北ア奥地周遊
- GPS
- 32:06
- 距離
- 104km
- 登り
- 8,091m
- 下り
- 8,477m
コースタイム
- 山行
- 5:41
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 6:26
- 山行
- 6:32
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 8:07
- 山行
- 9:06
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 9:46
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 7:47
天候 | 1日目 晴れ(昼から夕方までガスがかかって冷えた) 2日目 一日中快晴 3日目 一日中快晴、夕方から曇って夜中は雨 4日目 ガス(時々霧雨) |
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過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り 新穂高温泉14:55→平湯温泉で乗り換え→松本 あとで調べたら平湯温泉→新宿のバスもあった |
コース状況/ 危険箇所等 |
流石にこの時期だと登山道に残雪はない |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ズボン
靴下
靴
行動食
飲料
日焼け止め
携帯
レインウェア
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感想
[1日目]
金曜朝5時半、松本発上高地行のバスは平日なのに補助席含め満席。正確には補助席がひとつだけ空いていたがとにかくそんなレベルだった。7時過ぎに上高地に到着し、いよいよ4日間の山旅が始まる。初日のミッションは晴れているうちに憧れの槍ヶ岳を登ること。槍ヶ岳は去年の7月に常念岳(百名山22座目)から眺めて、百名山半分登ったら絶対来ると誓った山。8月の飯豊山で50座を達成したのでいよいよ挑戦するときが来た。
天気予報では12時くらいまでは晴れでその後曇り。槍沢ロッジで最後の水分補給をし、ババ平を過ぎると長い登りが始まる。このあたりから下ってくる人と多くすれ違ったのだが、恰幅の良い人が多かった。この体型で槍ヶ岳登るのは相当な体力と強い意志があるに違いない。そんなことを考えながら登っているとついに槍ヶ岳がその姿を現す。しかし見えてからが長い。登っても登ってもほとんど景色が変わらないので長く感じたが、だんだんその姿が大きくなり、肩の小屋に到着。小屋の上でアルプス一万尺を演奏している人がいて、それを聞きながら鎖やはしごを登り、ついに来ました東洋のマッターホルン。いずれ西洋のマッターホルンも行ってみたい。
山頂で景色を堪能し、だんだんガスが出てきたので双六小屋を目指す。さっきまでクソ暑かったのに今度は急に寒くなってきた。双六小屋には2時前に着いてしまったのでその気になれば三俣山荘まで行けたのだが、寒かったのでその気にならず予定通り双六小屋にチェックイン。なお、双六小屋は電波が入らないがその前後の樅沢岳と双六岳では電波がバリバリ入る。
寒くて外を散歩する気にもならないしやることもないし、地味にお腹が空いていたのでカレーを食べて一眠り。いちいち外に出なくてもベッドから鷲羽岳が見えるベッドだったので布団かぶって外の様子を観察していた。夕方になり、ガスが晴れて夜中には星がとてもきれいに見えた。
[2日目]
朝。これ以上は望めないくらいの快晴。朝食を済ませて双六、三俣蓮華を越えて三俣山荘で水を補給。この日の水は土というか石炭のような風味がした。鷲羽岳の急登を登りきると北アはもちろん、富士山まで見渡せた。
さらに少し進んで水晶岳に到着。こちらも素晴らしい絶景。北アの仲間たちが一望でき、眼下にはこの日泊まる雲ノ平山荘も見える。
水晶岳を後にして次に向かったのは高天原温泉。温泉沢のルートは破線なので迂回することにして一旦ワリモ分岐まで戻って高天原を目指す。こちらのルートはよく整備されているが全然人に会わなかった。
高天原まではほぼ樹林帯だが、高天原だけ開けていて美しい景色が見られる。カラマツが多いせいかなんとなくジャスパー(カナダ)っぽい雰囲気を感じた。少し進むと温泉があり、その先に夢の平(竜晶池)がある。個人的には夢の平より手前の高天原の景色のほうが好きだ。高天原温泉は青白く濁っていて硫黄臭が強く、温泉らしい温泉で、温度もちょうどよく、とても気持ちよかった。
高天原からこの日の宿泊地雲ノ平へはひたすら樹林帯を登って奥スイス庭園を越えて行くのだが、奥スイス庭園の岩のあたりは目印がかなり消えていて道が分かりにくかった。ガスっていたら厳しいかも。このルートは高天原温泉へ行くメジャールートだと思うのだがこの日は1人しか会わなかった。
雲ノ平山荘に着いてから少し離れた所にある水場で補給し、部屋で休んでいると、なんと水晶岳で写真を撮っていただいた方と再会。この方をはじめ、同室の方々と歓談したり夕日で赤く染まる水晶岳を見たり、雲ノ平山荘のスライドショー(黒部源流の開拓に関するもの)を見たりして過ごした。山好きなら一度は雲ノ平山荘に泊まってスライドショーを見ていただきたいものである。黒部開拓時代の話から昨今の登山ブームや山小屋の現状などについて色々考えさせられる話であった。
[3日目]
木道区間を過ぎると薬師沢までの下りが始まる。この区間は苔のついた岩が多く、滑るところが多い。薬師沢から先は木道が整備されていて太郎小屋までラクに行ける。薬師岳の登りは思っていたよりも長く、最後のガレ場の急登は結構大変だった。この日も快晴で、薬師岳からは富士山まで見渡せ、反対側には折立の湖や富山の町や海が見えた。
薬師岳を下りて太郎小屋まで戻ると前日に水晶岳で会って雲ノ平山荘で一緒だった方に再開して声をかけていただいた。ゆっくりお話していきたいところだがこの日は行程が長いので先を急ぐ。日差しの照りつける中、北ノ俣岳を始めいくつかのピークを越えてようやく黒部五郎岳の登りに取り付く。ここまででだいぶ体力を消耗していたのでこの急登は本当にきつかった。ここに来るまで水晶岳、鷲羽岳がずっと見えているのが心の支えだった。
黒部五郎で先に着いていた方と写真を撮り合って次に目指すは黒部五郎小舎。写真を取ってくださった方はこの日のうちに太郎小屋を目指すそうな。重装備なのにすごい、と感心しつつ、よく考えたらそこまで行かないと泊まれるところがないのだった。
黒部五郎小舎には1時半過ぎに到着したのだが、翌日の天気が怪しく、まだ十分に時間があるし少なくとも今は晴れている、ということで予定を変更してこの日のうちに双六小屋まで行くことにした。小屋にキャンセルを伝えるのは心苦しいものがあったが快諾してくださった。
ここまでで体力をほぼ使い尽くしていたので三俣蓮華までの最後の登りは体に力が入りにくく、燃料棒(コンビニで売ってるチョコ入りのスティックパン)を投入。2日間ずっと見守ってくれていた水晶岳に別れを告げて三俣蓮華を下りて双六小屋に到着。どういう偶然か、双六小屋にチェックインしたら初日と同じベッドをあてがわれた。そう、ベッドから出なくても鷲羽岳が眺められる最高の場所。
[4日目]
予報に反して夜中に結構雨が降っていて、朝もまだ雨が残っていた。予報では午後から晴れで、前日のうちに双六小屋まで来ていたので行程にも余裕があり、コーヒーを飲んで1時間ほど待機。7時くらいにほぼ止んだので出発し、途中小雨が降ったりもしたが大して濡れることなく進めた。稜線上で遮るものがないので大雨が降ったら流石につらい。
途中少し日が射して神々しい光景が見られたり、雷鳥の親子や、雷鳥の群れ(4羽)、ネズミなどに会えたので天気はイマイチでも十分楽しめた。予報を信じて笠ヶ岳山荘で1時間、山頂で20分くらい待ってみたが結局全く晴れず、諦めて下山した。笠新道は急だし長いし下りで使うと膝に来る。
下山後、登山口付近の温泉に入って無事4日間の山行を終えることができた。いろんな人や山に見守られ、幸せな山行だった。
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