色々あった谷川岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 1,715m
- 下り
- 1,713m
コースタイム
2日目:05:56茂倉岳避難小屋-08:21蓬ヒュッテ-09:23国道分岐-13:00?駐車場
天候 | 6/7:曇りのち雷雨 6/8:濃霧 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
西黒尾根:肩の小屋直下に雪田あり。特に問題無し。 馬蹄形縦走路(谷川岳〜蓬峠):特に問題無し。 蓬峠〜国道分岐:雪田トラバース多数あり。アイゼン必要。登山道崩壊箇所多数あり。 国道新道:多少残雪あり。スノーブリッジ通過もあり。 |
写真
感想
山を最初に歩いたのは、近所のハイキングコースだった。次は地元の丹沢で、ガイドマップにある「大倉〜西丹」の主脈縦走をやってみたいと思っていた。これは直ぐに実現し、今は日帰りで歩く様になった。次が谷川岳だった。谷川は何度を訪れているが、全て日帰りであり、泊まりでの2日以上の縦走はしていない。何時かは馬蹄形をやりたいと思っており、去年同時期にチャンスがあったが、所用があり、不可。今回、実現させるべく、天気予報確認と仕事調整をし、実現する時がきた。馬蹄形はどっち周りにするか、迷った結果、初日の天候がいまいちで、後日回復予定なので、天候が良好な時期の白毛門から一ノ倉が見られる「右回り」とした。
前日に移動を開始し、途中仮眠をしながら、4時に谷川岳ロープウェイ駐車場に着いた。まだ眠かったので再度仮眠をしたので、結局出発は6時30分となった。天候は予報とおりで曇りだった。ただ雨が降っていないのが幸いだった。
いつもロープウェイを利用しているので、今回は西黒尾根から上がることにした。西黒尾根は急登の噂であるが、そんなに急登と感じられなかった。但し、緩やかな場所が少ないことから急登と言われているのだろうと思った。
谷川の低い森林限界を越えたあたりから岩場が多くなった。多数と登山者で磨かれた岩がやっかいだった。登りなのであまり問題ないが、下りで濡れていたりしたら非常にやっかいだと思った。
しばらくすると雪田が見え、肩の小屋上部の道標が見えたので頂上が近いことが解った。雪田に着く。トラバースとなるが、そんなに斜度がないのでゆっくりと足ともを固めながら突破した。肩の小屋のベンチで行動食を採る。雨が降ってきたので、雨具に上とザックカバーを装備する。まずトマの耳に到着する。写真を撮り、次に向かう。オキノ耳では日帰りの登山者と軽く会話をし、写真を撮った。雨も上がり、暑いので雨具を脱いで、出発する。
しばらくすると遠くゴロゴロと雷鳴が聞こえた。まだかなり遠くなのであまり気にしなかったが、一の倉岳手前の登りでは、雷鳴が大きくなり、「ヤバイ」と思った。この先の稜線では、遮るものは何も無いので、雷が激しくなれば相当危険が予想された。一の倉岳を過ぎれば直ぐに茂倉岳で、その下の避難小屋があるのは知っていたので、「急いで避難しなければ」と思った。
一の倉岳手前の急登を登り、山頂に着く。更に雷鳴が大きくなり、たまに光る。「かなりヤバイ」そう思った。「ここから茂倉岳までは20分、少し下れば避難小屋がある。急げ。」雪田を走り、茂倉岳手前の登りに差し掛かるころ、更に雷鳴、雨足が激しくなり、ずぶ濡れになった。雨具を上だけ着る。茂倉岳山頂ではもうピカピカ光りまくり、たまに大きな雷鳴が響く。「あと少し」そう思いながら斜面を下る。霧の中から避難小屋の屋根が見えた。更にペースを上げ、小屋脇の雪面を滑り降り、小屋に逃げ込んだ。「危ないところだった」そう思い、濡れた服を脱いで小屋内に張られたロープに掛け、着替えをした。
これからどうするかであるが、今日の予定では蓬ヒュッテでテント泊であるが、ここから約2時間掛かる。3時までに天候が回復すれば蓬まで移動し、回復しなかったらここに泊まることにした。1時間位経過したが、回復しそうも無いので蓬への移動は諦めた。そう思うと腹が減ってきたので、昼食を摂ることにした。昼食と採り、持参したウイスキーをお湯割にしてちびちびやっていたら眠くなってきたので、シェラフを出してウトウトした。
しばらくウトウトしていると単独者が小屋に入ってきた。しばらく話しをして土樽に降りていった。天候は回復し、辺りの山並みが見て非常に綺麗だった。この時15時。まだ蓬まで移動できる時間であったが、既に泊まり気分だったので、移動はしなかった。小屋玄関でウイスキーをちびちびやりながら山並みを眺めていた。次第に霧が出て視界が悪くなったので小屋に戻り、明日の予定を考えた。このまま馬蹄形をやると明日は11時間行動となり、テント装備では厳しすぎる。馬蹄形以外に旧清水街道のいわゆる「点線国道」が目に入り、蓬から下り、点線国道を経て、土合に戻るルートとした。色々考えたら眠くなったのでシャラフに潜り、寝た。
辺りが明るくなり、目が覚めた。外に出ると辺りは霧に包まれており、天候は回復していなかった。時間的に余裕があり、のんびり朝食を摂り、装備とパッキングして6時30分に出発する。
茂倉岳に登り返し、山頂から武能岳方面に向かう。大きく下り、コルから登り返す。武能岳山頂に着く。霧でなにも見えない。本来ならばここから熊笹の美しい山並みと縦走路が見えたのだろうと想像しながら下る。平坦な道を進むと蓬ヒュッテに着いた。小屋を覗くと無人であった。ヒュッテから少し戻り、分岐より点線国道に向かうため、下る。
しばらくすると雪田で登山道が消えていた。かなり大きな雪田で先がどうなっているか解らない。斜度があまりないので、雪田をゆっくりとトラバースする。少し歩くと雪田の向こうに登山道が見えた。数分歩くとまた雪田が現れる。今度はかなりの斜度で、このままトラバースするのは危険と思われた。更に濃霧のため、この先の登山道があるのか、雪田がどこまであるのか、全く解らなかった。ただ解るのは、落ちたらあの霧のなかに消えて行くのだろうと思った。このまま進むのか、戻って蓬新道から土樽に抜けるのか、しばらく考えた結果、お守りで持ってきたアイゼンを履いて前進することにした。
ザック奥に隠してあるアイゼンを装着して、慎重に雪田をトラバースする。滑落したら止めるためのピッケルもないので、絶対に転倒は許されない。数十メートルほど歩くと雪田反対側が見え、登山道が見えた。ほっとしてアイゼンを外す。この先も雪田があると思ったので手に持って歩く。
その後、いくつもの雪田をトラバースする。そのたびにアイゼンを履き、慎重のトラバースし、アイゼンを外すの繰り返しである。また、雪田が後退するときに登山道が崩壊し、非常にざれた崩れ安い登山道を歩いた。
しばらくすると霧が晴れてきて、今まで歩いた来た登山道が見えてきた。よく見ると、3つ程度ある雪田をトラバースする様の登山道は付けられており、雪田を直に降りればかなりショートカット出来た模様である。
そして国道の分岐に到着する。これでもうトラバースせずに済むと思った。多少のトラバースがあったが、おおむね危険箇所では無かった。途中登山道崩壊から新を通る指示が掲示してあったので素直に新道に向かった。
湯桧曽川の流れる沢を幾つか渡河しながら先に進む。途中、大きな雪渓が現れ、スノーブリッジとなっており、ひやひやする場所もあった。広い河原で濡れた装備を乾かし、のんびりする。途中から国道に戻り、幽ノ沢、一ノ倉沢、マチガ沢の眺めながら、駐車場に着く。駐車場脇に谷川岳資料館があったので、見学させていただいた。そして車に戻り帰路についた。
今回、天候不良のため、美しい山並みを見ることは出来なかったが、色々と考えさせられる場面、ターニングポイントがあった。まず、雷。雷が鳴ってから、激しくなるのに1時間も掛からなかった。今回は避難小屋があり、避難することが出来たが、もし無かったらどうなっていたのだろう。ベストとしては肩の小屋に戻るべきだったと思われる。
それから雪田のトラバース。事前に蓬ヒュッテに登山道の様子を問い合わせた情報では、おおむね縦走路に積雪は無いが、沢筋には沢山残っていると言われていたのにもかかわらず、縦走路を外れたルートを選択し、危険な雪田トラバースをいくつも行った。結果論かもしれないが、前日の天候が回復した時点で蓬まで移動し、後日、縦走路から土合に戻ることがベストだったかもしれない。運が悪ければ、一撃で雷を食らうとか、滑落して終わるとかするが、危険なことを繰り返していけば、いずれは失敗する。但し、色々経験しないと技術が上がらない。難しいところである。結果論ではあるが、良い経験となった。
こんにちは。
雷に雪田と、なかなか大変な山ですね。。
私もまだ歩いたことが無いルートなので、挑戦してみたいです。
こちらにコメントさせていただきます。
雷、近かったですね。
よりによってこのあたりで一番高いところできましたね。
お互い無事で何よりでした。
#馬蹄形は残念でしたね。
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