谷川屈指の連瀑!晩秋のオジカ沢
- GPS
- 14:47
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 1,673m
- 下り
- 1,653m
コースタイム
- 山行
- 13:59
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 14:47
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年11月の天気図 |
アクセス |
基点P 谷川温泉(湯テルメ谷川)先にある谷川岳登山口の駐車スペース(無料)/4台程度駐車可能。 林道から沢沿いを歩くルートで約1時間30分で二俣(中ゴー尾根といわお新道) そこから10分程度でオジカ沢/ヒツゴー沢の分岐がある。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
渓相:★★★★★(見事な景観) 水量:少ない(かなりいい条件だったと思います) 水質:綺麗 雪渓:なし 沢靴:イドログリップ(後半の滝からぬめりが強まるので注意) ザイル:50m×1本(3回使用) 30m×1本(敗退時の予備用) 登攀具:カム×6個 ハーケン×10枚 ハンマー各自 ナメ:多い 藪漕:詰めまで腰高の笹漕ぎ1時間程度 魚影:無し 害虫:なし(超快適) 登攀:40m滝 水流右(+)、2段30mトイ右壁(掘法12m直瀑 右壁(検 ※ザイルを出した3箇所です。 難所:滝の登攀よりも、高巻き時の草つきトラバースが危ない。 下山:稜線から肩の小屋まで登り、天神尾根〜いわお新道経由で谷川温泉へ(4時間) 備考:ビバークサイトはほとんど無いが、増水が無いという条件であれば数箇所2人が体育座りで休めるところはあった。 オジカ沢は遡行スピードが最も重要なので、特にこの時期だと足の揃った少メンバーが無難でしょう。 遡行グレード :4級 |
写真
感想
◇谷川 オジカ沢
谷川山系には名だたる渓が多数存在するが、このオジカ沢は日帰り沢としては1級品といってよい秀渓である。
故・弘田氏から「ミニオツルミズ沢」と聞いたことがあり、急峻な地形に連瀑が延々続くため、登攀要素が非常に強い沢だ。
よく遡行されているお隣のヒツゴー沢と比べ、オジカ沢の入渓者が少ないのは「一旦登りだすと敗退するのも難しい」ということからだろう。
是非とも1度は訪れてみたいところではあったが、早春は雪渓の不安、盛夏は台風や悪天と、なにかと不都合が重なり延期延期で今年は諦めていたのだが、かねてよりオジカ沢を熱望していた某山岳会のNさんが、今年最後であろうチャンスにお誘いしてくれた。
11月を過ぎ、すでに降雪もあった谷川岳への沢登りには一抹の不安があったが、驚くほどの快晴に恵まれることができた。
出だしの気温は1℃だが、林道を歩くと汗をかくほど快適。
地形図で確認するオジカ沢とヒツゴー沢の二俣は、実際の地形と異なるようで少し分かりづらい。行ったり来たりするも、かまわず進んでいくと顕著な二俣となり無事に入渓。
序盤は河原状だが9mほどの落差があるF1のナメ滝から一気に渓相が良くなり、連瀑・連瀑・連瀑で標高を上げていく。
直登可能な滝でも、10秒でも指先の感覚を失う水温なのでなるべく水流は避けた。
条件にはとても恵まれており、水量も少なくて快適。
ハイライトの1つ、40m大滝は水流右からNさんがリードでロープを伸ばす。
最初の10mのヌメリが強烈な上に指の感覚がみるみる失われ、かなり緊張するが、さすがのラインでカムとハーケン1発づつ決めて突破。(+級)
直後、2段30mトイ状が立ちはだかる。ザイルは結んだまま、ここは右壁の乾いたところを卦蘢度で突破。本日はずっとフォローで甘えさせてもらったので、ダイナミックなムーブで快適に登攀させてもらう(*´ω`)
その後も小難しそうな「逆くの字滝」などが現れるが、なるべく水流を避けて草付きを巻いていく。しかし巻きのほうもイマイチ悪く、ずーっと緊張感のある遡行となる。
後半になると多段100m近い大ナメに感動!青空に見事なナメ滝が輝いていた。
最後の3俣手前に立ちはだかる12m直瀑が厄介で、ここは右壁からあがりワンポイント元蕕里笋篝箸な匹鯏俘気垢襦
何故かここの一手で、受験生である娘の顔が浮かび、足が震えだした!「ぷるぷる病」になってしまった(汗)
せっかく誘ってくれたNさんに、こんなカッコ悪ところを見られたくないから、「えいやっ」で行こうかと思ったが、どうにも体に力が入らない。
小鹿のように壁に張り付いたまま、これがほんとのオジカ沢…とかなんとか冗談言ってる間に、みるみる力が入らなくなりリード代わってもらって、ここもNさんに突破してもらった...m(_ _)m申し訳ないッス。。。
その後も草付きのトラバースや腰高の藪漕ぎを抜けて、15時40分、無事に明るい時間に稜線へ出ることができた。
オジカの避難小屋で装備を解除し、中ゴー尾根で下山しようと計画していたが、登山道が凍結し始めていたこともあり、安全を優先して肩ノ小屋まで登り上げ、天神尾根→いわお新道でヘッデン下山。
久しぶりにミスの許されない緊張感を味わう遡行となったが、やりきった充実感のある良い渓でした。
まだまだ助けてもらっての遡行シーンもあったが、来期のチャレンジに向けて前向きになれる内容となりました。
Nさん、素晴らしい1日でした!また、宜しくお願いいたします!!
bicycle
コメント
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この時期に、オジカ沢への遂行の下山係を引き受けてしまい 正直、午後3時を過ぎると
まだかまだかと心配していましたら 4時前に「登山道に出ました。」のラインあり ほっといたしまたし、また自分の事のように とっても嬉しくなりました。
Nくん biちゃんに 私が、オジカ沢の素晴らしさを何度も焚き付けてしまった手前「来年まで待ちな」と、言いにくい立場になってしまいました。 私、いつも大変身勝手でごめんなさい。
「Nくんbiちゃん、お疲れ様です。お二人なかなかいいレベルになりました。」もうこれからは、口を挟まないように致します。 だって私のピーク時期の力に達しましたからね
中ゴー尾根を辞めて 遠回りしても、いわお新道で下山して帰られました レコを見て大自然を観る目も的確! お二人の成長を嬉しく思います。
「5級の沢より4級の沢のほうが難しい。」
これは、irorio先輩から沢の事を教えてもらった時代から気になっていた言葉でした。
弘田さんも同じことを言っていました。
そして、今回その意味がよく分かりました。
雪渓や増水の条件などによっては5級沢は困難となりますが、4級沢は条件が良くてもハードなんですね。
オジカ沢は、谷川山域で最も遡行したかった1本であり、正直年内は諦めていました。
iroiro先輩が、Nさんを焚きつけてくれたお陰で年内中に遡行することが出来ましたので感謝いたします。
僕は、まだまだNさんレベルではありませんし、全盛期の先輩レベルでもありません。
しかし、オジカ沢を無事遡行できたのは、天気・パートナー・心配してくれている仲間のおかげです。
レコにも書きましたが、いままで岩・沢をやってきて初めての現象だったのですが、1ポイントだけとても怖くなってしまい、情けないことにリードできませんでした。
無理なダイエットのせい?娘の高校受験の事?転職で悩んでいたせい?、理由は分かりませんが、初めての事でした。
Nさんが突破してくれたおかげでした。いまだに感謝が絶えません。
来年こそは、いまより少し上達して、みなさんと楽しく遡行したいと願っています。
お二人さまこんばんは。
ワタクシがお助け出してもらってやっと登れるような滝でも難なく登ってしまうbiさんでも、足が震えるほどの滝…恐ろしいなぁ。
でもそんな状況こそ、生きている証ですね。
大げさかも知れませんが、まだ死ねないと思えば思うほど、恐怖が沸々と…自分の身を守ろうとする、制御が難しい人間の本能なんでしょう。それは正常な反応なんだろうと思います。
それにしてもこの日は本当に良く晴れて良い日でしたね。
この登攀に較べれば遥かにお気楽な妙義の岩を登っていましたけど、そこから俯瞰した谷川方面はずっと雲の中でした。意外なことに晴れてたんですねぇ(´_`)
11月の寒い沢、たいへんお疲れさまでした!
こんばんはです!
SM100Cさんのコメントには、思いやりや励ましの意味合いが多く含まれている気がして、いつも嬉しく思います!!
いやー、初めての体験でしたが、怖くてうまく力が入らないんです(;´д`)
プライベートでも仕事などでも、とても大変な時期だったせいなのかは不明ですが、「えいやっ」ってやらなくて正解だったなぁ、と今でも確信しています(笑)
昨年ご一緒した湯檜曽の大倉沢のほうが、ある意味辛い遡行でしたよ(笑)
あれは寒さが尋常じゃなかったし、指の感覚も失われましたよね…
今回のオジカ沢はほとんど濡れないで行けたので、また違った難しさはありましたが。
それにしても、妙義にいらしていたのですね!!
また、次回遊びにこられるときには是非ともご一緒しましょう(^^ゞ
そらさんも、西上州で簡単な藪岩トレーニングしたいと申しておりました。
のちほど、レコにもお邪魔させていただきますね〜(^O^)
オジカ沢に反応してしまいました
20代の頃ソロで登ったことがあります。
当時は一ノ倉の各ルンゼもソロで登ってて、
その流れでオジカ沢も、ってノリでした。
大滝だけロープだして、あとの滝はどう処理したのか、バイさんの写真見てもまったく思い出せません。
たぶん今行ったら出だしの滝で敗退だと思います
南面の沢といえば、鷹ノ巣C沢の恐怖の詰めもぜひ
nukaboshiさん、お早うございます!
なななんと、オジカ沢をソロで…😓
最近のnukaさんのパワーを拝見すると納得!
鷹ノ巣Cの詰めもそんな感じなのですか〜
怖いけど見てみたい気もします。
最近、隊長を見習って階段始めました。また、冬になったら是非連れていってください。星空の撮影も、またチャレンジしたいです。
11月にオジカ沢ですか
沢の中では凍結が無かったようですが、この時期を選ぶとはびっくりです。無事、帰還されて良かったです。
日帰り沢としては良くまとまっていて良い沢ですよね。適度な滝と緊張感、素晴らしい景観。谷川の中でも銘渓だと思います。
ほとんど幕場は無いのでどうしても日帰りになってしまい、それも出来なくはないがなかなか厳しいという沢で、ロープを出していたら1.5日行程みたいなところがありますよね。15時間もの激闘、ホントにお疲れ様でした。
PS bicycleさんの上達の早さ、そして技術レベルはすごいものがありますね
yoshiさん、お早うございます。
コメントありがとうございます。
沢筋が凍結してたら、敗退するところでした(^_^;)
有利な条件としては、晩秋ということもあり、おそらく水量がかなり少なかったことですね。
いずれにしても、年内に行けて良かったなぁ、と思っています。
ちなみに、僕の技術はまだまだです(^_^;)
幸いなことに、ヤマレコや知人を通じて技量ある人と遡行できているおかげです。
yoshiさんのようなパワフルな沢ヤに、近づけるといいな…
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