仙塩尾根中部/野呂川出合〜両俣〜間ノ岳〜北岳〜御池〜広河原
- GPS
- 47:08
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 2,611m
- 下り
- 2,863m
コースタイム
野呂川出合 12:40→「あと43分17秒」看板 14:02→両俣小屋 15:00
8/26
両俣小屋 05:38→野呂川越 06:34→2699m独標 08:44→三峰岳 10:55(25分休止)→間ノ岳 12:25(15分休止)→中白根山 13:48→北岳山荘 14:20
8/27
北岳山荘 05:32→吊尾根分岐 06:24→北岳 06:42(24分休止)→両俣分岐 07:24→肩ノ小屋 07:38→小太郎尾根分岐 08:00→草すべり分岐 08:15→白根御池小屋 09:22(給水16分)→白根御池分岐 11:22→広河原山荘 11:42→広河原インフォメーションセンター 11:48
天候 | 8/25 晴のち曇 8/26 晴ときどき霧 8/27 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
山梨交通バス 甲府駅→広河原(2,000円、南アルプスマイカー規制協力金100円込み) 南アルプス市営バス 広河原→野呂川出合(580円、手荷物料200円込み) 復路 山梨交通バス 広河原→甲府駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●野呂川出合〜両俣小屋 林道区間のため、工事車両の通行がありますので注意。 両俣小屋の手前で、土砂崩れや路盤の流出に伴う迂回路がいくつかあります。標識やペンキ印をよく見て通ってください。 また、小屋近くでは熊の目撃情報があるそうです。 ●両俣小屋〜三峰岳 樹林帯は倒木多し。 ハイマツ帯に入った先に鎖場がありますが、鎖を使わなくても通れます。 むしろ鎖場のさらに先にある崩壊地(写真参照)のほうが要注意と思いました。 ●三峰岳〜北岳山荘 三峰岳〜間ノ岳の間で岩稜帯を通行する区間があります。 ルートがやや不明瞭なので、ペンキ印をよく確認する必要あり。 ●北岳山荘〜草すべり分岐 北岳山荘を出発してすぐガレ場があり、その後も山頂までいくつかルートが不明瞭な箇所があります。 肩ノ小屋から小太郎尾根分岐までは比較的傾斜も緩やかで、(晴れていれば)展望もあって楽しく歩けるでしょう。 ●草すべり分岐〜広河原 急な下りがこれでもかこれでもかと続きます。 白根御池小屋からしばらくは、地図上ではほとんど平らな道のように見えますが、実際には結構アップダウンがあって侮れません。 疲れがたまってくる頃なので、慎重に。 |
写真
感想
仙丈ヶ岳から仙塩尾根を経由して、間ノ岳〜北岳と歩く計画を立てたのは、昨年夏のことでした。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-125843.html
しかし、行ってはみたものの、仙塩尾根の長い長い下りにヒザをやられて、両俣から先の行程を諦め、下山を余儀なくされたのです。
たどれなかった区間を何とか歩いてつなげたいものだと、再び計画を練って待つこと1年。
ついにその時がやってきました!
甲府からのバスで広河原に到着し、さらに北沢峠行きのバスに乗り換えて野呂川出合で下車。
前回は両俣からしょんぼり下りてきましたが、今回は心躍らせつつ両俣へ登っていくのです。なんたる違い!
同じく野呂川出合で降りた方がおひとりいたので、話しながら一緒に両俣へ。
聞くと、どうやら明日以降のルートも同じらしいということが分かってちょっとびっくり。
(この方とは結局、その後もあちこちで遭遇することになるのですが、それはまた別の話)
両俣までの林道区間は、昨年通った時ともまた少し違っていて、「あれっ?」と思うことがしばしばありました。
道を塞いでいた倒木がなくなっていたり、かと思えば道路工事で歩行者用迂回路が作られていたり、両俣小屋の近くまで来ると(おそらく増水した川の流れで)路盤が流されていて樹林帯の中へまたも迂回したり。
1年の間にいろいろあるものですねえ。
両俣小屋に着いてテン泊の申し込み。
ここの食事は美味いらしいので、夕食だけ小屋で出してもらおうかとも思っていたのですが、食料をかなり多めに持ってきてしまったので、結局夕食も自前でまかなうことにしました。
次回こそは!
ちなみにここのテン場はかなり冷えました。川べりにあるせいかな? この翌日に使った北岳山荘のテン場よりも寒かったくらいです。
昨年はそんなに寒かった印象はなかったけど…。
あまりに寒いので、夜中にトイレに起きた際に小屋入口の温度計を見ると、10℃。
小屋前でこれだとテン場はいったい何℃なのやら。
翌朝、朝食を摂っていた4時頃、隣でテントを張っていた単独の方が出発していきました。
まだ暗いのに、こんな時間から出ていってどこまで行くんだろう?
私は5時に出るつもりでいましたが、何だかんだで支度が遅れ、準備が整ったのは5時半頃。
昨日ここまでご一緒した方と挨拶した後、まずは尾根を目指し、ゆっくり登り始めます。
野呂川越からいよいよ仙塩尾根へ。
やはり倒木は多少ありましたが、昨年歩いた野呂川越より北側の区間と比べるとさほどでもなかったような。登山道がきちんと整備されたんでしょうか?
ほぼ目標コースタイムを維持しながら尾根を通過。
途中、後から来た数人に抜かれましたが、そのうちの1人と少し話したところ「光岳まで縦走する」と言っていました。すごい!
森林限界の上に出てからは、甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳を背に、北岳を左側に見つつ進みます。
鎖場や崩壊地など、多少手こずる箇所もありましたが、思ったよりも苦労せずに三峰岳に到着。
ここからは今回の山行ハイライト、標高3000メートルの稜線歩きです。
が、間ノ岳までの登りは思っていたよりもやや急で、ガレ場の登り、岩稜帯のへつりなども現れ、なかなか一筋縄ではいきません。
しかも途中でガスが出てきて、展望も半減。
それでも何とか間ノ岳に至り、いよいよ今夜の宿泊地、北岳山荘までの下りにかかります。
中白根山までの区間、間ノ岳を目指す多くの登山者とすれ違いました。
空身の人は北岳山荘からのピストン、ザックを背負った人はおそらく農鳥小屋までの行程でしょうか。
中白根山のあたりで、後ろから追いついてきた方に道を譲ったところ、なんと両俣小屋のテン場を朝4時に出ていった方でした。
何でも、間ノ岳から農鳥岳までピストンしたのだとか。
「でも行かないほうが良かった」と言うので、やっぱり相当ガスってたのかなと思って聞くと「帰りの間ノ岳までの登り返しがきつかった」とのこと。なるほどね。
ちなみに、農鳥小屋で荷物をデポしておいたので、農鳥まではそれほど大変ではなかったようです。
この方を後から追いかける形で、北岳山荘に到着。
北岳に近い側の、富士山がよく見えるあたりにテントを設営しますが、雲がかかっていて展望はあまりありません。
夜のうちに晴れることを期待。
やがて日も傾いてきて、西の空が赤く染まってきました。
とはいえ、雲が多すぎてそこまで雄大な夕焼けというわけでもなかったですが、テン場上の稜線には結構な数の人たちが見に出てきていました。
中には前日両俣までご一緒した方の姿も。
そして翌朝。
暗いうちに朝食を済ませ、テントを撤収していると、次第に東の空が明るくなり、やがて地平線から朝日が。
期待通り夜のうちに雲はすっかり取れていて、富士山もバッチリ。
出発前しばらくの間、テン場でご来迎を堪能しました。
いよいよ北岳目指して出発。
そろそろ山頂かな…という頃、向こうから空身の方がひとりやってきます。
見ると、初日に両俣までご一緒した方でした。
八本歯のコル方面へ下りるということで、荷物も途中にデポしてあるとのこと。
おそらくこの後はもう会わないだろうと思い、最後の挨拶を交わして別れました。
ほどなくして到着した山頂は、さすがに人でいっぱい。
よく晴れて、仙丈や甲斐駒も間近に見えます。
近くの人に写真を何枚か撮ってもらったところで、下山開始。
比較的緩やかな下りを両俣分岐、肩ノ小屋、小太郎尾根分岐と快調に進み、その下の分岐から草すべりコースへ。
しかしここからが相当な急降下で、ヒザと爪先に一気に高負荷がかかります。
意識が散漫になってくると危ないので、「集中!集中!」と自分に言い聞かせながら下山。
下りでもこれだけきついんだから、登る人はかなりしんどいだろうなあ。
実際、登ってくる方々の何組かと途中で行き合いましたが、どの皆さんも漏れなく休憩中でした。
ほとんど写真を撮る余裕もないまま白根御池小屋に到着し、ここで給水。
ソフトクリームでも食べようかと思っていましたが、500円と微妙に高いのと、広河原からのバスの時間に間に合うかどうか怪しかったのもあって断念。
12時ちょうど発のバスを逃すと、次は14時まで待たなくてはなりません。
まあ、乗り合いタクシーもあるわけですが、バスのほうが車内が広くてくつろげるので、できればバスで帰りたい。
というわけで、給水が済んだところで早々に出発。
しかし、小屋から先もやはり相当に強烈な下りで、足腰ともにヘロヘロの状態になりながら歩を進めます。
途中で私を追い抜いていった単独の方も「ヒザが爆発しそうです」と言いながら下っていきました。
バスの時間がギリギリだったこともありますが、下るだけでいっぱいいっぱいで、この区間でも写真を撮る余裕はなし。
ようやく大樺沢コースとの合流ポイントにたどり着いて、道標の「広河原まで20分」の文字を目にした時の安堵感といったら!
そこから先は再び傾斜も緩やかになり、登山というよりハイキング風の恰好をした方々も見かけるようになりました。
道標の通り、きっちり20分で広河原山荘の横に出て、吊り橋を渡ってインフォメーションセンターへ。
到着したのは、バスの時間12分前でした。
ゴールの余韻に浸る間もなく切符を買ってバスに乗り込み、甲府へ。
途中、芦安のバス停で乗り込んできた方を見て、お互いにびっくり。
なんと、初日に両俣までご一緒した方でした。
こういうことってあるものなんですね。
何はともあれ、甲府からJRに乗り換えて、無事に帰宅。
天候にもそこそこ恵まれ、充実した山行でした。
何よりも、昨年のリベンジ(?)を果たすことができて満足です。
次は仙塩尾根の南半分(塩見岳まで)も踏破してみたいですね。
最後にひとつだけ懺悔を。
両俣小屋の星さん、「差し入れ」と称して賞味期限切れのお菓子を押しつけてしまい、申し訳ありませんでした…。
なお、元サイズの写真は
http://photozou.jp/photo/list/74507/7115088
で公開していますので、「写真小せーよ!」という方はそちらへどうぞ。
お疲れ様でした!
写真、どれもキレイですね。
特に満天の星空と朝の富士山、
とっても素敵!!
でっかい写真でも堪能させていただきました。
コメントありがとうございます。
写真も楽しんでいただけたようで、こちらこそ光栄です。
キレイなのは天候に恵まれたおかげですね。
星空はこんな写真1枚ではとても表現できないくらい、本当にすごかったです。
できれば2日目の午後も晴れてほしかったですが、まあ、贅沢な願いでしょうか。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する