浄土山、雄山から美女平まで(累積滑降高度差3000m)


- GPS
- --:--
- 距離
- 22.6km
- 登り
- 1,280m
- 下り
- 2,728m
コースタイム
29日 浄土山南峰5:50-6:00一の越直下6:20-6:30一の越-7:35雄山7:55-8:30室堂9:30-10:10国見岳10:20-10:40鞍部
11:00-11:25天狗岳11:40-12:00弥陀ヶ原12:40-16:35美女平
天候 | 28日晴れ 29日 午前曇り・雄山ではガス強風、午後晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
29日美女平まで滑降後ケーブルで下山 |
コース状況/ 危険箇所等 |
28日吹雪で室堂に新雪40cmとの情報だったが、スキーかスノーシューであれば室堂より上でラッセルに苦労する箇所はなかった。室堂から浄土山への西からの登路はアイゼンに代えることなくスキーで全て登れた(クトーは必要)。 浄土山北峰東の沢、南峰・龍王岳間の沢、山崎カールいずれも一部に凍結斜面有 |
写真
感想
ゴールデンウイークの前半だが4月27-28日北アルプスは猛吹雪、白馬岳大雪渓では雪崩事故があった。アルペンルートの高原バスは終日運休となり、29日朝は除雪のため運行開始が10:00となった。室堂で新雪40cmと伝えられたが、さて上がってみると..
室堂は晴れ渡っていた。全面の青空に全く汚れのない山々が眩しい。眩しすぎてサングラスのない一般観光客が困っている。
麓で4時間待ってからの室堂到着となったので、兎も角今日の宿泊地の浄土山に向う。この時期室堂から浄土山へは、一の越へ向かって途中で回り込んで東側から上がるのが順当だが、今日は西側の、室堂山側から行ってみる。室堂山展望台近くまでは滑降に手ごろなスロープで大勢のスキーヤー・ボーダーが登っている。展望台手前より浄土山北峰に向けて次第に斜度がきつくなってくる。ここでなんと、永年愛用のGPSを落として来てしまったことに気付く。ウエストポーチの開放ポケットに入れていて、外れてもなくさないようストラップを着けておくのだが、今日に限ってそれを怠っていた。自分のトレースを辿って下りて捜したが、遂に見つからなかった。仕方なくまた浄土山を目指す。スノーシューのトレースを辿って行ったが、いよいよ一番急になる手前で終わっていた。これまでの経験ではこの辺で硬い急斜面になるので、アイゼン・ピッケルに代えて登りきるのだが、今日の雪面はシールで登るのに程よい硬さ・潜り方で、そのまま山頂まで登れてしまった。山頂直下で斜度が緩んでから凍結カチカチの雪面が現れたが、クトーは着けておいたので問題なかった。南峰まで一息で、山頂施設に到着。
一休みしてまだ陽が高いので、一本滑ろうと龍王岳との間から御山谷に落ちる沢に挑戦。稜線に寄ると凍結面があるが、沢の真ん中は大丈夫、気持ちよく回転してあっという間に御山谷に出会う、一の越山荘を見上げる所まで到達。龍王岳の岩峰が格好いい。ここからシール・クトーを付けて登り返して1時間、施設に戻って本日行動終了。
29日 先ず浄土山南峰から雄山に向かう。出発時雲は出ているが天気は大丈夫そうにこの時は思えた。北峰南峰間の鞍部から称名川に落ちる沢を滑る。朝一で凍結斜面を心配するが、昨日の龍王岳の沢と同様で、風当たりの強い稜線近くは硬いが、ど真ん中は大丈夫。一の越山荘が見えたらそこを目指すが、その高さでは小屋手前でカチカチ斜面になり、50m位下に到達。ここで板を担いでアイゼン・ピッケルで一の越へ、さらに雄山を目指す。
いつのまにかガスが出て上の方は見えない。そして風が強い。板背負っているので風当たりが強く、油断していると本当に倒されそうになり、2点支持をしっかり守って、耐風姿勢を取りながら進む。上には誰もいないが、下からは続々と、室堂からの登山者が登ってくる。こちらは寝袋含む1拍の装備で何と言ってもスキー板がハンディ、後ろの人たちは皆軽装だ。無理に朝一番を守る気はなく抜かれても構わないと思った。でも最後に20m位まで迫られたが雄山三角点にトップで到着。8日振りの雄山にまたしても視界無き登頂となった。
最高点の祠参りをして社務所裏に回り、そそくさと滑降にかかる。北へトラバースして山崎カールに入ると、相変わらずのガスだが、ある程度下まで見えて先週よりは大分増しだ。滑り出し雪質も上々と一瞬思ったが、硬雪箇所が点在し浄土山の沢よりは危険度が上だ。慎重に下りるとほどなくろうそく岩が見え、段々雪質も心配なくなって来た。ろうそく岩より下は快適な浅雪パウダーとなり、快調に滑って室堂方面が見えてきたら左へとトラバースして一の越へのルートに合流し、室堂ターミナルへ下りた。
天候も回復基調の様で、先週は成し得なかった国見岳、天狗山を通っての美女平ロングツアーを敢行することにした。本来室堂ターミナルに寄らなくてもいいのだが、昨日の落し物が届いてないか聞き、ついでにトイレなど済ませて再出発した。
ターミナルを出て、先ずは沢山のトレースがある室堂山方面へ登り、台地上に出たら右に折れて国見岳手前のコルに進む。そこから一登りで国見岳へ。次の目標天狗山が見えて来る。天狗山手前のコルまでは長くないが快適な滑降斜面。さてコルから見上げる天狗山はかなり急である。スノーシューのトレースが10歩位進んで引き返しており、後はノートレースだ。標高差で50m位、シール付け直すのも面倒だしツボ足で行けるのではと思った。スノーシューのトレース上は良かったが、その先10歩で完全に間違いだと悟った。シールを付けて、スキーを履いて仕切り直しだ。コルからは細長い稜線を縦に見るのでえらく急峻に見えるが、登って行くと大したことはなく、殆どジグを切ることもなく、一つ手前のピークを越えて、天狗山に達した。眼下につづら折れのバス道路、弥陀ヶ原を目指すスキーヤーも見える。空も青空になって来て、苦労した雄山もクリアに見えている。風もなくなった。
天狗山からはいよいよ弥陀ヶ原までの大滑降、左へ左へトラバース気味ながら快調に下りて、弥陀ヶ原のホテル・山荘が見えたら真っ直ぐ目指せばいい。爽快この上なく立山荘に到達、一息ついた。
弥陀ヶ原から美女平まで、これまではいつもバス道路の北側のルートを行ったが、今回は南ルートを試してみた。基本はバス道路に沿って、沢などの地形を読んで効率よく進めば良い。前半弘法の辺りまでは樹林の少ない見通しの良い高原風景で全体超緩斜面ながらのんびり滑って行ける。後半は樹林帯でさらに緩くなって歩きが大半になり、しばしば登り返しを必要とする。上ノ平まではノートレースだったが、下ノ平でスキーのトレースに出会い、続いてスノーシューのトレースも現れ、スキーのトレーを辿った。ぶな坂で後半唯一のまともな滑降を楽しみ、最後はおそらく夏道のある浅い沢筋を下り、最後の最後で雪が切れて板を外し、夏道に乗って沢を二つ越えて美女平のターミナルに登り返した。弥陀ヶ原から4時間、北ルートよりも1時間は余計にかかり、今回の南ルートの方が全体に「走らない」と感じた。
美女平ターミナルは人で溢れていて、ケーブルカーは整理券順で皆長く待っている様だったが、ここで切符買った場合は関係なく乗って良いと言われ、待たずに乗ることが出来た。標高3000mから970mへ、天候も環境も変化激しく、楽しいが疲れもした、長い1日だった。
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