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Yamareco

記録ID: 284257
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
中央アルプス

中ア/千畳敷から木曽駒ヶ岳・宝剣岳

2013年04月13日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
05:09
距離
4.4km
登り
549m
下り
547m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

7:10 菅の台バスセンター(1℃)⇒7:42 シラビ平(バス)
8:15 シラビ平⇒8:22 千畳敷(ロープウェイ)
8:45 千畳敷(-3.5℃)→9:20-9:25 乗越浄土→9:35-9:40 中岳→10:05-10:10 木曽駒ヶ岳→10:42-10:55 宝剣岳下部→13:39 宝剣岳→13:25 極楽平→13:38 千畳敷
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2013年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
◆ロープウェイ
バスとロープウェイのつなぎは上りも下りも非常に良い。
ただ始発バスに乗って行ったけど後に乗ったので始発のロープウェイには乗れなかった。昨日の積雪のせいでカゴが地面に接触してしまうので1号車の定員が本来の50名でなく20名に絞られてしまったのだ。バスに乗るなら前の方が良いわけだ。
◆Web限定日帰りプラン
今回はWeb限定日帰りプランを利用した。バス、ロープウェイ往復で3800円のところ4000円の+200円で千畳敷ホテルでの昼食(コーヒー付き)がカップリングされる。加えてこぶしの湯も100円引き。でも14:00までに戻ってこないといけないと言う制約があるのだ。なんとか間に合いました。
コース状況/
危険箇所等
◆危険箇所
フリーソロでも行けなくはないが、ミスしたら取り返しがつかないと言う緊張感が続く。
ロープウェイ駅にも単独禁止、コンテ禁止と注意書きがあったがスタカットで行くのが無難なところが多い。
鎖が出ている所はそのまま鎖が使える。最も嫌らしく感じたのは最初のトラバース。雪壁は概してそれほど困難ではなくトラバースが嫌らしい。
◆登山ポスト
菅の台バスセンター、千畳敷にそれぞれ設置されている。
◆温泉
菅の台バスセンターからクルマで約6分のこぶしの湯で一風呂浴びた。
菅の台バスセンターの向かいから6:30の宝剣岳の眺め。雲一つ無い快晴!
2013年04月13日 06:29撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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菅の台バスセンターの向かいから6:30の宝剣岳の眺め。雲一つ無い快晴!
千畳敷ロープウェイ駅を風除室のトンネルをくぐって出るとこの素晴らしい展望が待っていた!紺碧の空に純白の峰々。
2013年04月13日 08:24撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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千畳敷ロープウェイ駅を風除室のトンネルをくぐって出るとこの素晴らしい展望が待っていた!紺碧の空に純白の峰々。
登山道への入口。「ここから先は冬山完全装備で」と。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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登山道への入口。「ここから先は冬山完全装備で」と。
一直線に乗越浄土へとトレースが続く。前方には15分前の始発に乗れた人達の姿が見える。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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一直線に乗越浄土へとトレースが続く。前方には15分前の始発に乗れた人達の姿が見える。
2013年04月13日 08:35撮影 by  DMC-FX40, Panasonic
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大分岩峰が近づいて来た。雪は新雪が乗ってるが歩きやすい。左側には小さな雪崩の跡が見られる。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
4/13 21:14
大分岩峰が近づいて来た。雪は新雪が乗ってるが歩きやすい。左側には小さな雪崩の跡が見られる。
2013年04月13日 08:56撮影 by  DMC-FX40, Panasonic
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岩峰の脇位まで来ると雪がかなり締まって来る。直登するからむしろ夏時間よりも早い位のペースだ。稜線では僅かながら雪煙が上がっている。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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岩峰の脇位まで来ると雪がかなり締まって来る。直登するからむしろ夏時間よりも早い位のペースだ。稜線では僅かながら雪煙が上がっている。
乗越浄土近くではクラスト。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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乗越浄土近くではクラスト。
乗越浄土から伊那前岳越しに南アルプスの全景。富士は霞んでる。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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乗越浄土から伊那前岳越しに南アルプスの全景。富士は霞んでる。
宝剣岳を見上げる。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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宝剣岳を見上げる。
宝剣岳の木曽側は険悪な表情だ。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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宝剣岳の木曽側は険悪な表情だ。
ケルン、道標共にエビの尻尾が大成長。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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ケルン、道標共にエビの尻尾が大成長。
中岳への登高。西側の巻き道は通行禁止となっている。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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中岳への登高。西側の巻き道は通行禁止となっている。
中岳からの宝剣岳の眺望。ここまで上がると空木岳、南駒ヶ岳も視野に入って来る。中岳は風が強かった。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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中岳からの宝剣岳の眺望。ここまで上がると空木岳、南駒ヶ岳も視野に入って来る。中岳は風が強かった。
雪に埋まる頂上山荘。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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雪に埋まる頂上山荘。
ここにもエビの尻尾が成長した道標。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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ここにもエビの尻尾が成長した道標。
木曽駒への登高。紺碧の空と白雪のコントラストはゴーグルをしていても眩しかった。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
4/13 21:14
木曽駒への登高。紺碧の空と白雪のコントラストはゴーグルをしていても眩しかった。
木曽駒ヶ岳山頂に到着。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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木曽駒ヶ岳山頂に到着。
2013年04月13日 10:00撮影 by  DMC-FX40, Panasonic
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雪に埋まる祠と宝剣岳。更に稜線続きに空木と南駒ヶ岳も展望できる。山頂は風が強いが6-8m/s程度。気温も-4℃と暖かい。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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雪に埋まる祠と宝剣岳。更に稜線続きに空木と南駒ヶ岳も展望できる。山頂は風が強いが6-8m/s程度。気温も-4℃と暖かい。
木曽駒からの御嶽、乗鞍、笠ヶ岳、穂高、槍。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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木曽駒からの御嶽、乗鞍、笠ヶ岳、穂高、槍。
一番右の三ノ沢岳も魅力的な姿だ。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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一番右の三ノ沢岳も魅力的な姿だ。
再度の中岳への登高。本当は巻き道を行きたい気分だ。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
4/13 21:14
再度の中岳への登高。本当は巻き道を行きたい気分だ。
スキーヤーの荷物。どこを滑るのかな?
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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スキーヤーの荷物。どこを滑るのかな?
宝剣山荘の煙突だけが雪面から覗いている。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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宝剣山荘の煙突だけが雪面から覗いている。
山荘を通り過ぎ宝剣岳に向かう。山頂に登山者の姿が見える。僕等の取ったラインは左側の雪壁を登るライン。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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山荘を通り過ぎ宝剣岳に向かう。山頂に登山者の姿が見える。僕等の取ったラインは左側の雪壁を登るライン。
ここで装備を着ける。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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ここで装備を着ける。
さあクライムオン!
2013年04月13日 21:15撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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さあクライムオン!
振り返って宝剣山荘を見るがこの斜面が僕的に一番嫌らしかったトラバース。ずーっと下までこんな斜面が続いてる。
2013年04月13日 21:15撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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振り返って宝剣山荘を見るがこの斜面が僕的に一番嫌らしかったトラバース。ずーっと下までこんな斜面が続いてる。
トラバースの後でアンザイレンし、稜線を登る。ここは優しい。前方の一番左の岩にはハーケンに残置シュリンゲあり。
2013年04月13日 21:15撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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トラバースの後でアンザイレンし、稜線を登る。ここは優しい。前方の一番左の岩にはハーケンに残置シュリンゲあり。
フォローからそのまま雪壁を登るI坂。
2013年04月13日 21:15撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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フォローからそのまま雪壁を登るI坂。
「そこ山頂だよ」。
2013年04月13日 21:15撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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「そこ山頂だよ」。
「ホント」。標識が半分しか見えていない。青いロープは残置のもののようだ。
2013年04月13日 21:15撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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「ホント」。標識が半分しか見えていない。青いロープは残置のもののようだ。
宝剣岳山頂からの千畳敷カールの眺め。
2013年04月13日 21:15撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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宝剣岳山頂からの千畳敷カールの眺め。
ビレイ中のI坂。バックは木曽側。渓が深い。
2013年04月13日 21:15撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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ビレイ中のI坂。バックは木曽側。渓が深い。
頂上から1ピッチ降りた所。鎖を伝って降りて振り返るとこんな姿だった。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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頂上から1ピッチ降りた所。鎖を伝って降りて振り返るとこんな姿だった。
木曽側の岩の一部。綺麗な花崗岩だ。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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木曽側の岩の一部。綺麗な花崗岩だ。
窓をくぐる。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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窓をくぐる。
1番目の岩峰は木曽側を巻き、2番目の岩峰は鎖の着いた岩場を登る。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
4/13 21:14
1番目の岩峰は木曽側を巻き、2番目の岩峰は鎖の着いた岩場を登る。
3番目の岩峰は雪壁を登る。雪は締まっていて難しくはない。この時点で昼ご飯のタイムリミットまであと1時間なので少し焦る。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
4/13 21:14
3番目の岩峰は雪壁を登る。雪は締まっていて難しくはない。この時点で昼ご飯のタイムリミットまであと1時間なので少し焦る。
ここからは鎖場のみ。遭難の碑が見える。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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ここからは鎖場のみ。遭難の碑が見える。
宝剣岳を振り返る。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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宝剣岳を振り返る。
ここを降りて良いものかどうか?雪崩を誘発しそうなのでパス。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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ここを降りて良いものかどうか?雪崩を誘発しそうなのでパス。
遭難の碑。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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遭難の碑。
エビの尻尾で何の標識かは解らないが。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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エビの尻尾で何の標識かは解らないが。
雪と風の造形。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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雪と風の造形。
空木へと続く稜線。そそるなぁ。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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空木へと続く稜線。そそるなぁ。
ピラミダルな宝剣岳の姿。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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ピラミダルな宝剣岳の姿。
極楽平に到着。あと35分、何とかなりそうだ。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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極楽平に到着。あと35分、何とかなりそうだ。
リップの所は腰まで埋まる深雪だ。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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リップの所は腰まで埋まる深雪だ。
スノーボードのシュプールも映える雪面。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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スノーボードのシュプールも映える雪面。
2013年04月13日 13:30撮影 by  DMC-FX40, Panasonic
4/13 13:30
登路の方にもシュプールが見える。雪煙が高く舞っているので風が強くなってきているようだ。
2013年04月13日 21:14撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
4/13 21:14
登路の方にもシュプールが見える。雪煙が高く舞っているので風が強くなってきているようだ。
ホテル千畳敷の千飯。トンカツ載せライス。食後にコーヒーも付いて来る。
2013年04月13日 14:02撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
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4/13 14:02
ホテル千畳敷の千飯。トンカツ載せライス。食後にコーヒーも付いて来る。

感想

下界は春真っ盛りですが、駒ヶ岳ロープウェイを利用して一気に白銀の世界に…と言うA木リーダーの発案で爽快な春の雪山を楽しみに木曽駒ヶ岳、宝剣岳に行ってきた。

湘南を2:30に出発し、菅の台バスセンターに着いたのは5:50。こんなに早いなら高速のSAでもう少しまったりして来ても良かったとか言いながら時間を持て余して6:20から山支度をし始めた。バス停からは千畳敷は見えないが道路を渡ると正面に白銀の千畳敷カールと宝剣岳が見えてきた。気温は1℃とかなり肌寒く感じるが、雲一つ無い快晴で今日一日は約束された気になる。6:45頃にはバス停に並びチケット売場の開業を待ち、7:00の開業でA木CLがWeb限定日帰りパックのチラシを持って3人分のホテル千畳敷での昼食付きのバス、ロープウェイ券を買って来た。

バスは7:10に出発するがやや広めと思って乗車口の後側の席に陣取ったが、ために降車は後半分組になり、その結果ロープウェイの始発便には乗れないことになってしまった。昨日降雪があって1号車が雪面にぶつかるため定員が20名に制限されるとのことだった。そうであればバスでも前の方に座ったのに、と少し後悔したものの、15分後には臨時便を出してくれたので時間のロスはさほどでも無かった。2号車のくろゆり号は雪面に衝突する問題は無く50人の定員一杯乗ることができた。ロープウェイ駅では「冬山補導重点実施中」との張り紙があり、注意を喚起している。中央アルプス観光の女性社員達はみんなお揃いのモンベルのジャケットとパンツを着用していてなかなか格好いい。葉山渓香と言うキャラクターにも負けてない。ロープウェイでは東側の窓に張り付くと南アルプスの雄大な眺めが素晴らしい。北の鋸岳から南の光岳まで全てが一望の下にできる最高の展望台だ。標高が上がって来ると塩見の脇から富士山が頭を覗かせる。駒ヶ岳ロープウェイはたった7分で2612mの千畳敷まで連れて行ってくれる。

千畳敷駅で下車して階段を上り風除室のトンネルをくぐり抜けると眼前に千畳敷カールが現れる。紺碧の空に純白の峰、素晴らしい展望だ。寒暖計は-3.5℃を指しているが陽射しがあり全く寒さを感じない。A木CLとI坂さんはジャケットを脱ぎシャツだけになり、僕はフリースを脱いでR3とジャケットだけになった。アイゼンを装着し、登山道へと向かう。新しい雪が積もっているせいか少し潜るがトレースもあり歩きやすい。最初に少し下りほぼ平坦路からだんだんと勾配がきつくなる圏谷地形特有の調子だが、上部は夏道では九十九折りになっているが、今は一直線に乗越浄土を目指すのでかなりの勾配になる。ピッケルが気持ち好く刺さるが40歩、20歩で一呼吸を入れながらコンスタントなピッチで登って行く。標高とともに雪質が微妙に変化して行き、より歩きやすくなる。乗越浄土がもうすぐと言う所で突然クラストするが、問題なくアイゼンの歯は効く。

稜線に出ると強風を覚悟していたが、まださほどではない。気温も-4℃程度であり寒くない。乗越浄土から中岳を目指すが、冬季は夏の巻き道は利用できず、中岳を直登しなくてはならない。中岳に出ると急に風が強くなり、I坂さんはジャケットを羽織る。中岳を下ると再び風は無くなるが、木曽駒が風よけになってくれているようだ。

木曽駒へは中岳から降りてまた一登りを要する。登り着くと360°の大展望で御嶽、乗鞍、穂高から槍、妙高、浅間、八ヶ岳、南アルプスとぐるり一周の山々を数え上げることができる。北陸の山々までもが薄らではあるが望むことができた。駒ヶ岳神社は防風壁の内側も雪に埋まっている。流石に中岳以上に風は強いがそれでも10m/sは超えない程度であり、陽射しも強いため寒さは感じることが無かった。

今日の目的は木曽駒よりも宝剣の方が比重が重いので早々に山頂を辞して、来た道を再び中岳の登り下りを経て乗越浄土に至る。更に先まで行ったところで装備を身に着けることにした。先行パーティがちょうど山頂に差し掛かっているのが見える。右手に見える稜線のラインから登ったように見えた。出だしにつるりとした斜面があり、そこをトラバースして取り付く必要がある。そこはノーザイルで通過したが、下を見ると数100m同じ調子の凍った斜面が続いており、絶対ミスしちゃいけない所と緊張を誘う。この先はザイルを出していくこととした。先ずA木さんがリードし、I坂さんがビレイ、僕は間に入りTiblocでユマールしながら登る。フォローしたI坂さんがそのままリードして行き4m程度の雪壁を登りきるとそこが山頂だった。思っていたよりも山頂は近くあっけない。

でもここから極楽平へ抜ける岩場と岩峰の通過には結構時間が掛かった。最初の岩峰は木曽側を巻き、2番目の岩峰は鎖が着いていた岩場を登り、3番目の岩峰は東北側の雪壁を登った。この3番目の岩峰の取り付きで既に13時になろうとしていたので、ホテル千畳敷の昼ご飯のタイムリミットまで1時間、と少し焦る。が、この先はもうザイルは不要でスピードを上げていける。

極楽平からの下降は上部が立っているが雪も深くスリップはしたくても出来ない。一歩一歩大股で踏んで降りて行くと15分程で千畳敷駅に着いた。振り返るとあちらこちらにシュプールが描かれている。今降りて来た所にはシュプールは無かったがここもなかなか良いはずだ。タイムリミットには20分を残して到着し、無事に千飯(コーヒー付き)にありつくことが出来た。

下山した後はやはりサービスチケットを貰ったこぶしの湯で汗を流した。こぶしの湯と言うだけあり、辛夷が多く植栽されていたが、ちょうど開花の時期を迎えていた。高速道路には桜が沢山植えられていてこれまたちょうど開花の時期で随分と目を楽しませてくれたが、こぶしの湯の桜はもう一週間程遅めのようだ。ここは家族旅行村と銘打っていてキャンプも出来るし、子どもと一緒に遊べるフィールドアスレチックとかレンタルサイクルとか揃っており、文字通り家族でリクリエーションができる施設のようだ。

A木CLの目的と計画通り、爽快な春の雪山を少しのアルパインの風味を効かせて楽しむことが出来た。いつもながら有り難うございます。同時に展望したその先の空木、南駒、越百岳への登高欲もだんだん湧いて来た。

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