乗鞍岳・・・生きて帰るよ
- GPS
- 12:00
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 1,437m
- 下り
- 1,423m
コースタイム
- 山行
- 10:19
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 11:46
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
2020/2/19 乗鞍岳
※長文です🙏
自身初の厳冬期3000m級に挑む。
乗鞍岳といえば、夏は観光登山も有名(来た事は無い)
冬も2000m付近までリフトで上がれるが、今回はリフトは使わない。
どうせ登るなら足で登った方が味わう達成感が違うと思うから。
制限時間、体力、運、果たして無事に登頂成功できるか・・・
天気は終日晴れ。風も3000m急にしては然程強くない。
気温は−10℃前後でこんなもんて所。
絶好のコンディション。気分上々(*^^*)
気になるのは、前日降雪があったって事と、
前日仕事夕方まで仕事、6時間運転🚙、現地で2時間仮眠ってコンディションって事💦
am6:00 ギリライト無しで歩行可能な明るさの中、計画時間より少し遅めのスタート。
スキー場のコース内を12本アイゼン、ストックで登っていく。
こじんまりとしたスキー場だが広々としたコースは、滑ったら気持ちがよさそうだ。
上級者コースは傾斜もキツイ。広々とした巨大な急登だ。
先行する2名とBCスノーボーダーが1名登っている。
am7:40 スキー場リフト最高地点。
BCスノーボーダーはリフト下の未整備部分の滑りを楽しむらしく、降りて行った。
先行の2名と会話をし情報を仕入れる。(後に千葉から来た方と知る)
先週も来たと話す彼らから、ここより先は深いと腰まで入るとの事。
スノーシュー装着の彼らに習い、ワカン装着。
彼らに新雪をラッセルしてもらい後ろを歩かせてもらった。
それでも、ワカンで体重の重い私は沈む💦
半ラッセル状態が続く。
5合目付近で休憩中の2名の前に出る。
本日初のトップ。
トレースは少し前に降りてきた歩荷さんのスキーの跡のみ。
フルラッセル状態、傾斜がある所は腰より深い💦
スコップが欲しいと思った。オーバーグローブ装着で雪を掘りワカンで潰す。
体力消耗が激しい。この後ずっとこの状態が続くのか。。。
6号目過ぎ付近で気持ちが折れそうになる。。。
「タイムアウトって事で撤退してもいいんじゃないか・・・」
そんな弱気な考えが浮かんでは消える。
後をスノーシューで登ってくる登山者あり、トップを譲る。
助かった、これで半ラッセル状態に戻れる(;^_^A
その後も数名の登山者、BC者に抜かれる。(リフト組が追いついた様だ)
am11:30 7合目過ぎの急登を強ラッセル状態💦で、登りきると・・・
雪の広い台地に出て目の前に乗鞍本体の剣ヶ峰が姿を現す(*'ω'*)
気が付くと10名以上の登山者、BC者となっていた。
とりあえず取付きの避難小屋を目指す。広すぎて避難小屋が遠い。
am12:15 避難小屋とたどり着き、ワカンを外し、ストックをたたむ。
代わりにピッケルを出し、お腹にはアンパンとおにぎりを押込んだ。
ここからは、ハイキングからアルパインって気分(^_^)v
(この後、本当の上級アルパインになるとも知らず浮かれていた)
肩の小屋までの急登を踏み抜きながらも登っていく。
右足の膝裏の筋肉が黄色信号のサインを出して来てる。
このまま踏み吹きが続けば足が持たなかったかもしれない。
pm13:30 肩の小屋に取付くと雪煙と強風で氷の世界。
小屋も雪と氷で閉ざされてる。
剣ヶ峰口の標柱のエビの尻尾も氷の尻尾。
気が付くと10人以上いた登山者の姿が無い。
避難小屋で近くにいたカップル2名の登山者しか居ない。
みんな何処から登ったのか?どこに行った?
この先、風で消えたのかトレースは無い。
数日前に登った方のトレースGPSデータを頼りに進む事にした。
pm13:40 剣ヶ峰へアタック。
序盤は緩い斜面で雪orアイス。
朝日岳の下をトラバースして登り朝日岳と剣ヶ峰の間のコルを目指す。
段々斜度がきつくなっていく。
正直、後ろを振り向くのも勇気がいる。
確実にアイゼンの歯を雪orアイスに突き刺し、いつでも制動停止体制に入れる意識でピッケルを持つ。
一歩一歩進む。そして気が付くと・・・
上は見上げる程の急斜面。下は落ちたら一気に数十メートル滑り落ちる感じだ。
もう戻る事は出来ない。上に登るのみだ。
恐怖心に負けそうになる気持ちを奮い立たせ、
「上に行くんだ!絶対に死なない!」と自分に言い聞かせる。
先行するカップル2名の跡を追い、ひたすら登る。
pm14:20 最後のトラバースを越えコルに到着。怖かった〜💦
振り返ると、千葉の2名の方が登ってくる。
てか、立っている所がすごい斜度だ。
私もあそこを歩いてきたのか・・・(;'∀')
先行してくれたカップル2名。
私たち2名。
千葉から来た2名。
6人無事にコルにたどり着いた。
山頂まではすぐ近くあと少しだ。
pm14:50 時間的にはギリかな💦
剣ヶ峰(乗鞍岳)登頂成功(^^)/
千葉の方から、拳と拳で称えあった(^_^)v
山の裏側には火口湖があり凍り付いて雪で真っ白だ。
穂高連峰、八ヶ岳、南アルプスと素晴らしい景色(*^^*)
がしかし、爆風(;´Д`)そうここは厳冬期3000m💦
山頂で皆思い思いに記念撮影を。しかし・・・寒い💦
頭のどこかに下山大丈夫か?と心配になる。
am15:00 下山開始。
先ほどのコルまで戻り登ってきたコースを見ると、日が陰りアイス斜面は真っ暗。
コルから真っすぐ下の斜面はまだ明るい。
どこも斜度、雪orアイスは同じだ。見方によっては崖だ・・・
明るい斜面を降りる事にした。
アイゼンをしっかり差し込み一歩一歩降りていく、
薄いトレースがある様に見えた。
先行したカップルの女性が転んだが、無事立ち上がった。
滑落せず良かった・・・
男性はスキーで降りると上で準備中・・・
女性にトレースらしきものがあると伝えた。
女性もトレースらしき方向に向かうと返答、その直後、彼女がまた転んだ!
(私が声をかけたからかも・・・)
そしてそのまま、一気に滑落!一瞬の出来事だった。
超高速滑り台の斜面を数十メートル一気に!
彼女の体は、下の雪のくぼみで止まった。
早く救助に向かわなければ!でも自分も一歩一歩しか進めない。
自分の足元、ピッケルに神経を集中させなから、倒れた彼女に目を向ける。
彼女が起き上がった!生きてる!立ち上がった!
私の後ろを降りてくる相方にもコースを合図しながら、滑落した女性の元に到着。
「怪我は?」の問いに「少し肩をぶつけたくらい」と返答。
良かった。ほぼ無傷と聞いて涙が出てきた。
そこに相方も降りてきて無事を聞いて安堵。
さらには男性もスキーで降りてきたが、「(スキー)難しいなー」と男性・・・
男性はスキー装着に夢中で、彼女が滑落した事に気が付いてなかったのだ。
事情を説明すると、「うそ!本当に!?怪我は?!」と。
途中に岩が無かった、斜面の下は昨日の新設でモフモフだった事が幸いした。
来た道を下山したが、途中で黄色信号のサインを出してきた右足が釣りまくる(-_-;)
ラッセル、踏み抜き動作で、膝裏の筋肉が足の上げ下げ動作に耐えられない。
なるべく踏み抜かない場所を選びながら降り、
相方と滑落事件を話しながら、登山の危険性を身に沁みながら・・・
pm18:00 下山完了と同時にほぼ闇夜に、12時間のチャレンジが無事終了。
今回、達成感も半端ないが、
それよりも、”危険性”、”生と死”をすごく考えさせられた。
千葉の方も、カップルの男性の方も上級者みたいだが、私は登り結構必至だった。
下山の時は躊躇わずに斜面に進んだ自分を今思うと、高度感覚バカになってた気がする。
上級者に言わせると笑われちゃう話なんだろうけど・・・
正直、ここまで危険な山旅は望まないな。。。
後に語る為の武勇伝もいらないな。。。
安全に楽しい登山で十分だもの(^^♪
厳冬期の乗鞍岳に連れって言ってと山友さんに言われても断り。。。
とても、連れの人の事までサポート出来る状態にない(+_+)
もし、連れて行った人が恐怖心で登れたが降りれなくなったら・・・
サポート出来る余裕があると判断した山以外は無理だと。。。
山で死ぬなら本望?いやいや、無事に帰って、
暖かい温泉♨と、美味しいごはん🍚が絶対に良いとすごく思う。
下山後、温泉♨、美味しいごはん🍚を食べ(*^^*)、
仮眠をしながら運転🚙、朝方4時頃に帰宅。
自分のベッドの暖かさと幸せを感じながら、死んだ様に眠るのでした・・・
おつかれさま!
そして、登頂おめでとう。
無事に帰って来てくれたこと、ありがとう
(*´꒳`*)♡
2人とも、カッコいいです。
雪山の怖さを体験しました。下見れないってほぼ無いのに、そんなゾーンに入ってしまった💦
ビビリヤローだなーって思うけど、その位で丁度いいです(汗)安全に戻れば、また、皆さんと楽しい登山出来ますから😊その際は宜しくです😊
感想の文章、一気に読みました!
読んでるだけで雪山の恐ろしさを体感出来る詳細な内容、滑落した女性、本当に大事に至らなくて良かった(><)✨
私から見たらmobiさんは立派な玄人の山人だと思って居るので、そんな方も恐怖に負けそうになったりするんだと、山の怖さを再認識させてもらいました(>_<)✨
いやー、無事で良かった✨
ダラダラと長い文章にお付き合い下さってありがとうございました💦少しでも伝わったなら良いかな😅
私もまだまだヒヨッコですよ、回数だけで、今回の様な中身の濃い山旅してないですもの💦自分の知らないゾーンに踏み入れた時、やるしか無いとなった時、凄い集中力が出るもんだと我ながら感心しました😁恐怖心は個人差はあれどあった方が良いと思ってます。多分無いと無謀な行動にどんどん・・・
まあ、安全で楽しい山旅が一番ですよ😉
ご心配おかけしました🙏
mobiさん、おはようございます!
無事登頂出来て良かったですね!
実は乗鞍岳、雪テンでお邪魔しようかと計画しています(毎年行きたいけれどお花が咲き始めるので行かずじまい)
白い雷鳥さんと会いたくて。。
山頂に行くなら、氷のトラバース区間と雪崩が要注意ですね
アイスアックスが欲しくなります
ドキドキしながら拝見しました。
ご無事で良かったです…😥
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