小蓮華山・雪倉岳・朝日岳・五輪山・横前倉山
- GPS
- 21:43
- 距離
- 43.1km
- 登り
- 3,493m
- 下り
- 4,771m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 7:15
- 山行
- 11:30
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 13:05
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
・来馬の駐車適地に一台車をデポ |
写真
感想
<3/25 ㈬ 快晴>
久しぶりに好天周期がくる。一か月前から計画書を提出してそれを待っていたプランは、残念ながらパートナーの仕事や体調不良によって流れた。唯一生き残った私は、白馬のタクト&一石さんと、これまで行ったことのないエリアへ旅立つことにした。朝3時過ぎに起きて車を走らせる。安曇野から見る常念が相変わらず素晴らしい。下山後の交通手段である車は、二人が来馬にデポしてくれた。栂池駐車場にとめてチケットを買う。計画書の提出はこれまで通りだったが、今回はいつも以上に根掘り葉掘り聞かれた。が、肝心のチケット係の人が地名やルートを理解していないので、噛み合わない。遭難が多く、警察から色々聞くように言われているんだとか。
ロープウェイ乗り場では色んな人に会った。サンライズヒルパーティ、えんでかしとケノザ、ダブル柴田さんなど濃い面々である。たぶん2台目のロープウェイに乗って自然園へ。平原の移動はいつものだだっ広い所ではなく、斜面をトラバースするようについたトレースを辿る。少し離れた堆積区ではなく、走路を何度も横切るので少し恐い気がした。途中で先行2パーティを抜いて先頭になる。主にタクトのラッセルで稜線へ。あわよくば小蓮華BBなどと考えていたが、相変わらず固そうだった。ここにトップから良い雪が乗るような奇跡はいつかくるのだろうか。
小蓮華までの稜線では、雪の溜まった東面やスティープな白馬岳にどうしても目が行く。そのためか今まで雪倉や朝日の方面に繰り出したことがなかった。3時間で小蓮華山頂着。いつも通りだ。滑走準備をしていると二人のパーティが白馬の方へ抜けて行った。我々は北西面へ滑りだす。上部200mほどガリガリの移動だったが、傾斜が緩くなったボウル状にパウダーはあった。一石さんがなぜかめっちゃパウダー8してくる(本人は無意識らしい)。斜面を変えて遊びながら登り返しポイントまで、予定よりも標高差で150mほど多く滑ってしまった。
一時間ほど登って避難小屋へ。こちらは引き戸がバリバリに凍り付いて全く開かなかった。雪倉山頂付近はハイマツが黄緑色で色鮮やか。二重山稜も目を引く。雪倉山頂からは日本海と目指す朝日岳。振り返っても、普段見ない角度からの景色に気分が高揚する。ここも山頂から150mほどはガリガリ移動。その後カール状の地形にパウダーが溜まっていた。最高。傾斜は無いが光の入り方とロケーションがとにかく素晴らしい。もう1つのボウルは残念ながら雪が無く、右側から巻いて最後はトラバースして尾根に復帰した。予定通り小桜ヶ原手前の2000m地点にイグルーを建設。初イグルーは3人がかりで120分もかかったので、まだまだ修行が必要だ。富山湾の夜景と星空を見て就寝。
<3/26 ㈭ 快晴>
4時起床。5:40分頃イグルーを出る。稜線で日の出を拝む予定が少し遅れてしまった。このあたりではなぜか「上海ガニ食べたい♪一杯ずつ食べたいよ〜♪」というのが脳内でリフレインしていた。朝日岳山頂からは栂海新道の道筋がクッキリと見て取れる。犬ヶ岳、白鳥山への稜線は地形図上では細く見えていたが、スキーでも十分移動できそうに見えた。今度は日本海を目指そうか。少し外れたところにある初雪山が一際白かった。山頂で今回唯一のセルフタイマー集合写真を撮る。時間的に五輪山へ行くかどうか迷ったが、タクトの希望もあって計画通り五輪山を目指すことにした。まぁ、オリンピックイヤーだからね(下山後に延期を知る)。
お決まりの150mガリガリ移動の後、気持ちの良い一本を滑って五輪山へトラバース。ハイマツが多いがシールで行けた。山頂にケルンあり。タクトが斜面を確認し、広大な南東面へ。ストップスノーも出てきたがとにかく広くて素晴らしい斜面で、あっという間に五輪高原へ下りた。白高地沢橋から少しツボで登り、また板を履いて瀬戸川橋を渡る。雪の付き方がいやらしくちょっと怖い。ここから兵馬ノ平、さらに蓮華温泉までの登り返しをコースタイムに考慮しておらず、思っていたより時間がかかった。
蓮華温泉は今年、約70年の営業で初めて雪不足のため春スキー営業ができなかったそうだ。当然閉まっていたが、乗鞍沢から下りてきたスキーのトレースが2本あって、ずっと木地屋の方まで続いていた。既に疲労困憊の我々は行き先に迷ったが、結局車をデポした来馬に下りるのが一番効率的だろう、という結論に。そこから地獄の林道歩き。歩きながら6年前にここを白馬ローカルに連れられて歩いた記憶を辿っていた。二大松、ジョニーさん、ゆうひ君と超濃厚メンバーにお一人名前を忘れてしまったが、スノーシューのボーダーがいた。「シューの地獄に比べればスキーは楽だ」と自分に言い聞かせて板をスライドさせる。
栂平から林道を外れてコルに登り返す。ここはピンクテープが多過ぎた。コルから移動のための滑りは思いのほかよく走って楽しかった。風吹大池まで最後の長い登り。既に斜陽で木陰はそれほど暑くなかった。大池と小敷池を巻いてコルへ。最後が急で雪が不安定だと怖いだろう。横前倉山は最後のピークなので、山頂へ。長かった旅の終わりを感じた。ここから少しだけ北面を滑って東へトラバース。下山の中尾根は細くてまあまあ怖い。雨が降ったらもう終わりだろうか。来馬の林道は650m地点まで雪があったが、そこから先は除雪されていた。大きなカーブを曲がったところで先に下りたタクトが車で迎えに来てくれた。もう夜だった。
好天が約束された2日間。
tomahawk、onestone、自分のキャンモアOBOGトリオで未だ訪れたことのないウィルダネスを旅してきた。
感想としてはとにかく最高だったということ。詳しいことは2人が既に書いてくれているし、感じた事や頭の中でループしていた曲も同じである。
ということで私は個人的備忘録だけを残しておくことにする。
ヘッデンの予備を常に持つ
船越稜線直下に1.5破断面
登高ラインはさほど不安定でない
G3クランポンストラップ破損
イグルーについての理解を深める
リペアシートtomahawk氏に感謝(注文済)
じゃがりこはポテトサラダになる
起きたらビーコン
ヤッホー平までのルート(答え合わせ山行計画済)
ヘリテイジボトムバッグ◎
GrandTeton105使用
急斜面は無さそうにしろ自分についていけるのだろうか、でも行ければとても贅沢な山行になるに違いないと思い、参加させてもらうことにした。
普段見えている白馬三山の裏側には、街からは見えないスキー天国と日本海が広がっていた。
旭岳はキリッと尖っていたし、目指す雪倉、朝日は白くまるまるしている。
これまで名前も知らなかったけれど、スキーに良さそうで行ってみたい山もいくつか見つけることができた。
小蓮華や雪倉からの滑り込みは硬いところも多々あったが、落とせばパウダーといった斜面ばかり。なによりロケーションが最高だ。
イグルー作りは実際にやってみて気づくことが多かった。私は主に雪の切り出しをしたが、薄めで長い雪板を作り出すのが難しい。雪があるうちにまた作って、試行錯誤してみたい。この日は富山湾に沈む夕日を眺めながら、どうにか作り終えることができた。
Tomahawkさんがいろいろ用意してくれたおかげで、満足感たっぷりの夕食&朝食だった。
2日目は朝日岳から。海がすぐそこに見える、というだけでこんなにテンションが上がるのか。
五輪山は今まで名前も知らなかったが、南東面は低木のまばらな良い斜面だった。五輪高原も、もこもこした地形でおもしろい。
谷へ下り、登り返しは暑いのでスキンメッシュで登った。
長い林道では心が折れかけたが、山頂へ行こう、というTomahawkさんの言葉にひっぱられてどうにか横前倉まで行けた。
横前倉のコルから下の斜面はカチカチではないものの固く、かつ私にとっては急だったのでほとんどトラバースと横滑りでこなした。下部の細尾根はもう雪の量的にぎりぎりな感じで、27日の雨でさらに厳しくなったと思う。
白馬に来て4シーズン目。ようやくスキーを機動力として活かせるようになってきた気がする。
普通の山行の5日分くらいの濃さがあった。
ルーファイも2人に任せっきりで、本当にどうにかついていっただけだったが、行ってよかった。
お二人とも、ありがとうございました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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面白いルートどりですね。小蓮華から落とすのは考えたことありませんでした。さらに角小屋峠から下りモードの気持ちを風吹まで上げる根性、見習いたいと思います。
私も次回挑戦したいと思います。
コメントありがとうございます。来馬に車をデポしてたので、意地で横前倉山まで登りました。そうでなければ木地屋だったでしょうねw 猫又山の記録拝見しました!今回あちらの山も気になったので、いつか行ってみたいと思います。
返信ありがとうございます。
猫又はオオナル谷を狙って行ったのですが、雪がゆるすぎてやめました😅
順番間違いでした…
でも、誰にも会わずいいところでしたよ。
また参考にさせていただきます。
とてもマニアックですね!奥深いからなかなか人には会わなさそうで、良い山行ができそうです。こちらこそ参考にさせて頂きたく。
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