西銀座DC 北アルプスど真ん中! 4泊5日のテン泊山歩 [折立-薬師峠-西銀座ダイヤモンドコース-黒部五郎岳-鷲羽岳-三俣蓮華岳-双六岳-笠ヶ岳-笠新道-新穂高]


- GPS
- 99:35
- 距離
- 54.5km
- 登り
- 4,402m
- 下り
- 4,652m
コースタイム
21:50 秋葉原駅
⇓ [毎日アルペン号 \10000-]
-day1 8/31(fri)------------------------------------------------------------
⇓
05:30 有峰口BS着
07:13
⇓ [富山地方鉄道 折立直通バス \2400-]
08:10 折立BS着
08:25 折立 1350m
↓ 1h10
09:35 三角点 1870m
09:45
↓ 1h00
10:45 五光岩ベンチ
10:55
↓ 0h40
11:35 太郎平小屋
11:45
↓ 0h15
12:00 薬師峠キャンプ場 2294m
*テン泊
-day2 9/1(sat)-------------------------------------------------------------
05:05 薬師峠キャンプ場
↓ 0h20
05:25 太郎平小屋
05:30
↓ 1h30
07:00 北ノ俣岳 ▲2661m
07:15
↓ 0h30
07:45 赤木岳 ▲2662m
07:55
↓ 0h30
08:25 中俣乗越
08:35
↓ 1h15
09:50 黒部五郎の肩
09:55
↓ 0h10
10:05 黒部五郎岳 ▲2839m
10:15
↓ 0h10
10:25 黒部五郎の肩
10:40
↓ 1h30 [黒部五郎カール]
12:10 黒部五郎小舎
*テン泊
-day3 9/2(sun)-------------------------------------------------------------
06:00 黒部五郎小舎
↓ 1h20
07:20 分岐を三俣山荘方面へ
07:25
↓ 1h15
08:40 三俣山荘
*テント設営
10:50
↓ 1h10
12:00 鷲羽岳 ▲2924m
12:15
↓ 0h50
13:05 三俣山荘
*テン泊
-day4 9/3(mon)-------------------------------------------------------------
04:20 三俣山荘
↓ 0h50
05:10 三俣蓮華岳 ▲2841m
05:25
↓ 1h20 [尾根ルート]
06:45 双六岳 ▲2860m
07:05
↓ 0h35
07:40 双六小屋
07:50
↓ 0h55
08:45 弓折乗越
08:50
↓ 0h40
09:20 大ノマ乗越
09:35
↓ 1h20
10:55 秩父平
11:00
↓ 2h15
13:15 笠ヶ岳テン場
*テン泊
-day5 9/4(tue)-------------------------------------------------------------
05:00 笠ヶ岳テン場
↓ 0h10
05:10 笠ヶ岳山荘
05:15
↓ 0h10
05:25 笠ヶ岳 ▲ 2897m
05:30
↓ 0h10
05:40 笠ヶ岳山荘
05:50
↓ 0h10
06:00 笠ヶ岳テン場
*テント撤収
06:20
↓ 0h50
07:10 笠新道分岐
↓ 1h00
08:10 杓子平
08:15
↓ 2h50(休憩0h30含む)
11:05 笠ヶ岳登山口
11:10
↓ 0h45
11:55 新穂高温泉
*新穂高温泉の入浴施設が休館及び営業時間前だった為、タクシーでひがくの湯に移動。
12:20 ひがくの湯
12:58
⇓ [濃飛バス \800-]
13:30 平湯温泉BT
*食事
16:00
⇓ [中央高速バス 新宿-高山線 \5700-]
20:30 新宿西口BT
天候 | 1日目;晴れ→曇り時々晴れ 2日目;晴れ→晴れ時々曇り 3日目;曇り時々雨→晴れ 4日目;晴れ→雨 5日目;雨→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●道の状況 ・折立→薬師峠 最初は樹林帯の登りですが、1870mの三角点からは森林限界を越えた草原歩きに。木道や石畳等コースは完璧に整備されており、歩きやすさは北アルプスno.1? ・薬師峠→黒部五郎小舎 危険箇所なし。北アルプス深部へと続くたおやかな絶景の稜線歩き。 ・黒部五郎小舎→三俣山荘 危険箇所なし。ただし三俣山荘へ直で向かうルート上の雪田のあたりは黒部源流へと迷い込みやすいので注意。(山と高原地図で'迷マーク'がついている箇所) ・三俣山荘→鷲羽岳 危険箇所なし。鷲羽岳はガレ場の登り降り。 ・三俣山荘→双六小屋 危険箇所なし。360°の大展望の稜線歩き。 ・双六小屋→笠ヶ岳 危険箇所なし。ただし弓折岳分岐以降、エスケープルートのない稜線歩きの為、荒天時は注意。 ・笠ヶ岳→笠新道 北アルプスno.1と言われる急登。延々と4時間続くゴロ石の急坂。雨で濡れ滑りやすく非常に神経をつかいました。 ●テン場の状況 ・薬師峠 太郎平小屋まで片道20分ほど。 トイレは水洗で清潔。ペーパーあり。 水場併設。 ペグ打ち可。 ・黒部五郎 黒部五郎小舎まで1〜2分。 トイレは小舎の外トイレで清潔。ペーパーなし。 水場は小屋の玄関前にて無料で利用可。 ペグ打ち可。 ・三俣 三俣山荘まで2〜3分。 トイレは山荘内。24h利用可。水洗で清潔。ペーパーあり。 水場はテン場。 ペグ打ち可。 ・笠ヶ岳 笠ヶ岳山荘まで10分。 トイレは山荘内。24h利用可。清潔。ペーパーあり。 水場は本来はテン場にあるも、枯水のため山荘玄関脇にて無料で利用可。 ●下山後の温泉情報 ・ホテル穂高 13時〜 http://www.hotel-hotaka.jp/ ・中崎山荘 奥飛騨の湯(日帰り入浴施設) http://shinhotaka.com/nakazaki.html 当日は休館日のため利用できず。 ・ひがくの湯 http://shinhotaka.com/higaku.html 新穂高温泉よりタクシーで数分。平湯温泉行きのバス停あり。 ・新穂高温泉 深山荘 http://shinzansou.com/ ロープウェイ駅より徒歩15分くらい? |
写真
トレッキングポールの先がボキッと折れました。
ポールの中の紐が伸びて連結部分もバラバラになってしまったので、ダクトテープで補修。
あと残り3日、なんとか持つかなぁ。
結構使い倒したから仕方ないけど痛い出費です。
迷っているとすれ違った登山者の方が身振り手振りで「そっちじゃないよ〜」と教えてくれたのですが、いまいちよくわからず地形図で確認。このまま進んだら黒部源流に突入するところでした。。。
レインウェアの裾が岩場で破れました。
やっぱよく言われるように、パックライトは北アルプスの岩場には不適でした。
とりあえずダクトテープで裏から補修。
viva! ダクトテープ!!
仕方なくタクシーで数分の所にある'ひがくの湯'で入浴となりましたが、タクシーの相乗りに声をかけて頂き、なおかつ料金まで払って頂いたカップルのお二人に感謝。
感想
〜西銀座ダイヤモンドコース。北アルプスど真ん中へと続く稜線歩き〜
先月末に行く予定だった西銀座ダイヤモンドコース。1ヶ月遅れとなりましたが4泊5日でテント担いで行ってきました。ずっと歩きたかったこのコース。念願かないの山旅はいかに?
〜day1 折立〜太郎平小屋〜薬師峠キャンプ場〜
前日の夜、秋葉原より毎日アルペンで出発。平日の夜にも関わらず多くの人がバスに乗車していましたが、幸いにも隣の座席は人がおらず一人で2席を利用できラッキー。乗車したバスは立山行きのため有峰口のバス停にて下車。近くの有峰駅の駅舎で折立行きのバスの発車時刻まで時間をつぶしましたが、駅舎は無人駅で常時開放されており前日夜からステビバしている男性もいました。
バスの発車時刻になりバス停に移動しバスに乗車。バスに揺られる事1時間。折立の登山口に到着です。平日にも関わらず折立には多くの登山者がおり、駐車場も結構満杯。「人が少ないルートだと思ってたんだけど結構人いるんだなぁ」と思いつつ出発準備をし、いざ!出発っ!!
=北アルプス一の歩きやすさ?=
折立の登山口からしばらくは樹林帯の登り。前日までの雨で蒸す中、汗をだらだらかきながらの登りとなりました。コース状況は斜度もキツクなく整備もばっちり。
1870mの三角点からは森林限界も越え、広い尾根の稜線歩きに。ここから太郎平小屋まではコースタイム3時間程ですが、登山道は木道ありの石畳ありのまるで天上の散歩道。天気はあいにくの曇り空でしたが、斜度もなだらかでほぼ徹夜明けの身体でも楽チンすぎる程の登りで、休憩も入れて1時間50分程であっという間に太郎平小屋に到着。この感じだったら折立から1日で雲ノ平まで行けちゃうかも!?それはさすがに無理か。
=激ウマな薬師峠の水=
太郎平小屋でキャンプ場の受付を済ませ、20分程離れた所にある薬師峠のテン場へ。広いテン場にも関わらず意外と平らなスペースがなかったのですが、到着時刻が早かったのでテン場はガラガラで選び放題。テン場には水場と水洗トイレが併設されており、そしてこの水場の水が激ウマで今まで滞在した北アルプスのテン場のなかでは間違いなくNo.1でした。
テントを張った後は時間もたっぷりあるので薬師岳までピストンも考えましたが、往復で5時間程のコースタイムのため戻るのは17〜18時。天気もいまいちでしたので薬師岳はあきらめ小屋まで散歩がてら行きビール。まぁ要はビール>薬師岳というだけの話です。
小屋でビールとラーメンで食欲を満たした後はテン場に戻りだらだら。この何をするでもない時間がだらだらと過ぎていくのが何気にいいんですよね。平和な縦走1日目は静かにふけて行きました。
〜day2 薬師峠〜黒部五郎。広大な北アルプス〜
縦走2日目。いよいよ今日から本格的な縦走スタート。西銀座ダイヤモンドコースのメイン部分です。心配された天気も朝から晴れ。今日さえ晴れれば最悪後は天気悪くてもいいと思っていただけにテンション↑。朝5時、日の出前に薬師峠を出発です。
太郎平小屋を過ぎ北ノ俣岳へのゆるやかな稜線を一人歩いていると、薬師岳の東南稜から御来光が。オレンジ色の光が北ノ俣岳のたおやかな草原の稜線を照らしだし光輝く光景は、「はい、ここ天国認定〜!」。
遥か遠くまで続く稜線には自分以外には誰ひとりいない世界。ほんとたまらない瞬間です。
そんな素晴らしい稜線を歩いてたどり着いた北ノ俣岳の山頂からは、最終目的地の笠ヶ岳の姿が。今まで北アルプスは南北に長いという印象でしたが、この光景を目の当たりにした瞬間、「北アルプスは東西にも広いんだ」と幾重にも山脈が並行して走る北アルプスの広大さを実感しました。
=黒部五郎岳でポキっと折れる…=
北ノ俣岳をすぎるといよいよ黒部五郎岳への縦走路です。水晶岳や鷲羽岳など北アルプス最深部の山の絶景を眺めながらいよいよ黒部五郎岳の巨大な山塊にとりかかった所、バランスを崩した拍子に無理な突き方をしたトレッキングストックの先がボキっと折れてしまいました。おまけに先が折れた事によってストック内のロープが伸びポールの連結がバラバラに。
「…。」
「今日ってまだ縦走2日目なんですけど。あと3日もある。。。」
もちろんトレッキングストックがなくたって登れる訳ですが、あった方がやはり確実に楽に登れる訳で、「どうしようかなぁ」と思っていたところひらめいたのがテント等の補修用に持っていた'ダクトテープ'。元々ダクト補修用のテープだけあって水にも強く丈夫。バラバラになったストックの連結部分を固定したみたところ完璧な出来栄え。折れた石突きの部分は補修しようがない状況でしたが、そのままでもなんとか使えそうでしたので何とか事なきを得ました。
=山小屋の赤い屋根=
そんなトラブルもあるも黒部五郎岳を無事登頂。黒部五郎のカール、雲ノ平などを一望できる360°の絶景に「北アルプスのど真ん中まで来たんだなぁ」という感じでした。
黒部五郎岳から黒部五郎小舎までは稜線ルートとカールルートの2つのルートがありますが、黒部五郎と言えばカールという事でカールルートを下山します。
カールには過ぎゆく最後の夏を謳歌するように高山植物が咲き、沢が流れ「はい、ここも天国認定〜っ!」。素晴らしい光景でした。
そんな穏やかな黒部五郎のカールを下ると、黒部五郎小舎の「緑の草原の中に赤い三角屋根。なんというメルヘン…」という光景が。
以前読んだ雑誌に、「日本の山小屋は赤く塗られた建物が多く景観にマッチしていない」と批判するような記事があったのですが、黒部五郎小舎を見て思ったのは、「そんな事はない。山を歩いていて遥か遠くに山小屋の赤い建物が見えた時の安堵感をあの記事を書いた人はわかっていない」と思いました。
山小屋の赤い屋根はほんと遠くからでもよく見えますもんね。山小屋に塗られた赤い色は登山者の安全も考慮した色なんだと改めて実感できました。
そんなホッとする光景の黒部五郎小舎。ここはほんと静かでいいテン場でした。ほとんどの人が距離的に近い三俣に行くせいか、テン泊する人も少なくほとんどがソロの人ばかり。メジャーな涸沢や槍穂高とは違い、「とりあえず来て見ましたぁ」的な人がおらずほんとに山歩きが好きな人しかいない感じで、心から落ち着ける静かなテン場でした。
〜day3 黒部五郎から三俣へ。テン場のハシゴ〜
一夜明け。今日は三俣まで行くだけの休息日。「思いっきりダラダラしてやる」という事でテン場を出たのは最後に。「一番最初に来て、最後に出る。なんというダラダラさ加減」という感じです。でも基本的に自分の山行スタイルは「山でダラダラする」なのでまぁ通常運転です。
そんな3日目の始まりでしたが、出発ししばらくすると雨がポツリ。「せっかくのダラダラ日がぁ」という気分でしたが、考えようによっては休息日で良かったという事で、気を取り直し三俣山荘へ向かいます。
=雪田で道を見失う=
そんな三俣山荘への道。三俣蓮華をトラバースし山荘まで直で行く道を行ったのですが、山荘まであと少しという所にある雪田の箇所で道をロスト。山と高原地図でも'迷'マークがついてるとこなんですが、雪田から降りそのままの流れで歩くと登山道が黒部源流へと流れ込む沢についている感じに見え、そのまま進んでしまったのでした。
沢に入り込む前に、「これはおかしい」と思い正しい道を探したのですが見つからずキョロキョロしてると、雪田ですれ違った登山者の方が身振り手振りで方向を示して下さったのですがそれでもよくわからないという始末。。。
最終的には地形図を出して雪田と沢の位置関係を確認し、やっと正しい道を見つける事ができました。
正しい道はなんの事ない、雪田を渡ったらそのまま東に進めばいいだけで、黄色い道標まであったのにこの体たらく。我ながら「情けな〜」の一言でした。
迷う時はなんというか視界が狭くなってるというか、見てるのに見てないというかそんな感じですね。
=雨の鷲羽岳。しかし下山すると。。。=
そんなマヌケな道迷いはありましたが、無事三俣に到着。去年は三俣は通過してしまったのでやっとテン泊できます。かなり風が強かったのでできるだけ風を避けられる場所を選びテントを設営。午後から天候悪化との予報が出ていた為、さっそく鷲羽岳に出発です。
その鷲羽岳はガスの中。昨年三俣を訪れた時もガスの中だったので、鷲が羽を休めた様な姿と形容される鷲羽岳は一度も見た事がないのでした。
「ちっ、東京に置いてきぼりのt2とk4が呪いやがったな」と舌打ちしたい気分でしたが、仕方ありません。鷲羽岳へと向かいます。
鷲羽岳のガレた斜面を登るにつれ、さらに追い打ちをかけるように雨が降りだし、「レインウェアを着て来て正解だった」と当たってもうれしくない予想にため息をつきつつ山頂へ。
着いた山頂は当たり前ながらな〜んも見えず。本来の予定では、鷲羽を越えさらにワリモ岳、岩苔乗越と進み、黒部源流を下って三俣へ登り返すコースを考えてたのですが、この天気じゃ無理だとスゴスゴと三俣に下山しました。
しかし下山するにつれ、
「気のせいかもしれないけど、晴れてきたりする?」
「まさかね、下山したら晴れるなんてそんなマヌケな話あるわけないよね」
「まさかね。。。」
「ぐわーん。晴れたじゃん。クッキリじゃん。鷲羽岳!」
という状態に。今さらもう1回登る気にもならない為、この状態でやる事といえば?
ビールしかないですよね。当然。
という事で、山荘の喫茶で山を眺めながらビールをふて呑みし、テントに戻ってからは濡れたレインウェアを乾かし、読書タイムとなりました。
で何の本を読んだかというと?
=黒部の山賊=
ご存知の方も多いと多いと思いますが、三俣山荘のご主人である伊藤さんが書かれた本です。
主に、終戦後の黒部源流域を舞台に山賊と呼ばれた猟師達とのエピソードをまとめて書かれているものですが、当時の人々のイキイキとした生命力あふれる逞しさに思いを馳せながら、舞台の中心である三俣でエピソードの起こった箇所を地図で確認しながら読み進むという行為はとても不思議な気分で、現在と過去が入り混じった有意義な時間を過ごせました。
三俣に滞在する際は、ぜひ黒部の山賊を読まれる事をオススメします。
〜day4 三俣から笠ヶ岳へ。絶景の縦走路〜
今日は三俣から笠ヶ岳へのロング。まだ日も昇らぬ暗闇の中、ヘッデンを灯し出発します。ガスの中の出発でしたが三俣蓮華岳に到着する頃にはガスも晴れ、白んだ空には鷲羽や水晶の姿が。
そして朝日が昇りオレンジ色の光に照らされた先には双六、そした槍、笠ヶ岳へと続く稜線が。昨年ここを通った時はガスで何も見えなかったので見事リベンジ達成です。
そんな絶景の中たどり着いた双六岳。ここは本当に絶景ポイントですね。東には巨大な壁のように立ちはだかる槍穂高。北には三俣・鷲羽に水晶岳。北西には黒部五郎に薬師岳、そして東南には笠ヶ岳。360°の絶景になんと20分も山頂に滞在してしまいました。
しかし笠ヶ岳は遥か遠く。絶景に後ろ髪をひかれつつ双六小屋へと下山します。
=天国から地獄=
双六小屋に着き小休憩の後、いよいよ笠ヶ岳へと進みます。笠ヶ岳まではここから6時間。まだまだ長いです。
双六小屋から登り返し弓折岳分岐へと到着すると、周囲はすっかりガスの中。これから雨が降り出すとの予報だった為、自分の心の中では、
「このまま新穂高に下山しちゃえば〜?もう、十分歩いたでしょ。天気悪い中行っても意味ないよ?」という声が。
そんな心の声をなんとか打ち消し、初志貫徹だ!!と弓折分岐から笠ヶ岳へと足を進めると、さらに天候は悪化。大ノマ乗越でついに雨が。周囲は当然ガスで何も見えず風も吹き出し雨もしだいに本降りになり、「あと30分早く降りだしていれば弓折分岐から確実に下山してたな。。。」という状況に。
しかしもう戻る訳にはいかず進むしかありません。とにかく一刻も早く山荘につかねばという事で、、、
「秩父平。あぁ晴れてたらキレイだったろうね。ココ」
「抜戸岳?標高2813mもあるんだ。でもね、パスだよパスっ!」
とひたすら黙々と歩き続けること4時間半。やっとの思いで笠ヶ岳のテン場に到着しました。
=トイレに登頂?トイレのたびにガレ場の斜面の往復20分…=
やっとの思いでたどり着いた笠ヶ岳のテン場。ここのテン場。笠ヶ岳山荘とは10分程の距離があるのですが、トイレは山荘内にあるためキツいガレ場をトイレのたびに往復しなければいけないのです。つまり、、、
「やばい、ちょ、ちょ、もう限界〜」
となってから向かっては間に合わないんですね、ココ。確実なセルフコントロールが求められるテン場な訳であります。
「え〜と、今から山荘行ってビール飲むだろ? で、テン場に戻って1〜2時間後にはトイレに行きたくなる。で、そこでトイレ登頂だわな。で、またテン場に下って。今度は夕飯でまたビール飲むよな。で、寝る前には絶対トイレだろ。いったい何回トイレに往復すりゃいいんだ? おまけに雨降ってるし。突然もよおしてもレインウェア着てる間に…。おぉーこわ〜」
という感じです。
トイレがテン場にある幸せを痛感した笠ヶ岳のテン場の一日は、こうして終始トイレの事を考えながら、静かにふけて行きました。。。
〜day5 雨の笠新道での一期一会〜
縦走最終日。いよいよ下山です。しかし今日の下山ルートは北アルプス一の急登との呼び声高い笠新道。「雨の中大丈夫かなぁ?」という一抹の不安の中、下山開始です。
と、その前に、出発前に笠ヶ岳も一応ピストンしましたよ。な〜んも見えず、ただ登頂証明の写真を撮りに行ったようなものでしたが。
という事で、下山開始です。
雨の中、抜戸岳へと続く稜線を歩き、そして笠新道分岐より下山開始し杓子平へ。晴れていれば絶景であろう杓子平もガスでな〜んも見えず、
「まぁ、いいや。これで景色に惑わされる事なく下山に集中できる。。。」という状態。いよいよ杓子平からは笠新道の核心部に突入です。
=キッつぅ〜笠新道=
その笠新道。とにかくですね、キツイ、歩きづらい!ここまでゴロ石が数時間に渡り延々と続く斜面は初めてでした。おまけに雨で石が濡れて滑る事この上なし。少しでも足を滑らせればゴロ石の上に転倒→怪我は間違いない状況で、ひたすら「集中っ!集中〜!!」で下る事1時間余り。集中力も途切れかけた時に現れたのは?
=登山道の途中で立ち話。15分!!=
雨の中、キツイ笠新道を登ってこられたシニアのご夫婦。今までもすれ違いざまに会話をするケースというのはよくあったのですが、とにかくこのご夫婦とはウマがが合うというか、初めて会ったのに初めてじゃない感じというか、とにかく話がはずみ、なんと、登山道の途中で立ち話する事15分。
今回の縦走の話、今まで登ってきた山の話、これからの予定などなど本当に会話がはずみました。
正直、笠ヶ岳に入ってからずっと視界ゼロで「いったい何しに来たんだろう…」という感じでしたが、このご夫婦との出会いは一期一会、ほんの一瞬の出会いでしたが、きっと10年後も思い出すだろうなぁと思える、心に残るものになりました。
=そして下山=
お互いの安全を祈願しご夫婦と別れ、まだまだ続く厳しい下山は続きます。相も変わらず続くゴロ石の登山道。
「雨降る中、こんな人の少ない登山道で転んで動けなくなったら終わりだ」と自分に言い聞かせ、一歩一歩慎重に下山します。2200m、1700mと標高を下げ、やっとの思いで1300mの左俣林道に合流。やっとリラックスした歩けます。
いつの間にか雨も上がり木漏れ日のさす中、歩く事1時間。ゴールの新穂高に到着しました。
到着となればまずする事は「温泉〜」。しかし、、ロープウェイ周辺の入浴施設は休館&時間前。「これは困った。。。」と思っていたところ、同じく入浴先を探していたカップルのお二人が、「少し下った所に温泉があるようなので、タクシーで一緒に行きませんか?」と誘って下さり、'ひがくの湯'へ。そしてさらにタクシー代まで「ついでだったのでいいですよ」と男性に払って頂き、申し訳ないやらありがたいやらで恐縮でした。
温泉で5日分の垢を落とした後はバスで平湯温泉に移動。高速バスで一路無事、新宿へと帰京となりました。
〜まとめ〜
4泊5日の北アルプス西銀座ダイヤモンドコース縦走。表銀座、裏銀座と比べマイナーなルートですが、富山・岐阜・長野の3県の県境をたどり北アルプスのど真ん中へと続く素晴らしいルートでした。
いくつもの山脈が並行して走り、それが一つに集束し、そしてまた離れ縦横無尽に走っていく。まさにこれぞ北アルプス。それを満喫できる素晴らしいルートです。
体力は必要ですが危険箇所もなく歩きやすく、太郎平、三俣と泊まり双六から新穂高へと下山すれば2泊3日でも十分堪能できるのでとてもオススメです。
またいつか再訪したいと思える、心に刻まれる山旅となりました。
こんにちは、zawadaさん。
レコが上がることはあらかじめ分かっていたので
「そろそろかな〜」とチョクチョクお邪魔していました。
訪問者の欄にベタベタ私の足跡が着いていた事でしょう。
急かした様でスミマセン、って実際急かしてたんですが…
雨の中の笠新道下山の部分は先に聞いていたので
相当雨に降られたのかな? と思っていましたが
復活以来の絶好調はまだ続いていたようでほぼ晴れていましたね。
話には聞いていましたが笠ヶ岳山荘のテン場。
ビール摂取量の多い身の上としてはトイレが遠いのは厳しいです。
非紳士的行動を避けるためには確かにセルフコントロールが大切ですね
4泊5日のテン泊縦走達成ですから、完全復活で良さそうですね
脚力や山での経験ではzawadaさんに遠く及ばない私ですが
テン場ビールとテン場ダラダラにかける情熱は負けていられません
早く膝を治してビール&ダラダラ山行に出かけられるようにしなきゃ
とっても楽しいレコをありがとうございました
こんばんはmuscatさん!!いつもありがとうございます。
昨夜いったんアップしたんですが、下書きに戻して編集しなおしている間に間違って削除してしまい
それにどうも日程が長くなるとうまくまとめられなくて、無駄に長いレコになってしまいすいません
しかしですねmuscatさん、晴れ男?
ちょっと「おまえは晴れ男だーーー」と自己暗示をかけてみたいと思います
笠ヶ岳のテン場はですね、晴れてればおそらく超絶景のテン場だと思うんです。
でもですね
体調はですね、仕事の疲れがたまり始めていて出発前の数日間は「ちょっと嫌な流れかなぁ〜」という感じではあったのですが、例え悪くなっても行動不能に陥るような類のものではなく、「山に行った方が案外良くなるかも」という感じだったので思いきって行きました。
結果、思った通り歩くにつれてドンドン元気になっていきました。
>脚力や山での経験ではzawadaさんに遠く及ばない私ですが
ってmuscatさん、褒め殺しですか?今日は。
テン場
膝の調子はいかがですか?つらいと思いますが今はとにかく安静&辛抱ですよ。
muscatさんの復活、お祈りしています。
私も入れ違いで新穂高〜室堂まで歩いてました。
黒部五郎〜薬師峠の間は途中でガスってきたので、正直記憶が少し薄いんですが、黒部のカールはとっても素敵でしたね。小屋のある雰囲気もいいですよね。あの赤い屋根は、緑の森に合ってると思います。
新穂高から室堂ですか!
僕もほんとは室堂から上高地まで歩きたかったんですが。
太郎平から黒部五郎は、個人的には今のところ北アルプスで一番好きなルートですね。また再訪したい場所です。
黒部五郎小舍の赤い屋根は緑の森にあってますよね。
hellokinokoさんに同意してもらえてうれしいです
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