北鎌尾根〜天狗池〜横尾右俣カール
- GPS
- 56:00
- 距離
- 38.1km
- 登り
- 2,526m
- 下り
- 2,526m
コースタイム
二日目3:50出合-5:50北鎌のコル-8:30独標付近-13:10槍ヶ岳山頂
15:00槍ヶ岳山荘発-16:30天狗池
三日目4:30天狗池-6:10右俣カール-8:30本谷橋-11:10河童橋
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
‐綛眞蓮楚緞鷯莟曄О貳牝察水俣分岐からの急登もルート明瞭 ⊃緞鷯莟曄阻務沢出合:下りは出だしが特に急でざれていて滑る 出合〜北鎌のコル:急だが岩は安定していて快適な登り ぅ灰襦粗班検Д肇薀弌璽拘泙瓩篤Г濱很昔董クラックだけやや難しい テ班検阻務平:巻き道も使うが、稜線に向えるルートがあれば迷わず登る λ務平〜頂上:チムニー状の岩場を3か所くらい登った Щ柿顱租袈蘆咫О貳牝 天狗池〜横尾右俣カール:下りが見た目より急でざれており悪い カール〜本谷橋:快適な沢筋の巨岩下りだが多少長い 本谷橋〜上高地:一般道 |
写真
感想
6年前、初めて北アルプスに来たのが槍沢経由での槍ヶ岳で、その時は
がむしゃらに大喰岳〜中岳〜南岳の稜線を進み、キレット越えをしました。
それから毎年のように北アルプスに来て、西鎌、東鎌もトレースし、今回
当面の目標であった北鎌尾根をトレースすることが出来ました。
「北鎌尾根」は登山をしている人からしたら、一度は行ってみたいと思う
憧れのルートだと思いますが、なにやら体力も相当いるし、ルートも難しそう
ということでなかなか一歩が踏み出せない方も多いと思います。
この記録は、「北鎌尾根」に行ってみたいが、自分が行けるレベルなのか、また
行くためにはどのような経験や準備が必要なのかを個人的な見解ですが記載
しようと思います。一人でも多くの人が、無謀でなく、綿密な計画に基づいた
北鎌尾根登攀を実現できるように手助けが出来ればと思います。
【登山歴(主なもの)】
仝緡山縦走
剱岳(別山尾根)
∪省罅疏篏珍
K綿翕賣如淵愁蹇
け又白池〜5・6のコル(ソロ)
チ以翹免根下半(ソロ)
α以翹免根上半(雑誌の企画でガイドさんと)
Г修梁沼登り(赤木沢)や積雪期登山(八ヶ岳硫黄岳〜赤岳縦走等)
【普段のトレーニング】
―1回程度のボルダリング(4級くらいです・・なかなか上達しません!!)
月1回程度のリードクライミング
6畩譴了海任離肇譽ぅ襯薀鵐縫鵐
っ聾気了崖拵¬舛離ライミング講習会を一度受講し、その後は技術書を数冊
読んで、クライミングのシステムを勉強しました。
【装備・・・軽量化】
.▲廛蹇璽船轡紂璽此淵侫.ぅ屮謄鵑離イドテニー)
▲競奪(オスプレーのバリアント37/大きすぎると登攀に影響すると思う)
K覬帖淵侫.ぅ鵐肇薀奪のツエルト供織献Д奪肇椒ぅ襦織轡絅薀奸織泪奪氾)
ぅΕД各種
ヅ俘偽顱淵悒襯瓮奪函織蓮璽優后ATC/カラビナ/スリング/30mロープ(8mm)
Ε悒奪疋薀ぅ氾その他いろいろ
≪上記を踏まえて、出発までに必要な事項≫
※個人的見解ですので参考程度に見てください。山は自己責任で!
‖領蓮Д肇譽薀鵝Ε椒奪等により機動力を高めておくこと
経験:最低でも西穂〜奥穂はトレースしておくこと
不安的なホールド・浮石を含むルートを多く経験することが自信に
つながります。
5蚕僉Д椒襯瀬螢鵐阿5級程度(北鎌の核心部を確保なしで通過する場合)
ムーブがどうこうということはありませんが、身体の使い方を身に
つけておくことは重要だと思います。
ち備:軽量化が安全性・快適性・成功率を高めると確信しています。
今回は水を2.5リットル含めて12キロくらいでした。
しかしながら、懸垂下降が可能な装備を持参する、ということで
重くはなりますが、精神面では非常に重要でしたので、登攀具は
持っていくことをお勧めします。
ヅ係:初めて行く、ましてやソロならば晴れの日(少なくとも雨で岩が濡れない
日)を選んでいくこと
微妙な判断ならばルートを変更する勇気も必要
初めて行くのであれば、以上5点のバランスが大切だと考えます。
ボルダリングで初段が登れても、アルプスでの岩稜縦走の経験がなければ
不十分と言わざるを得ません。なぜなら、北鎌のホールドやスタンスは十分に
欠落する可能性があるし、荷を担いでの登攀はボルダリングとは違うからです。
北鎌尾根が登山の総合力を試されると言われている所以でしょう。
さて、以下は登攀のポイントです。
/緞鷯莟曚泙如ΑΑΕ丱討覆い茲Δ法F饅蠅呂△蠅泙擦鵝
⊃緞鷯莟曚らの下り・・最初が急です。踏み跡は明瞭で迷うことはありません。
K務沢出合・・ケルンがありますが、出合は涸れ沢でした。
に務沢・・登攀前日に右俣分岐を偵察に行っておくことをお勧めします。
それ以降は本筋を登ることとコルめがけて登ることを意識すれば
迷う箇所はありませんでした。600m以上高度を上げるので、
早出して暑くなる前にコルまで着けるようにしましょう。
北鎌沢は巨岩の岩登りのような感じで、本番に向けたアップに
ちょうどよい感じでした。
ゥ灰襦粗班検Α1か所残置のかかる岩場だけ少し悪いですが、それ以外は
とにかく踏み跡が明瞭で迷うことはありません。
ζ班検ΑΕ肇薀弌璽稿口は崩壊が進み、細心の注意が必要です。フィックスが
ありますが、岩角で擦れているので補助的に使いましょう。
トラバース道は遠望してみるよりははるかに踏み跡がしっかりしていて
すぐに終わってしまいました。例の出っ張り部分も容易でしたが、
残置スリングのかかったクラックはやや難しかったです。
クラックを抜けたら、そのまま上部のスラブを詰めて稜線まで出ます。
P15まで・・ルートファインディングを要する北鎌尾根の核心部です。
自分が思うルート取りのポイントを表現すると、
「原則稜線。巻きのほうが明瞭なら少しは巻くが、稜線へ向える
ルートがあればすぐに登る」です。それから、下りで「右か左か」
で悩む箇所が出てきますが、基本「右」でいいと思います。
また、稜線やピークに出て、下りられなくなることはありません。
P15は懸垂支点となるスリングが残置されていますが、ここまで
これた方は十分クライムダウン可能です。自分はせっかくロープを
担いできたので懸垂しましたが。
頂上まで・・本峰が近づいてくると迫力がすごいです。正面どこを登るのかと
不安になりますが、ルートは北鎌平から左上していきます。
直下周辺のルートも何通りかあるように思いましたが、自分は
チムニー状の岩場を3か所登りました。最後のチムニーが
ハイライトで、荷物が重いと確かに厳しいかもしれません。
そこを抜けたら1分で山頂祠に到着です。
今回は天気が崩れる心配もなく、快適な登攀が出来ました。
例のザック2つがデポされているあたりには猿の群れがいたり、オコジョが
姿を見せてくれたりと癒されました。
今回は出合のビバークで70歳前半のお二人のパーティとご一緒しました。
おひとりは若かりし頃マッターホルン北壁とグランドジョラス北壁をやった
ツワモノで、もうひと方は70歳頃にクライミングをはじめたばかりという
方でした。お二人ともすごく元気で、上高地から出合までのアプローチなどは
自分より早いくらいのペースで、ツエルトの設営や撤去などの行動が速い!
少なくとも70歳までは、こうやって登山が出来るな〜、と勇気を頂戴しました。
なにかを始めるのに、遅すぎることはないんだ、と本当に思いました。
一度きりの人生、自分がやりたいことに挑戦していきたい、そしてお二人の
ようなカッコイイ70歳になりたいです!
さて、北鎌編は以上で、下山ですが、水俣乗越経由で来ると、槍沢経由で下山
すると道が重なりすぎてつまらないし、飛騨沢も南岳〜キレットも行ったし、
新しいルートで、と以前から狙っていた天狗池と横尾右俣カールへ。
槍ヶ岳山荘で焼き鳥丼を食べてのんびり休憩してから天狗池へ。
天狗池周辺でビバークし、翌日横尾根のコルまで登り、コルからカールに向けて
下ります。この下りが見た目より悪くて苦労しました。
カールと言えば涸沢ですが、こちらのカールは自分一人で静かな楽園が広がって
いました。紅葉の頃も綺麗かと思います。
カールのお勧めは、ボルダリングにぴったりな巨岩がゴロゴロしている点です。
ソロじゃなければスポットしてもらってチャレンジしてました、絶対!
右俣の沢下降は快適でどんどん下れますが、本谷と出合う手前に1か所フィックス
ロープがあるところだけ注意が必要です。
しばらく長いゴーロの下りが続いた後、急に眼前に本谷橋があらわれて一安心
です。ここで休憩、ウェアをトレランスタイルに変更しスピードアップして
上高地まで下山しました。
メジャーな稜線歩きはもちろん最高ですが、奥又白池や横尾右俣カールなどの
静かなちょっとバリエーションのルートもおススメです。
さて、これからの目標ですが・・・
}岳(八ツ峰6峰Cフェース〜八ツ峰上半縦走)※今年荒天で敗退したため
¬誠棲
K務戰丱奪肇譽
ぶ風岩
ゼ眈鶻
上ノ廊下
八ヶ岳(裏同心ルンゼアイス・赤岳主稜・阿弥陀岳北稜)
and more!
みなさんの山行記録を参考にしながら今後も登山・クライミングを
続けていきたいと思います!
長文お読みいただきありがとうございました!!
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