池口岳-仙丈ヶ岳(平岡駅-駒ヶ根駅)
- GPS
- 44:14
- 距離
- 143km
- 登り
- 11,413m
- 下り
- 11,040m
コースタイム
02:00 平岡駅
04:30 池口岳登山口
07:25 池口岳
09:50 光岳小屋
12:20 茶臼岳
14:00 聖平小屋
15:40 聖岳
18:00 百間洞山の家
7/21(日) 16時間20分 45km +3,500m CT0.55
01:00 百間洞山の家
02:30 赤石岳
03:40 荒川小屋
06:00 高山裏避難小屋
09:10 三伏峠小屋
11:30 塩見岳
14:10 熊の平小屋
15:40 三峰岳
17:20 両俣小屋
7/22(月) 11時間50分 47km +2,000m CT0.57(両俣-地蔵尾根口)
01:20 両俣小屋
02:00 野呂川超
05:00 大仙丈ヶ岳
05:25 仙丈ヶ岳
--仙丈小屋大休憩--
06:00 地蔵尾根分岐
09:05 地蔵尾根登山口
13:10 駒ヶ根駅
天候 | 7/20 雨→くもり 7/21 くもり 7/22 くもり→雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
7/22 15:08駒ヶ根駅-17:25平岡駅 1320円. 特急伊那路ではないので安い。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
池口登山口から池口岳まではよく整備されてマーキング豊富。整備している人の愛を感じる素晴らしい登山道だ。山と高原地図では破線になっているが全くそんなことは無い。 池口岳から光岳までは踏み跡が薄くマーキングも少ない。納得の破線。暗闇での通過はオススメできない。明るくないと厳しい。 |
その他周辺情報 | 下山後の温泉は安定の菅の台こまくさの湯。 |
写真
感想
なぜか月曜日が休みになったので3連休だ。それなら南アルプスを思いっきり歩きたい。どうせ歩くならピストンでも周回でもなくスルーハイクがいい。静岡、長野、山梨、どこから入ってどこへ抜けようか。自宅の伊賀から一番近い登山口は池口岳。2年前に平岡駅から歩いて池口岳に入り北の端の鋸岳まで縦走して鳳凰三山から甘利山へ6日間かけて抜けたことがある。あの感じでとりあえずクルマで平岡駅まで行って池口から入ろう。下山は山梨か長野かは歩きながら考える。とにかく平岡駅まで飯田線上りか下りで帰ってこればいい。テントと食料とお金だけ持って南アルプスに飛び込む。2泊3日の旅が始まった。
今になって思えば金曜は仕事を半ドンで切り上げて18:20豊橋発の20:20平岡駅着の伊那路3号で行けばよかった。やっぱり平岡駅まで戻ってきてクルマで伊賀まで帰るのはめちゃしんどかった。山梨に下りても長野に下りても高速バスで名古屋まで帰れるし。次にやるなら伊那路3号で平岡駅ステーションビバークだな。
7/20(土)
17時に伊賀を出てどしゃぶりの雨の中を4時間弱運転し平岡駅へ。大粒の雨がクルマの屋根を叩いてうるさい。4時間仮眠。深夜2時に平岡駅を出発した。幸い雨は小降りになって回復傾向にある。週末は雨ばかりなので小雨霧雨程度ならご褒美だ。まずはウォーミングアップにロード18km. 天龍川を横目にじわじわ登ってゆく。これがムシムシ熱帯夜なら拷問だが空気がひんやりしているので走っているとちょうどよくて気持ち良い。出発から2時間半で登山口に着いたらポールを取り出してまずは一つ目のピーク2,392m池口岳を目指す。平岡駅の標高が320mなので池口岳に着いた時点で既に2,000m登っていることになる。池口岳は甘くはない。丁寧に整備された登山道を快適に上げる。登山道は乾いていて靴は濡れない。30分も歩けば明るくなっていつの間にか霧も晴れていた。尾根に出れば右手には深南部、左手には目指す兎岳と聖岳が見えてくっきり見えてテンションが上がる。いや、遠すぎてテンションは下が…らない。こんなにたくさん歩けるなんて素敵なことじゃないか。今日は徹底的にやってやろう。池口岳から光岳の間は歩く人が少ないのか踏み跡が薄くピンテも少ない。夜間や霧で視界が効かないと難しい。光岳小屋に着くと小屋番が暖かく迎えてくれた。どこから来たのか尋ねられたので平岡駅と告げるとたいそう驚いていた。今年は悪天続きで全然人が来ないらしい。
光岳まで結構良いペースで登ってきた。今日は聖平までかと思っていたがこのペースなら兎平避難小屋か百間洞まで届きそうだ。茶臼小屋は50mほど下るのが億劫なのでスルーして聖平小屋へ落ちてゆく。聖平小屋は何度も通過しているが日中に通過したのは初めて。そう、ウェルカムポンチにありつけるのも今日が初めてだ。甘くて冷たくて美味しかった。ここまでの疲れが全て吹き飛ぶ。カレーも食べて元気満タン。百間洞まで一気に行こう。日本最南端の3,000m峰、聖岳を目指して800mの登り。空気が薄くて脚は重たいが気持ちは切れない。聖岳から見えた赤い百間洞の屋根は豆粒みたいに小さくて気が遠くなりそうだがあそこまで行こう。兎平避難小屋は水場が無いからな。兎岳、小兎岳、中盛丸山の中ボスラッシュを突破して18時に百間洞に着いた。カップ麺を食べて寝ようと思っていたがカレーが出来るというのでご馳走になった。テント場は僕を含めて3張り。川の音に癒され横になると一瞬で眠りに落ちた。今日は5,000mも登ったらしい。5,000mといったら十勝-大雪並みだな。しかし脚はまだまだ元気だ。明日も頑張ろう。
7/21(日)
7時間くらいぐっすり眠ろうと思いきや0時半に目が覚めてしまった。5時間半しか眠っていないがこれ以上横になっていても仕方がない。出発しよう。ブドウ糖をバリボリ食って水を腹一杯飲んで出発。まずは真っ暗闇の赤石岳を超える。高曇りで星は見えないが風はない。静かな夜だ。赤石岳周辺は岩稜なので夜露で脚が濡れない。とても快適に進んでゆく。赤石を乗り越えて荒川小屋へ下り水を汲んで一服したら荒川へ。既に荒川小屋から出発した人たちの灯りがホタルのように列を成していた。荒川の登りで辺りは明るくなり遠くに富士山がくっきり見えた。今日は天候が安定しそうだ。荒川前岳から見た塩見岳はマジで気が遠くなるほど遠いが歩いていればいつかは着く。高山裏避難小屋で一休みしながら今日はどこまで行けるかざっくり計算した。三伏峠は超えられるとして熊の平には15時くらいだろうか。寝るにはまだ早い。両俣小屋か、農鳥小屋という選択もあるが…17時過ぎに農鳥に行ったらぶっ飛ばされそうなので両俣まで頑張ることに決めた。
荒川から三伏峠まではまあ長い。5時間くらいかかった。激しい登り返しは無いがとにかく距離が長い。展望も効かないところが長く退屈だ。三伏峠で一休みしたら塩見岳へ。ここは下界からのアプローチが良いので塩見岳ピストンをする多くの登山者で賑わっていた。塩見岳から眺める三峰岳もまあまあ遠いが荒川-塩見ほどではない。この区間は広い原っぱ(僕は勝手に鹿天国と呼んでいる)を抜けたり物凄い崖崩れがあったり変化に富んでいて楽しい。塩見-熊の平では女性2人を追い越しただけで他には誰にも会わなかった。熊の平には14時過ぎと早めに着いたので結構長めの休憩を取ったら出発。本日最後の3,000m峰(正確には三峰岳は2,999m)三峰岳を超えて両俣小屋を目指そう。三峰岳から見る間ノ岳はまるで壁のように聳え立っていた。塩見岳から三峰岳-間ノ岳-北岳(または農鳥)と縦走する人がやっとの思いで三峰岳にたどり着いた後にこの間ノ岳を見たら誰でも絶句するだろう。その後は下り基調の仙塩尾根をトコトコ歩いて野呂川分岐で小屋へ。小屋の星さんにルートを説明したらえらい驚いてくれて楽しかった。でも僕よりもっともっと強い人はたくさん居ます。ここは2,013mと標高が低く暖かい。寒さも風も雨も心配することが無い快適な幕営だった。
7/22(月)
今日はとりあえず仙丈ヶ岳に登り、元気があればそのまま地蔵尾根から駒ヶ根まで走って飯田線で平岡駅に帰ろう。元気がなければ北沢峠からバスで仙流荘-伊那北駅というエスケーププランもある。仙丈に着いてから考えよう。シェルターを片付けたらまずは仙塩尾根へ300m登ったら仙丈ヶ岳を目指す。さすがに16時間行動を2日連続で続けていると疲れが溜まってきたようで脚が前に出なくなってきた。そうなら仕方がない。ペースを落としてゆっくり足を前に出すだけだ。無理せずゆっくり歩いていれば身体は勝手に回復していくことを知っている。大仙丈ヶ岳を超えたあたりで夜が明けたが辺り一面真っ白け。昨日は良かった今日は仕方ないかと思っていたら急にブワッと霧が晴れて目指す仙丈や北岳、農鳥、遠くの富士山まで一望出来るようになった。こうなると脚も軽くなる。脚を前に出すのはハートか。この旅最後の3,000m峰を踏んだら仙丈小屋で一休みして地蔵尾根の長い2,000mの下りに入る。ずーっと下りなので良いペース。林道の使い方も覚えた。分岐から3時間で地蔵尾根口に着いた。ここからロード25km. どこにも痛みは無いので淡々とジョグれば6km/hで4時間もあれば着くだろう。
自販機で飲み物を買って峠を登り始めると雨。それも土砂降りだが気にせず進む。じわじわと足の裏が痛くなってきた。初日の18kmロードはなんともなかったのになぜだ。後で振り返ってみるとどうやら足の裏のアーチが疲れているようだった。アーチが落ちると着地の衝撃を分散できなくなり母指球とカカトに衝撃がダイレクトに伝わり、足の裏の細胞が死に、足の裏がむくんでえらいことになる。摺り足で歩いても痛い。ペースを落としても痛みは変わらない。だったらつらい時間は早く終わらせたほうがいい。登りも下りも脚を緩めずせっせとジョグって予定通り駒ヶ根駅には4時間ほどで到着した。試練の4時間だった。
平岡駅まで直行する飯田線が来るまで2時間も余裕があったのでバスでこまくさの湯まで行ってひとっ風呂浴びて服も洗濯をした(服は速乾なので着て休憩所でのんびりしていればすぐに乾く)。再びバスで駒ヶ根駅に戻ったら飯田線に揺られて2時間半。車窓から眺める天竜川が大迫力だ。平岡駅に着いたら愛車を走らせ4時間弱で伊賀到着。
こうして僕の140km, +10,600mの旅は終わった。楽しかった…。もうしばらく南アルプスはいいかなって感じだ。
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