。マヤクボ沢を源頭からえいやっと滑って、大量にスラフを出したのもはっきり覚えているが、正確に何年何月何日だったのかはもうわからない。なのでヤマレコに記録が残せる初登頂だ。
針ノ木岳から峠への下りで残雪の斜面となる。初めはステップが切ってあったが、途中でステップなしの急斜面となって、アイゼン着用して慎重に下りた。峠に下り立ったのが午後3時過ぎ。残雪で狭まっているテント場には残りの空き地は少ない。僕が張った場所と、後続1パーティー分で残りは雪解け水でぬかるんでいる場所しかなかったと思う。
この日の行程での疲れと、前の晩3時間くらいしか寝ていないことで、夕食は食べきらずに暗くなる前に寝てしまった。飲み物は、持ち上げたビール350mL、日本酒180mL、ウィスキー150mLを飲んでしまったが。
翌朝は4時起き。夕食の残りを食べて霧の中を蓮華岳へ。ハイマツの露で濡れるので上下雨具で進むが、荷物は軽いので楽勝だ。平坦地になって登頂したかなと思ったら、そこは若一王子神社の奥宮で、もう一投足で本当の山頂。これで今回3座目の富山百山だ。濃い霧で眺めは期待していなかったが、霧の切れ目に剱、立山が見えた。却って荘厳な雰囲気だ。そして山頂周りにはコマクサ。名所と言われるだけの群生地だ。霧に濡れた姿で女王の色香を放っている。
テントに戻って予定通りの朝食。後は撤収して下るだけ。8時前に峠の小屋前では霧雨だった。標高2400mまで夏道を下り、雪渓下りになってしとしと雨になり、ザックカバーも要る本降りになった。大沢小屋で小屋番のおじさんと話をすると、今日はもう止みませんよと言っていた。出発前の予報では今日は曇り基調で午後から雨の筈だったが、変化が早まったようだ。天気の推移が上手く嵌って、初日をロング、二日目をショートにした作戦は成功だった。
50代後半にやはり一泊二日で逆回りで歩きましたが柏原新道を
下りた時は日没寸前でした。
頑張った山行だったので懐かしく拝見しました。
針ノ木峠の小屋泊まりでも大変だった記憶です。
このコース小屋が要所にあるのに、さすが 体力抜群のnishidenさん
テント泊とは凄いです。
20番の
OBABAさんも1泊で歩きましたか.
種池から針ノ木までは長かったですね.
6月中に梅雨の中休みが捕まれば,山小屋営業前なので赤沢岳辺りでテン泊と計画したんですが,7月になっちゃったので,でもテン泊にこだわったので指定地の針ノ木峠まで頑張りました.
針ノ木と爺ヶ岳の間は,立山方面から眺めても目立たない区間ですが,眺めるより歩いて良い領域ですね.
キヌガサソウのご指摘もありがとうございました.
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