仙塩尾根(南部、鳥倉〜三伏峠〜塩見岳〜熊の平〜両俣小屋〜野呂川出合)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 34.8km
- 登り
- 2,673m
- 下り
- 2,535m
コースタイム
- 山行
- 3:42
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 3:48
- 山行
- 9:41
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 10:33
- 山行
- 7:05
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 7:30
鳥倉登山口〜コル +4
コル〜分岐 +8
コル〜三伏峠 -7
三伏峠〜コル -9
コル〜本谷山 -9
本谷山〜権右衛門沢源頭 -18
権右衛門沢源頭〜塩見小屋 +6
塩見小屋〜塩見岳 -3
塩見岳〜北俣岳分岐 +3
北俣岳分岐〜北荒川岳キャンプ場跡 -6
北荒川岳キャンプ場跡〜新蛇抜山 +25
新蛇抜山〜熊ノ平 +20
熊ノ平〜三国平 -6
三国平〜三峰岳 -14
三峰岳〜野呂川越 +23
野呂川越〜両俣小屋 +5
両俣小屋〜野呂川出合 +7
今回のコースは、あまり強烈なアップダウンはなく、(鳥倉登山口〜コルの登り以外は)そこまで暑くもなかったので、バテもなかった。
ただ、二日目、出発して8時間くらいしてから、徐々に疲れが溜まってきて、北荒川岳から先が遅め。
あと、樹林帯をひたすら歩くのに意外と苦しんだ(北荒川岳以北、三峰岳〜野呂川越)。
結果的に、全体的に丁度CTくらいで歩いている。
天候 | 初日:曇(ガス)、二日目:晴→曇(12時〜)→雨(16時〜)、三日目:雨。稜線は風雨が吹き荒れていた |
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過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
(中央線特急 + 飯田線普通よりも高速バス新宿〜飯田線のほうが早い。飯田線は遅い…) バス: 鳥倉林道線(運転日に注意) https://www.ibgr.jp/wp-content/uploads/30b6a50e71570219fd78eed929d43a44-1.pdf 北沢峠〜(野呂川出合)〜広河原・広河原〜甲府(ダイヤに注意) http://yamanashikotsu.co.jp/route_bus/route_sp_info/hirogawara/ ※芦安〜広河原は乗り合いタクシーもあり ※7/14は広河原〜北沢峠は2台運行(15分程度のズレ)だった タクシー: マルモタクシーを使った。シェアタクシーなるものもやっている。予約するとFacebookで呼びかけてくれるみたいだ。 https://www.marumotaxi.com/sharetaxi |
コース状況/ 危険箇所等 |
【道】 鳥倉〜三伏峠 問題なし。ただ虫は多い。途中の水場は豊富 三伏峠〜塩見岳 問題なし。エアリア地図上のゴーロは涸れ沢の出合。 水場までは往復20分強。お花畑経由で行く。 北に進むにせよ、南に進むにせよ、一旦三伏峠小屋からお花畑に進む。 塩見岳〜熊ノ平 特に問題はない…が、北俣岳分岐手前が一箇所道が分からなかった。また、ラクダの背みたいな場所がある。 北俣岳から北荒川岳へと下る時、上部のガレ場に注意(左側が崩落地)。 北荒川岳近くで左右共に崩落地の場所もあった。 新蛇抜山・安部荒倉岳は、登山道が数m下を横切るので、看板のあるところから頂上に登る(踏み跡あり)。 熊ノ平〜三峰岳 特になし。伊那側からの吹き上げが強い。上の方は岩峰。 三峰岳〜野呂川越 時々ハイマツがうるさいくらい。 2699mピーク(恐らく)からの下りに1箇所だけ鎖場あり。若干降り方を迷った。 三峰岳からはとりあえず数m降りる。そこに分岐がある。 野呂川越〜両俣小屋 激下り 両俣小屋〜野呂川出合 雨の後だったが、増水の影響は無し。林道終点から下ったところ以外は高低差がある 落石に注意、ありとあらゆるところに落石あり… 路肩の先も谷まですとーんと落ちていたりするので、それも注意 野呂川出合には何もない。 【携帯(docomo)】 三伏峠○(若干不安定) 北荒川岳までは大体○、というか伊那側が見えれば○か?塩見山頂では河口湖の電波を拾っていた。安部荒倉岳付近でも、伊那側が少し開けているところで使えた。 熊ノ平小屋×。井川越も、ガスだからか×だった 農鳥トラバース分岐は○ 両俣小屋× 野呂川出合× 広河原◎ |
その他周辺情報 | 温泉 ・芦安 白鳳会館 バス停の上にある。露天風呂あり。 http://www.minami-alpskankou.jp/2017/06/post-1964.html 芦安 桃の木温泉は、日帰り入浴をやっているのか不明。 バスの車掌さんに温泉を聞いたら白鳳会館を紹介された。 飲食店 ・甲府 沢山ある |
写真
『登山客の激増、テント客の屎尿による水源汚染を憂慮して97年より小屋前のテント設営も禁止となった。さらに2000年度からは地下浸透トイレを廃止し、災害用簡易トイレを活用して用便もすべてヘリコプターで下に降ろすなど環境保護にも配慮している』なるほど…そしてここからの訴訟
> http://www5b.biglobe.ne.jp/~yohnishi/mountains/huts/shiomi.html
『7〜8年前までは熊の平小屋からシーズン中管理人をここに派遣してテント場の管理にあたっていた。また、管理人を派遣できない場合でも管理料を熊の平小屋に支払う仕組みになっていた。最近は熊の平小屋の管理人が頻繁に変ったり、登山客増による人手不足で管理人も派遣されておらず、常時施錠されたままになっている。またテント場の管理もまったく行われていない』のだそう。
> http://www5b.biglobe.ne.jp/~yohnishi/mountains/huts/kitaarakawa.html
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
タオル
テント
テントマット
シェラフ
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感想
三連休なので行きたかった仙塩尾根へ。元々は仙丈ヶ岳まで行く予定で、有休で+1日した。(結局仙丈ヶ岳には行かなかったので、無駄であった)
そもそもテン場が全然なく、三伏峠を出ると、熊ノ平、そして両俣、北沢峠だけである。両俣に1泊すると、若干時間が余る。かといって1日で熊ノ平〜北沢峠は13時間弱。藪沢小屋はやっているか分からない…。
結局、お金が溜まってから、北沢峠→仙丈小屋(泊)→両俣小屋→野呂川か広河原→北岳山荘(泊)→間ノ岳→仙丈小屋(泊)→北沢峠と行くのが良い気がした。
因みに、祖父は89年に新蛇抜飯場→乗越沢→熊ノ平と歩いたらしい。その頃の地形図にはまだ東俣左岸林道が書かれている。
南アルプス残り:
尾根
・早川尾根〜甲斐駒〜鋸
・仙塩尾根(野呂川越〜仙丈〜北沢峠)
・聖平以南(上河内〜光岳)
・白鳳南嶺(大門沢下降点から南)
山
・千枚・悪沢(東のみ)
・奥聖岳……………
### 初日
鳥倉登山口までのバスは連休初日からの土曜(7/13)からで、泣く泣くタクシーで向かう。
あの辺りで営業しているマルモタクシーは、相乗りタクシーも試行していて、試しに申し込んだが、まあ私1人であった。
運転手さんが乗降時に扉を開けてくれるサービス付き。
越路で怪しい水を汲んでおく。
林道歩きでは、目の前の岸壁を見る。
鳥蔵登山口からいよいよ登山。
登り始めは、暑いし、虫がうるさく(山全体が蠢いているかのよう)、あまり調子が出なかった。
豊口山間のコルから稜線上では風が出てきて楽になる。
看板を見つつ三伏峠小屋へ。平日だが賑わっていた。テントは6張。
ここのテント場からは塩見岳を見れる絶景スポットのはずだが、ガスで見えない。
米を水に浸したあと、お花畑経由で水場に向かったが、その途中からはどでかい塩見岳の岩峰を見れた。
お花畑は、防鹿柵の中だけ花が残っていた。辺りからは鹿の警戒時の声が聞こえた。
お花畑を上に登ると、今度は南側が見える。前通ったときは朝霧の中だったため景色もへったくりもなかったが、今回は恵まれている
(ちなみに柵の向こう側が崩落地なのもこのとき知った。前回は知らずに通っていた)。
展望を楽しんでから、水を汲み(バイケイソウとダケカンバを飽きるほど見る)、テン場に戻る。米を炊き、レトルトの角煮と食べ、後片付けをして18時過ぎ。遅くなってしまったなあと思いながら、19時前就寝。
### 2日目
2時半起床(2時のつもりが寝坊した)。シュラフ + シュラフカバー + 肌着 + Tシャツだったが、寒くて何度か目が醒めた。うどんを作る。水が多すぎてタレが薄くあまり…。山の上で丸亀製麺食べたい。
4時過ぎ出発。テン場の人は大体似た時間に歩き始めていた。
水は3.5L(長丁場で、私は水を消費しがちで、かつ塩見小屋と雪投沢の水場が稜線から結構遠いため)。
昨日よりも累計の上り標高差は少ない(500mくらい)と思っていた。
数PTに徐々に抜かされながら、ゴーロまで進む。ガスだし緩やかに登ったり降りたりはっきりしない道が続く。
ゴーロからは樹林帯を登る。方言の看板で心が和む。いいよね。
塩見小屋は綺麗な小屋だった。熊ノ平小屋で荷揚げができていない話を聞く。
頂上では丁度晴れてくれてよかった。360度の大展望を楽しむ。槍穂高まで見えるとは。南アルプスは雄大だし、晴れたのは初めてなのでこんないいところなんだなあと思う。
山頂から、いざ熊ノ平方向へ進む。人が急にいなくなり緊張感がある。実際、新蛇抜山で急ぎ足で塩見方向に向かうお一方以外出会わなかった。あの人は宿泊場所に間に合ったんだろうか。
塩見から北俣岳分岐までの道で若干難儀する。蝙蝠尾根は見た感じ天空の稜線が結構長い。
ガシガシ北上するが、だんだん疲れてきて歩みが遅くなる。樹林帯はつまらない…。北荒川岳キャンプ場跡は、鹿の食害なのか?草原のよう。
新蛇抜山と安部荒倉岳は、どうせもう二度とこないだろうと思い、一応頂上にも登っておいた。天気はガスが出てきた。この辺りで、携帯が通じなくなることを見越して連絡をしておいた。
この辺りだったか、虫が煩く休めないことが時々あった。
大井川源流部と反対側の稜線を見ながら歩く。熊ノ平小屋あたりに荷揚げヘリが数回往復するのを見た。静岡から来るんだろうか?
歩くのに飽き飽きしながらやっと熊ノ平小屋。15時前に着いたが雨がポツポツ降ってきてしまった。
急いでテントを設営する。なるべくトイレと水場が近い場所で、木が上にある場所を取る。
フライと本体がなるべく着かないように、割と真面目にペグを打つ。
準備が終わり、気がついたら昼寝していた。これで頭痛が取れた。
熊ノ平小屋はいい小屋だ。北アの雲ノ平並みにアクセスが悪い。秘境感が満載。そしてトイレは常に水が流れている…すごい。
着いたとき、小屋の中では急な荷揚げでてんやわんやしていた。どうも東邦航空が運んでくるらしい。
無線が聞こえていた(南アは大体無線でやり取りしているイメージが有る、このために免許を取るんだろうか)が、13人組の団体さん見ませんでしたか?と聞かれる(三伏峠は朝食4時半のためおそらく私より1時間遅れ、抜かれてはいませんと答える)。原始的な情報のやり取り。
16時過ぎに目が覚める。急いで夕食の準備。
雨だと外で調理できないので、食料を入れたタッパーの蓋で換気しながら、泣く泣くテント内で調理。
調理しながらもポツポツ人が到着する音がしていた。大井川を遡行してきた人もいるらしい。コアだ。
最後に水没しないことを祈りながら19時くらいに就寝。
### 3日目
この夜は、まだ濡れていなかった雨具を重ね着して寝たので、寒くはなかった。
またまた寝坊して3時に起床。急いで調理開始。
パスタの予定だったが、うどんのほうが賞味期限が近いためうどんを消費。この日は汁を少なめに。
雨の中、悲しみのテント撤収をする。久々の雨のテント泊で、地獄っぷりを思い出した。
雨具を着て出発。食料は消費したはずだが、水に濡れて重いテントが入っていて、かえってザックが重い気がした。
井川越で、遂にめっちゃ長い大井川の源頭まで来たんだなあと思う。
反対側は崩落している。こっちに落ちてしまい下ってしまうと、人里がかなり遠いため終わるんだろうなあと思う。
電波は通じなかった。
朝の歩きはじめなので、三峰岳までゆっくり登っていく。
稜線に出ると、伊那側から雨風が吹付けてくる。メガネに水滴が着いて、視界が歪みとても歩きづらい(危ない)。
展望ゼロで自分がどれくらい登ったのかも分からず、面白くない。
雷がないことを祈りながら、帰宅のための最後の登り…と思っていたので、三峰岳についたときは感動もひとしお。
しかし寒いし雨が強いため、長居はできず、すぐに下り始める。
ここは微妙にハイマツが煩い。そして樹林帯まで来ても雨は強い。諦めて時々休憩する。
野呂川越までは、目印も乏しい。ひたすら樹林帯を歩く。まだかまだかと思っても、大体まだである。
途中から人に出会うようになった。両俣から上がってきて北岳方向に行く人と、北岳方向から来て仙丈に行く人がいた。皆CT9時間くらいを平気で行く。中々タフな人が多い。
逆に、野呂川から両俣経由で降りる人は私だけだった。悪天候を気にしないんだろうか。
やっとの事で野呂川越。そそくさと両俣小屋方向に降りる。濡れた木の根で何度も滑る。
小屋では、通過するだけの私にも良くしてくださった。ここは、水場が下界のキャンプ場のようだった。
少しばかり話をし、天気の悪い日は三峰岳辺りが肝だと聞いた。確かに、伊那側に面する稜線はあそこだ。
林道は落石が多い、お気をつけてと見送られ林道に行く。
林道は確かに落石だらけ。治山や補修が追いついていない。怖いのでヘルメットをしていた。
沢はすぐに下に見るようになる。地図で見ると数十メートルだが、ガードレール等はなく、急斜面のため、結構怖い。
沢沿いには砂防ダムを幾つも見かけるが、よく下まで降りて作業できたなあと思う。あと、ヤマメは移動できるんだろうか。
林道を本当にひたすら黙々と歩いて、やっと野呂川出合バス停についた。
結局広河原まで歩くよりバスに乗ったほうが早く着くようで、1時間半待つ。その間に、ゲートルを洗ったり、ザックの中身を整理したり、水を捨てたりしていた。
待つだけだと中々寒い。手がかじかむ。動かないと低体温症になりそうだ。
定刻の20分前くらいに臨時便が来て、立ち席なら乗れますがどうしますかと言われ、寒さから逃れたく乗った。
広河原について、やっと携帯の電波も拾えるようになり、下界に降りてきた実感が湧く。自販機がないのが痛い。
そのまま14時発のバスで芦安まで行き、白鳳会館の温泉で体を流す。縦走後の風呂は格別である(しかも雨でずぶ濡れになった後は)。
芦安16時発のバスで甲府に着く。高速バス乗り場で切符を買おうとすると、丁度5分後にバスが出るという。急いできっぷを買って、甲府の土産選びも楽しむ間もなく帰路に着いた。
途中、中央道が混雑していたが、甲府17時発でバスタ新宿20時前には着いた。
### 次回への申し送り
・保険の手当を毎回忘れずに
・ベビースター: 味が濃く美味しい。あたり。
・テン場についたらとりあえず米を水につけておく(炊き方に改善あり)
・コッヘルの上にレトルト置いておくと、予熱だけでできる
・朝食、味の濃いインスタントつけ麺を考える
・山でフライパンに肉をジューっとしたい
・GPSアプリはあっても良い
・ヘッドライトが暗い
・ザックと靴が壊れそう
・プラティパスも初代が死にかけ
・耳栓とアイマスクいる
コメント
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遅コメ失礼致します。テン場でトイレ側に張ってたソロ女です。
たぶん13(日)塩見岳向かってる時声かけて先を行かせてもらいました。縦走されると伺ったからたぶんその時の若者くん!?
色々と詳しい方ですね。また参考に拝見させて下さい。
これからのinhumanさんのレコ楽しみにしております(^^ゞ
すみません、私も全然見れていませんでした…
はい、そうです!ありがとうございます!
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