大きな大きな南アルプス南部縦走 聖〜赤石〜悪沢
- GPS
- 56:00
- 距離
- 71.8km
- 登り
- 5,125m
- 下り
- 5,123m
コースタイム
(29日)4:05聖平小屋−4:30薊畑ー5:30小聖岳5:40ー6:45聖岳7:00−7:50聖兎のコルー8:45兎岳8:55ー10:35中盛丸山ー11:20百間洞山の家12:00−13:00百間平ー15:35赤石岳ー15:45赤石頂上小屋16:10−16:45小赤石岳ー18:00大聖寺平ー18:30荒川小屋
(30日)5:00荒川小屋ー7:00荒川前岳ー7:25荒川中岳ー7:40中岳避難小屋8:00ー9:45荒川東岳10:00ー10:35丸山ー11:30千枚岳ー12:25千枚小屋12:45ー14:25見晴台ー14:55清水平15:05−16:45鉄塔ー17:15滝見橋ー17:20椹島17:45−18:20聖沢登山口18:30ー20:05沼平
ザックを下ろして休憩したところは休憩時間として記入してありますが、終始2〜3分程度の休憩を入れながら歩いています。
天候 | 8月28日晴れ 8月29日晴れ後ガス 8月30日晴れ後曇り 一時小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
県道三峰落合線富士見峠付近が通行止めの為口坂本経由で井川方面へ。 畑薙ダム 沼平ゲート前駐車場20〜30台程 バス利用の方は畑薙第一ダム先に広い駐車場。 沼平〜聖沢登山口までダートの林道は自転車利用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは沼平ゲート前、椹島等、各登山口に設置されている。 登山口である椹島や聖沢までは通常畑薙ダムよりバスを利用。 ただ条件があるので注意。 http://www.t-forest.com/alps/park_ride.html 大部分は整備された登山道で危険箇所は少ない。 強いて言えば荒川岳、千枚岳の山頂付近は急な岩場あり。 この山域全般に言える事だが危険個所やテクニカルなところは一般登山道を外れない限りは殆どないが、いつまでも終わらない樹林帯、急登、繰り返すアップダウンなど、とにかく体力勝負。 <沼平〜聖沢登山口> ダートの林道。バスに乗っていればそれ程分からないかもしれないが、結構アップダウンがあり距離も相当長い。自転車パンクしないかヒヤヒヤw 歩けば4時間程のコースタイム。 バスで一時間強。 <聖沢登山口〜聖平小屋> しっかりと整備された登山道。 基本的には樹林帯。 吊橋あり、急登あり、トラバース気味のルートあり、岩あり、お花畑ありと変化はそれなりにあるがジワジワと長くキツイ。丸一日樹林帯からは抜けられない。 途中聖岳や滝などの眺望が良いポイントはある。 <聖平小屋〜聖岳> 小屋を出ると気持ちの良い木道。 上河内岳が美しい。 樹林帯を歩き薊畑を通過。森林限界を超えた辺りから岩がゴツゴツ。 小聖岳から上は砂礫の急登。非常にキツイ。 <聖岳〜百間洞> 急なアップダウンの繰り返し。大体2〜300m下がっては登る。 この区間はどちら側から来ても厳しいアップダウンを強いられる。 兎岳山頂手前に避難小屋あり。 水場なし。 眺望は良い。 <百間洞〜赤石岳> ジワジワと長い登り。 縦走路とはいえ、他の山域なら登山口から山頂まで登るぐらいのキツさがある。 相変わらずのアップダウン。ガレたところが多い。 百間平は広々とした平坦な場所で晴れていれば非常に気持ちのいいルート。 山頂までは急な登り。 <赤石岳〜荒川小屋> 小赤石岳まではアップダウンがあるが、それ意外は稜線の空中散歩。 大聖寺平〜荒川小屋までのトラバース道も平坦で歩きやすい。 ガレ場が続く。 <荒川小屋〜悪沢岳> お花畑の中を通る。中岳、前岳までは急登が続くが歩きやすい。 中岳からは150m下って200m登る。 高度感はそれ程ないが岩場の登りで鎖やロープなどは殆どないので慎重に。 <悪沢岳〜千枚小屋> しばらくは森林限界を超えた気持ちの良い稜線歩き。 殆ど下り一辺倒だが、千枚岳山頂付近に急な岩場の登りがある。 二軒小屋との分岐の辺りから樹林帯に入る。 見事なお花畑が広がるルート。 <千枚小屋〜椹島> 整備された歩きやすい登山道。 おそらく登りに使っても下りに使っても距離は長く、いつになったら樹林帯から抜け出せるのか?一度はそんな疑問が頭をよぎるのでは?たま〜に遠望が利くポイントが現れる。 岩頭見晴辺りには急なところもあり。 滝見橋から椹島ロッジまでは林道歩き。 <椹島〜畑薙ダム(沼平ゲート)> 一部舗装路もあるがほぼ20キロ近くダートの林道。 9割以上の方はバスを使うでしょう。 |
写真
感想
今年の夏山でどうしてもやりたい計画がある。
南アルプス南部縦走
普段から南アルプスが好きで歩いているが、日帰りが多い為どうしても行ける山が限られてしまう。それでも日帰りや一泊で多くの山は歩いたが、それを繋げて歩きたい。欲を言えば全山縦走なんてのをやりたい。
が、現実は長い休みを取ることが難しく、叶わぬ願いであった。
ところが、ふとしたことから3日間休める都合が付いた。
天気予報も悪くない・・・。
行くか。
今回思い描いた聖、赤石、悪沢の南部BIG3縦走ルートを歩く際、ネックになるのは登山口までのアクセス。
小屋を利用して軽い荷物で歩けば簡単だが、それでは面白くない。せっかく大きな南部の山々を歩くならやはりテントを担いで歩きたい。
でもテントだとバスは乗れない・・・歩くか。
さすがに林道全て歩くのはきついので自転車を利用して入山することにした。
27日夜、仕事から帰宅しパッキング。
(28日)
軽く休んで出発。
少し仮眠する予定だったが、思ったより到着が遅れてしまったので沼平に到着後すぐに準備を開始して出発する事にした。
何かあまり調子良くないな・・。
出発時間が遅くなってしまった為、日も当たるし、荷は重いしダートの林道を自転車で走るのがキツイ(T-T )
アップダウンを繰り返す林道。行きは登りが多いので半分ぐらいは自転車を押しながら進む。
途中工事車両が通ったりすると砂埃が舞い咳込む・・。
トンネルやダムを越えようやく聖沢登山口。
バスの出発の方が到着する時間と殆ど変わりません( ̄∇ ̄;)
自転車をデポして一息ついて登り始めます。
早速急な登り。汗が吹き出る。
しばらくするとトラバース気味の緩い傾斜の道になりますがまたすぐに急な登り。
休憩しているとバスの方でしょうか小屋泊荷物の登山者が追いついてきて、その後は抜きつ抜かれつ同じようなペースで歩く感じになります。
あぁ、荷物軽そう・・・いいな。
前半は深い森の中なので眺望は少ないですが、明るくなったり暗くなったり、アップダウン、吊橋、ザレたところやちょっとした岩場、花畑とそれなりに変化のある登山道です。水場で水分補給をし、滝見台で滝と聖を眺め、沢を越えると聖平小屋に到着。
兎岳の避難小屋か百間洞まで歩く予定でいたが、出発が遅れたのといまいち調子が上がらないので明日少しキツくなるけど今日はここにテントを張ることにする。
バテた(^_^;)
小屋で受付をするとフルーツポンチを無料で提供してくれた。美味しい!
テントを張り、少しゴロゴロした後周辺散策。
小屋脇の木道の登山道は素晴らしい場所だった。
ここからの上河内岳の姿は素晴らしかったし、聖岳はズドーンと風格のある容。
その後夕食(カレーとウインナー)を作って食べ、近くにテントを張った方などと少しお話したり、明日担ぐ水の用意をしたりして、暗くなり始めた頃にはシュラフの中に潜り込んだ。
前日から仮眠程度しか寝てないので眠りにつくのはあっという間。
(29日)
3時過ぎ。
目を覚ますと満点の星空。今日も天気は良さそうだ。
湯を沸かし雑炊を作る。
結露でびしょ濡れのテントを畳み荷物をまとめる。
小屋泊りの方も早い方はごそごそ動き始めているみたい。
真っ暗な中、ヘッデンのスイッチを入れ歩き出す。
小屋からしばらくは木道歩き。上河内岳との分岐からは登りが始まる。
と、こんな時間に下山者が。
声を掛けると、昨日転倒して足を怪我してしまったが、途中で少しビバークし、夜通し足を引きずりながら歩いてきたそう。
結構年配の方で傷だらけだったが自力で小屋まで歩くという強い登山者だった。
一応その方を安全な木道のところまで案内して再び登り始める。
薊畑のあたりで空が赤く色付き始めた。
藍色〜紫〜茜色に変化する空に富士山のシルエットが素晴らしい。
樹林帯を抜ける頃にはすっかり明るくなってきた。
少し汗ばんできた頃に小聖岳。まだ朝早いし風が強いので少し寒い。
ここから先は砂礫の急登、息が切れる。
背中に重くのしかかるザック、滑る砂礫の足元、吹きさらす風・・・・。
三日間歩いた中で一番きつかった。ザックを放り投げたい気分(笑)
苦労して苦労してようやく聖岳山頂!3013m
昨日からずっと付かず離れず歩いてきた年配の方二名も登頂。
この二名は聖岳で3000m峰21座を全山登頂らしく、その写真撮影をお手伝いさせてもらった。
おめでとうございます。
聖が一番きつかったそうです。
まだまだ先が長いので、風が強く寒い山頂を後にし兎岳へ向かいます。
急な岩の下り。ガンガン下ります。
200m下って200m登る。そうして兎岳山頂に。
晴れた山頂貸切。
気持ちいです♪
遥か彼方に赤石が見えますがこれからあそこまで行くのかっ!
何か別の山脈みたいに遠いんですけど・・・。
ここでも休憩は少しだけ。すぐに歩き始めます。
小兎岳、中盛丸山へもやはり100〜200mのアップダウンの繰り返し。
これが南アルプス南部の縦走。
百間洞の下降点からは百間洞山の家へ向かって下る。
ここで大休憩。
名物のとんかつを食べたかったけどこの時間はもうやってない。
ラーメンを頂き、水を補給して再出発。
荒川小屋の小屋番の女の子が遊びに来ててご挨拶。
後で追い抜かれました。
軽身とは言え毎日歩いてる小は強いね。
さて、気合を入れて登ります。
ここからは600mを超える登り。
縦走っていうより一個一個山を登って下ってまた登る・・・・。
百間洞からガレたルートを登り始めるとガスが出てきて辺りは真っ白。
小雨交じりの中、上だけレインウエアを羽織り百間平へ。
2700mオーバーの岩尾根歩き。天気が良ければ最高だろうなぁ・・・。
赤石岳の大斜面のコルを過ぎると急登が始まる。
登って登って南アルプスの主峰赤石岳山頂3120m。
眺望はないけど達成感はひとしお。
赤石岳山頂小屋では今日は聖平から荒川小屋。明日はそこから畑薙まで行くと告げるといまどき根性ある子だなと気に入ってもらった様子。
今日は泊らないけどこの小屋大好きです。
酒が好き山が好き!
赤いウエアー、ザック、靴だったので赤石岳にぴったりだななんて冗談を言いながらEさんお見送りまでしてくれた。
また来ます。
このあたりからはザックの重さと10時間を越える歩行時間でだいぶきつくなってきました。この標高でガスの中の夕方。少し冷えてきたのもあってか歩くペースはコースタイムがやっと・・・。
広々とした大聖寺平を過ぎ、緩やかなトラバース道を歩いてなんとか暗くなる前に荒川小屋へ。
聖平から来た事を知ってちょっと笑われた。
流石に今日はヘロヘロ。
テントを張って軽食を摂ったらたらすぐに寝てしまいましたzzzz
(30日)
今日は下山予定。
椹島までのコースタイムは10時間ちょい。
そこから林道が5時間程(自転車利用で半分ぐらいかな)。
今日も長い一日だけど、昨日の疲れが抜けない・・・。
天気予報も下り坂らしい。
心配だけど歩くしかないね。
そこまで天気は崩れない。
そんな気がした。
テント場から目の前に堂々とした富士山がそびえ立っていて出発前に少し元気をもらった。
5時に小屋を出発。
疲労からかなかなかペースが上がらない( ̄∇ ̄;)
荒川小屋から最初は緩やかな登り。
どーんと構える赤石の堂々たる姿が勇ましい。
ココからの赤石は格好いいなぁ〜
しばらくするとお花畑が広がる。
ここは植生保護?の為、柵がしてあるので、扉を開けて入り、出るときも扉をしっかりと閉める。ここのお花畑は本当に素晴らしい♪
この時期こんなに色とりどりのお花が咲いてるとは!
ココを見に来るだけでも充分な価値があると思います。
お花畑を抜け、岩場を歩くと荒川中岳お前岳の分岐。
ザックをデポしてまずは前岳3068mへ。
分岐まで戻りそこから10分程で荒川中岳山頂3083m。
ペースが上がらずコースタイムで歩くのがやっとでヘロヘロになっていると雷鳥の親子が出迎えてくれました。
中岳避難小屋でトイレを借り、休憩。
ここから150m下って200m登る。
またか・・・。
まだまだ先は長い。
中岳までは天気が良かったが徐々にガスが広がり、眺望はあまりないが、暑くないのは救い。こちらから悪沢岳の登りは岩場が続きます。
疲れてぐったりしながら急な岩場を何度もよじ登り今回の最高点悪沢岳(荒川東岳)3141m登頂!
ここでも山頂は貸切だったので大きな岩の上で大の字になる。
しばらく休んでたら寒くなってきたので行動開始。
後は殆ど下りのみ。
千枚岳の山頂付近で少し岩登りのアップダウンがあるがそれ以外はひたすら下り。
休憩込みだとコースタイムを少しオーバーしてしまっているが、明るいうちには椹島に下れるだろう。
ガスガスの千枚岳付近で猿が何匹か出て威嚇されてビビッた。
千枚小屋で休憩。
これから畑薙まで歩くと言うと驚かれた。
千枚小屋から先は歩きやすい樹林帯で、そこからはコースタイムの7割から8割のペースで進む。
しかし千枚小屋からが意外に長く疲れもMAX。
終わらない樹林帯・・・。
途中すれ違う方とのおしゃべりで少し元気を貰ったり体を休めたり。
リスが近寄ってきて癒されたりもしました。
清水平で 最後の水を補給し、さあ最後の下りだと思いきや、後ちょっとで椹島ってところで岩尾根の急な登りがあったりする。
ここもこれだけ歩いた山行の後半だとかなりキツイ。
最後の最後まで優しくないw
鉄塔、吊橋など、人工物がでてきてだいぶ下って来たんだと実感。
急な下りを経て林道に出てすこし歩いて椹島に到着。
林道の確認だけして、再び歩き出す。
朝同じぐらいの時間に小屋を出て先行していたご夫婦が今日のバスには乗れなかったので椹島でもう一泊していくとビールを飲んでいた。
あとちょっと頑張れ〜と声を掛けてくれた。
頑張ります(^_^)/
それ以外の人は畑薙までって言うと驚くかあきれていたw
まぁ、バスでも一時間ぐらいの道のりだもんね。
聖沢登山口で18:30。
日が長いこの時期なのでまだ明るいが、一応ヘッデンを頭につけてデポしておいた自転車に乗り込み出発。
長い長いダートの林道。林道に出れば暗くなってしまってもOKだと思っていたが
タヌキや鹿に遭遇するたびにビクビクした。ビビりだからw
帰り道は下りが多いので一時間半程で沼平へ。
前日の疲れで起きれなくて朝の出発が遅くなってしまったのと、最終日は少しおしゃべりが多かったので遅くなってしまったが何とか無事下山。
大好きな南アルプスの深い森。
長くて急な登山道。
これでもかっていうぐらい繰り返すアップダウン。
3000mを越える山々からの素晴らしい眺めや稜線の空気やお花畑。
多くの野生動物たち。
とにかく中身の濃い3日間を過すことができた。
また来るよ(・∀<)ノ
ハードで一日の大半を歩く山行を兄ちゃん頑張れよっ!と応援してくれた山小屋の方なども多かったけど、基本的には小屋に付く時間、登山時間は明るい時間にしておきましょうね。
コメント
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30日に聖小屋から下山した際、偶然聖沢に止めてあった貴兄の愛車を拝見したいへん驚きました。29日に山中のどこかですれ違っている筈ですが、もちろんそれとは気づかずでした。本当にご苦労様でした。
まさかあんなところに自転車が置いてあるとは思わないですよね(笑)
歩いてる時間的におそらく兎岳の周辺あたりですれ違っているのかな?お互いキツイところですがたぶんすれ違う方全員にご挨拶しているのできっと挨拶を交わしていることでしょう。
素晴らしい森と眺望ですが、その分長くてキツイ南アルプス山行。
お疲れ様でした。
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