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Yamareco

記録ID: 2004923
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

涸沢〜北穂〜奥穂〜前穂〜岳沢

2019年09月04日(水) ~ 2019年09月05日(木)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
26.4km
登り
2,309m
下り
2,296m

コースタイム

1日目
山行
7:14
休憩
0:55
合計
8:09
7:12
7:12
42
7:54
7:54
38
8:32
8:50
13
9:35
9:50
0
9:50
9:50
141
12:11
12:30
167
涸沢小屋
15:17
15:20
1
北穂山頂(北峰)
15:21
北穂高小屋
2日目
山行
9:05
休憩
1:00
合計
10:05
5:05
0
北穂高小屋
5:05
5:05
141
7:26
7:26
0
7:17
7:39
57
8:36
8:53
67
10:00
10:00
32
10:32
10:41
27
11:08
11:08
112
13:00
13:12
85
14:37
14:37
12
14:49
14:49
12
15:01
ゴール地点
天候 二日間ともめまぐるしく空模様が動く日だった。
行程中に雨具の着脱を繰り返す羽目に。
過去天気図(気象庁) 2019年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
あかんだな駐車場からシャトルバスを利用。
コース状況/
危険箇所等
北穂南稜の鎖場で、濡れた岩に滑って谷側に背中から転倒した。
幸いヘルメットとザックのおかげで大事にはならず、尻の捻挫で済んでやれやれ。
雨の梓川。
横尾の手前あたりまで、雨に降られながらのハイキング。
1
雨の梓川。
横尾の手前あたりまで、雨に降られながらのハイキング。
明神岳はほぼガスの中。
2019年09月04日 08:26撮影 by  SH-03J, SHARP
1
9/4 8:26
明神岳はほぼガスの中。
横尾で休憩中に、いつもおこぼれをねだりに来る。
横尾で休憩中に、いつもおこぼれをねだりに来る。
横尾大橋
2019年09月04日 09:55撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/4 9:55
横尾大橋
夏を越えてカールに残る雪渓。
2019年09月04日 12:09撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/4 12:09
夏を越えてカールに残る雪渓。
涸沢のテン場。
翌朝上から見下ろすと、平日でもかなりのテント数だった。
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涸沢のテン場。
翌朝上から見下ろすと、平日でもかなりのテント数だった。
涸沢小屋のテラス。
北穂への分岐がある。
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涸沢小屋のテラス。
北穂への分岐がある。
このシーズン初めて見たチングルマの穂。
撮ってはいないがこの季節のこの山、花はいくらでも楽しめる。
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このシーズン初めて見たチングルマの穂。
撮ってはいないがこの季節のこの山、花はいくらでも楽しめる。
ガスの切れ間から涸沢を見下ろす。
2019年09月04日 14:00撮影 by  SH-03J, SHARP
9/4 14:00
ガスの切れ間から涸沢を見下ろす。
ピークは近いが、ガレガレの斜面。
2019年09月04日 14:53撮影 by  SH-03J, SHARP
9/4 14:53
ピークは近いが、ガレガレの斜面。
急登ではあったが、ほぼ全行程余裕を持って歩き通せた。
小屋はこの山頂の隣。
赤岳の頂上山荘のようだ。
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急登ではあったが、ほぼ全行程余裕を持って歩き通せた。
小屋はこの山頂の隣。
赤岳の頂上山荘のようだ。
TEACのスピーカーがさりげなくおしゃれな北穂高小屋の談話室兼食堂。
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TEACのスピーカーがさりげなくおしゃれな北穂高小屋の談話室兼食堂。
この一角に陣取って一杯。
3
この一角に陣取って一杯。
翌朝5時に雨中の出発。
20分後に朝日が覗いた。
昨日の後遺症の左尻が痛むが、今日も濡れた岩には要注意。
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翌朝5時に雨中の出発。
20分後に朝日が覗いた。
昨日の後遺症の左尻が痛むが、今日も濡れた岩には要注意。
スタートしてすぐに空が明るくなってきた。
雨も弱くなって何とか歩けそう。
2019年09月05日 05:20撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 5:20
スタートしてすぐに空が明るくなってきた。
雨も弱くなって何とか歩けそう。
ガスの岩場もいい雰囲気。
2019年09月05日 05:44撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 5:44
ガスの岩場もいい雰囲気。
最低のコルから涸沢岳に登り返す。
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最低のコルから涸沢岳に登り返す。
岐阜県側、槍沢の方向。
ガスが切れてきたのはありがたい。
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岐阜県側、槍沢の方向。
ガスが切れてきたのはありがたい。
吊尾根(奥穂側から)
5
吊尾根(奥穂側から)
稜線を振り返る。
手前が涸沢岳、高いのが北穂。
2019年09月05日 07:00撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 7:00
稜線を振り返る。
手前が涸沢岳、高いのが北穂。
行く手に見えるのは前穂。
行く手に見えるのは前穂。
ジャンダルムから西穂への稜線。
2019年09月05日 07:24撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 7:24
ジャンダルムから西穂への稜線。
涸沢岳から穂高岳山荘と奥穂、前穂。
2019年09月05日 07:30撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 7:30
涸沢岳から穂高岳山荘と奥穂、前穂。
奥穂到着!
2019年09月05日 08:43撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 8:43
奥穂到着!
今年中に歩きたい西穂へのルート。
2019年09月05日 08:50撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 8:50
今年中に歩きたい西穂へのルート。
こちらも西穂の稜線。
めまぐるしくガスが動いている。
これはこれでドラマチックな風景。
2019年09月05日 09:39撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 9:39
こちらも西穂の稜線。
めまぐるしくガスが動いている。
これはこれでドラマチックな風景。
ゴールの河童橋あたりが見えている。
2019年09月05日 09:56撮影 by  SH-03J, SHARP
9/5 9:56
ゴールの河童橋あたりが見えている。
紀美子平のすぐそばでライチョウの母子と遭遇。
平気で登山道の真ん中を歩いているのは末っ子っぽい。
2019年09月05日 10:16撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 10:16
紀美子平のすぐそばでライチョウの母子と遭遇。
平気で登山道の真ん中を歩いているのは末っ子っぽい。
先行する2羽を心配そうに見つめるのは母親?
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先行する2羽を心配そうに見つめるのは母親?
紀美子平から約30分で前穂山頂。
2
紀美子平から約30分で前穂山頂。
かなりの人が登ってきていたはずだが、たまたまこの瞬間には誰もいなかった。
2019年09月05日 10:50撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 10:50
かなりの人が登ってきていたはずだが、たまたまこの瞬間には誰もいなかった。
前穂山頂から岳沢方向を見下ろす。
前穂山頂から岳沢方向を見下ろす。
岳沢小屋まで下りてきた。
このルートもやっぱり下りが長い。
2019年09月05日 13:01撮影 by  SH-03J, SHARP
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9/5 13:01
岳沢小屋まで下りてきた。
このルートもやっぱり下りが長い。

装備

個人装備
ソフトシェル グローブ 防寒着 雨具 ゲイター 日よけ帽子 着替え 予備靴ひも 行動食 非常食 飲料 ハイドレーション 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ストック ナイフ ヘルメット 携帯トイレ ヘッドランプ(1) 予備電池(1) 1/25 000地形図(1) ガイド地図(1) コンパス(1) 筆記具(1) 保険証(1) 飲料(1) ティッシュ(1) スマホ ストック(1) 水筒(1) 非常食(1) ツェルト(1)

感想

今シーズンでどうしても行っておきたかった穂高連峰の縦走型トレッキング。
念願かなって歩いてきた。

状況が許す範囲で何とかここまではと、北穂から前穂まで、涸沢岳を含めて3000m峰4座を歩く2日間。
地図の上では許容範囲でも、生身の体を連れて歩けるのか大いに不安を抱えながらも、いつものあかんだな駐車場に到着。

シーズンのピークを外れたしかも平日で、本日のシャトルバスの始発は6:20.
初日に北穂山頂まで歩いておきたいのに、あまりにも時間の余裕がない。
しかもその直前に雨が降り出した。

稜線で、滑る岩場に立ち往生する自分の映像がエンドレスで流れ出し、早くも「撤退」の文字がズームアップし出した。

駐車場には結構な数の車が停まっていたが、この雨の中でもみなさん身支度をして乗り場に向かっている。
そうか、北穂がもし今日無理なら涸沢まででもいいし、横尾まででもいい。
ここまで来ているんだから、状況次第で選べるルートやプランがあるはず。
まずバスに乗ろうと心に決めることができた。
同じ時間に駐車場にいた皆さんのおかげです。
ありがとうございました。

バスターミナルでは、広い屋根の下で落ち着いて雨の対処をすることができ、気分もようやく雨モードになってくれた。
雨は降り続いているが、これなら予定通り北穂を目指せる。
あとは時間の配分を間違えないよう、イメージを確かめる。
自分の足だと標準タイムよりは多少早いので、その余裕を小休止や天気の変化への対処に充てる。
涸沢を過ぎての急登で浮かせた時間分、小屋に早めに到着できればベスト。
15時半の到着を想定してスタート。
さて、体はイメージ通りに動いてくれるのか・・・

徳澤、横尾で予定通りに小休止、エネルギー補給もできている。
うまいことに、横尾手前で雨も上がってくれた。
合羽の下でぐっしょり濡れていたTシャツも着替えることができた。

涸沢に向かいながら、あたりの景色に違和感を感じることに気付いた。
その理由に思い当たって今更びっくり。
この道を無雪期に歩いたことがなかった。
涸沢に来たのはほとんどが5、6月の残雪期。
一度9月に来たときは岳沢から前穂、吊尾根経由だった。
雪道と比べると道理で歩きやすいわけだ。

涸沢のテント群を横目に小屋のテラスへ。
ヘルメット等、稜線への準備を済ませる。
体力の残メーターは問題なし。
時間配分もよし。
ペースは押さえながらも張り切ってスタート。

テレビや雑誌でかじった呼吸法なんかも試しながら、リズムを保って動き続ける。

調子いいところに潜んだ魔物が気まぐれに現れる。
ルートが南峰への尾根を辿り、鎖場にかかるところで足元の濡れた岩に左足が滑った。
ストックをつき直せば済むような軽微なバランスの崩れだったが、何かに引っかかったストックが一瞬遅れ、半歩後ろに付こうとした足の先に地面がなかった。
谷側に向けていた背がゆっくりと落ちていく感覚があり、「あ、死ぬかな?」と妙に醒めた感想が走った。

実際には崖に張り付いていたわけでもなく、1mほど下の岩の段に頭と背中から落ちた(ずり落ちた?)だけですんだ。
勢いでその段を越えて落ちていたら、今ごろまだそこにいたかもしれない。
ザックとヘルメットのおかげで目立った外傷もなく、本当に運が良かった。
(左の尻をしたたか打ったようで、常備していた湿布を初めて使う機会となった)

山頂の少し手前からまた雨模様となり、小屋には合羽を着こんでの到着となった。
山頂近くの気温では濡れたTシャツだと低体温の心配が出て、ここでも早めに動いたのは良かった気がする。

大キレット、涸沢、奥穂からのルートが出合う立地の所以か、小屋はずいぶん賑やかだった。
それでもいつもこれが当たり前のように、スタッフの皆さんはにこやかに余裕を持って迎えてくれる。
乾燥室に濡れたものを干し、身軽になった時に初めて今日の密度の濃い一日が達成感に変わった気がしたことだ。

夜中の空は星がきれいに輝いていた。
2日目の行程を期待させる夜空にワクワクしながらもう一度目を覚ます。
4時を回って館内の灯りが灯ったところ。
窓から外を見ると・・・真っ白。
様子を見ようと外に出たタイミングでまた雨が降り出した。

北穂〜涸沢岳のルートの厳しさはよく言われるところで、雨の中を進む勇気はなかった。 つもりだった。
ただ前日の経験と、同宿者とのあれこれの話を交わす中で、少し違う基準が自分の中にできていた。

怖いからやめようではなくて、見えている状況を判断して対処すること。
この朝の状況だと、まず4時スタートだった予定を5時にスライドさせる。
(これは雨が降ったからではなく)ヘッデン頼りのリスクをなくすのが目的。
そのままゴールが1時間ずれ込んでも問題はないが、前日と同じように若干でも取り返せるだろうと判断できた。
ただ、今日は昨日にもまして急がないこと。
少なくとも奥穂までの行程ではコースタイムは二の次でちょうどいい気で行こう。

朝方の行程は、おかげでかなりの集中力を保てたようだ。
暫くして空の雲が切れてきて、登った朝日が顔を出し、雨も次第に止んでくれた。
それでも足元の岩のすべりには最大限気を付けながらゆっくりゆっくり岩場を通過していった。
高度感はあるものの、3点支持を保てるところはあまり危険を感じるまでいかずにすんだ。
ただこのルート、岩場の難度の割には鎖場の数が少ないので、その3点支持を徹底して目の前の課題を越えていくことは必要だろう。

奥穂山頂では各方面からの登頂者が集まってにぎやかな雰囲気だった。
このタイミングで視界はきれいに広がり、どの顔も晴れやかに見えたことだった。
一人、西穂方面から歩いてくる人がいて、この時間にこのルートを? と驚いた。
伺うと、ジャンダルムまでピストンしてきたとのこと。
岩も乾いていたし、行けますよと言われてしまった。
楽しみな宿題がまた増えた。

奥穂でのんびりできた分、気分を新たに吊尾根に向かった。
前回前穂から奥穂に向かって歩いた時の印象はちょっと薄れていたが、記憶していた(つもりの)ルートの状況とはかなり違っていた。
登り下りがかなり頻繁にあり、気を使う鎖場もたくさんある。
さすがにこの穂高連峰を縦走しようとすると、シビアなアトラクションが次から次に現れる。
身体に蓄積する疲労とは別に、心は一日ワクワクしっぱなしだ。

この2日間の山の体験は、また少し自分を変えることになりそうだ。
少し、ではあるけれど、以前とはここが変われる、こう変われると、明確に自覚しておきたい。

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