巻機山(ヌクビ沢ルート)
- GPS
- 07:51
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 1,378m
- 下り
- 1,378m
コースタイム
- 山行
- 6:54
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 7:51
天候 | 晴 巻機山の山頂周辺のみ曇 稜線は強風(耐風姿勢不要) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道としては最難関レベル 沢登りとしては、ルートどおりに高巻きすれば入門レベル 増水チェックは土樽の水量計を参考に http://doboku-bousai.pref.niigata.jp/kasen/servlet/bousaiweb.servletBousaiGraph?sy=gra_river&rg=5&wl=1&wsl=0&sn=297&tmg=&nwg=1&logflg=1 |
写真
装備
個人装備 |
120cmスリング
環付カラビナ
|
---|---|
共同装備 |
8mm x 30mロープ(使用せず)
|
感想
大型台風が接近する中、安全に行ける楽しい山は? と探したら巻機山が見つかった。
巻機山はスキーで何度も登っているが無雪期には行ったことがなかった。折角だから沢登りに近いヌクビ沢ルート行こう。登山としてはかなり難易度が高いルートだが沢登りと思えば入門クラスである。
声をかけたら沢未経験者が3人集まった。
5時前に桜台駐車場を出発。いつも駐車場まで1時間近くかかっていることを思えば楽ちんだ。警告の看板は初めて見た。
30分ほど歩いて割引沢に入渓。水は冷たくないが涼しい風が吹いていて体感気温は高くない。前日の午後、鉄砲雨が降ってかなり増水したようだが朝までにはほぼ平水に戻っていた。(想定どおり)
沢はあちこちにペンキマークが付いていて親切すぎるくらい。沢の知識がない人には必要な情報だろうとは思う。ヌメリ岩の見分け方を説明しつつゴーロをしばらく歩くと滝に出るが高巻きもバッチリ。残置(?)ロープや鎖まである。なるほどこれは確かに登山道だ。ただし支点も鎖も古く全面的に信用するのはどうかと思う。破断したロープ支点があり、つい最近壊れたようであった。
一枚岩は濡れていれば危険だが既に乾いていて問題なく通過。滝も大きなものは全て巻ける。
1時間ほどで出合に着きヌクビ沢に入る。相変わらずマーキングはばっちしでルートに不安はない。簡単な滝はあえて直登してみたりする。ただ風が強く濡れると寒そうなので水をかぶることはしなかった。足回りが沢装備ではないka_oriiiは足が冷たいと言っていて水線を避けて登山道を登っていた。ネオプレンの靴下やタイツがあれば問題ないのだが。
やがて水量が減り源頭部が近づく。朝は相変わらず強いが稜線が晴れてきて青空が見えてきた。
水量が減ってきたところで沢装備を解除する。最後のツメも登山道だから藪もなく快適に登る。一般登山道に合流して振返ると下山禁止と書いてあった。
想定内だがロープを出す機会はなかった。
割引岳の山頂では晴れていたがちょうどガスが出てきてしまった。風が強いので即退散する。
巻機山山頂はずっとガスの中だった。群馬県側はかなり天気が悪そうだった。
記念撮影して一応本当の山頂も踏んで、井戸尾根経由で下山。雪さえあれば快適に滑れるのだが歩くのに時間がかかるのは仕方ない。
下界は晴れ。フェーン現象でかなり暑く、バテそうなくらいだった。また沢に入りたいねと話ながら下山。
温泉で汗を流してから関越道に乗ると、関越トンネルを通って群馬県側に入ると青空は全くない。10分もかからないうちに強い雨が降り出した。
沢未経験者3人を連れての遡行で多少の不安はあったが蓋を開けて見れば3人とも十分な登攀力があり問題はなかった。沢登りや岩稜登攀の経験がない一般登山者には敷囲が高いルートだろうが、沢登り入門には丁度いいと感じた。
前日の雨により心配された増水も問題なく、絶好の沢日和でした。
★装備
今回、私は初の沢登り(or 沢歩き)なので、主催のoecさんから勧めてもらった装備を拡充して臨みました。
元々持っていたのはモンベルの沢用靴下(ネオプレン プレーンソックス)、ヘルメット、防水スタッフバッグ(これを念の為大型のキッチン用密封バッグで簡易二重防水化、予備スマフォとモバイルバッテリーも簡易二重防水)、それにヘッドランプをはじめとする通常の登山道具です。
・沢靴 モンベル サワークライマー リールアジャスト
最寄りの実店舗を見たところ、リール式しか扱っていなかったのでそれを購入。
・膝当て モンベル サワークライム ニーガード
Mを試着したところ太もも側がキツく食い込んで集中力を削がれそうという印象。設計上Mは膝周り39cmまで、それ以上の人はLを選択とのことでした。店舗によってはサイズの揃えがなかったので、直前準備の場合は要注意かも。モンベルの店員さんにはシューズにアタッチするふくらはぎガードもヒルよけ砂利よけとして勧められたが、どのみちタイツは着用するので一旦購入見送り。
・HMS型環付カラビナ
以前、D型はひとつ入手していたので今回はHMS型を。
・ダイニーマスリングx1、ナイロンスリングx1
ともに120cmのもの。
・浄水器 SAWYER MINI
Amazonで好みの色を。ストローは念の為持っていった。
★スタート〜沢手前
下山用の登山靴をザックに入れ、スリング+ハーネスはいつでも利き手で取れる腰付近にアンロック状態で装着して沢装備でスタート。
最初の登山道(破線)はサワークライマーのグリップ感を確認しつつ進みます。ヘツリもソールのグリップ感は良好なので一安心。
草付きを踏みしめて進むエリアでも滑ることはなく期待通りのパフォーマンスです。
★沢
苔でヌメった石を踏むと滑って大変危険、乾いた石を選ぶ、濡れた石は色合いと実際に足を載せた感触で判断力を養うしかない、と基本の注意を受けて遡行しました。
ナイロンスリングで簡易ハーネスを作る手順、すぐ忘れるのでときどき復習しないとだめですね。
今回の沢靴だと布干岩は楽しく登れました。前日夕方に雨が降っていましたが岩の上は乾いているエリアが多くて十分登りやすい範囲です。ほかのナメ床もクラックの使い方を意識しつつするする登っていけました。
途中、外付けしていたペットボトルを落としてしまう場面があり、幸い止めてもらえたけれど姿勢が安定しない場所では極力外付けを避けてザック内に格納という基本を守るの重要と再認識しました。
沢の水をSAWYER MINIでちょいちょい飲んでいくのは、おそらく9割方雨水ですが、それをほぼ感じさせないのですごい。
行者ノ滝より上では水温が多少下がったように感じました。
沢を通じて、ヒル(ヤマビル)は1匹しか見かけませんでした。
★ピーク〜下山
さすが頂上手前の急登は途中で足の上がりが悪くなってきました。沢の後半で素焼きミックスナッツばかり食べていたのがイマイチで、もっとインスタントに糖分を入れたほうがパフォーマンスよかったかもしれません。
稜線に出たらあとはピーク数カ所巡って下山のみ。風はタイミングにより10m/s超ありました。
巻機山避難小屋の周辺は過密気味、10人ほどの小屋泊したと思しきパーティーなどで賑わっていました。
くだりは井戸尾根をすぎた7合目あたりで既に「飯能の裏山の道かな」ぐらいの幅でよく整備された道で、その広さゆえに直射日光を受けつつ下山するのが暑くてしんどくはありました。時々ぬかるみが邪魔でしたがゆっくり降りれば危険箇所はありません。サクサク降りるなら、案外距離が長いので膝負担の少ない下山方法を身に付けたほうがよいかもしれません(私は下手なので膝に負担きました)。
★沢登り装備、フェルト or ラバー
今回、沢を登ること自体の危険に加えて高巻きで滑落事故が多発するというのが感覚としてよくわかりました。
oecさんから、初心者こそ断然フェルトソールよりもラバーソールの沢靴を勧める、特にサワークライマーのグリップ感が良い、と言われていたのですが、これは大正解。沢登りの危険は沢のみではないし、初心者は特に沢の段差を回避して高巻きしたいパターンが多いはずで、さらにパーティーが分かれて一部の(不慣れな)メンバーだけが高巻きする場合なども想像すると、危険回避しつつ進むのにソールの安定感は重要だと思います。
今回は沢をじゃぶじゃぶやり始める手前の吹上ノ滝・アイガメノ滝付近でのヘツリ以外にそこまでの危険箇所はなく、ことごとく高巻きの道がついたルートでしたが、行き先によっては滑りやすい笹の茎を踏み締めて進むような場合もあるはずで、それをフェルトソールで攻めるのは相当神経を使うだろうと思います。
ただでさえ行動時間が長くなりがちな沢登りにおいて、高巻きするたびに靴を履き替えるのも大変でしょうし。
★その他装備所感
リール式の靴紐は初めてでした。耐久性に関して、自分の技術的な問題で高巻き中に躓く場面が数回あり、帰宅後に確認するとワイヤーのナイロンコーティングにいくらか傷が入っていました。ワイヤーの強度を極端に上げると余計危ないので、妥当な消耗具合だと思います。モンベルの店員さんにも替えのワイヤーや登山靴の靴紐での応急処置について案内を受けており、確かに必要なパターンがあるかも、と思いました。
沢用靴下を脱いだところ、両親指の皮が(表皮のみ)むけていたので、ふやけと摩擦の合わせ技で来るとやはりプロテクトS1あたりの摩擦対策が必要かも、と思いました。
SAWYER MINIについて。ペットボトルに直結する利用方法への言及がネット上でも散見されます。今回は南アルプスの天然水2Lボトル(1L残)とウィルキンソン炭酸500mlボトルを持っていきましたが、前者はスクリューの形が合わなかったので、沢が終わったあとは適宜500mlボトルへ移してからSAWYER MINIを接続しました。未確認ながら、いろはすならいけると思いますが、普通にPlatypusの水筒を丸めて持っていくのが安定だと思います。帰宅後は注射器を使った逆流メンテだけかと思いきや、パッケージ裏面に手順1-7まで利用方法やフィルター性能が低下した際のメンテ方法(お湯を使った詰まり除去やカルシウム詰まりを酢で除去する方法)が書かれていて、誰も読んでいないと思われますが最初にちゃんと目を通したほうがよさそうでした。
膝当ての活躍は3回ほど、軽く膝をつくのを回避できた記憶があります。膝は希少な資源なので、特にヌメリのキツいところや足場が悪いところへ行くなら守っておくに越したことはないと思います。
グローブ、手持ちに指の抜けたゴム製グローブが無かったため素手で通しましたが、沢終盤の高巻き中に躓いて手を付き岩で手のひらを1.5cmほど切った(ゴリラガラス3のスマートウォッチにも傷が入った👼)ので、グローブはあったほうが良いと感じました。
山と高原地図では破線の登山道となっていますが、今回はゆるく沢登りも体験するつもりで道具をもって参加しました。
沢靴ではなくトレランシューズだったため、無理はせずに確実に登れそうな小さな滝以外は巻き道を登りました。
巻き道は岩場に慣れており3点支点できればそこまで難しいこところはなかった気がします。
沢は水量が少なかったため遡行しやすく、期待通りゆるく沢登りを楽しむことができました。
今回は思ったより涼しかったため水浴びすることはなかったですが、もっと気温が高かったら気持ち良さそうだなぁと思いました。
また簡易ハーネスの作り方も学ぶことができてよかったです。
沢自体は大好きなので、沢登りにも手を出してみようかなぁと思える楽しい山行でした。
リーダーが初心者可の沢歩きを企画してくれたので参加させてもらいました。
ルートは前半が沢歩き、中盤が稜線歩き、後半が樹林帯と変化に富んでいました。
沢を歩いていると両側にそびえる尾根と、その間に見える空で視界が占められ、なにやら深い場所にいるなという感慨が湧いてきます。
どこを歩くか、水に浸かるか、跳ぶか、岩に登るか、滝に登るか、巻くか、自由度の高さがいい。ハイキングとクライミングを同時に楽しめて冒険感があります。
装備に関しては、普段の装備に加えてハーネス等の登攀装備、そしてリーダーおすすめの以下4点を持って行きました(タオルと予備のシャツは普段の装備にも入っているので、正確には追加したのは2点である)
・膝当て
・タオル
・予備のシャツ
・ソーヤーミニ
結果的に足以外はそれほど濡れることはなかったので、タオルと予備のシャツの出番はなかったですが、登る時に何度か膝が岩にこすれたので膝当ては役に立ちました。
また、ソーヤーミニで川から直接水を飲むようにすることで、背負う水の量を減らせたのはありがたかったです。さすが経験者の知恵は偉大です。
靴は沢靴で登り、アプローチシューズなどで下るか、または水抜けの良いトレランシューズなどで通すかというふたつの選択肢があり、今回は前者の二足体制で行くことにしました。
トレランシューズは濡れた面に対するグリップ力が低いと感じていて、滑るリスクが高そうという判断でしたが、一人トレランシューズのみで行ったメンバーは無事だったので杞憂だったかもしれません。
靴下は沢用ではなく、水抜けの良い itoix ランニングソックス 5本指( https://www.itoix.co.jp/?pid=90953698 ) を履きましたが、これは正解だったようです。
沢用ではない靴下のメンバーは足の皮が膨れたり剥けたりしていたようですが、私の足はそのようなことがありませんでした。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する