厳冬期3000m峰仙丈ヶ岳。三度目の挑戦で南アの女王は微笑む（行こう！歯科健診登山部）

2021年01月03日(日) ~ 2021年01月05日(火)

• GPS: 45:04
• 距離: 30.3km
• 登り: 2,391m
• 下り: 2,384m

コースタイム

1日目

• 山行: 4:15
• 休憩: 0:01
• 合計: 4:16

距離 9.4km 登り 991m 下り 152m

12:04 地蔵尾根駐車場
13:52 13:53 地蔵尾根中間水場
16:20 松峰小屋

2日目

• 山行: 10:39
• 休憩: 0:52
• 合計: 11:31

距離 11.9km 登り 1,233m 下り 1,240m

4:25 松峰小屋
6:59 7:16 丸山谷ノ頭
10:43 10:56 地蔵尾根合流
11:19 11:36 仙丈ヶ岳
11:44 地蔵尾根合流
13:54 13:59 丸山谷ノ頭
15:56 松峰小屋

3日目

• 山行: 3:05
• 休憩: 0:02
• 合計: 3:07

距離 9.0km 登り 160m 下り 1,003m

6:00 松峰小屋
7:42 地蔵尾根中間水場
9:04 9:06 地蔵尾根駐車場
9:07 ゴール地点

写真

1/3 11:53

柏木登山口に車で到着。
コロナを感染させないように、しないように、トイレとコンビニ以外は立ち寄らずに移動。食事はテイクアウトで車の中。

車は私を入れて3台。

1/3 11:48

荷造り。3泊分の食料と燃料を担ぎます。
12キロ前後？
松峰小屋泊の予定ですが、先客がいた場合は感染リスクを避けるべくテン泊に変更。
結果的に松峰小屋に2泊しましたが、両日とも貸し切りでした。

1/3 11:48

駐車場そばの水場。
凍ってます。

1/3 11:53

駐車場そばの公衆トイレ。
2020年1月にはなかったように思います。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2180490.html
駐車場を開放して頂いている方が設置してくれたのでしょうか？
ありがとうございます。

1/3 11:53

きれいに使ってね、の張り紙。
「彼女の家でもおなじようにトイレを使いますか？」
なるほど、こーゆう問いかけならトイレをきれいに使う気になります。

1/3 11:53

女性向けの注意書き。
「彼氏の家でも同じようにトイレを使いますか？」

1/3 11:54

南アルプス、入山自粛の張り紙。

1/3 11:54

信濃毎日新聞の日付は4月28日。
うーん…今の所、山岳団体から公式に「雪山自粛」という表明は出ていないので、自己責任で入山します。

なんとしても自力下山しなければ…

1/3 11:54

柏木登山口の提供者。ありがとうございます。

1/3 11:58

妻から持たされた、三峯神社のお守り。

1/3 12:02

気温は…6℃？
車の温度計は1℃だったので、5℃程高く出ている？
以後、-5℃補正して考えます。

1/3 12:03

ハードシェルは脱いでスタート。

1/3 12:05

林道歩きから。

1/3 12:15

まずは孝行猿へ。

ほとんど人がいないので、熊よけにiPhoneでアニソンを流しながら歩きます。

1/3 12:25

孝行猿の像。
1年ぶりです。

1/3 12:40

腰、右肋骨に痛みが出ないように、上体はやや前に倒します。
直立してると腰が痛くなります。

1/3 12:41

上体を前に倒すと行っても、ほんの気持ち程度です。
ただ、そうするかどうかで腰の痛みが全く変わってきます。

1/3 12:40

胸を張り、背中が丸まらないようにします。
疲労が溜まってくると、右肋骨や右の背中が痛くなるのです。

1/3 12:52

登山道と林道を行き来します。

1/3 12:55

先行者の足跡。

1/3 13:07

また林道。

1/3 13:50

足跡と共に、車のわだちがあります。
時々車が入っているのでしょうか？

1/3 13:56

標高を上げると、徐々に雪が。

1/3 13:57

先行の方はツボ足で歩いているようです。

1/3 14:14

私はチェーンスパイクを装備。
歩き方に自信がないのと、デブなので滑りやすいのです(^_^;)

1/3 15:18

仙丈ヶ岳かな？

1/3 15:53

うーん…腰が痛くなってきました。
今考えると、背中の痛み防止として胸〜腹に3本巻いているゴムベルトを、1本腰に移動させればよかったかも。

1/3 16:20

松峰小屋分岐到着。

1/3 16:20

降りていきます。

1/3 16:25

松峰小屋。

1/3 16:26

入り口。雪は、水が作れる程度にはありました。

1/3 16:47

貸し切り。
土間の奥に火を焚いた跡がありました。
設計者の想定通りの使い方なのか？アカン使い方なのか？

1/3 16:46

動きを止めると寒いので、早速ハクキンカイロを点火します。

1/3 17:09

雪を溶かして水作り。

1/3 17:08

食事の用意…と言っても、カップ麺ですが。

1/3 17:17

湯たんぽ作り。

1/3 17:24

靴下の中にハクキンカイロを入れ、更にグローブをはめて足先の防寒。

1/3 17:34

化繊シュラフがあったので、ありがたく使わせて頂きました。
ただ、誰が使ったかもわからないシュラフに潜り込むのはちょっと抵抗があったので、マットの下に敷きました。無いと多分寒かったです。

1/3 17:55

夕食。うまい！

1/3 18:07

マットの下に、置いてあった化繊のシュラフを敷きます。

1/3 22:11

気温は補正値で-8℃。
板の間にこぼした水滴がすぐ凍ったので、概ね合っているのかな？

1/3 22:23

4時間位で、湯たんぽが冷めて、寒さで目が冷めます。
プラティパスには2L程お湯を入れていますが、もっと大容量のプラティパスなら長持ちするのかな？

1/3 22:23

こぼした水は、程なく凍ります。

1/4 2:56

2時半起床。
菓子パンと、昨日の残りのホットレモンで朝食。

ホットレモンの粉を忘れたので、今回は松脂臭い水を飲む事に。反省。

1/4 4:15

出発。
当初の予定は、山頂を往復して小屋に戻り、荷物をまとめて本日中に下山。
実際には、山頂往復で時間と体力を消耗したのと、下界で非常事態宣言が出る見通しということをスマホのニュースサイトで知り、色々考えてもう1泊しました。

1/4 4:24

山頂方向へ。

1/4 4:38

補正値で-7℃。

1/4 5:18

トレースがしっかりしているので、迷うことはありませんでした。

1/4 5:23

伊那市の街明かり？

1/4 5:45

少しづつ雪が増えてきます。

1/4 6:09

途中でアイゼンに換装。
昨日登頂した方からは「クラストしている箇所はあるが、ワカンまでは必要ない」という情報を得ていたので、ワカンは置いてきました。

1/4 6:49

少しづつ明るくなってきましたが…寒い！
レイヤリングは
上半身：ドライレイヤークール（ファイントラック）+メリのスピンサーモジップネック（ファイントラック）+ドロワットパーカ（モンベル）
下半身：スーパーメリノウールEXPタイツ（モンベル）+メリノウールジャカードウエストウォーマー2枚（モンベル）+ライトアルパインパンツ（モンベル）
コレに加えて、腰に3個、背中に3個のハクキンカイロを入れているのですが、寒くてたまりません。

1/4 7:15

　低体温症の初期症状なのか、頭がボーッとしてきて敗退も頭によぎりました。テルモスにお湯を入れてきた事を思い出し、3口程飲みます。連鎖的にザック内に、ビバークに備えてダウンジャケットを入れていた事を思い出します。

1/4 7:04

　これまで、厳冬期の八ヶ岳でも行動中にダウンを着たことはなかったのですが、自分が寒さに弱くなったのか？今回の寒波がそれほど凄かったのか？
　ともかく、ダウンジャケットを着ると暖かくなり、正気を取り戻しました。
　なぜ「寒いなら着る」という、当たり前の事を思いつかなかったのか。やはり低体温症の初期症状が出ていたのかもしれません。

1/4 7:18

気温は補正値で-13℃位。

1/4 8:41

稜線に出る直前、傾斜が強くなります。

1/4 8:41

ピッケルを装備。トレッキングポールはデポします。

1/4 8:47

ゴーグルを装備…しますが、これは暑くてすぐサングラスに変えました。

1/4 8:55

　雪が深くなってきましたが、踏み跡がしっかりあるのでラッセルという程ではありません。
　ここで、アイスクライミングの2人パーティとすれ違います。
　体調は良さそうでしたが、顔は紫色になっていました。凍傷？
　3日間ですれ違ったのは6人だけでした。

1/4 9:09

　仙丈ヶ岳まで80分、とテープで修正してあります。
　以前は「30分」と書かれていたそうです。

1/4 9:19

　稜線に出ると同時に、森林限界を超えました。
　太陽が暖かい！ダウンジャケットを脱ぎたくなりますが、この先状況がどう変わるかわからないので、来たままにしておきます。

1/4 9:21

　一気に見通しが良くなります。

1/4 9:23

中央アルプス。

1/4 9:26

　昨年敗退した傾斜地のトラバース。
　今回は雪が柔らかく、かつ踏み跡もしっかりしていたので不安なく通過できました。

1/4 9:38

樹氷。

1/4 9:46

山頂が見えました。

1/4 9:48

日の光を浴びると、一気に気温が上がります。
補正値で約2℃。

1/4 9:50

甲斐駒ヶ岳方面。

1/4 10:05

岩も凍りついています。

1/4 10:40

仙丈小屋と山頂への分岐。

1/4 10:42

字が薄れて読めません。

1/4 10:43

仙丈小屋。
冬季小屋が開放されているそうですが、今回はパス。

1/4 10:43

　分岐の標識。
　ここから仙丈ヶ岳山頂は、時折猛烈な風が吹く中を進みました。
　風の呼吸を読み、強い時は耐風姿勢。弱くなった時を見計らって少しづつ登ります。

1/4 11:24

　山頂！
　2019年は北沢峠からのルートで、小仙丈ヶ岳直下で強風の為敗退。
　2020年は今回と同じ地蔵尾根から、森林限界を抜けた地点でトラバースにビビって敗退。
　三度目の挑戦でようやく登頂できたので、嬉しさもひとしおです。
　時間を見ると、200m余りを進むのに40分かかっています。
　

1/4 11:19

三角点タッチ。

1/4 11:24

富士山、北岳、間ノ岳。
日本の標高1〜3位勢揃い。

1/4 11:25

1/4 11:26

左から甲斐駒ヶ岳、小仙丈ヶ岳、奥に鳳凰三山…かな？

1/4 11:26

八ヶ岳…かな？

1/4 11:26

甲斐駒ヶ岳。右側のピークは摩利支天。

1/4 11:27

大仙丈ヶ岳（右）

1/4 11:28

山頂には標識が2つ。
四角い方は3030m。
棒の方は3032.6m。

1/4 11:28

補正値で約−12℃。

1/4 11:29

見事な空の色。

1/4 11:31

山頂滞在時間は5分。天候が変わらないうちにさっさと降ります。

1/4 12:00

八ヶ岳。

1/4 12:37

柏木登山口まで6時間。

1/4 12:58

デポしていたトレッキングポールを回収。

1/4 14:12

山頂アタック用の軽装備ですが、疲労の為か背中が痛く…

1/4 15:57

　松峰小屋分岐に到着。
　ヘッデンを使えば下山できないこともないでしょうが、背中も痛いし、ヘロヘロなので先客がいなければもう1泊することに。

1/4 16:03

　小屋到着。幸いこの日も私一人でした。
　もし誰か先客がいたら…コロナに感染させない、しない為に頑張ってヘッデン下山していました。

1/4 16:44

　ハクキンカイロにベンジンを補充。

1/5 4:25

　翌朝。お湯とおかきで朝食。

1/5 5:06

　今回、トイレットペーパーを忘れたので、携帯用ウォッシュレットと雪で拭きました。それほど問題なし。
　今後は、積雪期にはこれでいきます。雪がない場所でウンコする時に備えて、一応トイレットペーパーも持っていきますが。

1/5 5:48

撤収。

1/5 5:50

補正値で-5℃。

1/5 6:00

下山します。

1/5 6:12

アーチ型の倒木。

1/5 6:33

帰りは林道を活用します。

1/5 6:33

薄曇り。

1/5 6:52

林道は手入れはされず、灌木が生えています。

1/5 7:00

と思ったら、倒木がカットされています。

1/5 7:01

　切り口は新しいです。
　昨年は、林道に倒れた木を何度もくぐったりまたいだりした覚えがあるので、ここ1年で整備されたのか？ありがとうございます。

1/5 7:30

雪がない箇所は、下りだと迷いそうな箇所も。
昨日、ヘッデン下山しないで正解でした。

1/5 7:41

これから登る単独の方。

1/5 8:31

凍った沢。

1/5 8:31

これも。

1/5 9:07

柏木駐車場に帰還。
車にはうっすら霜の跡が。

1/5 9:08

ザックを下ろします。
かなり軽量化したつもりでしたが、今回も腰と背中が痛くなりました。姿勢が悪いんでしょうけど…

1/5 9:28

車の中のコーラは凍っていました。

1/5 9:31

ラジオで下界のニュースを確認。

1/5 9:31

　1月7日にも、首都圏（東京、神奈川、埼玉、千葉）に緊急事態宣言を出すとの事。
　昨年4月と違い、飲食店に対象を絞ったもののようですが…県を跨いだ移動や、登山についてはどうなるのでしょうか。
　個人的には感染リスクは「移動自体」ではなく「移動先での振る舞い（飲食等）」が問題であって、登山は移動は極力自家用車を使い、山小屋での密さえ気をつければ感染リスクは低い…と思うのですが。
　山岳団体の公式声明を待ちます。

1/5 10:19

　帰り道。
　マックも、店内に入らずにドライブスルーを使います。

1/5 10:24

　3日ぶりのまともな食べ物と、松脂臭くない飲み物。
　うまい！うまい！うまい！

1/5 14:13

　帰りの高速でも、コンビニ弁当を車内で食べます。

撮影機器：

iPhone 12 Pro Max Apple

感想

wakodental

　三度目の挑戦で、ようやく厳冬期3000m峰仙丈ヶ岳登頂成功！
　姿勢が悪いせいか、相変わらず冬季テン泊装備を担いで長時間歩くと背中や腰が痛くなります。
　また、低体温症の初期症状？が出たり、反省点はありますが、体力の続く限り冬山を楽しみたいと思っています。
　ただ、今後コロナがどうなるか…
　下山後に、首都圏に2度目の緊急事態宣言が出る見通しとのニュース。
　個人的には、県を跨いだ移動自体よりも「移動先での振る舞い（飲食等）」が問題であり、移動や密を避けた登山は感染リスクは低い…と思うのですが、山岳団体の公的なコメントを待ちます。

コメント

super0789

冬季はいいですね。
すれ違った登山者（106枚目）です。

素晴らしい景色。

三度目の正直。

おめでとうございます！

私もちゃんと下山してます。

wakodental

Re: 冬季はいいですね。
ありがとうございます。
山頂からの景色は最高でした。
冬季は空気が澄んでいるので、無雪期よりもくっきりと見える…気がします。

daokakadao

覚えてますか？ 剣でお会いしたものです。
三度目の正直、努力は報われましたね。おめでとうございます。
わたしは、元日に北岳を目指したのですが、大荒れの吹雪のため八本歯のコルにて撤退　もう2日後だったらと歯をく
いしめております。来年こそは・・・・
次の投稿も楽しみにまっております。
お疲れさまでした‼️

wakodental

Re: 覚えてますか？ 剣でお会いしたものです。
剣沢野営場でコーヒーをくださった方でしょうか？
お久しぶりです。仙丈ヶ岳は積雪期3000m峰の中では難易度は低いほうでしょうが、私にとっては大きな挑戦でした。

北岳は選択肢には入っていたのですが、稜線に出てからの行動時間が長いので、今回はパスしました。吹雪の中八本歯のコルを超え、山頂まで往復するのは難しかったと思います。
今年は、万が一の時に「社会的に叩かれる」リスクを考えると、難易度を下げる方に傾きます。
住んでいる神奈川は緊急事態宣言が出てしまったので、少なくとも解除されるまでは県外への山行は自粛しようと思っております。来年はコロナが収まっていると良いのですが…