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記録ID: 195378
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

常念岳・槍ヶ岳・奥穂高岳(今も感慨深き大キレット)

2008年08月09日(土) ~ 2008年08月13日(水)
 - 拍手
GPS
104:00
距離
45.6km
登り
4,072m
下り
3,899m

コースタイム

8月 9日(土) 一ノ沢登山口10:42-14:02常念小屋14:45-15:40常念岳-16:27常念小屋
8月10日(日) 常念小屋5:24-7:56大天井岳8:06-10:59ヒュッテ西岳11:10-13:39ヒュッテ大槍
8月11日(月) ヒュッテ大槍5:47-7:05槍ヶ岳7:10-9:39南岳小屋10:11-13:01北穂小屋
8月12日(火) 北穂小屋5:25-8:31奥穂高岳9:05-12:02涸沢ヒュッテ
8月13日(水) 涸沢ヒュッテ7:19-12:37上高地BT
天候 8月 9日(土) 晴れ/常念岳山頂=一時雷雨
8月10日(日) 晴れ
8月11日(月) 晴れ/北穂小屋=雨
8月12日(火) 晴れ
8月13日(水) 晴れ
過去天気図(気象庁) 2008年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
8月9日(土)
JR=中央本線あずさ71号松本9:35着  大糸線豊科9:53着
タクシー=豊科10:00→10:40登山口(約\5,000)
コース状況/
危険箇所等
◆槍ヶ岳
ヒュッテ大槍で経験豊富そうな方が「いきなり最初の岩場が槍ヶ岳という人でしかも岩が苦手な人がよく渋滞を起こしている」と言われていました。八ヶ岳の横岳とか経験してから来て欲しいと言われていました。
◆大キレット
南下ルートの方が北上ルートより易しいらしいので南下を選びました。三点支持を意識し岩を一つずつしっかり確認していけば大丈夫でした。初心者が単独でいきなり行くところではないことを痛感しました。
常念小屋に向けて一ノ沢登山口から出発です。
常念小屋に向けて一ノ沢登山口から出発です。
常念乗越に着きました。常念小屋越しに槍ヶ岳や大キレットが見えます。
常念乗越に着きました。常念小屋越しに槍ヶ岳や大キレットが見えます。
今のところ天気はもっていますし、時間的余裕もあったので常念岳山頂に今日のうちに行くことにしました。
今のところ天気はもっていますし、時間的余裕もあったので常念岳山頂に今日のうちに行くことにしました。
山頂に向かう途中、雷鳥親子に出会いました。ということは、、、
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山頂に向かう途中、雷鳥親子に出会いました。ということは、、、
山頂に着いた時、天気が急変し、雹が降ってきてこれはまずいと思って山頂から数m下がったときに落雷がありました。
山頂に着いた時、天気が急変し、雹が降ってきてこれはまずいと思って山頂から数m下がったときに落雷がありました。
雷はすぐおさまりました。無事に常念小屋まで帰ってくることができました。
雷はすぐおさまりました。無事に常念小屋まで帰ってくることができました。
ゲキ込みの常念小屋の早朝です。いい天気になりました。
ゲキ込みの常念小屋の早朝です。いい天気になりました。
奥穂から前穂への吊尾根、涸沢カールも綺麗に見えています。
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奥穂から前穂への吊尾根、涸沢カールも綺麗に見えています。
大キレットです。Hピークもハッキリと見えています。
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大キレットです。Hピークもハッキリと見えています。
常念小屋を後にし北上すると大天井岳です。
常念小屋を後にし北上すると大天井岳です。
槍ヶ岳が見事です。
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槍ヶ岳が見事です。
縦走路を進んでいくとヒュッテ西岳が見えてきました。
縦走路を進んでいくとヒュッテ西岳が見えてきました。
そして本日のお宿、ヒュッテ大槍です。布団2枚に1人ぐらいでした。槍ヶ岳山荘はゲキ込みとのこと。
そして本日のお宿、ヒュッテ大槍です。布団2枚に1人ぐらいでした。槍ヶ岳山荘はゲキ込みとのこと。
ヒュッテ大槍から見る槍ヶ岳の姿はお見事でした。
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ヒュッテ大槍から見る槍ヶ岳の姿はお見事でした。
笠ヶ岳、槍ヶ岳山荘を眼下に槍ヶ岳の山頂を目指しています。
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笠ヶ岳、槍ヶ岳山荘を眼下に槍ヶ岳の山頂を目指しています。
このハシゴを登り切れば山頂です。
このハシゴを登り切れば山頂です。
槍ヶ岳を後にし、南岳小屋まで来ました。北穂と大キレットは優しく迎えてくれるのでしょうか?
槍ヶ岳を後にし、南岳小屋まで来ました。北穂と大キレットは優しく迎えてくれるのでしょうか?
緊張感はドンドン膨らんでいきます。
緊張感はドンドン膨らんでいきます。
最初のうちは大丈夫だったのですが。
最初のうちは大丈夫だったのですが。
飛騨泣きで見た雷鳥です。
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飛騨泣きで見た雷鳥です。
北穂小屋から見る朝日が常念岳の真上に。
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北穂小屋から見る朝日が常念岳の真上に。
北穂から槍ヶ岳方面。よく無事に来れたものです。
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北穂から槍ヶ岳方面。よく無事に来れたものです。
奥穂とジャンダルム。
奥穂とジャンダルム。
涸沢岳を過ぎると奥穂と穂高岳山荘が見えてきます。
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涸沢岳を過ぎると奥穂と穂高岳山荘が見えてきます。
間もなく奥穂山頂です。人が多いです。
間もなく奥穂山頂です。人が多いです。
笠ヶ岳。
ジャンダルム。
奥穂山頂。
槍ヶ岳もハッキリと見えています。
槍ヶ岳もハッキリと見えています。
上高地。
ザイテングラートを下っていきます。
ザイテングラートを下っていきます。
涸沢小屋まで来ました。
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涸沢小屋まで来ました。
今日のお宿は涸沢ヒュッテです。上高地まで行ける時間でしたが予備日を当てました。
今日のお宿は涸沢ヒュッテです。上高地まで行ける時間でしたが予備日を当てました。
首が痛くなるほど見上げ続けていました。
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首が痛くなるほど見上げ続けていました。
上高地で今回の山行は終了です。
上高地で今回の山行は終了です。

感想

2003年の秋に登山を始めて、北アルプスはなんとなく敷居が高く後回しにしていた。目標にしていた『日本百名山』もこの山行前に86座登り、残すは北海道2座と北アルプス12座になっていた。北アルプスはこの2008年に初めて登った。まずは乗鞍岳・焼岳、そして白馬岳と登った。今回いよいよ夏の長期休暇を利用して常念岳・槍ヶ岳・奥穂高岳を登ることにした。

ルートは地図をご覧いただいての通り、常念岳から入りぐるっと回り槍ヶ岳、大キレット、奥穂高岳というルートにした。自分にとっては槍ヶ岳のハシゴを登れるか、大キレットを通過できるか、この二点が最大のポイントであった。北アルプス三大キレットとジャンダルムは北上より南下の方が易しいということでこのルート設定にした。

8月9日(土)、常念小屋に思ったより早く着いたので今日のうちに常念岳に行くことにしたがこれが大変なことになった。山頂に着くやいなや雹が降り始め、まずいと思い少し下に下がった瞬間、落雷! 数発ドッカンドッカン轟きわたってどうなることかと思ったがそれ以上はなく収まってくれたので事なきを得た。
その日の常念小屋は激込み。布団1枚に3人どころではなかった。この日は北京オリンピックの女子柔道の放送をしており皆さん、ヤワラちゃん(谷選手)の応援をしていた。

8月10日(日)はとにかく頑張って槍ヶ岳のそばまで行くことが目標。現地近くまで来ると情報もいろいろ聞けた。やはり槍ヶ岳山荘は激込みということで少し手前ヒュッテ大槍に泊まることにした。他の部屋の状況は分からなかったが自分のところは布団2枚に1人であった。このとき隣だった単独男性の方から大キレット通過についてたくさんアドバイスをいただいた。基準が設定できとてもありがたかった。

8月11日(月)いよいよ槍ヶ岳の山頂を目指す。槍ヶ岳山荘から山頂まで30分かかった。思った以上にスンナリ登れた印象であった。地図上30分であるがこれは渋滞を考慮しての時間設定らしい。実際、混んでいた。

そして大キレットを目指してまず南岳小屋に進む。南岳小屋に着いて、周囲を見回す。10:00ぐらいであったのでこんな多客期であっても登山者がいない。できれば同行者がいればと待ったが来たのはドイツ人の単独女性だけであった。この方が先に行かれその後を追うことになったが最低コルに着く前に抜いてしまった。もう先には誰もいない。長谷川ピークで単独男性が休憩をされており自分もそこまで行って休憩と思ったがピークに立つと見てはならない恐怖のルートが眼前に飛び込んできた。休憩をしてジックリこの光景を見ることは恐怖を倍加しかねないと思い意を決してそのまま進む。なんとか終わらせA沢コルで休憩。飛騨泣きを登るが、登れば登るほどただ標高を上げるだけで先ほどまで休憩していたところが遥か真下に見え恐怖心を増長させるだけであった。北穂小屋に着いた。ドイツ人女性も来た。この方はそのまま奥穂方面に行かれた。私はともに大キレットを通過された方、明日通過される方と一緒に酒盛りをした。このときは本当に楽しい酒であった。難関を突破した同志のような繋がりを感じた。北穂小屋、この日は布団3枚に4人。このとき同宿だった方と親密になり今も多少の繋がりがある。現在(2012年6月)は北アルプスにある家族経営の山小屋を運営する会社の社員になられたとか、、、。

8月12日(火)は奥穂を目指す。奥穂に立つといやでも視界に入るあのジャンダルムの光景は印象深い。あのジャンダルムの頂上に立ちたいと多くの人が思うのも頷ける。奥穂を辞し、涸沢ヒュッテに泊まる。日程的に一日余裕をもたせていたので時間的には上高地まで行けたが余韻に浸りたいという気持ちもあり涸沢ヒュッテ泊まりとした。そして北穂小屋で一緒だった方も同様な理由で涸沢ヒュッテ(テント)泊まりとされていた。涸沢ヒュッテから見上げる光景はいつまでも見飽きることがなかった。

北アルプス三大キレットはこの大キレットが初めてであった。剱岳はこの年の10月に登頂した。ジャンダルムは翌年。妙義山はさらにその翌年。今振り返ってもこの大キレットに勝る恐怖はない。そして得られた達成感・充実感は底無しに深いものになった。と同時にこれが自分にとってかけがえの経験にもなり、また、山の友人を作ることができた貴重な山行でもあった。そして今もって生涯最大の余韻に浸る稀有な山行にもなった。

 (2012年6月)

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